2021/2/3
ウエストで圧倒的な最下位感のあるウルブズ。何がしたいのか意味不明な戦術面もさることながら、ケガ人が多すぎてわけわからん。アンソニー・エドワーズをスターターにしてきましたが、再建するには核となる選手をブレさせてしまいすぎ。
スパーズはベテランを中心にしながら、若手を育てているわけで、役割分担と成長のための課題がハッキリしているからこそ伸ばす感じ。選手の質とは違うところで差がある両チーム。
◎連携がないウルブズ
ディアンジェロのプレーメイクはスクリーンを使ってのドライブから。でも、基本的にレイアップ系統が上手くないし、スピードや高さもないからリムプロテクターがいるとイマイチ。3Pとパスで組み立てさせれば、効力を発揮するけど、パスを受け取る仕組みがないので、単独突破しては止められています。
それは突破力のあるエドワーズも同じ。ドライブで抜くシーンを連発するもパートルのヘルプがあるとシュートミス。「決めろよ」ってのもありますが、オートマティックにパスを出す先が設定されていないから、パスアウトがイマイチ。
ただし、それぞれ上手くパスが出てくればビーズリーとリードが決めてくれたので先にリードを得ます。つまり「惜しい」といえば惜しいんだ。スペースを作る仕組みがあって、もうちょっとスムーズにパスが出てきさえすれば、攻撃力はありそうなのに・・・。
特にビーズリーはオフボールの動きからカッティングレイアップ、コーナー3Pとボールを持つ時間が短くて得点していくので良い感じ。PGルビオに交代すると、さらにパッシングが強まっていくのでビーズリーが輝きます。
が、今度は他の選手が輝かない。フリーになる選手を探すルビオとボールを待ってしまう選手の相性が良くないのかな。残り2分からビーズリーとエドワーズを下げて、ルビオとディアンジェロを並べると、2人のプレーメイク次第になりますが、何をしたいのか意思統一されていないから、よくわかんない。
それでもミドルを決め、ポストアップからフリーを作ったディアンジェロとドライブを決めたルビオ。スパーズはオルドリッジが休みで、パートルしかセンターがおらず、この時間帯にユーバンクスが出ていたので、リムプロテクトが怖くなかったことで助かりました。
1Qは33-29でウルブズが4点リード。惜しいことは惜しいんだ。サンズでブッカーやカム・ジョンソンがやっているオフボールのタイミング合わせを、少しは取り入れようぜ。
◎連携の悪いスパーズ
本日はヴァッセルを活用しているスパーズ。どうやらゲイも休みのようです。そのヴァッセルがドライブとジャンプシュートで存在感を出していた1Q。ウイングはプレーメイクには参加しないけど、動いてボールをもらいドライブすることを徹底しています。これを決められるかどうかはロニー・ウォーカーやケルドンとの競争だ。
しかし、このオフボールの動きはスクリーンを組み合わせて動き出すので、ちゃんとタイミングが合わないと上手くいかないよね。デローザンとホワイトが両方ともベンチに座ると、ゆっくりボールを持つポイントがなくなり、ターンオーバーを連発してしまいます。なのでウルブズがリードを広げることに。
タイムアウトのスパーズはオフボールのプレーコールを減らし、マレーから崩す形を増やします。1本目は3Pを決めたマレーですが、次が続かず。10点差に広げられて再びタイムアウト。修業のようなマレー。ちなみにウルブズはルビオ→レイマンのパターンばかり。
スパーズが困っている別の理由がウルブズのディフェンスが中を固めていること。思い切って外から打つのがミルズしかいないので、ドライブが効かなくなってきました。そこでデローザンと共にライルズも投入します。3人は外にいる形にしてみるけど、ボール回らないし、ドフリーになったデローザンが打たないし。
その間にビーズリーが突き放します。ディアンジェロにパス → ワンフェイクでリターンパス → 3Pとディアンジェロのワンフェイクだけで3Pになったのは、ゾーンになっているスパーズに対して、ビーズリーが半歩ポジションをずらしたこととパスのタイミングが読めないから。イージーだな。
ただウルブズはウルブズでオコギ―がドライブしたら、誰もいないところにパスアウト。個人差がデカすぎるな。
スパーズは終盤になってデローザンとライルズのコンビで得点が生まれたので反撃したものの、3Pがなかなか決まらず。ディフェンスリバウンドを取ったエドワーズがコーストtoコーストもみせて・・・フリースローをエアボールして・・・点差をキープして前半が終りました。
65ー54。最後にミルズがドライブ&ワンでなんとか11点差に留まったスパーズ。普段と違うユニット構成にしたら連携が合わなかった感じです。ミスを救ってくれるほどセンターは強くないし、ウルブズが中を固めてきたし。修正パターンはいろいろありそう。
ウルブズはビーズリーが15点。エドワーズは個人突破で10点。タウンズがいない中では、この点の取り方がもっとも効果的なんだと思います。
◎修正
後半開始からデローザンが連続で行きます。ジャンプシュートを使ってディフェンスブロックの外から打つよ。続いてマレーも同じくブロックの外から決めていきます。ゴール下を攻め切れない時には必要な武器だよね。ケルドンのドライブからパートルのゴール下にもなって修正が効いたオフェンス
ところがディアンジェロに同じくミドルで返されると、ビーズリーはデローザンのパスアウトをスティールして速攻。オフェンスは良かったけど、ディフェンスで止めきれないから二桁差が続きます。
そして上手くジャンプシュートを使えたからパスアウトでの3Pをマレーが決めるも、今度はトランジションからビーズリーに3Pで返されてしまう。修正は出来たけど、違うところで問題が出てしまった。タイムアウトのスパーズ。
すると更に乱戦っぽくなってしまいます。トランジションを増やすのだけど決めきれないシーンも多い両チーム。ファールコールがないことにイラつく選手も出てくるから、行ったり来たりでボぼボンボン。そんな中、好調を継続するビーズリーの3Pで16点差まで広がります。
1Q同様に終盤になってルビオとディアンジェロを並べるウルブズ。ここは悪くないオフェンスになったものの、パートルがバンダービルドのゴール下をブロックするなど、リムプロテクトで少し締めると、ミルズとホワイトによってオフェンスに緩急が生まれ、ちょこっと反撃して90ー79で3Qが終ります。
ルビオとディアンジェロを並べるのが悪いっていうか、周囲の組み合わせも悪いんだよね。せめてレイマンくらいいれないとさ。みんなパス待ちでアシストにならないし。そして1Qの反省からパートルを残したことで成功したスパーズでした。
◎タイムアウトの戦い
開始1分。インサイドで2つ決められたらタイムアウトのポポビッチ。レフリーにかなりクレームしています。ウルブズのオフェンスがかなり気に入らなかったらしいけど、何をクレームしているんだろうか?しかしタイムアウトの後で、今度は3Pを決められてしまいます。
オフェンスはデローザンのアタックを連続した後で、ユーバンクスと交代したライルズの3P。リムプロテクト出来ないならオフェンスで取り返す作戦が成功し、今度はウルブズがタイムアウト。4Q序盤からお互いにタイムアウトをとって修正・修正。
しかし、ウルブズは3連続でターンオーバー。選手の動き出しとパスが合わないねぇ。ミスの仕方はいろいろだけど全部パスでした。これで残り8分8点差に縮まります。嫌な詰められ方だ。なお、その後も2つのオフェンスが決めらなかったので、スパーズはもっと点差を縮められたけどフリーの3Pをミスしてしまった。ライルズはフリースローをミスしてしまった。
スターターを戻したウルブズは、オフボールのビーズリーにディアンジェロが合わせるパスで、久しぶりの得点。これをデローザンが豪快なダンク&ワンで返し、ホワイトもフローターで続き、さらにデローザンがオコギ―を吹っ飛ばしてのゴール下で、残り5分半で2点差に。
タイムアウトが続いた4Qの6分間でしたが、なかなかリズムを掴めなかったスパーズが細かく切れた中で最後に成功した形でした。逆に流れをきれなかったウルブズ。
そしてウルブズのタイムアウト明けはディアンジェロとルビオの中途半端なシュートになって決まらず。ミルズのレイアップにパートルのレイアップ&ワンでスパーズが逆転します。完全に後手にまわっているウルブズ。
ディアンジェロはデローザン狙いで1on1を決めますが、スパーズの勢いは止まらず、マレーのドライブアシストからパートルのゴール下。エドワーズはデローザンが3回続けたポンプフェイクに飛んでしまいファール。ディアンジェロが個人技で決めているオフェンスよりも、ディフェンスをどうにかしないといけないウルブズ。
すると残り2分半同点でルビオがパートルにファールゲーム。マジか。「ファールゲームの方がマシ」という信じられない判断だな。これが1本目が決まり、外れた2本目をスパーズがキープしてデローザンのミドル。
あまりにもディフェンスに自信がないことを示したサンダースで3点差
それでもディアンジェロがファールドローで返すのですが、パートル→ライルズにして、ライルズのドライブ。スパーズのリードは変わらず。残り1分に。
ディアンジェロとデローザンがそれぞれ外した後、ウルブズはルビオからオフボールで動いたビーズリーを使いますが、ここまで2P7/8だったビーズリーのレイアップは決まらず。
残り26秒2点リードのスパーズは、デローザンがタフなフェイダウェイミドルに。これがビーズリーがファールコールされてしまいます。うーん、触っていないようにみえるけど微妙。でもデローザンがフリースローを1本落としたので残り18秒3点差。
ウルブズはディアンジェロのキープからオフェンスを作るも、誰も空かなかったのでタイムアウト。やり直しのオフェンスは、ディアンジェロがマレー相手のアイソで強引に3Pを打つっていうね。なんだそれ。
◎ブッカーよ!
スパーズとしては完全な負けゲームでしたが、FG9/10で4ブロックのパートルに救われ、そしてタイムアウトによる修正の繰り返しで勝ちを拾った試合でした。ポポビッチがサンダースに完勝した試合。オルドリッジとゲイを欠く中でラッキーだったね。
〇スパーズ
2P36/70
3P 7/26
ターンオーバー 7
3Pが決まらず、インサイドを固めたウルブズディフェンスを攻略しきれなかったものの、フリースローアテンプトが24本ー11本で差が出ました。とはいえ、別に24本は多い数字ではないので、スパーズがファールしないで守ったことが大きかった。ファールしないでも守れた。
かなり頻繁にタイムアウトをコールしたポポビッチでしたが、何度も何度も修正した結果、リズムを掴んだら14-2のランを決めたね。そもそもがパートルのいない時間に守れなくて悩むから、タイムアウトでぶった切って、なんとかオフェンスで繋いでいった感じです。
最後にデローザンがファールをもらったのはラッキーでしたが、逆にディアンジェロの3Pにファールをしないで守り切ったマレーってことで、ファールが明暗を分けた。
それよりもリードを有効活用できず、タイムアウトも意味がなかったウルブズの自滅でもありました。いろいろあるけど、最後に「ディアンジェロのアイソから3P」を選んだ時点で勝負ありかな。さすがに3Pしかない場面で、アイソから3Pってのは厳しいよ。それでも決めればスーパースターですが。
さて思い出すのはサンズがマブス戦で決めたブッカーのラストショット。あれは2点でもよい場面なので形としては大きく違いますが、クリス・ポールがvsクリバーだったのでアイソでもよかったのに、最後のワンプレーまでチームで徹底してプレーをクリエイトしました。
オフボールでの絡みをしっかりと行い、タイミングを見計らった動き出しからワンプレーを仕留めに行くサンズ。それに比べると試合開始から終了までワンプレーの精度が低すぎるウルブズ。昨シーズンはサンズでこれをやっていたルビオをPGに迎え入れたところで、選択がアイソじゃあ発揮できないよね。
〇マリック・ビーズリー
29点
2P8/10
3P4/8
ウルブズもオフボールムーブから始まるビーズリーに打たせたところは良いプレーが多かったです。あとでハイライトをみてみますが、ほぼドリブルしていなかったぞ。ディアンジェロの良さも出てくるので、このプレーを続けたいし、ビーズリーだけでなく、他の選手でも続けたいのだけど、続かない。
エドワーズもディフェンスを奮闘する意思もあるし、体の強さがあるので経験を積めばよくなると思うんだ。もっとオフボールプレーを学ばせればいいのにね。良い部分もあったウルブズだけど、チームとして狙っているのかがわからないので、続くのかなぁ?という印象なのでした。
これタウンズが戻ってきてもチーム力は向上するんでしょうか・・・
どこのチームも基本、ポストのタウンズにはダブルチームで封じてきます
ですのでオフボールの動きはとても重要なはずなのに
タウンズが戻ってきたらエドワーズのプレーが減るだけになりそうですよね。全員の動き方が単調すぎて、噛み合わせは相性次第になりすぎです。
記事を読んでファールゲームに否定的な印象を受けました。
ポエートルの今季FT%はこの試合終了時で.258です。スパーズファンとしては相手チームはもっとハック戦術を使ってもいいのではないかと感じます。しかし、この試合では1本決められリバウンドも取られ結果的には失敗。ただポエートルを引っ込ませることには成功しました。
やはり、ファールゲームはプラスにならないことが多いのでしょうか
まさか30%切ってるとは思いませんでした。50%くらいかと。
ハックそのものには否定的ではないのですが、そんなに決まらない上にパートルに困っていたなら、もっと早くやって良かったと思います。
あそこまでやらないで守り、同点になって突然やるのはディフェンス放棄ですからね。負けていてやるか、追い上げられている時間にやるなら悪くなかったと思います。
早い返信ありがとうございます。
仕掛けるにもタイミングが悪かったということですね。あのタイミングでは遅いと。
私も体感では.500ではハック仕掛ける価値なしだと思っていました。ポエートルはせめて半分は決められるようになって欲しいです…
今年のヤコブは輪をかけてFT%が悪いので(25%前後)、ハックは妥当な判断かと思われます。LMAはディフェンスで足が動かないし、ヤコブはフリースロー全然入らないし、2人が合体しないかなってみんないつも言ってます。
合体に失敗して、パートルのシュート力とLMAのディフェンス力になったら、どうしましょう。