WCF① レイカーズvsナゲッツ

意外にもチームで4回目のカンファレンスファイナル進出だというナゲッツ。そして11回目のレブロン。プレーオフの勝利数もレブロンが上。まぁどっちにしても今のナゲッツには全てが初めてなので関係ありません。

◎両エース

レイカーズはレブロンアタックとADアタックの繰り返す。ただし、速攻が混ざってKCPやクズマも決めていきはします。特にADアタックはカバーが効かないのでミルサップに託され、平面はそこそこ止めるんだけど、フローターを決められちゃうからシュートは決められてしまうミルサップ

一方でレブロンの方は、早めのブリッツとアンダーでの追いかけるマークマンでミスマッチにならないような守り方が出来るナゲッツなので、そこまでやられないのですが、速攻で加速したら誰も止められないレブロン。

そう、レイカーズは速攻が良い。特にKCPとクズマはボールがない時にしっかり走っていて、そこにレブロンは長いパスを通してくるから、ちょっとでもピックアップが遅いとイージーに決めてきます。

ナゲッツはマレー&ヨキッチなんだけど、ほぼヨキッチ。2人がハンドオフなんかをするたびにディフェンスをずらし、でも結局はヨキッチのポストアップみたいな。

マレーとヨキッチばかりがシュートを打っていくナゲッツ。マギーは開始5分くらいで1試合分のディフェンスした感じじゃないかな。何度も何度も自分の所を攻めてくる。

ただ、その5分を過ぎた頃から、オフボールで動くヨキッチに引っ張られている間にマレー&ミルサップのピック&ポップでミルサップが3Pなど、段々と他の選手が絡み始めます。

特にマギーがいなくなってヨキッチvsADになると、グラントやクレイグがゴール下に飛び込んでミスマッチ利用でシンプルに。ADならヨキッチを止めそうと思ったら、止めさせておいてのアシストだからやんなっちゃうよね。

それぞれ交代してもADは止まらずタフショットを決めていくし、自分に寄ったら見事なアシストをゴール下に通す。快調なAD

ヨキッチ中心のパターンはマレーがいなくても変わらず。ポストから自由自在なナゲッツ。ヨキッチ→マレーになったらオフボールが活発になって、ダミーのカッティングにアウトサイドで3Pとかオートマティズムがある。

両チームが点を取りあう展開は、ちょっと予想外でした。どっちも両センターを止められてなかったともいえます。最後はマレーがvsADでブザービーター3Pを決めてナゲッツが2点リードの38-36で1Qが終わります。

非常に見応えがあり、お互いのオフェンスの良さが存分に出たオープニングとなりました。ケチのつけようがない1Q

◎追い込まれたナゲッツ

2Qになると突然均衡が崩れます。レイカーズはモリスが3P連発したこともあって勢いが落ちず、そしてスモールラインナップでレブロンやカルーソがドライブアタックしてはファールドロー。インサイドアタックと3Pがキレイに決まるオフェンスを継続。

一方でスモールになったこともあり、1Qの反省もあり、インサイド側を固める意識を強めるレイカーズ。それでもコンビで崩すナゲッツなのですが、フィニッシュが決まらない。

こんな時にはシューティングで広げたいわけですが、MPJが決まらない。多分、このシリーズでキーになるのがMPJの得点力なのですが、殆ど役に立っていない2Q。

レイカーズのディフェンスとナゲッツのオフェンス。両方の要因があって止まり始めて困るとヨキッチが戻ります。ここでハワードも入ってきます。

するとヨキッチが連続でオフェンスファール。結構厳しいコールだったのと、レイカーズ側は多くのファールを貰っていたので、レフリーにフランストレーションを溜めそうなナゲッツ。その後もレブロンのチャージを受け止めたマレーがファールコールされてるし。

ただし、それを引き出したのはハワードがガードみたいにヨキッチを追いかけていた事。ボール持ってなくても関係ない。しかもヨキッチが下がるとハリスのドライブを逆サイドから飛んできてのバレーボールアタック。

そんなわけで全く得点が取れないナゲッツと順調なレイカーズで、6分経過した時点で15点差。ビックリ。しかもヨキッチがいない。追い込まれてしまったナゲッツ。追い込まれるのは慣れているけどヨキッチがいないと、ちょっとね。

そして、この時点でファールゲームを始めます。ターゲットはハワード。でも2本とも決めたハワード。ADのステップインの時にミルサップを押してADにぶつけてファールさせたハワード。大暴れのハワード。

それでもマレーが個人技で返していったのに、またハワードでファールコールされたマレー。後ろから来たのがハワードだけどマレーのファール。何故かハワード贔屓のレフリー。ハワード近辺だけ、よくわからんコールが多いな。

マレーもヨキッチもベンチのナゲッツ。モリス中心にあんまり関係なく組み立てられるのですが、MPJがね。「そこを決めれば」というパスアウト3Pが決まらず、レイカーズはインサイド優先で守っていればOKになりました。

これで前半が終わって70-59でした。

アレっ?なんで点差が縮まっているの?

マレーもヨキッチもいなくなってから反撃したナゲッツ。モンテ、プラムリー、ハリスを中心にボールを動かし、ドライブし、絞りにくいオフェンスで次第にレイカーズは困っていきました。これでMPJの3Pが決まっていれば追いついたんじゃないっていう。

一方のディフェンスは・・・ファールしたらフリースロー外してくれた・・・。そんなわけで追い込まれてから落ちてくれないナゲッツという2Qにもなりましたとさ。

◎ノーミルサップ&グラント

3Qのスターターをハワードにするヴォーゲル。そして即ヨキッチのファールを引き出して4つ目。ここから手を出しにくくなったヨキッチと、ゴール下を押し込むハワードという構図になって、レイカーズは地味にジワジワ。

一方で3Qといえばグラントとミルサップ。ところがグラントが何度もフリーで3Pを打つけど決まらない。ミルサップはゴール下をポロっとね。マレーこそ3Pを決めるけど、どうにもチームとしてシュートが決まりません。

あれか、まだ0勝0敗だからか・・・

ナゲッツが逆転勝利を挙げていたのって、意外とマレー&ヨキッチ以外のところからなので、全体が機能して初めてそんな流れになるよね。全然、逆転の匂いがしない。

残り4分。ハワードに体をぶつけたくないヨキッチによって抜け出したハワードのアリウープ。そしてKCPの速攻ダンクが決まったところで19点差。今日はここまでかな。

◎ハワードとヴォーゲル

レイカーズが大勝したポイントは2つ。1つはハワードが異常に頑張ったこと。それが全てってくらい頑張ったハワード。ただ、本当はそれだけでは勝ちには結びつかないのですが、レフリーコールが味方をしてくれました。

オフェンスファールってかなり微妙なので「コールがおかしい」とかではなく、「この基準でコールされたら、ナゲッツのハンドオフは成立しない」ような微妙なところ。まぁよくある話だね。

合わせ技でファールトラブルにもなるし、ハワード調子よく決めるしってのが大きかったです。それは同時にセカンドラウンドで起用しなかったハワードのメンタリティを保ち、しかも後半はスタートさせるっていうヴォーゲルのマネジメントが成功したって事でしょう。

そんなわけで、ハワードとヴォーゲルの作戦成功が大きかったです。

ナゲッツの方はインサイドで強みを発揮したレイカーズに対して、MPJ、グラント、ミルサップがもっとストレッチしてあげないといけなかった。あまり打たないミルサップはともかくMPJとグラントは結構決まっていたのに、この試合は沈黙。

1つのことで大きく変化するので、パスアウト3Pがちゃんと決まっているだけで、レイカーズはかなり守りにくくなっていたと思います。それが出来なかったから、オフェンスも手詰まり。といっても3Q終わって80点近くとれているんだけどね。

あと、打たないミルサップについては、相手がADになることを考えると、インサイドでの奮闘がしにくいから、やっぱり打って決めないといけません。ADのワンセンターになったら、インサイドで奮闘すればよい。

ロケッツとのシリーズをノービッグでクリアしたヴォーゲルですが、ゲーム1は2人並べた方が効果的と踏みました。それも試合中の変更だったので、決断とハワードの活躍が大いに機能したゲーム1でした。おしまい。

レイカーズの1勝0敗。あと2勝と1敗してからが勝負なのか!?

WCF① レイカーズvsナゲッツ” への6件のフィードバック

  1. ハワードはヨキッチを乗せないベテランのズルさと上手さがありました
    見てたらムカつくこともありますが、今日のプレーは実に上手いです…
    ちょっと感動

    1. ハワードに「ベテランのズルさと上手さ」とか笑えるんですが、マジで生まれ変わりすぎです。

      1. 確かに全く似合わない形容詞ですね笑
        「超スリムにシェイプされたメロ」くらい衝撃でした
        今年のプレイオフはそういう崖っぷちベテランの意地が見れて感動です!

        1. 「超スリムにシェイプされたメロ」
          「ハードワークと献身性のハワード」

          なんの冗談なんでしょうね

  2. いつも楽しく、的確な分析に感服しながら読ませていただいています。初めてのコメントとなります。今日のLALはレブロンが1Qからアシストモードにならずしっかりアタックしたこと、2ndユニットでロンドがビッグマンを自由自在に操ったこと、ヨキッチにダブルチームに行かずに守り切ったこと、ADが相変わらず無双した点にあると思いました。特にLACと異なりヨキッチを1on1で守れたことで、ロールプレイヤー達に自由にプレーさせませんでした。この傾向が続く場合、DENはヨキッチ起点のオフェンスをどのように改善すべきでしょうか。また無双してるADに今日はそこまでダブルチームに行っていなかったと思いますが、今後どのようなディフェンスすべきでしょうか。今後の展開のポイントになりそうなので是非お考えをお伺いしたいです。

    1. ヨキッチをダブルチームせずに守れたというよりは「ダブルチームは不要」くらいの感覚だと思います。実際、プレーオフになってダブルチームに行くのは愚策という結果が出ています。
      ファーストラウンドはマレーvsドノバン・ミッチェルでしたが、あんなハイスコアになった理由は両チームがダブルチームを避けたから。なので、レイカーズも、そしてADへのナゲッツも安易にダブルチームにはいきません。多分。

      ヨキッチはAD相手でも十分にプレーできていました。特にADをアウトサイドに引き出せてしまうので、他の選手が有効にインサイドを使っています。
      ただ、ハワードがあんなことしてくるのは予想外であり、「止められた」ことよりも「苛立った」ことでファールトラブルでした。ハワードがこれを続けるならナゲッツは苦しいです。

      ADのミドルが外れるのを祈るのみ。ミルサップは守れるのである程度任せるでしょう。問題はグラントをスターターにしてしまったので、控えがいない事。スターター変更したほうが良さそうな気がします。あとはクレイグがレブロン担当ですが、そこもグラントが担当するので、グラントの仕事量が多過ぎな感じかな。

      ということで、ディフェンスはある程度はやられることも想定しての通常の守り方でいくでしょう。問題はオフェンスで取り返せるかどうか。MPJの出来がナゲッツのカギを握ると思っています。そしてダメダメだったゲーム1です。

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