マジックvsサンダー

2021/1/2

好調のマジック。まだ見ていませんが、プレシーズンは充実していたので、調子が良いのは納得。とはいえ予想以上の結果が伴っている感じです。フォーニエがいない。

再建のサンダー。まだ見ていませんが、戦力を大きく落とした割には検討しています。補強したベテランを上手に使っている印象です。

◎4ガード1ビッグ

両チームが特定のエースのアタックで構築するのではなく、全員がどこからでも攻め込んでいくのが特徴。そこにマジックはブセビッチ、サンダーはホーフォードがいて、渋滞が出来ないようにポジション調整してくれます。基本的には万能型センターがドライブスペースを空けてくれることでプレーが成立しています。

その傾向には差があって、3Pラインの外からドライブしていくサンダーはキックアウトからのホーフォードの3P連発で始まります。PFタイプを置かず、4ガードに近い形(SGA、ヒル、ドート、ベイズリー)なので、ドライブ・キックアウト・3Pのわかりやすい組み合わせ

マジックの方はそんなドライブをするのはフルツくらい。もう少しボールのない時に動きを作って、ミドルレンジに入り込んだ選手がパスを受けてアタックすることが多いです。シューター系のフォーニエ、フィジカルの強いゴードンがいることで、こんな形になっていると思われます。

6分が経過するとマジックのディフェンスがサンダーに慣れてきます。だってインサイドに誰もいないから、ドライブに対して初めは全員が収縮してしまうオーバーヘルプになったけど、あらかじめボールマン以外は小さめに守っておいて、最低限の人数に絞ればキックアウトも出てこないじゃん。

得点が止まり始めるサンダー。ゴール下までは侵入できないので、その前にジャンプシュートを狙うとヒルのミドルは決まったけど、他のシュートが決まらない。問答無用に決めるようなシューターもいないし、ドライブコースを消されると苦しいぜ。

ベンチから打開役が出てくると面白いのですが、それっぽい選手は登場しません。ホーフォードがムスカラになるから、むしろ同じパターンにハマっていくよ。

対してマジックはロスの登場により、4人が3Pラインの内側から始まる形で、ロスにスクリーンを用意しアウトサイドで打たせます。3P連発でディフェンスを広げるロス。サンダーに比べたら、誰のどの武器を使うのかっていう意思統一は強い。

こうして広げたインサイドを使うのが・・・いない。ベンチメンバーになったら、インサイドを攻略するキャラ不足です。そんなことよりディフェンスが大事っていう考え方。なので、ロスが爆発するかどうかが全てみたいな状態です。

で、そのロスが決めまくる。タフショット関係なし。1Q途中から出てきて10点とり33-28でした。

◎困った両チーム

苦しいサンダー。ルーキーのマラドンがフローターをねじ込むくらいしか手がないように見えます。本当はここでポクセの高さを生かしたジャンプシュートがあると良いのですが、能力不足です。

ではどうするのか。ロスへ激しくプレッシャーをかけるしかありません。2人で囲むシーンも増えてロスがシュートに行く前に体勢を崩し、ミスを誘発させると2Q開始3分で追い付きます。守り切っただけさ。

そして、またもマラドン。ルーキーとは思えない落ち着きで、シンプルなピック&ロールをウイングから使ってミドル。トランジションでコーナーでフリーになっている選手を見ながら、スキのあったペイント内にパスを通します。お見事!マラドン!

かといって、自分で仕掛けるまくるわけでもなく、落ち着き払ったプレーメイク。トップでウロチョロするポクセが凡ミスで邪魔してこなければ、もっとマラドンの良さが活かされそうです。ハッシュタグ「ポクセ邪魔スキ」

マジックは限界なのでロスを下げて、ブセビッチ中心にします。フォーニエだけでなく、ゴードンを戻さないので、ブセビッチ中心の匂いが強いユニットに。ただし、コール・アンソニーとフルツ、そしてMCWを並べます。特に意味はなかったです。ブセビッチのシュートで点を取るよ。

短い休みでロスがセットで戻ってきます。フォーニエいないことで難しいローテだな。しかし、やっぱりゴードンは戻さなかったことで、4ガード1ビッグのサンダーディフェンスを崩せませんでした。だってアウトサイドまでチェイスしてくる選手ばかり。今度はマジックの方がアウトサイドで回しているだけになり、インサイドにはいってくるブセビッチ次第になった。そこをホーフォードが守り切った。

そんなこんなで、単発のアウトサイドくらいになった2Qでした。最後にヒル&ホーフォードでゴール下を決めて、52-51でサンダーがリードして終わります。

サンダーのオフェンスは4ガード1ビッグの良さを存分に出していますが、ワンパターン。マラドンがいなければ40点に届かなかった可能性すらあった。スクリナーが足りないけど、シューターもいないから特に問題ないってのは、面白いけどね。困ったときはディフェンスを頑張ろう。

ただ若い若いといっても、ヒルとホーフォードを混ぜてあるので、困ったら、この2人が変化をつける役割になっています。違うプレーを織り交ぜに行ったよ。

マジックのオフェンスは安定のロス頼み。これで勝ってきたんだから凄いし、それよりも守りきろうぜ作戦です。オフェンス担当の枚数不足がめだっている。

そんな中でフルツの成長に期待しており、ドライブ担当を作ろうしていているわけですが、飛び込むコース選択が悪い。そしてドライブするときとしないときがハッキリわかれているので、なんだかなー。

一方でコール・アンソニーは素晴らしい!マラドンに上回られたのは否定できないけど、常にドライブを狙いながら、シンプルにパスアウトしてくるので、流れるようなオフェンスを作り上げています。

フルツはベンチメンバーの中で個人技担当にして、アンソニーをスターターにした方が良いんじゃないかってくらいPGしているよ。マラドンもアンソニーももっと個人でガツガツ行くと思っていましたが、NBAでの適性を早々に示しています。

◎違うパターン

ブセビッチの突然のミドルから始まったマジック。その次はMCWのドライブ。MCWはもうひとつドライブ。どっちも前半にはやらなかったパターン。

サンダーはホーフォードとのピック&ロールから。ただし、ダイブを選ぶホーフォードがエクストラパスでヒルに3Pを打たせるパターン。ヒルはさらにドライブも決めて、こちらも前半にはなかったパターン。

ブセビッチ、ブセビッチと続くマジック、ヒル、ホーフォード、ヒルと続くサンダー。得意パターンが読まれた中で、引き出しの多さをみせるベテラン中心に修正してきた両チーム。特にヒルはコーナーにいても、見事なタイミングでディフェンスのスキを突いてはカッティング。

差が付き始めたのは、この先から。ブセビッチに引き付けられる中でインサイドを空ける選択をすると、そこにロスとゴードンが飛び込んで決めたマジック。ヒルのパスアウトを決められなかったサンダー。しかもフルツが外したミドルを飛び込んで押し込んでくれたブセビッチ。

このままマジックが行きそうだったのですが、エース・SGAが踏ん張ります。やっとプルアップ3Pが決まり、ドライブからゴール下のベイズリーにノールックパス。ディアロもドライブフローターを決めてサンダーも一歩も引かず。

そうこうしているうちにSGA以外はベンチメンバーになっており、またもマジックの火力不足な感じの3Qでした。マジックの方もツープラトンに近いくらいに交代させているので、ディフェンスの強度を保つのが一番大切なんだろうね。

◎エースとベテラン

ポクセがリバウンドの場面でテンディングする国際ルールとNBAルールの違いをしてしまい同点になりますが、マラドンがプルアップ3Pに続いて、ドライブから逆サイドのコーナーに見事なキックアウトパスでリードをもたらします。サンダーが互角に戦えているのはマラドンだよね。セカンドユニット対決で違いを作りまくっている。

しかし、そのマラドンのパスをスティールしたベーコンが、1人で持って行ってケンリッチを吹っ飛ばし、ムスカラのコンタクトを受けながら&ワン。サンダーはチャレンジします。失敗。この間にブセビッチが戻ってきます。

ここからしばらくマラドンとブセビッチの勝負に。お互いに決めていく中で、パスアウトしたときにムスカラがミドルを決めてくれたマラドンに軍配があがります。サンダーは早々にSGAとベイズリーを戻すと、そのベイズリーがコーナー3Pを決めて6点リードに。

両チームがスターターに戻ると得点が止まってきますが、打開したのが、今度はコーナーからカッティングしてきたベイズリーのダンク。でも、そのあとすぐにブセビッチがミドルで返します。なかなか流れを掴ませないブセビッチ。

さらにフルツがディフェンスでホーフォードにつっかけて、ミスを誘発します。ヒルのマークをしていたので、離すのは勇気のいる選択でしたが、ホーフォードが背中を向けた瞬間を逃しませんでした。このマイボールで勢いよく攻めることはせずタイムアウトのクリフォード。

勝負所と読んだオフェンスでしたが、ブセビッチのターンシュートはミス。しかし、ルーズボールがマイボールのスローインになると、セットプレーでゴードンのミドル。これで4点差に。

しかし、SGAがMCWによるハイプレッシャーでオフバランスになりながらミドル&ワン。凄いシュート決めたぜSGA。残り2分7点リードに。

強引にパワーで押し込むゴードン。そこまでベイズリーに抑え込まれていたのですが、マークがSGAになったところでフィジカル勝ちしました。&ワンだったけどフリースローを外して5点差。お互いにミスもあって残り1分。

ヒルのコーナー3Pが外れるもティップしてオフェンスリバウンドにしたホーフォード。やり直しのオフェンスは迷いを見せながらも、ブセビッチ相手に3Pを選んで決めたホーフォード。最後の最後に主役を食う活躍で勝利をもぎ取りました。

◎安定の交代策

20点取った選手はゼロながら、安定の6人が二桁得点で勝利したサンダー。本日のスタッツハイはベイズリーの19点12リバウンド。特にディフェンスでゴードンを抑えながら、リバウンドを奪いまくっていたのが印象的でした。

得点がシェアされているのはわかりやすいですが、サンダーのもう1つのシェアされている強みはリバウンド。ディアロやドルトがしっかりと飛び込んでキープするので、ロングリバウンドも含めて安定してキープ出来ています。4ガードみたいなユニットですが、高さのデメリットを感じるシーンは少なく、ヒル以外は強さも見せています。

プレーとしてはドライブ・キックアウト・3Pの単調な組み合わせですが、誰がやってくるのかわからないので、なんとか対策をかいくぐっている感じ。かなりギリギリだと思うけど、10人ローテの良さも使ってきています。

SGAとヒルの安定に加えて、マラドンによるプレーメイクにはミスが少なく、粘り強く戦えました。今日は10ターンオーバーしかなかった。マジックはもっと少ない6つなので、お互いにシュートが決まらないオフェンスだったけど、カウンターを食らわないから一方的になりませんでした。

マジックはフォーニエ欠場だし、連勝の面影がなかった。オフェンスの武器が足りていませんでしたが、それでもブセヴィッチがなんとか踏みとどまらせた感じ。

〇ニコラ・ブセビッチ
30点 13リバウンド

ロスもベンチから26点と主役は気を吐いた一方で、あくまでもバランスよく得点するのが強みだけど、スターターになったベーコンとMCWが共にFG2/11と予定通りの低調さ。さらにゴードンも6/15だったので苦しいぜ。

ルーキーのコール・アンソニーは見事なゲームメイクでしたが、こちらも自分自身はFG1/7と振るわず。サンダーの若手同様にリバウンドに飛び込んでくる良さもあって、全体的には良かったですが、今日は得点が欲しい試合でした。

そんなわけで、特定のエースに頼らない両チームでしたが、本日はブセビッチとロスに頼らざる得なかったマジックが負けたのは必然の結果だったかもしれません。

マジックvsサンダー” への1件のフィードバック

  1. サンダーは毎試合誰かが出てくる感じで見ていてやっぱり楽しいです。
    ポク君は色々慣れない中プレイングタイムを貰っているので心配でしたが、思ったよりディフェンスで穴にならない印象でした。アジリティがそこそこあってウィングスパンで遠くからでもチェックできるのでペイント内以外なら意外と守れてます。オフボールDはまだまだですが…

    マジックはベーコンにもう少しウィングから仕掛けさせてもいいような気がしました。ウイングでヒルとのマッチアップになったときもフルツが逆サイドからタフドライブでTOになっていたのを見ると、もったいないなと。チームOFの問題ではなくフルツのほうの問題なのでしょうか?

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