ラプターズvsニックス

2020/12/31

結果を知ってから見ている試合です。ラプターズはシアカム近辺がイマイチなのですが、それがニックス相手にどうなっていたのか知りたい。一方のニックスはキャブス戦は観ていましたが、基本的にはディフェンスからのカウンターで勝っていた感じです。

悪くないスタートを切ったニックスがラプターズを相手にどんなことをするのか。どこまで通用していたのか。結果は度外視して考えてみましょう。まだまだ結果に追われる必要はないよニックス。

◎シアカムいないし

と、思いきやラプターズはシアカムがいません。シアカム近辺に問題がありそうで、そのシアカムがいないとどうなるんだろうね。代役はパウエルなので、個人突破する選手がゼロで戦うことになります。

ラウリーとパウエルが大きく動き回り、アヌノビーとべインズがスクリナーになりながら、ポップシューターにもなる形で、ラプターズのオフェンスは鮮やかに始まります。ここだけ切り取るとシアカムいない方がベター。

特に序盤はパウエルのキレイなカッティングが目立ちます。それは抜け出すコースとパスのアングルが確保されているってことだ。スクリーン・カッティング・ポップ3Pの3つのオフボールを使われて手も足も出ない雰囲気のニックスディフェンス。これで攻められたら組織が作れていないチームには対応が難しい。

でも残念ながら1試合通して、そんなチームオフェンスだけで構築するのは難しい。アイソってのは極めて簡単に作れるオフェンスパターンなので、やりすぎない程度には混ぜたいし、昨シーズンのプレーオフでポストアップが流行していた理由でもあるよね。

1Qにそんな個人アタック担当をしたのはアヌノビー。ポストアップから個人で仕掛けるのですが、パスアウト先を探すアタックで結果的に自分で打つ選択だったので、シアカムの時のような閉塞感はありません。代わりに決まる気もしないんだけどさ。個人で奪う力はシアカムの方が高いよね。

ただ、チームオフェンスは良かったけど、キックアウト3Pが決まらなくなって得点が止まりました。シアカムが恋しかったような、恋しくなかったような。

ところでシアカムがいないので1Qからスタンリー・ジョンソンが登場しました。プレシーズンではどうみても渡邊雄太に負けていたのに、あれはなんだったんだ?

ベンチメンバーが増えると、よりパスワークが目立ち始め、テレンス・デイビスのドライブが有効に決まります。渡邊も出てきた。ニックスディフェンスが緩まったこともあって、次々に繋がっていくパスと決まらない3Pでロングリバウンドの繰り返し。走力戦になってきた。

◎どこで渋滞しているのか

ニックスは開始6分で4点しかとれませんでした。2点はトランジションからファールドローしたものなので、ハーフコートのオフェンスが全く構築できなかった。

ランドルやミッチェル・ロビンソンをスターターにしているので、この辺の選手までが走った時にチャンスが生まれます。その時、ウインガーは先に走ったらコーナーで待っているので、完全な速攻でなくても押し切れる形を作ろうとしています。キャブス戦は特に走力の違いが目立ちましたが、走れる選手を優先して使いそうなシボドーらしさ。

そしてツービッグなので、オフェンスリバウンドへの絡みは多いよね。ランドルはポップもするし、ロビンソンは基本的にエンドライン担当なのでツービッグだからといってインサイド渋滞がしているわけでもありません。特にロビンソンの位置取りは大切。

もちろんインサイドに人が多過ぎる事もあるけど、そこはそんなに気にならなかった。言い出したらキリがないし。でもね。何故かアウトサイドでドライブコース渋滞が頻繁に起こりました。ボールマンがドライブするコースが狭いし、ラプターズのヘルプがいるから、全く突破できない。

ボールサイドに3人が固まることが多く、バランスの悪いというか、突破のポイントがわからないオフェンスをしていました。特にラプターズと比べてしまうと効果的なオフボールの動きに乏しい。

かといってピック&ロールを行う回数も少なく、ハーフコートで何をしたいのかがわからず。ペイトン、バレット、ブルロックだと何が武器なのかもよくわかんないよね。ビッグマンもスクリーンを細かくかけているわけじゃないし。

予想通りというか、イメージ通りというか、トランジションが重要なニックス。そして今シーズンもランドルがエースなのかな。

ノックスが出てくると積極的に打っていきます。珍しくラプターズが空けてしまっているのもあるけど、トップからコーナーまで幅広く動いてボールを呼び込もうとしていました。リバースがわりとパスをくれるので、そこがメインウエポンみたいになっていたよ。

2Qになってランドルが下がると、そのノックスとバレットのドライブが出始めます。ノエルがスクリーンに来てくれるので、それを利用しながら飛び込んで・・・パスアウトが酷いな・・・。

ニックスの立ち位置なら、再建としてバレットにガンガンやらせるパターンを作るべきです。同じポジションにノックスもいるのだから、ウイングを核にした考え方は作りやすいはず。「シボドー何やってんだ 怒」という思いと同時に、パスアウトが機能していないのを見ると、まだ2人に任せるプレーをするのは早いのかもしれません。その考えもわかる。

バレットもノックスも今のところ得点パターンも少ないので、強引にアタックするしかないんだよね。ちょうどアヌノビーがオフェンスでは個人技働けていないのと似ているかも。能力は高いけど、シアカムみたいなフィニッシュパターンがないからさ。

それでも2Q前半はバレット&ノックスのドライブ中心で強く出ていこうとします。2人のハンドオフプレーから、バレットが渡邊と競り合いながらレイアップ決めたり、ノックスがドライブダンクに行ったり(ファールドロー)

ワンビッグにして、ツーガードと共に展開を早くし、バレット&ノックスがドライブで仕掛けていくのは、そこそこ面白かったです。ドライブを止められると打開できないので、トランジションを増やしていく感じ。ちなみにデニス・スミスとニリキナはいません。

あとノックスは前半14.5分プレーしたのですが、これが1Q残り6分半で登場してから、コートに残り続けてのプレータイムでした。ローテおかしくないか?

いずれにしても、ノックスがしっかりとプレーできることでバレットとのコンビで崩すのは悪くなかったです。ランドルの件も含めて、ペースを早めて構築していかないと苦しいけどさ。うーん、マジでウエストブルックを獲得しておいた方が良かったんじゃないの。

前半は両チームのFGが35%なので、どうにもならないくらいシュートが決まりませんでした。シアカムのフィニッシュ力がないからなのかラプターズ。得点するシステムが足りないからなのかニックス。そんな感じで、42-42の同点です。

◎決まらん3P

後半になってもお互いにシュートが決まりません。ニックスはショートレンジのフローターを決めて少しリードしますが、キックアウトしても3Pが決まらないから伸びない。ラプターズは何度もワイドオープンの3Pを打っては決まらない。

ウィザーズが今日の両チームと戦えば勝てたかもね。驚異的に決まらないので、ディフェンスの良い悪いが関係なくなっています。3Qずっとそんな感じ。書くことがないな。

ラプターズは変わらずアイソはないし、プルアップ3Pもなし。ハンドオフとドライブキックアウトを混ぜながら見事にパスを繋ぐチームオフェンスでフィニッシュが決まらない。

ニックスはバレットは消えていて、ランドル中心にペイトンやブルロックが詰めてのフローター。オフボールのスクリーンでフリーを作るとかはなく、速攻も出ない。

ちょっと流れを変えたのは、まさかのアレックス・レン。べインズが肘打ちを受けてベンチに下がると、両コーナーからの3Pにゴール下ファイトでセカンドチャンスで得点します。続いてブシェイも登場して、まさかのツービッグだぜ。

スタンリーもレンもプレシーズンでは渡邊に負けていたのに、シーズンになると違うんだね。ニックスオフェンスが怖くないからオフェンス優先だったのかもしれませんが、ベンチメンバーになってラプターズが優位に進めていきます。

ノックスは前半同様に積極的に打っていきますが、残り1分でレンが3Q3本目のコーナー3P。これで71-64とリードしたラプターズでした。そういえばマット・トーマスもいないじゃん。両方ともシュートが決まらない中で、レンが決めた分だけリードしただけでした。そしてレンが決めたので渡邊の出番はなかったのでした。

◎初めてのラッシュ

引き続きレンとブシェイを並べるラプターズ。ゾーンにしたり工夫しており、スティールも出るのですが、いまいちなトランジションオフェンスで点差を離せないでいると、ゴール下でノエルをドフリーにしてしまいます。やっぱりディフェンスの連携が悪いメンバーだ。レンを辞めます。

ニックスはリバースが久しぶりの3Pを決めるけど、次が続かず。ウィザーズvsブルズは内容は乏しくても、決めていくから観ている分には良かったけど、この試合は決まらな過ぎて、良いも悪いもないわ。

5分経過したところで、ヴァンブリードのプルアップ3P、ラウリーのパスからブシェイの3Pと2連続で決まって、ラプターズが一歩抜け出します。一方でノックスはフェイクでディフェンスを飛ばし、ワイドオープンにしたけど決まらない。

バレットの3Pも外れ、そのリバウンドからラウリーが持ち出し、最後はブシェイのダンク&ワン。このフリースローが外れたのを、なんとラウリーが拾ってパスアウト、ヴァンブリードの3Pに。この試合で唯一といってよりラッシュが発生した1分半で13点差まで広がります。

3Pが決まったことで前に出たニックスディフェンス。裏を取っていくラプターズ。あまりにも3Pが決まらないニックスが追い上げることは出来ず試合が終わったのでした。

〇3P
ニックス 8%(3/36)
ラプターズ 33%(12/52)

結果的になんとかなったラプターズ。52アテンプトはチーム史上最多タイだと思います。それはニックスがインサイドばかり守っていたのも関係していますが、33%決めて100点しか取れなかったのだから、やっぱりオフェンス問題は大きそう。

シーズンで苦戦している理由はオフェンス力がないからなのですが、その一端がディフェンスからのカウンターが出来ないってのもあるので、攻守一体で苦しい。シアカムがいなくてどうなるかと思ったら、良い感じにボールを回しながら得点が取れなかったのでした。

そしてニックス。8%ってなんだよ。ブルロックが9本、バレットが8本打ってオールミスです。ブルロックは大問題だよな。そのためにいるわけじゃん。

ノックスとバレットによるドライブオフェンスは良かったのですが、パスが上手くないし、ズレたパスを決めてくれるようなシューターもいない。1つの問題だけなら「運の悪かった試合」なのですが、選手の組み合わせも苦しかったです。

3P1本も決まらなかったブルロックとランドルが38分もプレーしているのですが、そんなに選手がいないのかね。この問題はずっと続いているな。

昨シーズンよりは良くなっていますが、バレットとノックス中心にするなら周囲を囲む選手のタイプが違う気がして、かといってランドル中心にしてパスアウトしたところにいるバレットに3P打たせまくっている形も苦しいな。

ちょっと苦しすぎた試合なので、また違う試合で確認しましょう。

ラプターズvsニックス” への2件のフィードバック

  1. シアカムに関してはどうやら今シーズンの出来があまり良くないからかは分かりませんが、ナースがあえてベンチの座らせることにしたようですね。

  2. いつも見させてもらってます。
    この試合は3pが本当に酷かったです。8%って初めて見たかも(笑)
    今年は新人のイマニエル・クイックリーがPGで上手くいきそうな雰囲気ですが怪我で出てないです。
    ランドルは昨年はなんだったんだという位、デフェンス引き付けてからパスアウトを良くしてるので外が決まらんと何ともならない感じですね、、、
    クイックリーの記事アップされるくらいの活躍を期待!

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