ブルズvsウィザーズ

2021/2/8

そろそろブルズを見たいなと思って選んだ試合。開幕からめちゃくちゃだったブルズ。これまでの個人による仕掛けばかりから脱却するために、生みの苦しみみたいにチームオフェンスに苦労していました。そこから勝率を上げてきましたが、チームオフェンスが構築でき始めたのではなく、ラビーンとホワイトによる個人の仕掛けを増やしてきました。元に戻ったぜ。

それでもマルカネンの得点も増えたりして、次のステップに進んでいるのかなと思って見るのが本日。そのマルカネンはケガで2~4週間の欠場。オット・ポーターもヴェンデル・カーターもいないので、逆にラビーン&ホワイトを支える形のチーム構成になっていそうです。

ウィザーズを見るのはなかなかの苦行。連戦なので例によってウエストブルックは休み。ってことは、かなりケガの状況が怪しいんだろうね。アブディヤが何故かベンチスタートになって、代役がネトとベルタンス。八村、ベルタンス、アレックス・レンと並べて守る気はゼロって感じです。ただ、インサイド固めておくのは、どうせ守れないならプラスかもね。

◎周囲を使う

ブルズは予想通り、ラビーンとホワイトのアタック中心ではありますが、何もないところから2人が仕掛けるというよりは、しっかりとスペーシングしたうえでスクリーンなどを用意し、ディフェンスが寄ったらパスアウトしているので、以前よりもかなり良い感じのスタートです。

役割分担がはっきりしているから、ムリなプレーが少なくなった。なんて思っていたらパトリック・ウィリアムスのドライブパスアウトからガーランドのミドルなんてプレーも出てきて、役割を超えることも含めてプレーしているね。

まぁ相手がウィザーズのディフェンスだから、ディフェンスローテが遅く、ひとつひとつのプレッシャーが少なくてやりやすいともいえます。逆にラビーンなんかには、さすがにディフェンスが集まってくるので、周囲の選手で勝負したほうが効果的。

しかし、バレンタインやテンプルの3Pが決まらなかったブルズ。その上でゴール下ではアレックス・レンのブロックを食らってしまったりと、なかなか苦労します。単純なマッチアップではガーランドとサディアス・ヤングは強くゴール下を攻めているけど、ガード陣のドライブにはブロックが多く飛んできます。

PGサトランスキーになると、そんなブロックの逆を取るようにヤングに合わせるパスが効いていきますが、相変わらず3Pは決まらず、意外にも得点が伸びないで1Qが終ります。3Pを決めたのはラビーンの1本のみ。ディフェンスが寄ってきたホワイトはFG1本打っただけの無得点で周囲にパスを供給し、ガフォードとヤングで14点でした。

ディフェンスの出方に対して、周囲の選手を使う形を出来たともいえるブルズ。でも3Pが決まらないから27-24でした。3点リードだから悪くはないけどね。

◎ベルタンスだけ

3Pが決まらなかったのはウィザーズも同じ。決めたのはベルタンスの1本のみ。ビール中心に攻めて、ディフェンスが寄ってきたらゴール下でフリーになったレンにアシストが通って・・・とほぼブルズと同じような内容になっていました。ビッグマンが堅実に押し込みあいをしている。

ベンチから出てくるPGがサトランスキーである分だけブルズの方が上回っている感じです。そういえばウィザーズってサトランスキーの対価で誰を得たんだっけ?

しかし2Qになるとロビン・ロペスがゴール下を塞ぎ、そしてベルタンスの3Pが決まったことでウィザーズが逆転します。ウエストブルックもビールもいない時間帯になったので、迫力不足ではあるものの、ガードからの突破ばかりではなく、インサイドを起点にするプレーもあるので、「話が違うぜ」と言いたくなりそうなブルズディフェンス。

ベンチから出てきたアブディヤはディフェンスでも先読みスティールするし、ロビンが空けたスペースに飛び込むカッティングもするし、ウィザーズでは珍しく気の利いたプレーをしてくれています。なんでベンチスタートなんだろ。

1年前を思い出すとケガ人続出のウィザーズは、誰が誰だかわからない選手ばかりになって逆に良いチームになっていました。そんなことを思い出したくなるセカンドユニット。スクリーンとハードワークで助けるロビンと、攻守でスペースを埋めに行くアブディヤ。ロビンのスクリーンがあれば3P決めまくるベルタンス。

ウィザーズが打った10本の3Pのうち6本がベルタンスなので、1人に打たせ続けているのですが、それを止められないブルズ。止めさせないロビン。ビッグマン同士のスクリーンでクイック3Pって止めにくいよね。

ウィザーズが8点リードでスターターが戻ってきます。するとラビーンvs八村やバレンタインvsベルタンスといったスピードのミスマッチからドライブを食らい始め、ファールが増えていきます。レンが止めてくれるシーンもあるのだけど、どんな時もブロックに来るような高速ヘルプは持っていないし。持っていたらラプターズからウェイブされていないし。

それでもオフェンスではビールのアシストからレンの押し込み、八村のドライブとインサイドで得点が繋がっていくので対抗できます。ウエストブルックが外から打っていたらヤバかっただろうね。しかもビールがファールトラブルでベンチに下がったので、どんどんインサイド中心になっていくウィザーズ。

ってことで、なんだか予想外にロースコアな展開が続いていた試合ですが、2Q後半になってからはお互いにズルズルなディフェンスが目立つようになりました。スピードを止められないウィザーズと、インサイドを止められないブルズ。

〇前半の3P
ウィザーズ 4/14
ブルズ 2/14

でもどっちも3Pが決まらなかった。なお、ウィザーズが決めたのは4本全てがベルタンス。ベルタンス以外の3Pが決まらなかった前半でした。58-48でウィザーズが10点リード。既に34点ものペイント内得点をしているウィザーズなのだけど、その割には・・・って感じです。

またもウエストブルックがいない試合で勝ててしまう匂いがする前半でした。ツーガードがエースだと単調になりやすい問題があるよね。それを解決するような工夫もないし。欠場してくれることでオフェンスのバランスが良くなるっていうね。

ブルズは2Qもホワイトが無得点。その割には頑張ったとも言えます。バレンタインはシューターじゃなかったっけ?

◎3Pが決まり始める

パトリック・ウィリアムスに続いてラビーンも3Pを決めたブルズ。軽やかにスタートしたと思いきや、ガフォードが連続でファールコールされてブチキレ&テクニカル&5ファール。ベンチの端っこに行って頭を抱えてふさぎ込むガフォード。

ただ前半同様にガフォードと交代ではいったヤングのインサイド合わせが決まるので5点差に縮めます。3Pが決まったから追い上げた感じ。バレンタインも連続で決めたぜ。

それを今度はビールが3Pで突き放しに行きます。似たような展開になっていくね。八村もドライブからファールドロー。なお、パスアウトしたらベルタンスは決まらなかった。インサイドからのパスアウトは気持ちよく打っていない雰囲気なので不思議な感覚を持つシューターだよね。

逆転しそうなブルズでしたが、ビールの3Pに飛び込んだバレンタインがフレグラント1をコールされたりして、1ポゼッション差にしては引き離されてしまいます。アブディヤが持ち出して速攻を八村がフィニッシュ、トランジションでゴール下を押し込むロビン。そして八村がドライブを決めて再び10点差に広がります。

それでもラビーンの3Pで追い上げたブルズですが、ロビンが出てきてからインサイド合わせが決まりにくくなります。そしてラビーン→ホワイトの交代から、オフェンスが困り始めます。ホワイトがやっとミドルで初得点するも、ひと呼吸遅いパス回しはウィザーズディフェンスに追いつかれてしまうし、3Pも決まらなくなってしまった。

83-78で3Qが終ります。一応、5点縮めたブルズ。段々ラビーン頼みになってきました。ウィザーズは、うーん、なんだろうね。よくわからないけど点が入った。八村は頑張ったけど、まぁそれくらい。それよりも「とりあえずインサイドは固めておこう」のリスク回避のディフェンスが機能したのかな。

◎あと1本

インサイドでファールをもらってワンポゼッション差にしたブルズ。ウィザーズは好調の八村にボールを集めますが、これをダブルチームで止めて、同点にするチャンスが何度も訪れますが、その度にミスをするブルズ。どうしても同点にしたくないのか。そしてアブディヤとイシュに取り返されて、再び7点差に広がります。

広がるとホワイトのミドルで追い上げるんだよね。しかし、今度はビールが連続得点で突き放しに行きます。そしてラビーンが取り返す。順当に個人技が増えてきたぞ。

アンラッキーだったのはウィザーズ。スクリーンに行ったわけでもないロビンの足にテンプルが引っかかってオフェンスファール。その前もガフォードとのポジション争いでファールコールされており、連続ターンオーバーになってしまい、バレンタインの3Pで残り6分2点差になります。またワンポゼッション差だぞ。

ここもビールのドライブであっさり解消。続いてレンがファールをもらい加点すれば、ラビーンの3Pはエアボール。ビールのレイアップが外れたのをレンがプットバックして、またも8点差に広がります。

何度やっても「あと1本」が決まらないブルズ。追いつかれそうになっても突き放すウィザーズ。どっちかっていうと、追いつきそうになるたびにターンオーバーしているブルズのマズさの方が目立っています。

で、そんなときにバックドアするラビーンへのパスがミスになってターンオーバーのヤング。これが8点差になったら同じようなプレーを成功させます。続いてラビーンが速攻からファールドロー。残り2分40秒で再び2点差。試合を決められないウィザーズ。

まぁここもビールのシュートミスで同点のチャンスが来るけど、ラビーンはフローターが決まらず。ビールがフリースローを得て4点差。次はビールがひきつけてレンへアシスト。ダンクにファールされたけどフリースローになって、残り1分14秒5点差。

そしたらねラビーンはファールドローに成功するんだ。ディフェンスではビールからターンオーバーを引き出して、残り34秒で3点差。ワンポゼッション差だ。いい加減追いつけよ。

タイムアウトのブルズはスローインしたホワイトがギブ&ゴーの形でもらいなおしてフローター。これで1点差。さぁあと1本は届くのか。

ウィザーズは当然のビール。たっぷりと時間を使ったイシュからボールをもらうと2つのスクリーンを使ってインサイドへ飛び込みファールドロー。ところがフリースローは1本ミスしたので2点差。ブルズはこの試合、何度目の2点ビハインドのオフェンスだろうか。

vsビールのアイソを見事にぶち抜いたラビーン。レンのブロックもしっかりとかわして打ったレイアップは・・・外れたよ。

ってことで、勝負弱すぎたブルズ。10点差で始まった後半に5回もワンポゼッション差に迫りながら1度も同点に行きませんでした。何かの魔力にでも阻害されているかのように追いつきそうになるとターンオーバーを繰り返し、最後もレイアップが決まらないっていうね。

〇ターンオーバー
ブルズ 16
ウィザーズ 14

別にブルズの方が著しくミスが多かったわけではないんだけどね。オフェンスリバウンドも10ずつと互角。ビールとラビーンは仲良く35点ずつ。しかし、追いつかれそうになって突き放していたビールと、追い上げるときにシュートを決めていたラビーン。苦労していたのはラビーンの方ではあったよ。

ブルズとしてはホワイトが8点だったのが痛かった。逆にウィザーズは19点の八村とFG5/5のレンで助けられました。インサイドを攻め込めたことが勝利のキーポイントですが、点数的には105-101とロースコアなので、ウィザーズが勝ったというよりは、ブルズが負けた試合です。

これでウエストブルックがいないと勝てるパターンがさらに増えてしまいました。前半はまさにそんな感じでガードアタックが減ったことで良くなったね。でも後半は47点に留まっており、パンチ力不足だったことが接戦になってしまいました。いるのもいないのも一長一短。今日はブルズの方がケガ人だらけで困っていただけなので、やっぱりいた方が良いとは思います。まぁそこまで大きな差を作ってくれないのも事実だ。

あぁそういえばブルズを確認したかった試合でしたが、ガフォードやヤングへのインサイド合わせが形になっている印象があります。それは3Pを打たないレンとロビンになってウィザーズが良くなったのと同じだね。戦術が未成熟なら、ハードワークしてくれるセンターの方が役に立つ。

ラビーンのアタックとインサイドの合わせは形になっていますが、パスアウトでの3Pとなるとイマイチ。それ以上に3つ4つのパスをつなぐような形だったり、3人目の動きみたいなのはなかったです。それはビリー・ドノバンに期待しても仕方がない部分だよなぁ。

そう考えると、やっぱり3人目のアタッカーが欲しい。ホワイトが不調だったからこそではありますが、もう1枚いないと厳しいよね。サトランスキーとルー・ウィリアムスのトレードを提案するか、パトリック・ウィリアムスの成長に期待するか。そんなところかな。

ブルズvsウィザーズ” への8件のフィードバック

  1. シカゴはマルケネンとの契約延長どうするのでしょうね。
    シーズン前はオファーしたけどマルケネン側に断られたそうですが。
    ウェンデルカーターと共存できる未来が見えないです。

    1. 売ってしまった方が良いと思うのですが、ブルズが自分たちで価値を落としまくったので、売るに売れないんでしょうね。
      他のチームも高額オファーするにはケガが多すぎるし、RFAなので残せると踏んでいるのかも。

      いずれにしても、誰かは諦めるべきなので、そこの判断を早くしないと苦しいです。
      サラリー的にも、対価を狙う意味でも、ラビーンを売るのが一番ではあるのですが・・・

      1. リプライありがとうございます。
        ロンゾを獲得したい(ロンゾ側が出たい)という話もあるようで、だったらドラフト前にトレードしてラメロにいけたのではとか、色々考えてしまいます。

        いまだチームの方向性がよくわからないです
        HCがドノヴァンなのも含めて…

        1. ロンゾとマルカネンのトレードは良いかもしれません。
          ディフェンスの良いガードがいないブルズ
          ストレッチタイプのビッグが欲しいペリカンズ
          思惑は一致しそうです。

          でも、本人たちからすると、どちらもベンチスタートになる可能性もあるわけで嬉しくないかな。

  2. オクラホマシティにわかです。古巣オクラホマの将来、ウォール率いるヒューストンの活躍を尻目にラスが最近散々で悲しい限り。

    今日のブルズは追いつきそうでミスってまた離されるってのがいつものウィザーズっぽくて辛かったです。ウィザーズも逆に言えば追いつきそうな雰囲気の試合多いんだよな。ここ数試合は追いつきそう→ミス→超離されるってパターンが無茶苦茶多くて話にならないんすけど。特にブレイザーズ戦の前半終了間際、同じくブレイザーズ戦終盤、ヒート戦の6点差まで行ってから、この辺り。本当に一瞬で離されるんですよ。そん時のラインナップってベルタン八村レンとか、イシュラスビールベルタンとか、わけわからん采配で全く守れないみたいな場面も多くて。HC変えれば割と戦えるチームな気がするんですよあたしゃ。なぜアブディヤをあの場面で残しとかない?みたいな。せっかくビールも終盤点取ってくれるようになって、戦えそうなのに。ぐぬぬ。

    なんか今日は勝ったけど、相変わらずベルタン無茶苦茶引っ張ってたなぁ。なんなんすかねほんとに。ベルタンをあそこまで引っ張る理由と謎ラインナップって何か理由はあるんでしょうか?なんだかよくわからないまま見てます。

    1. オフに高額かつ5年契約した時点で、構想がめちゃくちゃでしたね。八村を育てたいんじゃなかったのか?

      HCは交代すべきですが、ロスターについても構成がめちゃくちゃなのがウィザーズの苦しいところです。
      そこはウルブズとよく似ている。

      アブディヤみたいに気の利くタイプを活用できないと勝利は遠いですが、全然活用してくれないし。うーん。

  3. 八村はどうご覧になりますか?
    個人でなんとかするタイプではないのでプランも何もないチームだと困ってる感じに見受けられますが
    ハッスルして輝く試合と完全に空気になる試合のどちらかで波が激しいですよね

    1. シーズン前に書きましたが、とりあえずは3&Dとして余計なプレーをそぎ落として、
      ディフェンスとポジショニングの精度を上げないと苦しいでしょうね。

      輝く試合と空気になる試合があるのは、自分とマークマンに何らかの能力差があるかどうかで変わってくると思います。
      特出した武器がない代わりにオールラウンドに出来るわけですが、空気になる試合は全部を止められてしまいます。
      そこを回避するためには、フリーになる動きをみにつけないと厳しいでしょうね。

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