2021/2/13
3試合続けてシクサーズ。イースト首位だしね。まぁ朝早くに放送するから選んだだけですが、3試合続けて観ると見えてくるものも違うよね。ただ、今シーズンは3試合続けて観たところで主力が欠場する試合が多いから参考にならない。ちゃんとそろっている試合が続くのはありがたい。
サンズはアップダウンの激しいシーズンになっていますが、こちらもケガ人の関係が大きかったよ。ブッカーが戻ってきたけど、クラウダーとカム・ジョンソンではなく、カミンスキーがスターターっていうビックリな状況です。ちょっとビッグマンの層が薄くなっています。
◎狭かったオフェンス
キングス、ブレイザーズと共通していたのは3Pを使ってシクサーズディフェンスを攻略すること。一見するとクリス・ポール&ブッカーはブレイザーズと同じことをしそうですが、サンズはハンドラープレーを減らして、しっかりと合わせのプレーを増やすことで成功しており、プルアップ3Pは好まない傾向があります。
ドライブで侵入すると、ゴール下を固めるシクサーズディフェンスを見てジャンプシュートというパターンが多くなる立ち上がり。このプレーは確率も高いし、効果的なのですがダニー・グリーンとシモンズ相手に打ち続けるのは難しく、そこでクリス・ポールがパスを出すとミスになりかけていきます。
エイトンに出したけど誰も触れず、結果的にコーナーへのパスになったり、コーナーへのパスアウトがエンドラインを割りそうになったり、なんとかミスにならずにすんでいた時までは良かったけど、全体的にパスコースを防がれていることは事実。
そして実際にミスになるとシモンズの速攻になり、先にリードを奪ったのはシクサーズ。逆にいえば、前の2試合と違いディフェンスの良さで得点を奪えているシクサーズ。インサイドのエイトンに合わせる形を好むサンズオフェンスに対して、エンビードが引き出されることもなく、安定して守れています。
サンズは選手交代でペイン、ムーア、クラウダー、カム・ジョンソン、サリッチと出てきます。ビッグマンとしては弱いサリッチをセンターにする代わりに、ファイトするウイングを並べ、その上でオフェンスは全員が3Pを打てるセカンドユニットにしてきました。これでエンビードを引き出すかと思ったけど、そのエンビードが交代でベンチに。ありゃ。
そしてクラウダー、サリッチと3Pを打って行きます。ディフェンスが広がったところでムーアとペインがドライブを決めて、狙い通りな感じです。ちょっと取り返したところで1Qが28-23で終わります。
エンビードに対してツービッグで対応するのを狙ったようなカミンスキー起用でしたが、結果的にディフェンスはシモンズのトランジションと、エンビードの1on1にやられたので、あまり意味がなかったね。オフェンスはインサイドを攻めていくのが苦しく、かといってパスアウトも機能しなかったスターターでした。それに比べるとセカンドユニットの方がフロアを広く使えていたよ。
ネガティブな一面がある一方で、こうやってセカンドユニットでも戦えているのがサンズの良さなので、差し引きゼロって感じかな。ちなみに1Qは左サイドからのシュートが全滅だったのも面白い。
◎ポストアタック
シクサーズのオフェンスは、3Pよりもインサイドの堅実性を重視し、ポストアップ多用になりました。本日もエンビードのポストアップが決まっており良い感じ。でも、この傾向はベンチメンバーの方が強まります。ミルトンがいないので尚更。
ドライブを中心に攻め立てるセカンドユニット。そういえばスコットは久しぶりに観たな。ハワードがインサイドファイトすることもあって、そこそこドライブコースが空くので、サイブルやマキシーが飛び込みます。でも、もう少し外から打って行けば、もっと楽にドライブ出来そうなのに。
ってことで、さすがにここではサンズに分があります。ペインからクリス・ポールになったことで、インサイドへの合わせのパスが出まくるぜ。スターターの時には出てこなかったけど、ディフェンスを広げることに成功しているから通るよ。
ただサンズの3Pが決まらなかったこともあって、エンビードとシモンズが戻ってくるまで逆転されずに耐え抜きました。タイムアウトでディフェンスを立て直し、個人の戦いで踏ん張ったイメージ。
ところがスターターがブッカーのドライブ&ワン、ムーアのコーナー3Pで逆転されてしまいます。ペインもドライブを決めており、クリス・ポールよりもシンプルにパスを振ってくるペインに苦労している感じ。エンビードのゴール下ヘルプが間に合っていません。
オフェンスではシモンズとトバイアスがポストアップから決めていくも、ダブルチームされたエンビードのパスアウトをセスが決められず。ちょっと苦しいなー、なんて思っているとシモンズが単独でスピードアップしてエイトンを吹っ飛ばしながらレイアップ。もう1つ個人でトランジションアタックしてファールドローします。
しかし、このファールでエイトンが下がってサリッチが出てくると、サンズのディフェンスプレッシャーが強まり、ポストアップが効かなくなります。ラッキーなファールコールと、高さでリバウンドを押し込んだエンビードによって、何とか得点を繋ぎ、同点に追いついたものの、ちょっと苦しげでした。
前半は53-53で同点。シクサーズとしては、クリス・ポールが出ている方が楽だったのですが、その理由もエイトンのポジショニングがゴール下になるからという、どっちかというとセンターの事由でした。エイトンはクリス・ポールがいないとハイポストが増える。
ゴール下をエンビードが塞いでいないと、割と簡単にドライブで切り裂かれているのは気になるところ。途中からサンズは3Pを打つ必要もなくなり、ポストアップばかりのシクサーズと共に、アンチ現代てきなスタッツになりました。
〇前半の3P
サンズ 2/9
シクサーズ 2/11
タイムスリップしたようなスタッツ。問題があるのは、これで「サンズのオフェンスが形になったこと」にあります。そんなに前に出る必要がないわけだし、ドライブされすぎだったんじゃないの。
キングス、ブレイザーズとは全く違う攻略をしてきたサンズ。お互いに3Pがカギになりそうな後半です。
◎一進一退
後半開始でクリス・ポールからエイトンへの合わせのパスが通ると、次のプレーでミドルにして決めるクリス・ポール。さらに3Pも決めて先手を取ったのはサンズ。
トバイアスのドライブとエンビードのミドルで取り返しにいったシクサーズは、セスとダニーのミドルも決まって前半よりもバランスよく得点を取って簡単に追いつくと、クリス・ポールからスティールしたダニーのダンクでサンズがタイムアウト。
エンビードをミドルレンジにおくシクサーズは、インサイドにシモンズやトバイアスが飛び込む形を連続します。エンビードがミドルをしっかり決めていく事で機能していくのですが、相手がエイトンだからか強引なファールドローをしないのも珍しい。
一方のサンズはまたクリス・ポールの出したパスが誰もいないところに飛びます。今日は何なんだろうね。でも自分で打つと3Pをヒット。ディフェンスがクリス・ポールに集まっているわけじゃないので、自分で打った方が良さげ。
そんな感じで一進一退。どっちも5点以上のリードを得られないまま残り4分に。先にセカンドユニットになるのはサンズ。またもサリッチになってディフェンスが良くなり、エンビードを止めると、エンビードはハワードと交代。モンティ・ウィリアムスは最後に誰を起用するのか迷いそうな展開だ。
エンビードがいなくなったゴール下へ攻め込んでいくブッカー。エンビードいても行くけどさ。連続アタックで得点を奪うと、続いてカム・ジョンソンもドライブからファールドローに成功します。合わせるよりもハンドラーアタックが効果的なのは変わらないね。
そしてブッカーがドライブと見せかけてのパスアウトでカム・ジョンソンが3Pを決めます。中でも外でも得点したので、このままサンズが行くかと思ったら、タフ3Pを決めたサイブルがディフェンスでもブッカーを止め、86-81の5点差で3Qが終わります。
◎クリス・ポールの判断
エンビードをいれてきたシクサーズ。ポストアップへのパスをサリッチがスティールします。奇しくもモンティ・ウィリアムスは交代策の変更をすることなくサリッチをぶつけることに成功しました。
そしてオフェンスでも、エンビードにマークされたサリッチがワイドオープンになって3Pを決めて11点リードに。
サリッチとエイトンではサリッチの方がプレッシャーをかけて良いディフェンスをしています。エイトンがエンビードを守っていると、イージーにミドルを打たれてしまう。ところが、エンビードはエイトンには強引に来ないのでファールドローがなく、サリッチだと押し込んでくるから一長一短です。
実際にタイムアウトからシクサーズはアイソ気味にして、エンビードは強引なアタックをしてきます。ファールドローにダンクで取り返すエンビード。それに対してワイドオープン3Pを外してしまったサリッチ。
エンビードはミドルも決めて更に追い上げますが、サリッチも強気にアタックしてレイアップを決めます。すると、この後のスローインでラインを踏んだエンビードにより、もう一度サンズオフェンスに。ここでもゴール下に飛び込んだサリッチが強気にシュートに行くとエンビードがファールします。これで再び11点リードに。
先にスターターを戻したシクサーズ。シモンズはエンビードに渡さないプレーを選択し、ダニーの3Pが決まりますが、セスはエンビードに渡してしまうと、またもサリッチがスティール。別人みたいなディフェンスしているサリッチ。こんなに守れる選手を手放してしまったウルブズ。
でも、元々守れるシモンズはクリス・ポールとブッカーからターンオーバーを引き出します。さらにサリッチと交代したエイトンがシモンズに対してイリーガルスクリーン。シモンズのディフェンスによって反撃していくシクサーズ
しかし、今度はスクリーンに成功したエイトンによってクリス・ポールがフリーになると確実なミドル。なかなか点差が縮まりません。エイトン相手にミドルを打つエンビードと、エイトンのスクリーンさえ成功すればミドルを打てるクリス・ポール&ブッカー。同点ならともかく、リードを得ているならサンズの方が有利かな。
ピック&ロールからエイトンのダンクをアシストしたクリス・ポール。次のプレーでは同じ形からミドルを選択し決めます。あれっちょっと前にも同じこと書いたな。いずれにしても、スクリーンで抜け出し、エンビードを見てプレーを決めるクリス・ポールで堅実なプレーを積み重ねるサンズ。ブッカーのプルアップ3Pも決まって、残り3分で14点リードに。
エンビードがエイトンに押し出されるも、これがまさかのステップバック3Pになります。しかし、ブッカーがディープ3Pでお返し。マークしていたシモンズがスクリーンにきたエイトンをかわすために目線を送ったのをみて、見事な判断だったぜ。
残り1分半14点差になって諦めたリバース。引き際が早いんだけど、エンビードを4Q開始から起用していたので、もうムリことでしょうね。
◎魔境だな
これでサンズは5連勝で16勝9敗と上げてきました。でも実は連勝は全てホームにイーストのチームを迎えての勝利で、イースト相手には7勝2敗、ウエスト相手は9勝7敗です。つまり、サンズがイーストだったら首位にいるかもしれません。
逆にシクサーズはこれでウエスト相手は3勝5敗。スピードスターのフォックスでかき回してくるキングスの次に3P打ちまくってきたブレイザーズと戦い、今度は連携でインサイドを崩してくるサンズの相手をしなければいけませんでした。
それぞれ対策が必要なスタイルなのに、特徴が大きく異なるから大変だ。コーチ陣はウエストの魔境に慣れているので、割と対応できていますが、選手の方は簡単じゃないだろうね。35点のエンビードは良くミドルを決めていきましたが、言い換えると個人技に託すしかなかったわけで、サンズディフェンスを攻略できなかった印象です。それもリバースっぽいか。
ってことでウエストの魔境な感じを痛感するシクサーズの3試合でした。「芯が強い」というよりも「柔軟に戦える」かどうかも試されるからなぁ。
一方でサンズからすると、基本的には通常通りのオフェンスでシクサーズの出方を見た判断により攻略した形です。そこまで特別なことはしなかった。後半だけで24点のブッカーが乗りまくっていたけど、個人能力って感じだったしな。
ディフェンスについてはエイトンとサリッチの違いでシクサーズ対応をしてきた感じです。エイトンを相手にしたエンビードのミドルが決まりまくったのは計算外な気がしますが。
〇FG
シクサーズ 52%
サンズ 61%
なんだこれ。ちょっと信じられない確率で決め続けた両チーム。打たれたら決められる感じの中でサリッチの4スティールが光りました。こんなに決められているけど、勝因になるのがディフェンスっていうね。
シクサーズはミルトンがいないとベンチはいないも当然のようなレベルなのでどうしてもスタメンのプレータイムが増え疲労が溜まり、元々あったスタメンの優位性が失われていると思います。ベンチ得点も30点差ついてますからこれではいくらスタメンの優位性あろうと勝てないですよね
ベンチの層を放出しまくってきましたからね。
トバイアスの負荷が大きいのが気になります。
もっと分散させても良いのに。
カミンスキーのスタートは、サリッチ、ペインの長い欠場とクラウダーの怪我が
もあって3試合ぐらい前から始めたものです。ルーキーのスミス君が成長して層を厚くしてくれるといいですが。
今日の試合はバブルの時からの上積みが見れて嬉しかったです。ベンチで追い上げ、クリポとブッカーで締める。後はエイトンがナゲッツ戦やキャブス戦みたいな活躍をコンスタントにできれば…
カム・ジョンソンをスターターにしているときに、イマイチ相性が悪い気がしました。
それがクラウダーと共にベンチから出てくると復活していたのが大きいです。
こういう部分で相性を優先するような采配が目立ちますね。
サンズもやっとフルメンバーで戦えたんですよね。
サリッチがコロナと捻挫で、相当数欠場していたので、そこをキングスをクビになったカミンスキーで凌いでいた訳で。
怪我の功名で、カミンスキーのパススキルが覚醒するわ、スリーが珍しく入るわで。
何試合かはカミンスキーで勝ち取った勝利もありましたね。
スタートは、どこからでも点が取れるし、カムジョンソンはベンチでいいなと思っていたので、このスタートは悪くないなと思います。
今日のカミンスキーは、いつものカミンスキーに戻ってしまいましたが。
イートワンも、ここのところペインのケガのお陰でハンドラーでそこそこ出ており、渋い働きをしていました。
ペイン、イートワン、カムジョンソン、クラウダーにサリッチ。
このベンチは、レベル高いですよ。
ギャロウェイ、ネイダーも使えますので、ケガ人が出ても対応出来ます。
クリスポール、ブッカーの長期離脱がなければ、久々のプレーオフが見えてくると思います。
何がスゴイって、ムーアはともかく、他の選手はそこまで頼れる存在じゃなかったのに、サンズに来たら安定感があることです。
サリッチを見ていると、自分の武器を発揮できる環境で、かつハードワークを徹底してしみこまされるのが大きいなと思います。
カミンスキーは10試合に1回くらい爆発する選手でしたが、今は爆発しない代わりに安定してきた気がします。