ブレイザーズvsニックス

2021/1/24

なんだかんだと問題があった上に、マカラムとヌルキッチが離脱したブレイザーズ。でも、気が付いたら勝率を上げてきています。このチームでの戦い方を見つけることが出来ているのか、それとも偶然か。開幕直後を思い出しながら、確認してみましょう。

◎良くなったバランス

開始からコビントン、フッド、デリック・ジョーンズがカバーディフェンスでインサイドを塞ぎます。マカラムがいないことでフッドになり、ディフェンス面は明らかに良くなりました。ただ、開幕直後の問題は、本来はヘルプやローテで便利に活躍するデリック・ジョーンズとコビントンをエースキラーにしているから、あまり意味がなかったことです。

高さのあるフッドがカバー役になれば、そりゃあマカラムよりは上。個人のディフェンス力に差があるというよりは、ヘルプ担当としての能力差な気がします。

ただ、観察するには相手が悪かった。本日のターゲットはバレットとランドル。ちょうとポジションがあうデリック・ジョーンズとコビントンが担当するので、ハマった感じ。しかも、この2人のディフェンスしながらカバーに行っても特に問題がない。フリーにしたって確率良く3P決めるわけではないし。

ってことで、機能しすぎるブレイザーズディフェンス。ニックスには相性が良すぎました。ブレイザーズは「エースキラーとインサイド固め」のディフェンスを展開し、それ故にアウトサイドにパスを出されると全く間に合わない事でした。でも、ニックスは鮮やかに回してこないしさ。

うーん、良くなったのかどうか、わからん。ニックス側の問題にしか見えません。

でも、オフェンスは良くなりました。ここもマカラムがいないので、ボールを長く持つ選手がいないことがメリットになっているけど・・・。
他にもヌルキッチはポイントセンター的なことをしてくれるけど、コビントンとデリック・ジョーンズは基本的にはアウトサイドで「待ち」の選手なので意味がなかった。だったら、カンターの方がドライブにも合わせてくれるしさ。

なんてバランス改善もあるのですが、それよりも、チームとして落ち着きがあるのが驚き。なーんか、バタバタしていた開幕直後に比べると、スペーシングした後は、必要に応じて動いていくくらい。やっていることが大きく変わったのではなく、純粋に慣れてきた感じのオフェンスです。

そう考えるとディフェンスも慣れてきたのかもね。ゾーンをやってはぶっ壊されていましたが、本日はゾーンになっても同じように守れています。

ベンチメンバーが増えると変わったゾーンに。ジャイルズがトップを守るのですが、あっという間にゴール下に引っ込みます。何を狙っているのか、よくわからないゾーンは、カッティングしてくる選手を全く観れておらず、危険な匂いがしましたが、やっぱりニックスの拙攻に助けられて、1Qは37-24と大きくリードして終わりました。

ニックスが悪かっただけの気もしますが、そもそもゾーンはギリギリのところで勝負している感じなので、ニックスのオフェンスを迷いに迷わせるくらいの効果は確実にあったので、連携が良くなっていると思いましょう。

◎相性が悪い

今シーズンのニックスで劇的に良くなっているのがランドルのパスアウトでしたが、見事に封じられた1Qになりました。コビントンがマークの時はヘルプも来ないからフリーの選手が生まれないし、フィジカルで押し込むことが出来ないので、ミドルを決める以外に手がなかった。ミドルは決めた。

パスが2~3本連続で繋がれば、ディフェンスは振り回されそうなのですが、ペイント近辺に起点を作って1つのパスで打開し、そこからドライブを狙いたがるので、どうにも相性の悪さが目立ちます。せめて3P打っておけばディフェンスも広がるのですが。

そしてディフェンスでもセカンドユニットがボコボコにされます。ジャイルズの動きについて行けず、トップからハイポストで自由にプレーメイクされてしまうので、アウトサイドにチェイス出来ません。被3P%が良い理由を全く感じられない展開で21点差。

ただオフェンスはランドル→トッピンで少し改善します。あまりパスを貰えないトッピンですが、ウイングやコーナーの3Pラインの外に構え、インサイドに詰めずに打っていました。ストレッチ4になったことでクイックリーがドライブしたときにインサイドにディフェンスが少なく、ブレイザーズディフェンスの収縮も悪いので、利用し始めました。

まぁトッピンは活躍したわけではなく。逆にカーメロに次々とジャンプシュート決めらているんですけどね。ジャイルズがゴール下を4本くらい外してくれて助かったニックス。

点差が開いたブレイザーズは、ちょっと雑になります。そんな慌てて打たなくて良いのにプルアップ3Pを打ってしまう。サイモンズもトレントも決めたけど、トランジションが増えてディフェンスが雑になっています。サイモンズはオフェンスも雑になっていく。

2Q9分までセカンドユニットを引っ張ったブレイザーズ。大きくリードしているからわかる。何故かニックスも同じメンバーで戦いました。なんでだろ。バレットとランドルを長時間使うシボドーにしては珍しいね。

前半は70-50と20点差。70点という得点はブレイザーズの3Pが決まった事情はありますが、全体的に「手も足も出なかったニックス」という感じでした。

ブレイザーズのゾーンを中心とした守り方に対して、相性の悪いランドルのポスト起点としたオフェンスを愚直に繰り出すしかなく、ゾーンの穴を使ったオフェンスに変化する手段は持ち合わせていませんでした。

ブレイザーズのスペーシングオフェンスに対しても個人の戦いで完敗。単純に個人技でなんとでもなったカーメロとサイモンズ、スクリーン1つで簡単にシュートに行けるリラード。あまりインサイドに飛び込んでこないので、ビッグマンを厚く揃えた意味もなく、アウトサイドから華麗に崩されてしまいました。

終盤になって、ゾーンプレス気味に仕掛けることで打開を図ったものの、リラードがスーパー3P決めるものだから、どうにも出来なかったのでした。

◎決まらなくなった

後半も鮮やかに崩されていくニックス。しかし、5本くらい繋いでワイドオープンになったフッドの3Pが外れ、ピック&ロールからキレイに抜け出したカンターがレイアップを外し、フリーで合わせたデリック・ジョーンズはダンクミス。なんだかツイているぞ。

オフェンスではバークスが躊躇なく打っていくことで、少しテンポが出てきます。ゾーンやっている相手なのだからマークは一瞬ズレる。そこで躊躇わないのが大事。3Pを決め、ファールドローもしていくバークス。しかも、オフボールでエンドラインを動くので、対応を間違えたカンターがディフェンス3秒になったり。

ブレイザーズのイメージはこんな感じだよね。アウトサイドに追いつかないからシューターにポンポン打たれてしまう。またバレットが逆サイドへの横断パスを出すとリラードが間に合わず。レブロンあたりにパスで崩されそうだ。

その後も3Pが決まらないブレイザーズ。リラードがドライブからフリーを作りまくるのに、カーメロ、カーメロ、コビントンととにかく決まらない。お得意のディープ3Pも外れて、前半の快調さはどこへやら。

そんな中でペイトンがリラードからスティールしたあたりからニックスが息を吹き返します。バレットがドライブを強引にねじ込み、タフミドルも決めると、最後はランドルがカーメロのアイソを守りきって89-77と12点差に。19点しかとれなかった3Qのブレイザーズ。ただただ3Pを外していた。

◎ハイプレス

クイックリーがドライブからのターンシュートを決め、ノエルもベースラインでミドル。インサイドまで押し込めない代わりに、中間距離で得点していくニックス。対してしっかりとフリーを作っていくブレイザーズは、トレントとカーメロが3P。

しかし、クイックリーが3Pにドライブ、さらにステップバック3Pと突如として爆発します。ブレイザーズがニックスに慣れすぎた感じもあって、ピックアップが遅いので、その隙をついて打ったようなクイックリー。ゾーンを多用する事もあって、3Pラインの外からハンドラーを捕まえる気持ちが薄いよね。

これで点差を1ケタにしたニックスですが、ハーフラインを超えたところでリバースが、しっかりとマークしているのに、いとも簡単にディープ3Pを決めてしまうリラードで残り6分10点差に。役者が違いすぎた。

タイムアウトでディフェンスを修正したブレイザーズ。ピックアップの位置を高くして、ニックスを困らせます。ただ、何故かそこにサイモンズなので、単純に個人のディフェンス力が足らずに、またもクイックリーに3Pを食らってしまう。

一方のニックスはリラードには2人行くプレッシャーディフェンスに切り替えるも、逆を取られてカンターのレイアップや、パスアウトからサイモンズが3P。それでも繰り返しボール運びから積極的に仕掛けて、バークスのパスカットも飛び出します。さらにランドルもスティールから速攻。

前半にも見せていた積極的な仕掛けでディフェンスの問題を解決しに行ったニックス。奪いに行けるのは良いことだ。ブリッツ気味の仕掛けを積極的に使う事でイニシアチブを取ろうとしているし、フィジカルな選手を増やしたことで成功してします。

ブレイザーズはトレントもコートに出して3ガードにしますが、これがイマイチ。フィジカル負けするから慌てたパスになってしまい、またもターンオーバー。しかもクイックリーの3Pに後ろから飛び込んでファールのサイモンズ。これで残り1分半4点差に。

で、何故かコビントン→カーメロ。そこじゃなくてサイモンズが問題なんだけどな。

そのカーメロをハイポストにおいてパスを経由してからトレントの3P。落ち着いたリラードとカーメロのパスから良い形だったけど決まらず。ニックスはクイックリーではなく、普通にランドルvsカーメロで仕掛けてしまい、ヘルプのカンターが止めます。本日、そこは失敗しまくっているし、サイモンズを狙った方が良かったのに。

再びカーメロにボールが渡ると、2人に煽られてミスになりそうでしたが、ボールをしっかりつかんでピボットを踏んでファールドロー。危なかったけど慌てなかったよカーメロ。これでフリースローをゲットし、しっかり2本決めて逃げ切ったブレイザーズでした。

初めからカーメロを入れておけば、危ない展開にもならなかった気がしたのでした。サイモンズ君はディフェンスの問題ね。なお、残り30秒で108-102だったのですが、最終スコアが116-113でした。ファールゲームで最後まで試合を捨てなかったニックスは偉いけど、ブレイザーズは時間をかけずに決められすぎです。最後までドラマが好きなチームだね。

◎改善していた

前半は手も足も出なかったニックスですが、後半になるとバークスがオフボールで動くことでゾーンを崩し始め、さらにプルアップ3Pを全く打たないペイトンから、クイックリーになることで組まれる前に攻めてしまう形も取り入れて、かなり改善しました。

とはいえ、ベースとなるオフェンス力は足りていないので、それで勝ち切ることは出来ません。代わりにディフェンスでの仕掛けも目を引きました。普通に守ったらどうにもならなかったでしょうが、ハイプレスで仕掛けるのは慣れていたので、形になっています。

〇クイックリー
31点
3P5/8

なお、バークスも3P5/8なので、個人に救われた感じもありますが、ブレイザーズの弱みを使っているので、やっていることは正しい。本当はパスゲームで崩せないといけないのだけど、全部できるわけじゃないしね。

前半の内容を考えれば、必死で食い下がれたことだけでも驚きなので、よく頑張ったと思います。これでクイックリーの序列は確定した感じだね。

ブレイザーズはマカラムがいないので、ボールを持ちすぎるのがサイモンズだけになりました。そのサイモンズだってリラードがいたら、パスを出すしさ。そんなこともあって、非常にテンポの良いオフェンスになってきました。びっくりするほど、スムーズになっていたのは、連携が進んだのか、マカラム不在だからか。

特にリラード役をフッド、マカラム役をリラードにしてしまうので、どっちもボールを持つ時間が短くなりました。両方やっているリラードも凄いけど、フッドの意味はあまりなかったね。

ゾーンディフェンスも慣れてきたのか、改善していますが、これがニックスのオフェンス事情も絡むので、この試合だけで判断することは出来ないです。ただ、終盤のようにピックアップの遅さや、サイモンズ個人の問題も出ているので、全てがポジティブって事はあり得ない。

〇リラード
39点
3P6/10
8アシスト

ちょっと停滞すると、さくっと決めてしまうリラードの支配力は恐ろしかったね。スタッツ以上の怖さに溢れています。ただ、それをダブルチームでパスを促すことで打開したニックスディフェンスに対しては、次の選手が効果的なプレーできなかった。マカラムが足りない。

なーんか、怪しい部分があっても強力なリーダーで引っ張ってしまっている感じもありましたが、なにはともあれ、成績は上がってきました。開幕直後の苦しさに比べると、大きく改善し、全体的に落ち着きがあったブレイザーズでした。

ブレイザーズvsニックス” への2件のフィードバック

  1. チームオフェンスもディフェンスも全く駄目です。オフェンス3P頼みで入らくなると10-20点位はあっという間に追いつかれます。CJの1対1はある意味オフェンスにバリーエションをもたらせていたし、ボール持ちすぎでも得点はしてくれるので良かったです。ディフェンスについては言われる通りです。ガードはガードに付かせて3Pは打たせないようにして、抜かれたらカバーディフェンスすれば良いのにしないからもうバラバラ、ボコボコにされる。
    期待したチームでしたが、主力の怪我もありこのチームも駄目でしょう。立て直すには怪我人が多く、時間も足りません。これからどんどん負けますよ。リラード一人では持ちません。

    1. 勝ってきているから、良くなっているかと思いきや、ディフェンスの問題は継続していましたね。
      落ち着いてきてはいるものの、物足りなさも多いです。リラードの魔力で勝ちを拾って、マカラム待ちかな。

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