ウォールvsビール

2021/2/15

前回は欠場もあってお預けだった直接対決。ウォールがワシントンに戻ってきました。しかし、ロケッツはウッドだけでなく、オラディポ、ゴードン、タッカー、エクサムと欠場だらけ。ウィザーズはイシュが休みです。

ロケッツはフィジカルな選手を揃えて戦えるチームですが、ビッグマンそのものはウッドの不在もあって弱く、カズンズに頼らざる得ません。その点では八村がインサイドで頑張れるかも重要。特にウィザーズはセンターをワグナーにしてきたので、SFマシューズと共にディフェンシブな姿勢を打ち出し始めており、オフェンスで八村がやることは多いよ。

◎気合のウォール

ロケッツの初得点はウォールがvs八村にしてのミドル。その後のディフェンスでは八村とマッチアップしたウォールがスティール。苦しんロスター事情なので、仕事が多そうなウォール。ケガだけはしないでね。

しかしマシューズがウォールを止めたり、カズンズの3Pが外れたらリバウンドのウエストブルックが走ったりと、どうもうまくいかないロケッツ。こういうことをやられないハードワークが武器になりつつあるのですが、それを上回るトランジションアタックをウィザーズが展開する立ち上がりです。

スターター変更のウィザーズが良くなっているのは、なんでもないコース取り。両サイドにワイドに開いた形で走れているので、ディフェンスが間に合いません。マシューズとワグナーの献身的な走りは良い感じにチームに影響しています。

しかし、そのマシューズがファールトラブルで出てくるのはベルタンズ。なんでここがアブディヤじゃないのか、よくわからん。順当にディフェンスが弱まっていき、ウォールのスピードとロケッツの3P戦術についていけなくなります。マクレモアが簡単にベルタンスを抜いてレイアップしているぜ。

その後ワグナー→ロビンだから、ますますスピード不足になるウィザーズ。ただし、ロビンはオフェンスリバウンドを押し込んでくれるので、両チームが点を取りあう展開になっていくのでした。カズンズの3Pで同点に追いついたロケッツ。でもベルタンスの3Pで再び6点差に離される展開。

気合が入っていそうなウォール。いつになく個人突破が多くなります。オラディポもゴードンもいないので、自分がやる気持ちも強いのでしょう。ガンガンアタックしていくぜ。しかもミスマッチに誘導するまでもなく抜いてしまうんだ。ってことで1点差まで追い上げたのですが、最後もベルタンスが3Pを決めて38-34とウィザーズ4点リードで1Qが終ります。

〇1Qのウォール
15点
FG4/9
4アシスト

〇1Qのビール
11点
FG3/6

12分フルで出場したウォールは見事にチームをけん引しました。こんなに点を取りに行くタイプじゃないんだけどね。トランジションでもハーフコートでもリードしていったウォールに対して、トランジションの流れに身を任せており、個人突破が少なく安定していたビールでした。

◎連携なんて知らない

ウィザーズはポストアップを多く使っています。ポストに立つのはウエストブルック。ドライブするとミドルを多く打ってしまうので、こっちの方が効果的と踏んでいるのかな。ディフェンスを2枚寄せるシーンはあるのですが、パスアウトから3Pにならないので、微妙な感じです。ポジショニングが悪いウィザーズ。それでも少しだけ点差を広げます。

ウォールのいないロケッツはカズンズが頼り。でも、そこまで頼りにならないんだよね。かわりにインサイドプレーが増えるのでカウンターは食らいにくくなりました。ってことで、お互いにトランジションが減って1Qよりも落ち着いた展開になります。よく言えば「落ち着いた」悪く言えば「歯切れが悪い」よ。

ビール・ワグナー・八村が戻ってきたウィザーズはポストアップがなくなります。再びオープンな形で打ちあいに行くのですが、今度は1Qと違ってビールの個人突破が目立ち始めます。フロアは広く保っているけど、仕掛けるのは個人っていうあるある。八村もポストアップじゃなくてコーナーが多いね。

トランジションはともかくハーフコートでビールの個人技ばかりってのは、そんなに得点効率は上がらないよ。そこにウォールが戻ってくるとトランジション返しを発動するから、ロケッツは追いつきます。特にここではノービッグにしてスーパースモールで勝負に出たから走り勝っていくロケッツ。

なんだけど、逆転されたら行くぜビール。自ら決めた後で、パスアウトから八村のドライブ。そしてアブディヤの3Pと決まり、中外中と連動した形でチームメイトも続いたので残り4分で再び8点差に広げます。

うーん、こないだのサンズを見ていると、じっくり構えていくから、なかなか点差にならないのだけど、ウィザーズは一瞬で追いつかれて、一瞬でリードを得ていく感じだよね。アップダウンが激しい。

ロケッツは再びウォール。vs八村をぶち抜けば、vsウエストブルックではスクリーンを使うとベルタンスのマズいカバーで簡単にインサイドへドライブ。またベルタンスを狙うとウエストブルックとの連携が悪くゴール下のハウスをドフリーにしてアシストされるし。ボッコボコにされるウィザーズディフェンス。

トランジションに参加したワグナーがダンク&ワンを決めるも、そのフリースローが落ちたらカウンターでヌワバがダンク&ワン。フリースローのリバウンドからカウンターされるってどうなっているんだウィザーズ。

それでもウエストブルックがミドルを決め、さらにトランジションからビールのパスを受け・・・ゴール下を外しやがった。ビールはフルコートディフェンスでスティールし、そのままドライブレイアップ。八村もフリースローで加点すれば、ベルタンスは4点プレーをヒットします。

これだけやっても、カウンターは食らいまくるウィザーズ。っていうかベルタンスが狙われまくり。そこから攻めれば鉄板って感じに構築していきます。ダントーニ時代に得意としていたディフェンスの悪いところを狙っていく形を再現しているハウスによって、弱点を使われまくりました。

最後にマクレモアがフリーで打った3Pが決まらず、なんとかウィザーズが72-69でリードして前半が終ります。守る気持ちがないというか、連携を構築する気持ちがないウィザーズディフェンスのショーゲームでした。

〇2Qのウォール
7点
FG3/6
3アシスト

〇2Qのビール
8点
FG4/6
2アシスト

ビールがFG4本決めて8点と全て2Pでした。ビールが切れ込むことで成立するオフェンスになっていた形です。ウエストブルックが戻ってきてもビールへのキックアウトパターンはなかったな。

一方のウォールは6分半のプレーで3アシスト。スピードスターが切り裂く上にパスで崩していました。ビールとしては、そんなパスをもらってアウトサイドからも打ちたかったね。

守れないウィザーズと守る気はあるけど守れていないロケッツ。ミッションとしてはヌワバやテイトを相手にするビールの方が大変だと思います。それをこなして同点という展開。選手不足ってことを考えれば、ロケッツは健闘しているね。

◎ウエストブルックの自由

後半になってマシューズが戻ってきたと思ったら、今度はワグナーがファールトラブルでベンチへ。そしてまたも簡単にウォールvs八村になってファールしています。

なんでこんなマッチアップになるのかと思って巻き戻してみると、マジで「何もないのにピックアップの時点でマークが違う」って現象を起こしています。近くにいた選手を捕まえた結果ってだけ。そこで妥協するかどうかのマインドの問題です。

ちょっと面白かったのはウォールがウエストブルックをぶち抜いてカバーがよってくるとパスアウト。そのパスアウト先にウエストブルックがローテできていた事。ぶち抜かれる大問題と、何故か1人だけローテ出来ている謎。勝手にやっている匂いしかないぞ。

ウエストブルックはトランジションで意味のないミドルを打つし、しかもエアボールするし、どうしようもない判断をしているのですが、その一方でウエストブルックがいるとビールの個人技突破がなく、ちゃんとオフボールでスクリーンを使って合わせてからパスをもらいます。形になっているぜ。

そんな感じでウエストブルックのパスからビールが3Pを決め、ロビンの速攻もアシストして11点リードに。ウエストブルックがちゃんと決めていれば20点差だったかもしれないけど、いなかったら負けているかもしれないので難しい。

6分経過しウエストブルックがベンチに下がったので、ビールが長くボールを保持して仕掛ける形になりますが、マッチアップはウォールなので、簡単にはやらせません。そしてオフェンスではウォールがドライブにキックアウトと、前半同様の突破から得点していくロケッツ。これで点差が縮まっていきます。

〇3Qの3P
ロケッツ 2/11

でも3Pが決まらなかったロケッツ。オフボールで動いてくるマクレモアに打たせなかったネトのディフェンスもよくて、カバーでインサイドを固めてくるウィザーズディフェンスを攻略できず、3Qは20点しか取れませんでした。

〇3Qのウォール
4点 
FG2/8
3アシスト

〇3Qのビール
12点
FG5/7

3Qも3アシストとオフェンスを構築できていたウォールでしたが、フィニッシュがね。まぁそれがウォールだ。一方で4アシストのウエストブルックに引っ張られて高確率で決めたビール。これで点差が11点となりました。

なおウエストブルックはFG0/6です。なんであんなにトランジションからミドルを打たなければいけないのだろうか?好き勝手やっていたようなサンダー時代でもそんなに打っていなかったぞ。そのオフェンスをハーフコートでしっかり組み立てれば、もう少しオフェンス力が上がる気がするウィザーズです。

◎昔のウォール

ところでウォールの控えになっているジョーンズっていうPGがなかなかいいんだよね。フィジカルも強そうで強気なプレーをするので控えPGとしては良い感じ。しかし、2Q同様にここでもロケッツオフェンスは機能しません。頼るべき選手がいないんだよね。

そしてウエストブルックから速攻連発でウィザーズのリードが広がって15点差。ディフェンスリバウンドをウエストブルックに取らせる形になっており、守から攻への切替が更にはやくなっているよ。

これで終わりかなーと思ったのですが、ウエストブルック→ビールで再び個人技タイムになってしまいます。それでもタフショットを決めるビールなので得点は止まらないのですが、なんともね。延々と繰り返されるなぁ。

ロケッツはノービッグのラインナップでテイトがインサイドで踏ん張り、ヌワバもダイブしてなんとか得点して対抗しますが、ワグナーもオフェンスで取り返していくので、なかなか点差が縮まりません。ウォールがスティールしたのに、直ぐに取り返して3Pを決めたワグナーでロケッツがタイムアウト。

厳しい剣幕でチームメイトに激を飛ばすタイムアウト中のウォール。このままじゃ終われないとばかりに、この試合初めての3Pを決めて残り3分40秒で10点差まで持って行きます。

ここからハーフコートコントロールに入るウエストブルック。ビールを使っていくとワグナーが3Pを決めますが、急ぐロケッツはテイトとハウスがゴール下で取り返します。ところが、ここにきてウエストブルックもミドルを決めるから、10点差が変わらない。

アーリーでうったウォールの3Pが決まらず、ウエストブルックのアシストから八村が連続得点になったことで試合は終わったのでした。

〇ウォール
29点
11アシスト
3P1/7

よく頑張ったウォールですが、やっぱりこれだけ頼られる形になると3Pが決まらない弱点を露呈してしまいました。まぁ負荷が大きいってことなんだよね。今シーズンは36%決めているのですが、自分がプレーメイクしなくてよいシーンが多かったからの気がします。

言い換えれば、ケガ人が多かったことでウィザーズ時代のようなウォールがみれたっていうポジティブな感想もあるよ。ロケッツの現状としてはよく頑張りました。でもクルッツの出番がなく、すごく寂しそうなのが気になった。放出してあげてよ。

〇ビール
37点
FG14/24

一方で確率良く決めたビールですが、やっぱりウエストブルックがいる時間の方が、変に個人突破ばかりにならず良い感じでした。ってことでウォールとのコンビが懐かしくなってしまったよ。そういうオフェンスをしていけば、もう少し勝てそうなのにね。

〇ウエストブルック
16点
13リバウンド
15アシスト
FG8/22

3Pは3本しか打っていない(全部外した)けど、ミドルが多すぎてFGが悪いウエストブルック。それさえなければ悪くなかったのに、トランジションのミドルなんか必要ないシュートじゃん。ある意味、あれを「ミドルにしないといけない」ってのは不調なんだろうね。

さて、最後に八村の件について触れましょう。そこにはワグナーも関係しています。ミドルが多かったウエストブルック問題はありますが、ワグナーはトーマス・ブライアントに比べればインサイドで合わせる気持ちが強く、ロビンに比べれば3Pが上手い選手ってこともあって、ウエストブルック・ビール・ワグナーでインサイドを使う形になっていました。

そのため八村は両ウイングにワイドにポジションを取っていたわけです。ただ、ここにキックアウトパスが出てこなかったのは、ビールと組んでいる時間が多いことと、ウィザーズに細かい仕組みが足りないことが関係しています。シューターのベルタンスをウエストブルックと組ませたい意向なのだと思うので、八村としては仕方がないのかな。

その一方でコーナーからのカッティングはかなり良かったです。そういうことを出来るイメージがなかったのですが、ウイングからの飛び込みでウエストブルックのパスを受けて本日は13点のうえに9リバウンドでした。

つまりは3&D化した上で、インサイドに飛び込むことが出来てきたわけで、懸念のオフボールプレーに改善の兆しがあります。あと、このポジションだとスクリナーやらなくてよいので、そこのマズさが出てこなかったよ。なお、3&Dっぽいポジションってだけでディフェンスはウォールに手も足も出なかった。

時間がたつごとに悪くなっているイメージすらあったウィザーズのオフェンスですが、選手不足だったロケッツの事情もあって、本日はウエストブルックのミドルさえなければ悪くなかったです。その中で八村も連動し始めていたから、ちょっと興味を持てる試合となりました。

ウォールvsビール” への6件のフィードバック

  1. ロケッツはウッドが抜けてから苦しすぎます。ウッドはトランジションでの決定力、ハーフコートでの中と外のフィニッシュ役、守備でのブロックとリバウンドなど、代役が効かない役割が多すぎました。彼が抜けてからチームの攻撃も面白く無くなってきましたし。ハーデンに慣れているので、ウォールでは物足りないというのがファンとしての本音です。

    1. まぁ仕方ないですよ。ハーデンと比べてはいけないし、ハーデンにはない良さもありますし。

  2. ロケッツはウォール以外点が取れなさすぎ。特にハウスが酷すぎて見てられない。3pが入らないからインサイド攻めれないのは分かるが、もう少しカズンズのポストプレーやピックで攻めて欲しかったわ。
    とにかく、怪我人戻らないなら
    ハウス外して他のプレイヤー使うべき。このままならスケジュール的にも10連敗するぞ。しっかりしてくれHC!

    1. ディフェンス優先のチームなのでハウスを起用しているのだと思います。まぁ単純に選手が足りないし。
      カズンズがやせてポストで押し込めないこともあって、結構難しいですね。

  3. 前回のロケッツvsウィザーズの時もトレードの件(フロントに関する不信感)なのか、めちゃくちゃウォールはやる気満々(そのせいてラスくんと一悶着あったり(笑))で、今回もロケッツのケガ人事情もあって、相当自分からいってましたね。普段はプレイメイクしながら任せるシーンも多いのですが。

    カズンズなのですが、ケガもあって出来るだけ足に負担がないように相当体を絞ったと思うのですが、DFに戻る時などヨレヨレで、痩せるにしてもハワードみたいにもっと体の作り上手く行かなかったのかと。
    特にケガ人だらけでオフェンスオプション不足なので、もう一度太って欲しいくらいです。ストレッチ5で外からばかりで(しかもそこまで確率が)、キングズ時代のドライブどこいったんだよって感じで。
    連敗で辛いです。

    1. カズンズは仕方ないんでしょうけどね。元々、運動量はダントツで少なく、しかも押し込めなくなってしまった。もっとパスが上手かったはずですが、感覚うしなっているのかなぁ。

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