ECSF②ラプターズvsセルティックス

ラプターズ0-1セルティックスで迎えるゲーム2

ゲーム1は硬いディフェンスで完勝したセルティックス。そのディフェンスをシンプルに言えば

1.ビッグマンを放置してカバー優先のセンター
2.1on1能力の差

こんな感じでした。とくに2はシアカムが1on1を勝っていれば全然違ったぜ。ただ、この程度でひるむようなチームオフェンスをしていないラプターズなので、トランジションに勝機を見出そうとしましたが、ヴァンブリードが歩いていたシーンは、意思統一が異常なラプターズとしては信じられないものでした。

ニック・ナースがどんな改善をしてくるのか。トランジションが全てでは勝てるわけがない。

◎放置と1on1

ラウリーのドライブに対してガソルが感じられなくて、パスが通らず、タイスがラウリーをブロックして始まるのですが、タイスはもうインサイドでもガソル放置してるじゃん。

ってことで、ガソルの位置がインサイド側になり始めています。ラプターズは後半になるとこれを増やすのですが、初めからインサイドにいるよ。そして次のプレーでシアカムのポストにタイスがカバーに行ったのでゴール下でフリーのガソルが決めました。

さらにシアカムがブラウンとの1on1で攻め切ります。これがゲーム1との大きな違い。純粋な個人の頑張りが必要だった。ちなみにシアカムはvsケンバにしてもらうと、攻め方がわからないみたいでパスアウトして中途半端になっていました。

序盤でわかりやすく改善したラプターズ。そこからラウリーやヴァンブリードがドライブレイアップやキックアウトでアヌノビーの3Pが決まり、良いスタートを切れます。すべてはゲーム1で止められていた事の改善から。

ただ、1on1なら普通にテイタムが勝つよ、ってのがプレビューなので、こっちは普通にやられます。抜けないんだけど、タフショットで返すテイタム。

加えてタイス→ロバート・ウィリアムスにするとゲーム1同様にケンバからのインサイド合わせのダンクが出ます。こちらは2on2でそんなに崩せていないんだけど、スピードと高さの差でケンバのパスが正確ならイージーになってしまう。弱点利用のケンバ。

一瞬、ラプターズがリードを得たけど、そんなに問題なく追いついていくセルティックスです。

6分が経過した頃からシアカムが1on1をミスし始めます。それに対してロバート・ウィリアムスが走りまくってプットバックしまくるし、合わせのダンクも決まります。空きまくるロバート。ついていけないラプターズディフェンス。

それでもヴァンブリードとアヌノビーの3Pでリードを得ていったのですが、パウエル砲も不発で序盤の良さに比べると苦労しまくることに。最後はロバートがまさかのハイポストから決めて28-28と同点の1Qでした。

FG5/5だったロバートは両チーム最多の10点。大穴すぎ!そしてビッグマンが勝てない問題がディフェンス側で出てくるとは夢にも思わなかっただろうね。ブラッド様としては計画通りに攻略なんだろうな。わざわざロバートにして、広いスペースで合わせさせました。

◎ローギア

テイタムの3Pでセルティックスが逆転。アクセル踏みまくっているラプターズと、安全運転で決めているセルティックスって感じ。

ラウリーがハッスルしまくって、イバカのフローターをアシスト、自分でドライブレイアップと差を生み出していますが、ちょっとそこしかない感じ。

ただ、テレンス・デイビスとブシェイを起用して、ハッスルディフェンスで踏ん張っています。ナース様も1Qをみて動けるブシェイじゃないと苦しいと判断したようです。

狙い通りタイスのダンクをブロックするシーンも出て耐えるディフェンス。そしてセルティックスからしてもテイタムアタックに全てを託している時間なので、オフェンスに拡張性は出てきません。

スターターが戻ってくると、共に止まり始めます。決めたのはファールドローとタイスのコーナー3Pくらい。そしてこのコーナー3Pはガソルがインサイドとアウトサイドの両方には間に合わないことを使っています。

そして再びタイス→ロバートのブラッド様。徹底してガソルを狙いたい様子。しかし、そのガソルが嘘くさいバンクショットを決めると、ケンバとロバートのピック&ロールはアヌノビーがカット。そのままヴァンブリードが速攻を決めます。

その時、ゲームに夢中で観ていなかった娘がカメラに捉えられましたが。

ヴァンブリードは3Pも決めるも、ブラウンが3Pで返し、そしてピックからガソルとの勝負になったテイタムがフローター。シアカムはブラウンとのフィジカル勝負から何とか決めますが、次はカバーのロバートがブロック。

ブラウンの3Pがまた決まり、空けられたガソルは決まらず。ラウリーのドリブルに後ろから当たってきたブラウンがノーファールで、そのまま速攻になってグラントがダンク。

なんか、どうもセルティックスの方がコールされないよなーと思っていたら、今度はケンバが3Pを打つ時に頭を叩かれたと痛がるけどノーコール。この流れから(速攻は決まらないけど)最後はシアカムがブザービーターで放った3Pが決まり、50-48でセルティックスがリードして終わります。

要は1本のシュートを打つための労力がラプターズの方がかなり多い。セルティックスはシンプルに打てているし、ドライブすればワンパスでシュートチャンスがあります。インサイドが空いてしまうし、空けないと3P決められている。

それに対してシアカムのアタックは1on1だけじゃなくて、ロバートがカバーに来ているけど、フリーの選手にパスが通せていません。インサイド合わせをしなくなったガソル。

◎シンプルに

ラウリーのパスからアヌノビーが3Pを決めるスタートも、ケンバがタイスのスクリーンを使って長めのオフボールからフリーになって3P。何があるかといえば「どうせガソルはスイッチしてこないだろ」みたいな。

もともとオフボールで大胆な位置取りをするラプターズディフェンスは、ここでスイッチする必要がないことが多いのですが、ブラッド様が工夫してきているよね。それが何かは映像見返さないとわからん。

2人のマークをかいくぐりながら、もう1本アヌノビーが3P決めて迎えた次のオフェンスで、この試合何度も行われているシアカムvsケンバで、やっと、なんとか、ギリギリでシアカムが決めます。しかも&ワン。

さらに守ってもガソルが連続ブロック。これで乗れるかと思ったら、オフェンスではペイント内のターンをスマートに奪われました。そして、今度はピックを使ってガソルとスイッチさせてのテイタムの3P。エンビードにやってたのと同じプレー。

さらにテイタムは同じようなプレーから、コーナーのブラウンにキックアウト(シュートミス)、その次はゴール下のロバートにパスを通します(ファール)。ピックでラウリーを剥がしてしまうとシンプルにプレーできているので、効果的に決まっています。

ガソルがベンチに下がると、同じプレーでもシアカムがスイッチ対応でドライブ前に止めるので、そんなにシンプルには決まりません。ところが

3Q残り6分残っていて、両チームがボーナススローに。テイタムがきっちりとフリースローを決めていくのに対して、ラウリーが2本ともミス、アヌノビーも1本ミス。シンプルな差だな。

プレー的にはアヌノビーが何度も合わせのプレーでフィニッシュに行き、ラウリーはドライブでロバートがカバーに来るとしっかりとイバカを見つけて3P。そしてアヌノビーのスティールから速攻レイアップも決めてリードを得ます。フリースローさえ決めていれば・・・と言いたくなる展開です。

ここでタイムアウトのブラッド様。そのタイムアウト明けをゾーンに変えて対抗するナース様。このディフェンスの成功で一気に差をつけに行ったのですが、見事なラウリーのスティールからヴァンブリードがレイアップも決めるも、その時に後ろをカバーに走っていたシアカムに対して、スマートがぶつかりに行って倒れるザ・フロッピング。

でもレフリーコールはオフェンスファール。当然のようにチャレンジしたナース様。うーん、やっぱりコールはセルティックスよりなんだろうね。特定のレフリーだけど。

チャレンジは成功でスマートのファールに。ヴァンブリードのシュートはカウントで、その上でシアカムのフリースロー(1本)に。チャレンジがなければ0点だったのが、3点に変わります。フロッピングのテクニカルでも良かったと思うけど。

12点差になって勝負を決めに行くラウリー。ボール運びから躊躇わずに3Pを狙いますが、これが決まらず。逆にカウンターからテイタムのドライブにチャージ狙いでファールしてしまいます。ラウリーあるある。

さらにシアカムの1on1、ヴァンブリードの3P、ラウリーからアヌノビーへのアリウープパス。全部失敗でしょうぶを決められず。ほぼ全部ラプターズ側のミスなのでマジでもったいない。

セルティックスはテイタムのアタックくらいしか決められなかった時間帯で、流れは完全にラプターズでしたが、粘りのディフェンスで耐えきった感じ。78-70で3Qが終わります。

20点差になっても良かったと思うよ。そこで決められないのは痛いんだ。

◎ザ・スマート

再びブシェイとイバカを並べるナース様ですが、ポジショニングが気に入らないようでベンチから大きな声でスイッチさせるように促します。結局、決まりそうにないイバカの3Pになってしまったラプターズ。イバカはゴール下のフローターも外してしまった。

対してとらじんしょんからスマートが3P。ハーフコートでもスマートが3P。ゲーム1に続いて決めまくるスマート。そして3本目の3Pで追い付きます。そりゃないぜスマート!

3Qに自分たちで決めに行って失敗したことで、オフェンスが上手くいかないラプターズ。自らのミスから決められかけたのを、4本目の3Pで取り戻すスマート。やっぱりスマートなのか。。。

ゲーム1と明らかに違うのがアヌノビーの貢献度。貢献しているって事と、カッティングにパスが出てくるようになったことと。ハイポストでイバカがボールを持つと、コーナーから飛び込んだアヌノビーがダンク&ワン。

ところがスマートの3Pに飛び込んでしまったアヌノビー。3P&ワンのスマート。ヤベー。お前はどこのドノバン・ミッチェルだ。

完全にスマートに救われたセルティックスと、ぶち壊されたラプターズ。逆転します。

◎エースよ!

ケンバのピック&シュートに飛び込んでアヌノビーが5つ目のファール。スマートの3Pも含めて止めきれないのでゾーンに移行すると、遂にスマートがミスしてくれたのですが、リバウンドがテイタムの3Pに。完全に流れがなくなったラプターズ。

オフェンスも苦し紛れというか、どうみても「迷ったけど打つ」ヴァンブリードの3Pは決まらず。終盤になって一方的な展開になり始めます。

3Qに勝負を決めに行き、決められなかったことは仕方がないと思います。
4Qにスマートが爆発したことは、半分は致し方ないと思います。スマートがすごかった。

しかし、半分は違います。オフェンスミスがスマートの3Pに繋がった面もあり、ハーフコートで組み立てられないのが響きました。本来はリードしているラプターズは、しっかりとリスクの低いオフェンスを選べばよいわけですが、ここにレナードはいなかった。

シアカムは得点的にはエースとして奮闘していますが、どうしても1ON1で決めきれない。テイタムは決めまくっているわけじゃないけど、1on1から攻め切っているので、リスクの低いオフェンスで稼いでいるのと比べると大きな差になってきます。

シアカムのパスアウトからヴァンブリードが3Pを決めて3点差にするものの、スマートとの1on1でカバーが来てないのに打ち切れずパスアウトするシアカムと、ラウリーとの1on1でシュートは決まらないけどフローターまで行けるテイタム。決まりそうなのはテイタムだし、ファールだって稼ぐぜ。

残り2分半でケンバがプルアップ3P。この試合初めての3Pですが、テイタムで忙しいラプターズがケンバまでフォローできていません。まぁ次に空いたブラウンが外してくれて助かったけどさ。

ペイント内でブラウンとのポスト勝負になったシアカムはターンを読まれ、ブラウンがボールを掴んでジャンプボールに。これに勝ったけど、ヴァンブリードは囲まれながらの3Pが決まらず。

4点差残り1分でテイタムはアヌノビーとの1on1ですが、これをアヌノビーが止めてオフェンスファール。納得いかないリアクションしたテイタムがテクニカル。フリースローで3点差。さらにラウリーがハンドオフからゴール下でファール貰って1点差に。

このまま試合が決まっていればテイタムが褒められたのに・・・

勝負所はケンバ。イバカとの勝負にして、ストップジャンプシュートで残り42秒3点差に。
ラプターズはここでアイソはないわけで・・・と思ったらシアカムのアイソ。しかもヴァンブリードがスクリーンに行ってVSスマートにします。なんで?シュートにも行けません。ボールを取ったスマートだけどライン踏んでたのでやり直し。

今度もシアカムにボールを持たせますが、キャッチしたらライン踏んでたシアカム。あーあ。それでもブラウンが3P外してくれたので、ワンチャンスありましたが、タイムアウトが残っていなかったので、ヴァンブリードがテイタムのチェックを受けながら高くはなった3Pは決まらず。セルティックスが連勝となったのでした。

◎苦しいぜ

ラプターズは3Qの状況が再び起こったら、同じように決めに行くのが正しいという4Qでした。セルティックスはただただスマートをほめましょう。それでよい。だけどラプターズはそうはいかないという試合でもありました。終盤勝負は分が悪すぎる。

〇シアカム
17点 FG6/16
FT4/4

〇テイタム
34点 FG8/17
FT14/14

二人の差はフリースローの本数。これはレフリーコールの差ではなく、シュート前に止められてしまうシアカムと、強引でもシュートに行けるテイタムの差です。まぁこの2人に差があるのは始まる前からわかっていましたが、それにしてもシアカムが止められまくっている2試合になりました。

前半はポストムーブから決めてもいましたが、どんどん苦しくなったし。最後がスマートとの勝負ってのもよくわかりません。あの時点で負けていたって感じです。

〇3P
スマート 6/11
ケンバ 1/8

ヴァンブリード 3/12
ラウリー 0/7

この試合でもう1つ響いたのがここ。スマートが決めまくった一方でケンバは外してくれて助かったけど、ラウリー&ヴァンブリードがこれでは、勝ち切るのは難しいね。

ゲーム1同様にガソルが狙われたわけですが、多少オフェンスは改善させたことで、まぁ何とか。そしてイバカとアヌノビーが決めたことで勝利に近づいたけど、結局は主役たちの差がセルティックスに勝利をもたらしたゲーム2でした。

ECSF②ラプターズvsセルティックス” への4件のフィードバック

  1. BOS的にはスマートのお陰で勝たせてもらったけど、TORは今日のような展開でシアカム、ラウリー、ヴァンブリートの誰かが本来のプレーを取り戻したら一気に勝ちを引き寄せそう。
    スティーブンスは次の試合どんな策を用意するか楽しみです。

    1. スティーブンスはそんなに策を用いてないですが、意外と策を用意してない疑惑もあります。テイタムに託すのか、スマートに判断させるのか。
      ラプターズ的にはよく出来たゲームだったのに、フィニッシュ出来ないのは痛かった。あっちもこっちもゲームクローズ出来ないのは苦しそう。

  2. スマートの3ptを見ると、試合の決め手になった2本目と3本目と4本目は全部テイタムからのアシスト、6本目もテイタムからタイスにキックアウト→タイスのエクストラからスマートなんですよね。決め切ったスマートも偉いですが、テイタムが3&Dタイプのスコアラーから試合を決められるプレイメイカーに進化した感じがよく伝わりました。
    TORは指摘のようにP&Rからガソルを中にショートロールさせるような仕掛けが上手くいきそうでしたが、ガソルの得点は伸びませんでした。ファウルトラブルも一因ですけど、たぶんこれは本来ガソルの得点パターンじゃなくて、外にいるシューターの得点につなげるパターンだからじゃないかと思います。相手に合わせたロジックな動きのはずだけど、ガソルの得点につながるように習熟されてなくて、タイスやロバートなら反応して簡単には点は取らせない。だから小手先レベルの工夫に過ぎず、結局シアカムの1on1からの崩しを狙うしか無かったんじゃないかなぁと思いました。

    1. 途中にも書きましたが、この試合のテイタムは決定的ではないけど、ラプターズディフェンスを振り回すパスをしっかり出せていたのが印象的であり、多分それがゲームプランなんでしょうね。ヘイワードとテイタム2人の役割をテイタム1人でこなした感じ。

      ガソルは通常でも後半になるとインサイド合わせはするのですが、すぐ辞めちゃいますね。ドノバン ・ミッチェルにパスを渡さないコンリーを思い出してしまうグリズリーズ時代のクセが治らないのか

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