どっちの方向に流れようか。
難敵バックスをテイタムの決勝3Pで制し絶好のスタートを切ったものの、ネッツとペイサーズに連敗したセルティックス。イーストのライバルと戦った開幕3連戦は1勝2敗となりました。準備期間が短い中で、既に形の出来ているチームだけに優位かと思われましたが、むしろセルティックスの方が準備段階にあるような3連戦でもありました。
これといって書きたいポイントはないのですが、全体像としては触れてみたいことが発生しています。開幕直後の雑感を書いていきましょう。
◎エースの奮闘
ヘイワードが移籍し、ケンバが欠場している中で、平均108点のうち51点をテイタム&ブラウンが取りました。なかなか連携が作れていない中で両エースが個人技でこじ開けてくれるシーンが多く、その意味では2人が順調に成長していることを感じます。
「エース中心」の毛色が強まっているわけですが、ケンバがいない中で2人合わせて+7点くらいなので、周囲の得点力も欠かすことは出来ません。昨シーズンの平均得点をみてみると
テイタム 23.4点
ケンバ 20.4点
ブラウン 20.3点
ヘイワード 17.5点
スマート 12.9点
ここまでティーグ9.3点、スマートとトリスタンが9.0点と3人目のスコアラーが続いていません。そのためエース2人による奮闘が目立っています。どちらかというと3人目が続かない事の方が問題に思えてきます。
エースの個人技を中心としたオフェンス
これが今シーズンの特徴になっていますが、よくよく考えると昨シーズンはケンバとヘイワードを含めて主役が多く、ドライブ中心の戦い方だったので、単に「主役が足りないからエースに頼っているように見える」のかもしれません。
プルアップ3P 15.0→ 9.5本
キャッチ&3P 19.3→23.5本
実際、テイタムが目立っている以外にはプルアップ3Pは大きく減り、キャッチ&シュートは増えています。トータルの3Pが減ったので気になるところでしたが、チームとしてはパスから3Pに繋げることが出来ており、単にドライブで切り刻める選手が少ないから困っているだけにも見えます。
そんなわけでケンバの復帰を待ちましょう。
と、いうところまでは良いのですが、ケンバが復帰したとしても、ヘイワードがいないのだから、もう少しオフェンスは個人に頼らないように調整していくべきなのでしょう。プルアップ3Pで何とか出来るとは限らないので、チームとして打つ形を作っていかなければいけません。
しかし、ドライブ+パスアウトを構築していくには、ロスター構成として苦しい部分もあります。それが如実に出たのがペイサーズとの試合でした。ただ、どんな順番で書けばよいのか難しいな。うーん、うーん。
ところで、ブラウンがここまで3P23%と決まらないながら、平均26点を奪っています。テイタムと違ってブラウンは「プルアップ3Pを打たない」タイプの1on1をしており、3試合で1本しか打っていない状態です。
現状は昨シーズンよりもチームの得点力が落ちていますが、実はブラウンがプルアップ3Pを1試合に2本決めてくれるだけで、エース中心の形は成立してしまうかもしれません。チームオフェンスとしては課題が多いものの、エース2人によるアタックだけで構築出来てしまう可能性もあるのでした。
チームでコンビプレーを増やすか
ブラウンにプルアップ3Pを打たせるか
後者を取ると、つまらないオフェンスが増えるかもしれませんが、プレーオフの事も考えると、そういう修行も今のうちにしておくべきかもしれません。
◎ビッグマンが多い
トリスタン・トンプソンを補強し、スターターとしてタイスと並べてきました。そしてベンチからはグラントとロバートの両ウィリアムスが登場するので、試合の大部分でツービッグ体制を維持しているのが、この3試合の特徴でもありました。
これまでタイスのワンビッグがスターターで、終盤になるとスーパースモール路線も使っていたチームなので、この変化は驚きです。ドライブするスペースは減ったのにブラウンはハイスコアなのもスゴイ。
トリスタンについては、あまり評価していなかったのですが、よく動き回ってチームオフェンスに馴染もうとしているので好印象でした。しかし、それ以上にタイスがオフボールムーブからの3Pまで決めていたので、そこがキーになっていました。
が、それはバックス戦の話。ネッツ、ペイサーズ相手にはそれぞれ2本の3Pを打って決まらず。次第にプレータイムを減らしてきています。そしてタイスが減るにつれて、トリスタンもプレータイムを減らしています。
というのも、タイスが3Pを決められず。トリスタンの方もインサイド専任なのにFG48%と確率が悪いため、この2人の関係性がエースに頼る形を増長している一面がありました。一方でロバートは2試合合計でFG8/9なので、何が良いのかブラッド・スティーブンスもお試し期間になっているっぽいです。
〇ペイント内得点 47.8→42.7
そしてビッグマンを増やしたら、ペイント内得点が減りました。トリスタンやロバートがいることでインサイドに人が多くなってしまったわけで、非常にわかりやすい困り方をしています。
エースに頼らない形を作りたいけど、「センターのインサイド合わせ」が上手くいっていないわけです。トリスタン本人は頑張っているけど、やっぱり
タイスのワンビッグの方が、ドライブしやすく、エース達も得点がとりやすい
結果が伴わないと、そんな悩みが生まれてくるかもしれません。ただ、ヘイワードの移籍によって、突破できるウイングの選手層は薄くなったわけだし、そこに妥協点は見いだせないので、シーズン通じてビッグマンの組み合わせと役割の試行錯誤が続く気がします。
◎ホーフォードがいない
エースの突破が増えたけど、チーム全体としてはプルアップではなくキャッチ&シュートでの3Pを増やさなければいけないのが現状ですが、ビッグマンが増えたことで、それもままならなくなっています。
現在のセルティックスで起きている(起きそうな)最大の問題は、ここの矛盾です。もうちょっとコンビプレーで崩したいけど、ポップできるビッグマンがいないから、パターンが限られちゃうんだよね。テイタムがプルアップ3P打ちまくっている理由にもなっていて、
インサイドで渋滞しているから、外から打った方が正しい選択になりがち。
ピック&ロール使っても、ポップして3P打てるのはタイスだけ
インサイドでポストアップし、プレーメイカーになれるビッグはいない
そんなわけでビッグマン達は活躍しているけど、チームとして崩す形に繋がりにくい理由にもなっています。こうなるとHCじゃなくてGMの失敗だな。どうして似たようなタイプばかり揃えてしまったんだ。それともグラントにポイントセンターをやらせるのか。
ということで3試合の感想としては、1on1中心のエース頼みなんだけど、「これじゃまずいから、コンビプレーを増やそう」と思っても、ディフェンスの守り方に応じたプレーチョイスが出来るビッグマンがおらず、インサイド渋滞が基本になってしまいます。
もちろん、テイタムがスクリナーになったり、オフボールでビッグマン達に複数のスクリーンをかけさせる形もあるので、まだまだ工夫は多くできますが、そうなるとシューターが1人欲しくなるね。ペイサーズ戦ではオフボールで動き回るマグダーモッドに振り回されましたが、あの役割をする選手がセルティックスにはいない。
結論として、またも「ホーフォードがいない」ことが問題になってしまったよ。便利なタイプのセンターが欲しいよ。せめてテイタムの親友ジャイルズを連れてくるべきだったかな。
チームオフェンスとビッグマン活用法。表裏一体のテーマになっているような感じです。コンビプレーをしたいけど、何をチョイスすればよいのか。どう考えてもテイタムに託したほうが効率がいいし。
◎ティーグとプリチャード
トリスタンと並んで重要な補強だったのがティーグ。良い補強であり、サードハンドラーまで使いまくるブラッド・スティーブンスも納得の補強でしょう。実際、PGとして開幕戦では良い形で構築してくれました。
でも、この2試合は低空飛行。現在のティーグはFG27%、2.7アシストとなっています。苦しいね。
ティーグの良い部分は堅実な事。
悪い部分は積極的には打たない事と予想外のプレーをしない事。
3試合68分もプレーしていますが、3Pアテンプトが5本だけ(うち、4本決めてる!)なのは、セルツらしくないチョイスです。プルアップ3P減少の一因はティーグのプレースタイルにもあります。
一方でルーキーのプリチャードは、高いシュート力を発揮し、ここまでFG64%と決めまくっています。3Pは5/7です。プレーメイク能力は低いですが、PG不要な空気を出すHCなので、ティーグよりもハマるかもしれません。
いずれにしても、この2人には時間が必要。そして時間以上にパスが欲しい。ティーグはビッグマンからのリターンパスが、プリチャードは全体的にパス交換したい。
ビッグマンに3Pが少ない以上は、この2人を有効活用しないといけません。シューターがいないことを含めて、プリチャードをもっとオフボールで動かしても面白いかもしれない。そういえばカーセン・エドワーズはどうした?
欲を言ったらキリがなく、サードハンドラーという位置づけであれば、この2人はよくやっていると思います。ただ、どうしてもボールが止まってしまう「エースの1on1中心のオフェンス」では、単なるシューターになるので、使い方というかチームのシステムを考えないと苦しそう。
ティーグのピック&ロール
プリチャードのオフボールムーブ
そんな要素を取り込むためにも、グラント含めて、パッシングオフェンスが出来るといいのですが、そこにテイタムはハマらないので、ここも結構難しいよね。選手個人は悪くないけど、どんなシステムにしていくのか。似たような問題は続きます。
◎カウンター
インサイドを厚くしたので、オフェンスリバウンドを増やしました。
〇オフェンスリバウンド 10.7→12.0
ただ実は昨シーズンも割と多くて、カンターが短いプレータイムでチームトップの2.8本も稼いでいました。トリスタンとロバートがカンターの穴を十二分に埋めていますが、ゴール下に選手が増えたことで、カウンターを食らいまくっています。
〇トランジションでの失点 17.7→26.0
セルティックスのディフェンスは、変わらず強力に守っていますが、このトランジション増により効率がガタ落ちしています。失点の1/4近くがトランジションなのだから、そりゃあ負け越しますよ。
ここまで被FG52%はリーグ最低です。ネッツにやられた関係もあるので、一時的なものではありますが、リバウンド増と引き換えに失ったものの方が大きかった3試合でした。
ディフェンスでは、スマートの存在もネガティブに働いていて、スーパーディフェンダーが活躍するシーンがさらに減ってしまいました。昨シーズンは「テイタムが守れるようになったから出番が減った」と感じていたのですが、ビッグマンが増えたから、カバーリング不要になったよね。
「困ったときはオフボールスイッチでスマートへ」というのがセルティックスの守り方。でも今はスマートがチェイスするのがお仕事です。まぁこの問題はケンバが戻ってきたら解決すると思いますが、全体的に
どこでバランスをとるのか、揺れ動いている
という印象が強かったです。リバウンドをとってもカウンターが増えたのは、その最たる例だったと思います。
◎個人とチーム力
書いてみると、かなりネガティブな要素が多いですね。1勝2敗なんだから、そりゃそうだ。あとテイタムとブラウンの個人技をいまさら誉めることもないから新しい要素として書いていないだけです。実際にはポジティブとネガティブは半々くらいだよ。
そんなわけで3試合の感想は、
・個人個人をピックアップすると、みんな活躍している
・チームとしてみるとバランスが悪い
こんな感じでした。
個人の力がチーム力として反映されていない
そんなバランスの悪さを感じています。見た目的には1on1オフェンスなのだけど、ひょっとしたら「そうならざる得ないチームバランス」だったのかもしれません。
どんなコンビネーションを加えていくのか考えると難しく、考えられるのはテイタムとブラウンをフリーにするためにスクリーンを用意することくらいです。
ある意味、そんな状況でも戦えているのですから、気にしすぎてもダメなのかも。
それにしても苦しいというか、悩ましいというか。プレーオフではビッグマンの差でやられてしまった形ですが、そこに選手を厚くしたら、それはそれで柔軟性が足りないっていう。
今後のスケジュールは
ペイサーズ
グリズリーズ
年が明けて
ピストンズ
ラプターズ
ヒート
ウィザーズ
ヒート
と続きます。やっぱりラプターズとヒートとの対戦が、このロスター構成の意義を問われそうです。苦しい面を感じていますが、ここまでに1つの答えを出してテストしておきたいところです。
ブラウンのプルアップ3P
ビッグマンの組み合わせ
キャッチ&3P
控えハンドラーのプレーチョイス
この辺で何を改善してくるのかに注目しましょう。
すみません、セルティックスのことではなくて。ウィンターカップ男子決勝の話題は興醒めですか。
なんか事件ありましたか?
全く観てないです。
開志国際高の件については、やり過ぎだと思ってます。
見たのは1試合だけですよ。
知る限り、男子決勝で事件はなかったです。ただ、クラッチ、クローズの時間帯に試合上大波乱でした。管理人さんは予想できたかなと。『試合開始当初からフリがあったでしょ。』なんて言うんでしょうか。
シュートが決まらない、かつ、インサイド被制圧による手詰まりでこのまま推移しそうだな、と思っていたら、…。
あとは、最後どうすればよかったかなって。
純粋に試合が白熱したけど、手詰まり感もあったって事ですね。
結果を知ってると、そっちに流れちゃいますね。
NCAAでも最後は手詰まりの戦いですから、ルール的にも。
管理人さん見てないから、情報はこの辺で。もし見たら、触れてくださいよ。惹くことを申すなら、
『スモール1ビッグvsオールウィングの試合のクロージング』
でしょうか。上手く回避しながら推移していただけにねぇー。
最初の試合を見てTTじゃなくて、ベインズとか、Mレナードとか、ガソルを獲っていれば良かったんじゃね?と思いました。それを3試合続けたのもよく分かんなかったです。
ひょっとしてタイスの価値を高めてトレードしたいんですかね?
ヘイワードが残した28M分のTPEもありますし、ブラッドじゃなくてエインジが何か考えてるんじゃないかと邪推してます。
でもエインジはトレード下手というか、他のチームから嫌われていて成立しない噂もありますね。
TPE使って最後にホーフォードを戻すことも可能ですし、とりあえずは他のチームの状況待ちかなぁ。
セルティックスの試合をいつも見ているわけではないので、また外れかもしれませんが最近スティーブンスのマジックで勝ったみたいなのを聞かなくなったなーと思いました。数年前まではよく聞いていたのですが。エースの個人技が多いのは、カイリー問題による反動なのかなと思ったりします。最近はエースと監督の関係って難しそうですし。アトキンソンのようにスディーブスは育成コーチとかそのうち言われそう。
育成コーチではないのですが、むしろ選手個人を信じるようになって、マジック発動しなくなりました。
ある意味、プロへの配慮を始めたら上手くいかないケースなので、もっと自分を出すべきなのだと思います。