ジャズ3-2ナゲッツで迎えるゲーム6
ドノバン・ミッチェルをどうしようもなく。全てを乱されたナゲッツ。そして諦めたナゲッツ。オフェンスで取り返すことをマレーに託し、見事なパフォーマンスでゲーム5を制しました。
あまりにもどうしようもないドノバン・ミッチェルには、個人では全く歯が立たず、ヘルプもあまり意味をなさないので、ダブルチームに行くと簡単にパスを振られたわけで、「ディフェンスのナゲッツ」としては恥ずかしい限りなわけです。
しかし、マイク・マローンとしては「こんなはずじゃなかった」とも考えているはず。ナゲッツには単体で止めまくってしまうスーパーディフェンダーのハリスがいるのに、ケガで出場できていなかったのです。
当ブログでガード部門のNo1ディフェンダーと位置付けられているハリス。一般の知名度が低いかもしれないけど、その存在は全てを変えるレベルです。バブルで1試合も出場していないスーパーディフェンダーが、いきなりスーパーエースを止められる可能性に賭けるしかないナゲッツです。
◎3分8点
スターターで出てくる話もありましたが、モンテ・モリスがスタートで、ドノバン君にはグラントです。ゲーム5と同じ。勝っているしね。
ドノバンはコンリーとのハンドオフで一瞬空いたら3P。
ウイングでボールを貰ったら、瞬間でグラントを抜いてドライブレイアップ
そしてハイピックから再び3P
3分で8点を奪いました。いとも簡単に。本当はグラントがマークすることで3Pを打たせず、インサイドをカバーしていたのですが、カバーは間に合わないし、スクリーンで交差する瞬間に3P打たれるしで、ゲーム5の狙いを粉砕されています。
ならば周囲がコースを狭めるけど、イングルスにパス(この時点でマークが半分ズレる)すればピック&ロールでゴベアがイージーレイアップ。ドライブキックアウトでオープンを作って最後はコンリーが3P。
イージー。あまりにイージー。こうなるとドノバン関係なく、オニールまでドライブしちゃう見慣れた光景です。ヨキッチのパス中心にオフェンスはそこそこなナゲッツですが、「そこそこ」じゃ相手にならんぜ。
7分経過でマレー→ハリス。5か月ぶりの試合です。ちなみに、このローテは本来はクレイグが出てくるところです。ディフェンダーを削ってディフェンダーなので、オフェンスに賭けていることに変わりはありません。
その30秒後に10点ビハインドになってヨキッチ、グラント、モリスが下がって、マレーとクレイグにプラムリーが出てきます。ドノバンはベンチに下がったのに、ディフェンダーが並んでます。よくわからんぞ。何したいんだ?
例によってマレーがアタックします。ちなみに、あまり目立っていませんがオニールがいないとジャズもズタボロです。他にマレーを抑える選手がいません。目立ってない理由はゴベアがゴール下で待っているからというだけ。好き勝手にドライブしてパウアウトするマレー。
しかしシュートが外れるとカウンター一閃。コンリーも苦し紛れの3Pがボードに当たって決まるし、「流れはうちにある」と言わんばかりの雰囲気で1Qが終わります。そんなに良くないんだけど得点は取れている感じ。
ジャズが36-30でリード。いつの間にか、ジャズはハイスコアに慣れてきています。なんとかハイスコアにしたいナゲッツと、普通にやっているジャズ。
◎ディフェンス
2Qのスタートはプラムリーのカバーが効き始めます。ミルサップがいまいちなのでプラムリーの方が良いのだけど、そうするとヨキッチがつらいんだよね。
マレー、マレー、またまたマレーなのですが、ミスするとプラムリーがオフェンスリバウンドから、またマレー。これで追い付くナゲッツ。ナゲッツっていうかマレー。
たまらずゴベアが戻ってきますが、今度はゴベアのゴール下をクレイグがブロック。完全にナゲッツのディフェンスがジャズを捉え始めます。そしてカウンター発動でマレー以外の得点も増えてきました。やっぱりナゲッツはディフェンスのチームなのよ。
すると戻ってきたドノバン。ドライブからプラムリーのファールを引き出します。でプラムリー→ヨキッチ。なーんかもったいない。プラムリーが流れを作っていたのに。まぁ、そしたらヨキッチが3P決めた。プラムリーには出来ない仕事。
ここでマレーが休むと変なプレーが。フリースローラインにヨキッチ、MPJ、グラントが集まり、空いたスペースをハリスがオフボール・・・の間にイリーガルディフェンスです。真ん中に3人集まったからマークを離してしまったジャズ。これ1試合に1回くらい通用しそう。
1Qに登場してから10分以上、出続けているハリス。ここで遂にドノバンのマークにつくとドライブされたところをバックファイアでスティール。オフェンスも3Pフェイクからドライブを決めます。で、マレーと交代でベンチへ。プレータイムなので仕方がないけど、流れを掴んだかと思いきや・・・。
まぁそんな感じなので2Q真ん中で、ナゲッツが7点リードまで行きます。ジャズから見ればマレーを止められず、オフェンスが封じられ始めました。ドノバン以外。
ドノバンのパスからクラークソン、オニールが決めるもドノバン本人は決まらず。一方でマレーは引き続き決めていきます。本来シュート力ならマレーなので、やっとそういう形になったかな。
ただ「シュート力なら」ってことは他の武器も持っているドノバン。マレーのドライブにカバーに入ってテイクチャージ。速攻も生み出して・・・シュート決まらん。
そんなわけでスターターが並んだ2Q後半は互角。点差は動かず61-56とナゲッツが5点リードになりました。マレーが頑張りまくったナゲッツだけど、ちょっとだけディフェンスチームらしさも顔を出したかな。ヨキッチがいない時間だけど。
◎デジャブな3Q
後半はお互いにエース以外で攻めていく感じ。それは悪くない始め方でしたが、ジャズはゴベア周辺でミスが起き、ヨキッチはシュートが決まらない。どっちもダメじゃん。
でも「どっちもダメ」なら続けやすいよね。片方が決めていったら苦しいけど。だから、割と長く続けます。推し引きなく進んでいく後半の頭。
どっちもイマイチだったけど、違いが出たのはドノバンの3P2本。ただ、これはドノバンが凄いのではなく、周囲のプレーメイクから打てた2本でした。それに比べるとマレーにはキャッチ&シュートのチャンスがない。グラント、ミルサップ、ヨキッチとビッグ3人並べるからだろうね。
これでジャズが追いつきます。
タイムアウトのナゲッツはここからグラントが連発。。どうしたのかはよくわかんないけど決まったグラント。それに対して、ドノバンアタックしか決まらないジャズ。
1人で決めていくドノバン。シュートタッチが良いわけじゃないのでプルアップよりもドライブで行き切る。
ところが残り3分切ってベンチに下がるとわかりやすくオフェンスが止まったジャズ。ちなみにクレイグもハリスもコートにいたよ。
その間にマレーがステップバックも決めて、ナゲッツが9点リードで3Qが終わりました。ゲーム1から続くドノバンとマレーの戦い。そこに収束していくし、無理は承知でコートに残すナゲッツが上回っていたのでした。
◎終わらせたい、終わらない2人
そんな事情もあって4Q開始からコートにいるドノバン。それもマレーを止め、MPJを追い込み、オニールが休みの時間をディフェンスでも支えようと奮闘。得点を許さないドノバン。
そのドノバンにはハリスがマークに。この試合初めて主担当になったかな。クレイグもいるけど、こうやってマッチアップ変更するのがナゲッツあるある。これで2分半両チームが無得点に。
口火を切ったのはジャズ。ドノバンのパスからコンリーの3P、続いてドノバンがドライブ&ワン。もうひとつコンリーにドライブが出ます。
ナゲッツはマレーのステップバック3Pと、ジャズのローテみすからヨキッチが3P。ゴベアがコンリーに怒っていたけど、ちょっと無視っぽいコンリー。何が悪いのか揉めてた。タイムアウトで自分が座る椅子をキック!なだめるコンリー。自分が怒られているんだけど・・・。
リードを得ているのはナゲッツだけど、負けたら終わりなのもナゲッツ。慎重になってタイムアウトからプレーを作るけど、中途半端になって24秒オーバー。
そしてドノバンが3P。でもマレーがフローター連発。終わらせたいドノバンと終わらせないマレーの仲良しなコンビによる終わらない対決。例によってタイムアウト時は最後までベンチに座っていたぜ。疲れているだろうに。
◎仲良しラララ~~~
ドノバンがグラント相手にステップバック3P。マレーもステップバック3P。ドノバンはレイアップを落としても、ビッグマンの集団の中でリバウンドを奪い取ってしまいます。ヤベー。
4人が囲むペイント内にスネークで侵入するマレー。ファール貰ってフリースロー。クレイグがコンリーからスティールで3on1なのに3P打って決めるマレー。ヤベー。
すかさすボール運びからノーヘジテーション3Pを返すドノバン。そんなことされたので、ダブルチーム気味に仕掛けるとゴベアへパスを通します。
ただ、この形って結構有効になっていて、ゲーム1からずっとドノバンのパスを取れないシーンがあるゴベア。ここでは掴んだけどファールされてフリースローミス。
そんなこともあって、コンリーやクラークソンが仕掛けて上手くいかず、結局ボールはドノバンへ。3P決めりゃうぜ。ヤベー。即座に返すぜステップバックのマレー!ヤベー
仲良し過ぎんだろ!
ちなみに本日も2人は歴史を掘り返しました。これまで1つのシリーズで3Pを最も多く決めたのはvsウォリアーズのハーデン、2位がvsグリズリーズのカリーでした。それが1位ドノバン、2位マレーに塗り替わりました。
残り1分。マレーには渡さないディフェンスをしたジャズだけど、最後にボールが来てしまったマレーの3P。外さないぜマレー。これで10点差をキープして、逃げ切ったナゲッツでした。
あと、この3Pで1位ドノバン、1位マレーになりました。仲良しコンビ。
〇ジャマール・マレー
50点
FG17/24
3P9/12
本日は珍しく5つもターンオーバーがありましたが、この成功率なら誰も文句は言えません。あまりにも決めすぎのマレー。変人。変態。タフショットマレー!
「MAX契約は出しすぎ!」だって?
1つのプレーオフシリーズで2回の50点をとった選手がNBAの歴史上で4人目だって知っているか?
1人目はマイケル・ジョーダン、2人目はアレン・アイバーソン、そして3人目はもちろんドノバン・ミッチェルだ。仲良し過ぎんだろ!このシリーズで何度も名前が出てくるMJも含めてさ!
そして3試合連続40点オーバーは2001年のアイバーソン以来だってさ!
◎怒りのドノバン
コートを離れる際に怒りの感情をあらわにしていたドノバン・ミッチェル。
〇ドノバン・ミッチェル
44点
FG14/25
3P9/13
本日もパーフェクトだったドノバン。確かにマレーよりも「6点少ない」し、FG成功率はたったの56%でマレーよりも「14%も低い」けど、だから何だってんだ。
得失点差は+2なのでしたが、とにかくドノバン以外の部分で勝てない構図が出てきてしまいました。もっともコンリーは本日もプレーオフ仕様だったのですが、マレーを打ち砕くには足りなかった。
ゲーム3とゲーム4はチームメイトがシュートを決めて勝利しましたが、そもそもゲーム4はかなり怪しい内容で本当に「勢いで(チームメイトが)乗り切った」という程度。
それがゲーム5で「普通レベルに戻った」からナゲッツにやられました。このゲーム6も同じです。ドノバンは完璧だけど、チームメイトは完璧じゃなかった。
異常なレベルで行われているマレーとドノバンの戦いなので、「普通」では勝てません。FG3/8のゴベアとFG5/14のクラークソンで失速してしまった。普通なら敗因レベルのミスじゃないけど、このレベルの戦いだと敗因レベル。
〇得失点差
プラムリー 11
クレイグ 18
ハリス 16
MPJの+21もあるのですが、本人はFG1/7なので、それは置いといて、ナゲッツの地味な勝因はここで、3人同時にコートにいる時にディフェンスレーティングが73まで下がりました。
最終的にこの時間で守り勝ったことがリードを生み出し、そのリードをマレーとドノバンが決め続けてキープした試合になってしまいました。
おそらくドノバンの怒りは「行き場のない怒り」なんだと思います。チームメイトを批判したいわけでもないし、自分を怒りたいけど・・・みたいな。まぁパーフェクトにやってくれないと勝てないことが分かっている中で、ゴベアのミスには怒っていそうだけど。
※フィニッシュとディフェンス専門のゴベアは、それが仕事です。
まぁいずれにしても、ドノバンとマレーの伝説的なシリーズはゲーム7まで進むこととなりました。インタビューにすら答えられないほど疲弊していたマレーと、怒りのドノバン。この状況をクイン・スナイダーがどう捉えるのかは興味深いです。
ゲーム5でも終盤に「ドノバン以外のプレーチョイス」をしたことが、緊張感を奪ってしまった感じでした。個人に託すしかないマイク・マローンの開き直りと、論理性のスナイダー。前者が上回ろうとしているシリーズです。
最高のシリーズ最高の2人への最高のレポートありがとうございます
>「MAX契約は出しすぎ!」だって?
ここ最高でした
MJとAIの記録に並ぶような選手にMAX出さないで誰に出すんだって話ですよ
2001アイバーソン以来の3試合連続40オーバーも地味にすごい(全然地味じゃない
ナゲッツいいチームで好き、マレーもヤンチャで好き
判官贔屓も多分にありつつでしたが、インタビューや座り込むマレーを見たらマレーに肩入れしてしまって、G7で嘘のようにボロ負けしたら立ち直れないっす
マレー以外の雑感ではハリスほんと頼りになりますね
シュート力はマレーそれ以外はドノバンっての読んでドノバン君はDFもしてもちろんゲームメイクもしてほんとスーパーマン
どちらが勝ちあがってもクリッパーズにボロ負けしそうで怖いんですけど、あと一試合楽しみます^^G7のレポも楽しみにしてます