サンズvsサンダー

2021/1/27

ブッカー欠場のサンズ。ブリッジス、カム・ジョンソン、クラウダーを並べたスターター。ちょっと交代に困りそうだと思ったら、カミンスキーとジェイレン・スミスを同時起用していました。ペインもいないのでベンチユニットは苦しそう。

ヒルが欠場のサンダー。代役に19歳マラドンがスターターに並びます。マッチアップはクリス・ポールなので、16歳差です。こちらもベンチのPG不足になるのですが、SGAを引っ張るのとケンリッチやディアロにやらせていました。だったら他の選手をスタートにすればいいのいね。

◎オフボールから崩す

1Qは32-17とサンズが大きくリードします。サンダーは攻め手が足りず3Pに頼ることに。ドライブ&パスアウトが好きなサンダーですが、そのドライブがほぼ完ぺきに止められてしまいました。ディフェンダーを揃えたサンズの個人能力に完敗。インサイドで合わせる形がないので、ドライブを止められると苦しいです。

そんなサンダーはビッグマンを1人しか起用しないので、ベイズリーもスクリナーになることがあります。スクリナーとしての能力は低いので、あまり効果的ではないのですが、スピードを活かしたスリッププレーが上手く、ほぼスクリーンよりもインサイドに走っていく事が役割です。

しかし、そのベイズリーがFG0/5とオフボールの動きが出来ませんでした。ビッグマンのホーフォードも3Pラインの外にいるので、インサイドへの飛び込みは有効なはずだけど、サンズが全く騙されなかった。

一方でサンズにもオフボールでの動きでプレーを作る選手がいます。カム・ジョンソンがいろんな形で動き出すことでオフェンスのスイッチが入るサンズ。でも、最近はそんなプレーが少なくなってきました。どうもクリス・ポールのやりたいことと合っていないような気が。

しかし、2Qになると、そのオフボールから動き出す形が出てきます。チェイスから始まるディフェンスは、どうしてもカバーが遅くなり、サンズの方が楽にドライブフィニッシュになっていくのでした。

サンダーの方がやるべきプレーをサンズが先にやっているような形で点差を広げていきます。スピード系のウイングにオフボールから始めさせるのは流行しそうだよね。これまではコーナー担当だった役割がプレーメイクに参加してからコーナーに行くようになってきました。

◎サンズの弱点

2Q中盤になるとドルトが3P。さらにドライブからポクセにアシストして反撃が始まります。ベイズリーもハイポストでボールを受けるとミドル。サンズがフリーの3Pを連続ミスしてくれた事情にも助けられます。

〇2Qのサンズ
3P 0/11
2P 4/14

外しすぎたサンズ。これに対してホーフォードが3Pとミドルを決めると、SGAやドルトのドライブであっという間に17点ビハインドから追いつきます。

サンズのローテは特殊でごちゃまぜで起用してきます。だから2Q後半になってもスターターがベンチに座っていることも。サンダーが一気に追いついたのはサンズがベンチメンバーが多いのに、サンダーがスターターだった時間帯でした。

普段ならブッカーとペインがハンドラーとして引っ張るのですが、本日はクリス・ポールしかいない。ジャボン・カーターがやるしかないもんね。苦しすぎたサンズのハンドラー事情でした。

サンズの良い部分は各選手の特徴を組み合わせている事。そこには「オフボール担当」の選手を多く揃えて成立させた事情があります。他のチームはオフェンス力を求めてハンドラーを集めがちなのに、上手く合わせたぜサンズ。

ただ、その分だけ薄くなったハンドラーの選手層が大きく響いた前半でした。序盤はスターター同士の顔合わせで大きく上回っていながら、オフェンストラブルで2Qは10点しか奪えず、45-42というロースコアで終わります。

サンダーのオフェンスが良かったわけでなく、サンズの不安材料が顕著に出てしまいました。エイトンがポストからの個人技で打開して欲しいんだけどな。ホーフォードのディフェンスに押し出されがち。

◎本気出すクリス・ポール

後半開始でエイトンに集めたサンズですが、ホーフォードに手も足も出ず、押し出されてしまいます。守ってもホーフォードに3Pを決められると、アウトサイドに引き出されるのでSGAのドライブにノーヘルプ。そしてスイッチ誘導されるとSGAに3Pを食らいます。12点差まで広がる。

タイムアウトを取ったサンズはエイトンは合わせ担当に戻します。でも、ピック&ロールに来ないエイトンに怒りのクリス・ポール。「合わせるコースも違うだろ」とでも言いたげ。ブッカーの居ない試合でステップアップしてくれないエイトン。

そんなわけで苦しすぎるサンズはクリス・ポールが自分で行きます。ミドル、ドライブ、3Pとギアを上げたらイージーとばかりに1人で反撃する35歳。昨シーズンのチームメイトを手玉に取ります。

12点差になってから3分くらいで、逆転するサンズ。トドメはクリス・ポールの3P。18-0のランだよ。エイトン問題があったものの、1Q同様にスターター同士での顔合わせはサンズの方がかなり強いってことを示した展開でした。多少のトラブルだってハンドラーが本気出せば解決。

しかし、問題はここから。セカンドユニットになったらサンダーの方が強い。そのためか一回ベンチに戻したクリス・ポールをすぐに起用します。でも全部のシュートを決めてくれるわけじゃないしさ。

特にサンダーはカミンスキーのディフェンス狙いでドライブしてきます。スピードのミスマッチを作ったり、ビッグマンが3Pで引き出したり。やられていることはエイトンと同じだな。

結局、ベンチメンバーになって再逆転したサンダー。ディアロのドライブ力でサンズの弱みを使っていましたが、ハンドラーが多いことがメリットを生んでいます・・・ディアロがハンドラーになったことが驚きなんだけどね。

◎ガス欠です

引き続きクリス・ポールを起用しますが、1人オールコートマンツーのケンリッチにてこずります。ケンリッチの守り方はプレッシャーはかけているけど、本人を止めきる気持ちは小さく、どちらかというと「やりたいことをやらせない」感じです。スクリーンが来てもスイッチしなくていいように守り、パスを出したい方向を優先して守る。

そのためクリス・ポールは決めるけど、周囲に効果的にパスを供給できません。めちゃくちゃ活躍しているのに、孤立させられているようなポイント・ゴッド。ほぼハンドラープレー。でも決めまくる。ケンリッチはやられているのか、それともハメているのか。

サンダーはエイトンとマッチアップしているホーフォードばかりで攻めます。押し込んでのフック、フェイダウェイで翻弄するホーフォード。うーん、エイトンはスキル的には同じようなことを出来るはずなのに、全くできないよね。

残り6分でサンズのリードは3点。ここでサンダーはスターターが戻ります。2Qの形だと、一気にサンダーが持って行く時間帯ですが、サンズもスターターにします。クリス・ポール休んでいないよね。関係なくフェイダウェイミドルを決めているけど。

しかし、遂にミスが生まれます。ドルトに押し出されてパスを選択するもSGAに奪い取られる。さらにドルトを剥がしに行ったクラウダーがスクリーンでオフェンスファールを連発。SGAがファールドローして追いつきます。

それでもサンズは久しぶりにカム・ジョンソン→ブリッジスでの3Pが生まれ、SGAのドライブもゴール下で防いで残り3分4点リードにします。ただクリス・ポールのパスは苦しくなってからが多いからチャンスにならない。だからスクリーンで剥がそうとしてエイトンもオフェンスファール。

サンダーはそれでもSGA。ドライブを決めきると、今度は自分に3人が寄ってきたところでパスアウトしドルトの3Pで逆転。ブリッジスがSGAをしっかり止めると、やり直しのオフェンスはマラドンがレイアップ。SGAから始まるんだけど、周囲も決めてきたサンダー。

残り1分半でサンダーが1点リード。ホーフォードとのアイソからパスアウトしたクリス・ポール。ワイドオープンになったカム・ジョンソンの3Pは決まらず。しかし、SGAも3Pを外します。

もう一度クリス・ポール。スネークドリブルから、この試合決めまくってきたフェイダウェイミドルを選択するもリングに嫌われます。残り22秒1点差は変わらず。ここからファールゲームに行ったサンズですが、SGAがしっかりとフリースローを決め3点リードに。

18秒のサンズオフェンス。やれることは多いね。3P狙いつつ、ムリでもクイック2Pでもう一回オフェンスを持ってこれる。

スクリーンからポップしたクラウダーの3Pを狙うも打てず、クリス・ポールに戻すと、エイトンのスクリーンを使ってプルアップ3Pに行きますが、これがエアボール。最後は力尽きたクリス・ポールでした。

〇クリス・ポール
プレータイム 
前半 13分20秒 5点
後半 21分13秒 27点

合計して34.5分なので大したことありませんが、後半はほとんど休まなかった35歳。もともと30分プレイヤーなので苦しすぎました。ハンドラー不足に困っていたから、致し方ない決断ではあったものの、5点と27点ほどチームのスタッツには影響が出なかった。

そして残り3分からはボーナススローで得た2点のみ。完全にガス欠で負けてしまいました。なるべくしてなった結果だね。クリス・ポールの大活躍があったからこそ接戦になったのは間違いなく、だけど大活躍してもらったからこそ終盤に力尽きたのでした。なんともいえない。

ただ、ブッカー不在により単にハンドラー不足なだけでなく、「クリス・ポールのオフェンス」になりがちなのが気になりました。これまではもっとパスを出していたのにね。

カム・ジョンソンがお気に入りの管理人ですが、あのオフボールから始まるオフェンスは、それぞれの選手の良さを使う意思を感じていました。でも、この試合で重要だったのは「クリス・ポールに合わせる事」だったので、なーんか違うんだよね。

選手の人数が足りていないので致し方ないのだけど、悪い方向に進んでしまった試合でした。負けるべくして負けたし、サンダー関係なく、サンズの独り相撲な感じでした。

サンダーは通常通り。ある意味、「通常通り」を繰り返すことを重視しているみたいな感じです。ジャズが首位に立ちましたが、試合中に余裕があるからローテを守り、それがシーズンで見た時に優位に立っています。サンダーは試合中に余裕がなくてもローテを守って成功している感じ。

ホーフォードとムスカラがストレッチ5として機能するので、リムプロテクターをアウトサイドにおびき出せるし、スイッチからのアイソも効いています。SGA中心なのだけど、エイトンやカミンスキーを狙ったように、相手の弱い部分を使う意思はサンダーの方が強かったです。

信じられないけど、5割近辺から離れないサンダー。ハンドラーの離脱で5割に落ちてきたサンズ。ライジングするのも楽じゃないね。

サンズvsサンダー” への4件のフィードバック

  1. ヒルの離脱でマレドンがスターターになったのは前の試合からなのですが、そのPOR戦は2ndユニットが今日の比じゃなくわちゃわちゃしていたので、これでも大分整理されました(笑)
    マレドンをスターターにしたのは来年の地元1位のカニングハムくんをSGAと並べたときの予行なのかなという気がしてしまいます。2ndのハンドラーは大体マレドンで目途がついた、ということもあるのかなーと思ったり。
    ディアロは全体的に柔軟になったなーという感じがします。あまりエピソードは聞きませんが、cp3塾が一番役に立っているような気も。
    ホーフォードが戻ってきて嬉しいのですが、ロビーとムスカラのPTが減ってしまうのが少し残念!でもやっぱりいると頼もしいですね

    サンズの方はブッカーが戻ってくればなんとかしてしまうとは思いますが、エイトンが暴れるところを見たいですね。ソリッドだけどもっといける気がしてしまいます。

    1. さすがに来年のドラフトを考えて戦術を作ってはいないでしょうが、ダグノートはガードを並べるのが好きなんでしょうね。
      ホーネッツもこの路線だし、似ているのかもしれません。まぁいずれにしてもガードエースを意識したチーム作りではあります。

      そうなるとホーフォードとの再契約は考えているかも。でも、他にも候補はいそうですし、補強ポイントになりそうな。

  2. いつも面白い記事の更新ありがとうございます。サンダーファンとしては勝つことが嬉しいようなドラフト上位指名権が遠のいているようなで素直に喜べないでいます笑
    サンダーは今の路線で行くとスーパースター候補をドラフトすることが難しいような思うのですが、これはPORのようにSGA中心に少しずつ成長させる気なのでしょうか、又はホーフォードなどをシーズン中にだしタンクを始めるのでしょうか?正直今のスターチームが多いリーグではこのまま順当に成長してもファイナルに行けるようには感じていません。管理人さんには今サンダーがどこを目指しているように見えますか?長文失礼しました。これからもブログの更新楽しみにしています。

    1. ドラフトはロッタリーなので、ロケッツの動向も含めて、考えすぎても仕方ないんですよね。
      どうしても自分たちがまけて指名順位を上げる必要があれば、やると思いますが、ホーフォードを休ませれば、そこそこ負けるでしょうし・・・

      沢山持っている指名権でトレードしての、指名順位アップもあるので、欲しい選手がこの1年で成長するかも含めての考え所です。

      現状は、若い選手にしっかりと経験を積ませることが第一って感じです。
      SGAだけでなく、ドルト、ベイズリー、マラドン、ポクセが3年後に残っていればOKなんじゃないですかね。

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