2021/1/15
ヤニスとドンチッチの対戦だからヨーロッパ時間でやりそうなのに、普通の開催時間だね。なんでだろ。
マブスはポルジンギスも戻ってきましたが、Jリッチとフィニー・スミス、ブロンソン、パウエル、クリバーは休みです。なかなかフルメンバーにならないのは、どこのチームも同じ。それでもドンチッチが開幕5試合とは比べ物にならないほどコンディションを取り戻しており、そのうえでプレーシェアするようになっています。
一方のバックスも開幕時よりもかなりよくなりましたが、そこにあるのはヤニスの個人技アタックを一気に減らした事。どちらもエース中心の構図を減らしましたが、それでもドンチッチはリーグトップクラスに多いんだけどね。
◎選手が足りないマブス
復帰したポルジンギスは全く動きません。ほぼ3Pラインの外に突っ立っているだけで、キャッチ&3Pを打ちまくります。高すぎて届かないので、それだけで武器になってしまう。
しかし、本日のマークマンはヤニス。ほぼ何もできません。ただヤニスにもクセがあって、ゴール下ヘルプに行きたがりなので、他の選手がドライブすると簡単にポルジンギスが空いています。ここの戦いになりそうだった1Qでしたが、コーリーステインもいるので、ブルックもインサイドで待ち構えており、マブスのドライブが殆ど通じないのでバックスペースに。
またコーリーステインとポルジンギスはヤニスのスピードには手も足も出ないので、ディフェンスでも困ってしまいます。ドンチッチの方がヤニスを止めているくらいだ。本来ならパウエルやクリバーがいるので、マブスにも手段があるのですが、この2人も欠場。
ローテ的にもマルヤノビッチを起用せざる得ないので、ヤニスが下がったらマルヤノビッチを起用する手法が限界って感じのカーライル。まぁ仕方がないよね。
ってことで、ヤニスを誰も止められず、ミドルトンも決めてきたので、文字で書くと一方的なバックスペースだったのですが、現実が違ったのは「ヤニスとミドルトンの個人技オフェンスばかりだと、そこまで機能しない」っていう開幕当初の問題でもありました。8分で20-13。
それにしてもマブスは、欠場者がいるなかで頑張っているよね。特にベンチメンバーが増えると、ドンチッチの判断力に託すことで、出来るだけ間違いを減らしておき、その上で勝てるポイントを堅実に使っている感じです。マルヤノビッチのどこにパスを出せばよいのか理解しているドンチッチ。
プレーオフでも強く出ていましたが、マルヤノビッチの圧倒的な高さとバークのスピードを適材適所で活用している。活用しないとやっていけない。
それに比べてバックスはタナシスが暴れています。一見すると凄いようで、ミスが混ざりまくるし、勝てるポイントではないところで勝負してしまうから確率悪い。
ってことで、1Qはバックスの方がかなり良かったのですが、ドンチッチが単なる個人技ではなく、見事なゲームメイクで試合を成立させていきました。ディフェンスの動きを見て、勝てる所を使っていき、見つけられなかったら自分が打つ。すっごく苦しかったマブスだけど、ドンチッチがいれば何とかなるぜ。
30-23とバックスリードなのに、マブスの方が見事だった変な1Qだ。それは両チームの戦力差であり、バックスが健康だから生じた戦力差でもあります。ドンチッチがいない時間帯に、一気に崩壊しないといいけど。
◎試合運び
ポルジンギスのエアボールから始まる2Q。それでもバークが左手フローターでなんとかしようと頑張っています。
でもヤニスが止まらない。コーリーステインが手も足も出ません。サクっと12点差に広がります。ただし、ヘルプに行かないマブス。ヤニスは得点するけど、アシストはしていません。コーリーステインの仕事は、少しでもタフショットにして外してもらうことなんだろうね。
バックスとしては割とイージー。ブルックのポストプレーとヤニスのトランジション。ヘルプの少ないインサイドを破壊していきます。苦労するのはバークのスピードくらい。
ところが、バックスは悪い癖が出ます。ヤニスのマークがジェームス・ジョンソンになるとフィジカルで押し込めないしスピードにも対抗してくるので、中途半端なプレーになってしまうヤニス。ハンドラーとしてボールを持ちすぎるから、簡単に困ってしまい、ドリブルが増えるとスティールされます。
さらに3Pラインの外に出てきてしまったブルック。ヤニスが突破できないから5人が広がってしまい、外で回して単発シュートが増えます。二桁リードで油断したというか、チームオフェンスを忘れるというか。
ヤニスはディフェンスでもジェームス・ジョンソンの突破に困ってしまい、ドンチッチの居ない時間にリードを広げることが出来ません。一方的にするチャンスを逃し、10点リードに満足してしまったバックス。
これでマブスはドンチッチを温存出来ました。残り5分切って戻ってくると、今度はヤニスが休む時間なので、マブスが追い上げるべき時間帯。注文通りに、ハーダウェイの3Pをアシストしたドンチッチで4点差。
さらにドンチッチはドライブからファールドロー、キックアウトでイワンドゥの3P。ところがゴール下でホリデー相手のターンシュートを外したポルジンギスもあって、最後の1本が決められず。
ヤニスを戻さなかったバックスは、ミドルトンのドライブとホリデーの3Pで対抗し、55-47とバックス8点リードで終わりました。ヤニスを戻さなかった判断が良かったのでしょうが、やっていることはミドルトンの個人技だから、たまたまかな。
◎個人技
ダンクすらも決まらないポルジンギスとフリースローが決まらないヤニス。お互いにミスしていく中で、ドンチッチはドライブからコーリーステインにアリウープパス。そしてミドル&ワン。追いついちゃったよマブス。マブスっていうかドンチッチ。
マブスだってドンチッチの個人技には頼りまくり。ただし、ドンチッチは突破しながらも周囲をずっと見ているし、シュートモーションになってもギリギリのギリギリまでプレーを変更できます。その信頼もあって、周囲も合わせに動いているんだよね。
バックスの個人技はヤニスとミドルトン。2人とも周囲を見ながらの個人技は出来ません。点を取る能力はドンチッチとそん色なかったとしても、個人技にしか見えないバックスと、個人技なのにチームで繋がっていくマブス。
ただ、全てが上手くいくなら苦労しないよね。ドンチッチが良い判断をしてもポルジンギスが決まらないし、イワンドゥが3P決めまくるってのもちょっとね。ドンチッチが苦し紛れのシュートを決めていくけど、逆転にはならない。
バックスはホリデー。マブスのスキを見てカウンターに走り、ショートパスでリズムを生み出し始めます。ドライブをすれば、スムーズなキックアウトでポーティスのコーナー3P。
マブスはジェームス・ジョンソンを出してコーナー3Pを決めさせますが、バックスはポーティスがオフェンスリバウンド。ヤニスが下がっている時間に、ちょっと不思議なマッチアップを中心に得点が動いていきます。
特にポーティスはリバウンドで奮闘しまくり。何度も何度も、1人でオフェンスリバウンドをキープし、劣勢だったバックスを救います。・・・同じことをヤニスがやってくれれば強いのだけど、ボールを持ちにアウトサイドに出てしまうほど、この仕事は出来なくなるんだよね。バックスで個人技が多い問題は、単に「個人技で攻める」だけでなく、結果的にハードワークも減るって事かな。
ハーダウェイが3Pとフローターで繋いでいった後の、残り1分半。ドンチッチがドライブ&ワンで2点差にします。
ここで戻ってきたヤニスがオフェンスリバウンドからスピンムーブ。
同じく戻ってきたポルジンギスが3P。
オーガスティンがドライブからファールドロー。
何故か怒涛の得点ラッシュになった3Q終盤。84-81でバックスが逆転を許しませんでした。うーん、でも、これで互角ってのはバックスからするとマズいよね。一方でマブスとしてもドンチッチがコートにいる3Qの間に逆転しておきたかったよね。
展開を考えると、ドンチッチが休む4Q前半に勝負を決めたいバックス。そのために何をするか、って時に個人技に陥りがちな今シーズン。ディフェンスからの速攻が決まらないとダメかな。
◎逆転したマブス
ジェームス・ジョンソンに一度はスティールされかけながら、ルーズボールを拾ってねじ込むヤニス。マークが変更されたら豪快にドライブダンク。
しかし、ここにきてポルジンギスが連続ミドルをヒット。そしてバークの3Pで遂に同点に追いついたマブス・・・でしたが、オーガスティンが即座にドライブ&ワンで引き離します。なんで、こんなに点が決まるようになったんだ?
ポルジンギスはジョシュ・グリーンのシュートがリングの上ではねて決まりそうなところで、まさかのテンディング。触らなければ決まっていたぞ。さらに自分のところに落ちてきたディフェンスリバウンドを、まさかのカナートンに上から取られます。ミスが続いたポルジンギスでバックスが再び6点リードに。
タイムアウトのマブスはPGジェームス・ジョンソンから展開すると思わせて、そのままドライブレイアップ。本日はアフタータイムアウトが冴えまくっていて、殆ど決まっている印象です。
追い上げられたバックスはタイムアウト。すると珍しくミドルトンからヤニスへの裏パスでゴール下&ワン。まぁまたフリースロー外しているけどさ。
しかし、このオフェンスリバウンドがバックスへ。やり直しのオフェンスでジェームス・ジョンソンが5つ目のファールをコールされます。他の選手はヤニスを止められないので苦しいぜ。なお、ヤニスはここでもフリースローを2本ともミス。外しすぎだよ。
〇ヤニスのフリースロー 1/10
マークがコーリーステインになったら、イージーにドライブからのスピンムーブのヤニス。しかし、戻ってきたドンチッチがミドルと3Pで残り5分半100-99の1点差。結局、アドバンテージのある時間帯にリードを広げられなかったバックス。アフタータイムアウトで細かく得点し、ドンチッチが戻ってからの数プレーで点差を縮めるマブスの試合運びにやられました。
ヤニスは警戒されまくっているドライブをフリにして、プルアップ3Pをヒット。しかし、チームメイトのシュートは外れまくり。逆にドンチッチはホリデー相手にポストアップからターンシュートを決めると、同じような雰囲気から逆コーナーにキックアウトし、ジェームス・ジョンソンが3P。これで遂に逆転。1Q10-9以来のリードだってさ。
もうヤニスかミドルトンにボールを持たせて放置なバックス。でも3P決めちゃうミドルトンで逆転。もう1つ3Pで4点リードに。これが決まってしまうから辞められない止まらない個人技任せ。
〇クリス・ミドルトン
25点 FG8/20
3P4/9
6アシスト
残り1分47秒。ドンチッチがドライブ→フェイク→ステップインで2点差。
何故かブルックのローポストを選択したバックスは決められず。しかし、ドンチッチのドライブをブロックしたブルック。
ホリデーとヤニスのピック&ロールから、ホリデーがレイアップに行くもコーリーステインを気にしてミス。
ドンチッチからバークがフリーで3Pを打つも決まらず。コーリーステインがオフェンスリバウンド。今度はポルジンギスがフリーで3Pを打つもエアボール。マブスはタイムアウトをコールしても良かったけど、ここまで苦しい展開の中で使いすぎており、残り1回しかなかったので悩んじゃったね。
適度にタイムアウトを使っていなければ、どこかで一方的になっていた気もする試合だったので、致し方なかったかな。よく頑張ったマブスでしたが、最後はミドルトンの個人技に沈んだのでした。
◎ドンチッチすごかったよ
うーん、開幕5試合くらいは本当にダメだったんだ。ボール持ちすぎて判断ミスも多く、キレもなかった。それが、2週間くらいで改善しすぎじゃないの。見事なゲームメイク能力で、戦力で劣るチームに勝てるチャンスを作り出していきました。
単に自分で点を取ったとか、アシストしたとか以上にチームを勝たせるための術を身に着けてきている感じのドンチッチ。タイムアウトのたびにレフリーに話しかけているし、自分に有利になるためのポイントを抑えているのかもね。
〇ドンチッチ
28点
9リバウンド
13アシスト
ただヤニスに影響されたのか、フリースローが3/7でしたとさ。ヤニスを相手にほぼ存在感がなかったポルジンギスですが、ドンチッチがいればそんなの関係ないぜ。
〇ジェームス・ジョンソン
得失点差 +11
そして本日使う事が出来た貴重な武器がディフェンスでした。見事にヤニスを封鎖したジェームス・ジョンソンでしたが、マブスの考え方は「個人で止めろ。やられてもいいから」でした。マンマークでヤニスを止めたぜ。
〇アンテトクンポ
31点
FG14/21
9リバウンド
1アシスト
コーリーステインが相手だと無双しまくっていたので、FG成功率は高いですが、ジェームス・ジョンソンには止められていたよ。それ以上にアシストが1しかないのがマブスのゲームプランにハマったところでした。
とはいえ、ヤニスは1アシストでもいいと思うんだ。プレーメイカーをやって1アシストはマズいけど、フィニッシュ専門でもいいじゃないか。なのにボールを貰いに来すぎているのが問題。ミドルトンからパスが来ないってのもあるんだけどね。
〇ポーティス
8点 13リバウンド
FG3/8と決まらなかったけど、ヤニスの控えであるポーティスのプレーの方が「ヤニスにやって欲しいプレー」な気がしました。17分で13リバウンドはお見事。意外とハードワークで踏ん張っているので、この調子でいけばプレーオフに戦力になるのかも。
そんなわけで戦力で押し切ったバックスでした。いろんな部分でマブスに負けていましたが、「健康」で大勝利しているのでOKです。そういうシーズンです。
この試合、バックスの個人技がいつも以上に目立ちました。ヤニスは外で待機してるなら、ホリデーやミドルトンが攻め始めたら合わせに動いてリバウンド要因になるのが理想でしょうか。ここ最近のバックスは合わせの動きがほぼ皆無ですが、ホリデーはペリカン時代にADやランドルに良いパスが出せてました。アシストも8近くありました(今は5です)。
ヤニスにこの動きをさせるのは酷でしょうか?スペースを潰しちゃってバックスの強みが薄まりますかね?
ヤニスは元々は合わせ担当だったので、やれば出来ると思います。上手いわけではなくても、圧倒的な能力なので問題ないでしょう。
しかし、昨シーズンからハンドラーばかりになる傾向が強まり、悪化しているようにも見えます。インサイド攻略の上手いタイラー・ジェンキンスがグリズリーズに行った事が痛いのかなぁ?
出来るけど体力的にやらないかなと思ってたんですが、ハンドラーの傾向はもちろん、コーチングスタッフまで考えるとちょっと絶望的ですね笑
ブーデンホルツァーにセットプレーやヤニスの合わせを望むのは無理そうなのでPOでみんなの3pが決まることを祈ってます笑
あとはヒート戦で見せたヤニスの意識改革にかけるしかないです。
個人的に気になってるのですが
バックスの3Qが今シーズンは
他の強豪に比べて
特に弱い気がします
試合中の修正力が無いという
ことなのでしょうか
もう少しシーズンが進んだら
取り上げてみてほしいです
ハーフタイムを挟んで、より個人がヤル気を出している感じはありますね。あと前半とローテ変えてる。
もう少し試合こなしたら確認しましょう。
クレイグはケガじゃなかったかなぁ。
お疲れ様です。
マブスですが去年のオフェンス一辺倒しかなかった頃と異なり、ディフェンスが計算できるようになったことが嬉しいです。
現時点のDEFRTGが3位と上位に来ていて、オフェンスからディフェンスへの注力の変化が、管理人さんの記事で読んだ数年前のデンバーのようだ、と思ったりしました。
ディフェンス合戦だと接戦になると思うので、後はクラッチで強くなってほしいなと願っています。
健康は例年の比じゃないくらい重要ですよね。レギュラーシーズンの数試合だから我慢できますが、プレーオフになってコロナ関連でローテーションプレイヤーが5人欠場とかになったら流石に暴れると思います。
プレーオフだけでもバブルみたいに隔離しないんですかねえ。