ペイサーズvsジャズ

2021/2/7

今日はスーパーボウル。タイムアウト中の話題もスーパーボウル。でも、そんなのを見ている暇はないぜ。

「ジャズの好調さは健康」「欠場しないコンリーの活躍が光る」と書いたら欠場のコンリー。欠場がいないからローテが上手く回っていたのですが、これで崩れてしまいました。本日はコンリーのところにイングルスを当てはめ、ローテもそのままコンリーと同じようにゴベアと組ませてきました。

◎サボニスに頼りすぎ問題

最近のペイサーズはサボニスに頼ることが増えすぎているのが悩み。それはある種の「もう1つ上の選手になってくれ」って感じで、他のチームのエースがやるように個人での突破が仕事になってきました。

本日の相手はゴベア。ビッグマンが難しいのは相性問題もあることで、ゴベア相手にインサイドは難しい。一方で3P決めれば楽に点が取れます。サボニスも狙い通り試合開始から3Pで得点し、インサイドに行くとシュートを外してしまいました。

ジャズに勝つのは簡単な戦術もあって、センターが3Pを打ち続けて、ちゃんと決めれば良いのです。そのうちマッチアップがオニールに変更されるから、そしたらインサイドで押し込もう。戦略はシンプルですが、これが出来るのはヨキッチくらい。だから勝ったよナゲッツ。タウンズが元気なら、この理論を試して欲しいんだけどな。

そんなわけでゴベアがいるときにターナーも3Pを決めたことで先にリードするのはペイサーズ。しかし、フェイバーズに交代すると中でも外でも攻められなくなり、ジャズが逆転します。ゾーンもしているジャズがフェイバーズのカバーリングを有効活用しているね。

再びゴベアが戻ってくると、ペイサーズはビターゼを出してきます。ここでサボニス中心にオフェンスを構築出来れば良かったのですが、引き続きゴベアにはサボニスをマークさせ、ビターゼにはニヤングにしてきたジャズ。でも3Pラインの外で構えているビターゼ。それじゃあ5人がアウトサイドに行くしかないから苦しいじゃん。

ってことで、サボニスに頼りすぎってのは、こういう時にビターゼ(ターナー)の方をインサイドで使っていくような対応が出来ないってことでもあります。シーズン序盤はターナーとポジションチェンジしていた気がするんだけど、なんでだろうね。

なお、ビターゼはディフェンスではゴベアを止めていたので、パワーで対抗できる選手を当てるのは成功していました。オフェンスもパワーで良かったのにな。ヨキッチならポストアップしたぞ。

1Qは25-20でジャズがリード。クラークソンがスピードのミスマッチになったときに連続3Pを決めたことでリードした感じなので、どっちもオフェンスが良かったわけではなく、ディフェンス力の勝負になっていました。ゴベアがいるインサイドから攻めちゃダメでしょ。もっと違う事をすべきだったペイサーズです。

◎ジャズの単調さ

またもクラークソンがトランジションから3Pを決めてリードを得てはいるものの、ペイサーズのディフェンスに対して最近お得意のパスゲームでズレを作れないジャズ。コンリーが良くなった理由の1つがシューター的にオフボールで動き回ることでしたが、イングルスにハンドラー役を任せているので、いまいちポジションチェンジがないから、ペイサーズはフリーを作らせません。スイッチする必要すらないもん。

ビターゼのワンビッグになったペイサーズが、マッコネルやアーロンのドライブから崩してビターゼが中でも外でも合わせる形になり、点差を縮めていく頃、ジャズも再びドノバン&フェイバーズにスイッチすると、動き回るフェイバーズによってペイサーズディフェンスがズレ始めます。

ジャズには変な課題があって、フェイバーズがセンターやっている方がオフェンスは多彩になるのだけど、多彩になるだけで確率が悪いっていうね。だからゴベアのプレータイムを長くしているのですが、プレーオフになったら困るんじゃないかって気がしてきます。

ここでも明らかにズレを作れているのに、ドノバンがダンクミスしたり、ボグダノビッチのオープン3Pが決まらなかったりしている内に、パスも合わなくなってターンオーバーが出て逆転されてしまいます。単調だけど確率を選ぶか、負けることも含めて多彩さを作り上げていくか。

そしてゴベアが戻ってきた2Q終盤はディフェンスブロックの外からドノバン、オニールと射貫いて、アウトサイドにディフェンスが出てきたらゴベアにロブパス。ディフェンスを大きく動かせてはいないけど、確率良く決まっているな。

前半は47-47で同点。ロースコアだったわけですが、ジャズもペイサーズも3P40%決まっており、アウトサイドからはしっかりしていました。ペイサーズはゴベアの高さに対してシュートを決められず、ジャズはディフェンスを崩せないで困っていた。

「ディフェンスの良い両チーム」といえばそれまでですが、お互いのオフェンスにおける問題点も出ていたような前半でした。

◎スピード担当

ボグダノビッチとオニールでスイッチ誘導して、ポストアップやドライブでインサイドを攻めるような工夫をしてきたジャズ。ペイサーズはブログドンがドライブ+インサイドに飛び込んだのはターナーということで、こちらも修正しています。

前半からホリデー兄のディフェンスに対して苦しんでいたドノバン。ここでもジャスティンのディフェンスに対して、いつものゆったりとしたリズムからハンドルミスでターンオーバーしてしまいます。

すると人が変わったように、パスを受けてからクイックで仕掛けるようになります。一瞬のスピードでペイサーズを切り刻み、ゴール下のゴベアへのアシストを連発。突然のスピードアタックに面食らったようなペイサーズは、オーバーヘルプでゴベアを空けてしまいました。

ゆったりとフロントコートにはいった時は、自分で仕掛けず、ギブ&ゴーから始めることで、ちょっとずつジャズのオフェンスに動きが出てきます。相変わらず、それが確率良いわけではないのですが、何を中心に守れば良いのか難しくなってきたペイサーズ。

ただペイサーズもブログドンを中心とした形になれば、マッコネルが登場した事もあって、サボニスにボールが集まり過ぎずバランスアタックになっていきます。ところが、残り4分で66点目を奪うと、そこからシュートを落としまくり、3Q終了までマグダーモッドのレイアップによる2点しか加えられませんでした。

良い感じにいろんな選手で攻めていったのにフィニッシュが決まらないなんてジャズみたいだね。そのジャズは戦術の外側にいるクラークソンが軽やかなアタックでペイント内を攻めていきました。ドノバン同様にスピードアタックが功を奏した形。

3Q終わって75-68と引き続きロースコア。前半と違ったのは、お互いに3Pが決まらなかったこと。オフェンスに動きが出てきたらシュートが決まらない。動きすぎると決まらないのは、良くある話ではありますが、ジャズの方はスピードで決めた分だけリードしたのかな。

◎逃げ切れ

4Q序盤のジャズはニヤングがマッコネルのマークになる変なマッチアップを選択します。「マッコネルなんてインサイドで止めればいいんだろ」とでもいわんばかり。それをマッコネルのスピードで振り回しに行かないペイサーズによって、この試合最大の10点差になります。

ところが、このリードはあっという間に溶けてしまいます。狙い通りに3Pを外してくれるマッコネルでしたが、なんとオフェンスリバウンドを自分でキープしてショートレンジを決めて反撃。そしてジャズはジャズでワイドオープン3Pを3連続でミスしてしまいます。なんだこの試合。変な感じ。

〇ペイサーズのフリースロー
~3Q 8本
4Q 10本

また、ロースコアだった1つの理由にノーファールで守るジャズによって、ペイサーズのフリースローが少なかったことが関係していましたが、4Qは無駄なファールが多かったジャズによって、5分でペイサーズにボーナススローが与えられるようになり、残り6分サボニスのゴール下で試合は振り出しに。

ドノバンのプレーメイクからボグダノビッチがドライブ&ワン。さらに同じような形から3Pで6点リードにするも、この3Pの後でテクニカルをくらうボグダノビッチ。それでもサボニスがオフェンスリバウンドの争いで倒れこんでいる間に、フリーになったイングルスの3Pで再び8点差に広げます。

ペイサーズはここからサボニスが果敢にゴベアに挑んでいき、ファールドローやゴール下を決めるものの、それが確率良く決まり続けるならゴベアの価値はないよね。その圧力でシュートミスを誘っていくゴベア。

オフェンスはゆっくりと組み立てるドノバンが、ドリブルしながら靴紐を結ぼうとしておいての加速をするなど、イングルスと共にリードを使いながら時間を消費していき、逃げ切りましたとさ。

良い試合だった気もするけど、なんだか並みのなかった試合でもありました。燃え上がるような展開に欠ける。ハードなディフェンスよりもクリーンに守っていたので、激しいファイトも少ないし。観客泣かせだったかも。

◎読まれ始めているような

まぁ全体的にもう少しジャズが楽に勝っても良さげな展開でした。ペイサーズはペイント内のシュートを落としすぎ。ゴベアのプレッシャーにビビりすぎでしたとさ。

〇ペイサーズのFG
2P 29/64
3P  8/29

ちなみにジャズも決まらなかったんですけどね。ペイサーズはゴベアの攻略として序盤にサボニスが3Pを2つ決めたのに、そこからは普通のオフェンスに戻ってしまいました。工夫が続かないというか、こんなにインサイドを決められないなら、積極的に3Pでも良かったんだけどね。

ジャズのディフェンスはゴベアへ誘導していくのが鉄板。全体的にまんまとワナに引っかかった気もするし、ペイサーズが「自分たちの形」を続けてしまっただけの気もするし。

これで勝率5割に戻ってしまいました。HCビュルグレンになってポジティブな変化はいろいろとあるものの、それが結果に結びつくかは違う話。「相手が嫌がること」をあまりしない印象のペイサーズは、相手にパターンを読まれている気がします。それを打ち破るほどの爆発力は持っていないので、ゲームプランを見直さないとダメな気が。

ジャズもそろそろ変化していきたいですね。ちょっと問題があるのはオフェンスだけでなくフェイバーズのディフェンス。1人でインサイドを塞ぐ役割を任されて苦しんでいるようにも見えます。コースに入って止めるのは上手いのだけど、ブロックで撃ち落とせと言われても困るじゃん。

オフェンスのパターンが通用しない一部の相手に対して、どんな感じになるのか見えない部分もあります。その具体例がヨキッチのいるナゲッツとADのいるレイカーズなので、ジャズとしては必ず解決しないとプレーオフでは勝てないよ。まだまだシーズン前半なので、急ぐ必要はないのですが、これだけ好調だと無いものねだりしたくなるね。

何はともあれクリッパーズが負けた事で首位キープ。次はセルティックスなので、タイスの3Pやスモールラインナップでジャズの弱みを見つけ出してくれるのかどうか。首位にいるだけに、弱点を発見されると狙われやすいのも事実です。

ペイサーズvsジャズ” への6件のフィードバック

  1. 自分達の形を引きずり過ぎてる印象のペイサーズですね
    流れが悪くなるほどブログドンサボニスにプレーが集中してる状況なのも気掛かりです
    ウォレンルバートが復帰してもここが解決するかって言われると違う気もします

    1. ウイングに自己主張する選手が少ないからガードとセンターで構成されてしまう面もあるので、ウォーレンが戻れば、ちょっと変わってくるとは思います。
      今もラムはそこそこ良いプレーをしているけど、ムリしない雰囲気なので。

  2. ブログドンとサボニスにあえて負担をかけているのか、そうせざるを得ないのかで大分話は変わりますが、前者の様な気がするんです。これがチームの基本であると。
    そして1on1に強いウォレンとレバートどちらかもしくは二人にエース役を任せるんじゃないかと。これが上乗せ部分。
    でも、今年のターナーは良いんですよ。本当に良い。すごく良い。何が良いかは上手く言えないんですけど良いものは良い。

    1. 経緯を考えると前者っぽいですよね。初めのころはここまでじゃなかったですし。
      ルバートが戻ってくる前に、2人をレベルアップさせたい考えがある気が。

      ターナーはもう少しポストアップを増やしてほしいです。

  3. ジャズはコロナ渦による変則シーズンなので、疲れを溜めないために敢えてローテを固定して変えないのか、それとも引き出しが無いのか…
    ファンとしては、相手の陣形によってはまたゴベア、フェイブのツービックや、はたまたスリーガードも見てみたいですが、変えないのもそれはそれで正解のような気がしてきました。
    それでプレーオフで勝てるっていうのはありますが…

    1. 多分、意図的に固定しているのだと思います。どうもドノバン&フェイバーズのプレーにずれがでているのと、逆にコンリー&ゴベアがめちゃくちゃ機能しているのと。
      ただ「固定している」のは「健康」だから出来ること。正直、これを動かすと一気に崩壊する気もしていて、そう簡単には動かせないのだと思います。

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