ネッツvsクリッパーズ

2021/2/2

ハーデンが加わってからのネッツは史上最高のオフェンスレーティングと、史上最低のディフェンスレーティングらしいです。亜梨実、ここまでは順調だ。史上最高のオフェンスなら優勝だって狙えるじゃん。

ネッツに比べると、かなりまともなチームに見えてくるクリッパーズ。ダブルエースが離脱しても順調に勝利を重ね、ディフェンス力のある選手を並べることで、攻守両面での強さを持っています。

◎個人技対決

個人技ばかりのクリッパーズが好き勝手にシュートを決めていくスタートになります。レナードはタフショットを打っているけど関係なし。割と不思議なのはマッチアップがデュラントなのに全く守れていないこと。ウエストブルックもぶったぎっていたよね。プレーオフじゃないし、手を出しておけば大抵の選手はシュートミスしてくれるから、このレベルのディフェンスなのか。それともケガの影響なのか。

しかも、ジョーダンがいないのでリムプロテクトもなく、ドライブされてしまうと無力って感じのネッツ。ただクリッパーズ側もイバカで差を作ることは出来ません。インサイドでガチガチがあまり好きじゃないイバカ。あとハーデンはポスト守るの上手い。

一方のネッツはレナードのディフェンスに苦しみまくり。純粋な個人ディフェンスに止められてしまいます。それでもハーデンのミラクルなパスとか、アービングのタフショットとか、デュラントの高さで難しいシュートを決めて抵抗しています。

すると1Q中盤くらいからクリッパーズはシュートが外れ始めます。ポール・ジョージが下がってレナード中心になり、サポートキャストのシュートも増える。ちゃんとフリーを作ってのケナードやバトゥームの3Pになっているけど、そりゃあ全部のシュートが決まるなんてことはないわけで。イバカのペイント内が確率悪かったことも含めて、思ったよりも得点が伸びない。

それに対して主役が打ちまくるネッツはタフなんだけど、少しずつ決めるので追い上げ始めます。ビッグ3とビッグ2の違いか。

ところがネッツはアービングだけを残したユニットに移行。そんなのオフェンス力落ちるに決まっているよね。クリッパーズがレジー・ジャクソンの2本の3Pで加点したので32-24と8点リードで1Qが終ります。

クリッパーズのディフェンス力が史上最高のオフェンスを抑え込んだ1Qでした。クリッパーズっていうかレナードが止めた感も強いけど。デュラントだろうが関係ないスペシャルなディフェンダーなので、他のチームには参考にならない守り方かもしれません。

◎ハーデンとビッグ3

ビッグ3のうち1人を残すならハーデンだよね。ゲームメイクでチームメイトを生かしてくれる上に必殺ステップバック3Pの個人技もあります。要はドライブなんかで打開しなくてもパス&シュートでオフェンスを作れる。オフボールのスクリーンでもハーデンを気にさせて、シャメットのカッティングとかお見事。

ってことでハーデン1人になった2Q序盤は、ハリスの3Pやジョーダンのダンクでネッツが追いつきます。考えようによっては「レナードがいないから」止めれなかったとも。ファールドローしてくるハーデンに苦しむポール・ジョージ。

ただ、それ以上にオフェンスで苦しんでいるクリッパーズ。ジョーダンが出ているので、あまりドライブできず、ミドルレンジからのシュートも増えてきました。ポール・ジョージはブルースにへばりつかれている。ちなみにオフェンス時はブルースのマークがモリスなので、お互いにマッチアップはムチャクチャ。

ネッツが追い上げる展開の中で、共にディフェンスで奪い取ることは出来ないので速攻がないままハーフコートでの戦いが続き、大きく点差が動かないまま5分が経過。レナードやデュラントが戻ってきます。あとジョーダンがベンチに。

するとミドルを決めるレナード。インサイドへドライブを決めるポール・ジョージとレジー。わかりやすく攻略できるようになりました。ディフェンス力のないネッツという構図がはっきりします。これならジョーダンが自分のマークマンを無視してでもゴール下にいる方が守れる。

ネッツもデュラントの個人技で対抗しますが、レナードもいるし、なんでもかんでもデュラントには渡せない。そんな中でイバカがアービングをブロックし、より守れているクリッパーズにはトランジションの展開も増え、モリスのコーナー3Pで11点差にします。

ハーデンだけの時間で追い上げて、デュラント&アービングで引き離される。そこにあったのはオフェンスじゃなくてディフェンス力の差って感じでした。クリッパーズが特別良かったわけではなく、イージーにインサイドに攻め込んだ上、ディフェンスからのカウンターも発動した。

タイムアウトのネッツは残り3分でハーデンも戻しフルアタックモード。デュラントのミドル、アービングのリバースレイアップ、アービングのドライブからグリーンの合わせと一気に火力アップします。ハーデンがゲームメイクに徹しているとか新しすぎ。

一方でクリッパーズはレナードが外します。むしろここまでドライブからのミドルを決めすぎなんだよね。パスアウトのレジーも3Pを連続で外してしまい、ハーデンからのワンパス速攻もくらうし、ハーデンは自分で持ち込んでのトランジションレイアップも。

ってことで2Q後半になって史上最高のオフェンス力が大爆発。11点のビハインドを一気に縮めて58-57と1点差までもっていって前半が終りました。ディフェンス力がキーポイントになっていたけど、止められないオフェンス力というのもキーポイントなのね。

◎ハーデンの選択

アービングの2つの3Pで逆転するネッツ。アービングがポール・ジョージをブロックするし、クリッパーズのシュートは決まらないしで、前半の終わりから続く流れを継続します。ハーフタイムの修正が出来ていなかったクリッパーズ。あとネッツって、この感じだとそもそも「修正」なんて不要なんだろね。やったことは「アービング、お前もっと頑張れよ!」でした。マッチアップは一番楽だしさ。

ハーデンが珍しくグリーンとのコンビプレーを選択します。デュラントとアービングは逆サイドに立っている。このプレーが連続でグリーンのシュートミスになると、イバカの3Pで逆転するクリッパーズ。ハーデンのプレー選択は良かったし、グリーンはフリーで打てたのですが、それが決まらないで逆転されるとビッグ3ばかりになりそうだよね。

しかし、それでもハーデンはアービング&デュラントを選びません。必ずグリーンかハリスと絡む形でオフェンスを始めるハーデン。TLCとジョーダンになっても同じく、この2人とのプレーで組み立てようとします。ジャブを利かせまくるので、クリッパーズはディフェンス力を発揮できない。そしてレナードがハーデンのマークになったら、すかさずデュラントのミドルを選択するハーデン。

むしろそんな選択が必要だったのはクリッパーズかもしれません。レナードとポール・ジョージのミドルや強引なアタックは、そこまで確率が上がらず。良かったのは苦しんで打てなかったときにキックアウトからのバトゥーム3Pって感じでした。オフェンスが機能しなかったクリッパーズ。

なんとなくハーデンのゲームメイクに巻き込まれたような3Qでした。火力マックスで攻めないからこそ、ディフェンスでもエネルギーが残っているみたいな。ネッツの方も特別に良かったわけじゃないけど、チーム全体のリズムがあがっていった感じです。

そのハーデンがベンチに下がった残り2分。今度はデュラントも残したナッシュ。わかりやすくデュラントとアービングが個人技で仕掛けることになりました。ここまでのフリが効いているから、それでも十分にオフェンスになったよ。

ただし、ディフェンスもレナードとポール・ジョージにやられて90-88とクリッパーズが2点リードになって3Qが終りました。完全にハーデンゲームだった3Q。ハーデンの手から離れたら守れなくなる。そこに明確な論理はないのですが、そう見えてしまうゲームメイクだったのでした。

◎嫌な終わり方

そしてハーデンタイム。チームメイトをオフボールで動かし、コントロールする。ハーデンのチョイス次第なので、思うようにシュートを打てているわけではないけど、ハリスやシャメットはやりがいがありそうだ。ただ、やりがいがあったからか、二人ともターンオーバーしているけど。

ゾーンにしているネッツはディフェンスでもハーデン。ジョーダンと共にゴール下を塞いで、クリッパーズオフェンスをアウトサイド一辺倒にします。そしてリバウンドからトランジションでハリスの3Pに。ハーデンタイム!

押され気味のクリッパーズでしたが、しっかりとモリスで繋ぎ、ズバッツもオフェンスリバウンドに絡み続けたので、大きなリードにはさせません。そしてレナードが戻ってくるとスティールからの速攻で再び5点リードに。なお、ネッツもアービングとデュラントを戻していたので、ビッグ3になったら反撃された感じ。ハーデンもミスショットにオフェンスファール。

トップがハーデンからアービングに代わると、チームメイトに動きの指示を出しながら、自分でプルアップ3Pを打つチームメイト殺しのアービング。でもそれを決めてしまうのもアービング。さらに3人相手にスルスルっと抜け出してのリバースレイアップで逆転。酷いのに、酷いといわせないようなプレーだな。

タイムアウトのクリッパーズ。しかし、決めたのはまたアービングの3P。タフ。続いてハーデンの3P。ムチャクチャだけど関係ない。デュラントもタフミドルで続く。なんだこれ。さすが史上最強のオフェンス。ディフェンスを攻略するとか関係なく、ただただ個人技で「自分のタイミングで打つ」だけさ。

3Pファールドローしたハーデンで残り2分半9点差になります。18-4のランだってさ。ほぼタフショットだったのにね。

クリッパーズは、こういう場面でシューターに3Pを打たせるセットがありません。しかも、ここまで決まっていないから、地道にエースで攻めるしかない。ただ、ネッツにはリムプロテクターがいないので、パワーでインサイドに押し込むプレーで対抗します。ディフェンスが寄ってきたらパスアウトでバトゥームが3P。

が、ネッツはデュラントが3P。残り1分7点差。これで決まったかと思いきや、モリスのムリヤリのジャンプシュートにファールしたアービング。しかも&ワンで4点差。モリスはディフェンスでもハーデンのオフェンスファールを引き出して、試合を終わらせません。

残り32秒のクリッパーズオフェンス。なお、ここでタイムアウトを使い果たしています。2ポゼッション差なんだけどな。レナードはドライブするもデュラントのディフェンスで放り投げシュートはエアボール。ラッキーにもマイボールでやり直しオフェンス。これをポール・ジョージが3Pで1点差に。

ただ時間を使ったのでファールゲーム。でも、まだボーナスになっていなかった。そしてスローイン後にファールするのが遅れ、最後はデュラントにファール。残り9.8秒3点差。

ここで逆ファールゲームに行くネッツ。ダントーニっぽいね。タイムアウトも残っているし、フリースローに自信があるから取れる戦略。

フルコートプレッシャーに行ったクリッパーズですが、スローインのハーデンは逆サイドのゴール下にいたグリーンにタッチダウンパス。誰もいなかったクリッパーズ。しかも遅れてファールしたら&ワンにされてしまいます・・・グリーンがフリースロー外しちゃった。危なかったネッツ。

もう1回逆ファールゲームを選んだハーデン。残りは3.1秒。1本目を決めて2本目を外すしかないぞ。ところが1本目を外したバトゥームで試合終了です。なお、2本目を外そうとして決めたから問題外だった。

◎ハーデンゲーム

〇ハーデン
23点
11リバウンド
14アシスト

39点のアービングよりも、FG11/13(!)のデュラントよりも、ハーデンが目立ちに目立った試合でした。その理由にはネッツの問題だけでなく、クリッパーズ側にも「タメを作るゲームメイカー」がいないからです。コートで唯一、緩急のリズムを作るからハーデンが目立ちまくった。

ディフェンス力に勝るクリッパーズが勝つと思っていましたが、3Qのハーデンによるゲームメイクが、終盤のアービング&デュラントを止められない状況に繋がったと思います。余力を残せたし、ディフェンスに慣れさせなかったし。ハーデン自身はモリスに止められたように、ずっとやっていたら競り負けたと思うのでした。

〇レナード&ジョージ
59点
FG23/48
11アシスト

ネッツのビッグ3に対抗したエースコンビでしたが、バトゥームの3P5/8がありながら届きませんでした。やっぱりディフェンスで止めないと厳しいよね。エースの人数の違いの上にゲームメイクも違った。

この戦い方だとルーの意味がないし、合わせのハレルもいないしってことも含めて、攻守のどっちに力を入れるかプレーオフでは割り切る必要もありそうです。

〇イバカ&ズバッツ
11点
FG4/13

外しまくったのはイバカですが、ズバッツももっと頑張らないといけなかった。ネッツの弱みを使えなかったのも響きました。なお、イバカを止めていたのもハーデン。リバウンドもとって働きまくっていたね。

ということでハイレベルな個人技がぶつかりあったカードは、もう少しチームで攻めるべきクリッパーズの方がゲームメイク能力で劣ってしまったのでした。ウィザーズ戦もハーデンがいれば、火力ではなく、テンポ調整で勝っていた気もするよ。

ネッツvsクリッパーズ” への6件のフィードバック

  1. この2チームは管理人さん泣かせですね笑 ただハーデンは凄いですね。器用な選手だ

    1. これといった戦略もなく。

      ハーデンのゲームメイクとジョーダンの有無くらいの駆け引きでしたねぇ。。。

  2. 先ほど、試合を見終えたクリッパーズファンです。
    プレーオフのことを考えると、ルーは厳しいと思い、トレードでジョージヒルもしくはデリックローズのどちらかを獲得すべきだと思うのですが、管理人さんてきにはどちらがいいと思いますか?
    ちなみに私はセカンドユニットのディフェンスの強度を上げられて、プレーオフでも確実にローテーション入りできるジョージヒル派です。

    1. ベバリーが戻ってくるなら、そもそもルーを起用しないで済ます方法もあります。欲しいのは明確なオプションになる選手なので、ヒルよりもローズの方が使い方は分かりやすいかなーと思います。

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