プレーオフ ナゲッツvsジャズ

ナゲッツ1-3ジャズで迎えるゲーム5

ジャマール・マレーとドノバン・ミッチェルが共に50点オーバーという史上初の激しい点の取り合いになったゲーム4は、勢いでジャズが制したような形でした。ほぼ差がなかったけれど、シュートに自信をもっていたのはジャズでした。

結果以上に内容が厳しかったナゲッツが、内容以上に結果が苦しい1勝3敗。後がない中で、どんなプレーをするのか。そしてドノバン君が返り討ちにしてしまうのか。

◎ヨキッチ!!!!!!!!!

「ピック&ロールを何とかしないといけない」という解説のプレビュー通り、簡単に2on1を作ってジャンプシュートを打ちそうにしながら、ゴベアへのアリウープで始まります。

やっぱり止められる気がしないピック&ロール。だけど、そこに騙されてはいけないナゲッツ。ゴベアのダンクが最悪なのだから、何とかプルアップ打たせようぜ。50点取られてもいいからさ。

そしてアウトサイドが決まらないナゲッツに対して、ドノバン、ドノバン、オニールと3Pを決めたジャズが先制します。勢いのあるジャズ。どれもピック&ロールではなく、パスアウト3Pだったので、さらに守りにくいナゲッツ

タイムアウト明けをヨキッチのポストムーブで取り返し、さらにマレー&ヨキッチから最後はヨキッチの3P。ヨキッチはトップからクラークソン相手の仕掛けで、スピンからのレイアップ。ハイスコアになるなら、お互いに最高の武器で最初から最後まで打ち続けるしかない。

オニールが3P決めても、またヨキッチが3P。連発。同点。決められても決められても、そこまでゴベアが追いかけたら守れるわけがないジャズだしさ。

しかし、ヨキッチ以外が決まらない・・・と思っていたらベンチから出てきたMPJが3P。このシリーズの逆キーマンですが、もうオフェンス勝負になったのだからバッチバチに行くしかないぜ。

ここまでジャズがリードしていたのですが、MPJ登場のところでドノバンがベンチに下がります。イングルスもベンチ。そのためニヤングがピックに行き、MPJがマズいディフェンスをしてもジャズは攻め切ることが出来ませんでした。

その間に、またヨキッチとマレーが3P。決めすぎだろヨキッチ。お前はドノバン・ミッチェルか!

1Q最後にプレーオフ”パパ”コンリーがコーナー3Pを決めてジャズがリードで終わる・・・と思ったら、ヨキッチがオフバランスの放り投げブザービーターを見事に決めて、ナゲッツリードで終わります。

1勝3敗になったくらいで気落ちするマレー&ヨキッチじゃないとは思ったけど、3P5/5で21点も奪ったヨキッチ。なのに33点しかとれていないナゲッツ。周囲も決めないとハイスコアで勝ち切るのは簡単ではないし、その差がゲーム4だったぜ。

◎ビッグとスモール

さすがにヨキッチは休ませる2Qスタートは、マレーがチェイスされまくって困った顔をします。それでもパスアウトからMPJに打たせる形は作る。ただここでマレーも下げます。どうしたマイク・マローン。

するとプラムリー劇場。ハンドリングからスピンムーブしようとしてヘルプに気が付かずターンオーバー。ポストアップから見事なパスをPJドジアーに通し、そしてブロックショット。クラークソンのマズいプレーもあって、ゴール下を塞ぐプラムリー。

ちなみにクラークソンは、本日はタッチが悪く外していくのですが、突然決め始めるから困っちゃうぜ。あと、ドノバンが空いていても自分でやってしまう。

まぁそんなわけで1Qのヨキッチを観ていると、決め続けないと勝てないような雰囲気でしたが、ある種の落ち着きを取り戻しました。どっちもミスもあるし、決まる時もあるし。普通の試合に戻っていきます。

クラークソンがいるので、インサイドを使っていくナゲッツ。しかし、これがジャズのカバーにあうので上手くいかず。

逆にドノバンアタックで収縮したインサイドから、放り投げパスアウトをクラークソンが3P。続けてトランジションからコーナー3Pも決めて久しぶりにリードらしいリードをジャズが得ます。

シリーズ通じてビッグな価値を全く生かせていないナゲッツ。バートンもハリスもいないから、スモール勝負に打って出れないことを悩んでいそうなマイク・マローン。決まるのはMPJの3Pだし。

そんなわけでスターターの時間になったので、マレー&ヨキッチですが、苦しむのがマレー。一方でドノバンも今日はちょっと苦しんでいます。タッチが悪い。

先に決めたのはドノバンがドライブからマレーのファールをもらって&ワン。すると今度はマレーがドライブからダブルクラッチレイアップ。仲いいな。マレーはこのメンバーの中でオフェンスリバウンド奪ってねじ込みも。

しかし、マレーもヨキッチも3Pが決まらず。なおドノバンも決まらず。ジャズはイングルスが決めてくれ、そしてコンリーからゴベアの合わせも決まり、前半を63-54と9点リードで終わります。

1Qの時点ではどうなることかと思ったヨキッチですが、ナゲッツはボールムーブじゃなくてポストアップしたので、そこまでヨキッチに戻ってきませんでした。正直、点を取りあうならビッグラインナップは向いていないのかな。

◎効率の良いジャズと悪いマレー

ドライブで抜ききったのにレイアップを外すドノバン。このシリーズで最もダメな試合になっています。それでもなんとかファールドローして二桁リードになって始まる後半。

ボール動かして空いても3Pが決まらないナゲッツ。ヨキッチも外すし、マレーだけは空けてもらえないし。その間にコンリーが決めてリードが広がります。要するにナゲッツが手詰まり。これまでハリスの不在が目立ってきたけど、バートンの不在も痛くなってきました。

さて、ちょっとゲーム2を思い出してみましょう。

ドノバン・ミッチェルを何とかしたいナゲッツは、ダブルチームやブリッツを使って「パスを出せ」と促してきました。そこで素晴らしいパスを通しまくって、ジャズのオフェンスをリードしたドノバン君。でも、言い換えればチームメイトたちが期待に応えてシュートを決めたのが結果に繋がりました。

ゲーム4で50点のマレーを自由にするのは得策ではない。だからオニールがチェイスしまくるゲーム5ですが、動き回ってパス交換が基本のマレーだとワンパスではチャンスが生まれにくく、しかもチャンスを作ってもヨキッチとMPJ以外は決めてくれません。

マレーみたいにボールも持てないほどチェイスされたら、4on4で攻めるのも一手ですが、ナゲッツにはそのための選手が足りません。

マレーはドライブレイアップも決めるし、3Pも決めているけど、ここまで追い込まれたら他の選手が決める方が効率が良いはず。一方でドノバン君は、またも見事にパスを振っていきます。それはチームメイトが決めきれない時があっても効率の良いプレーです。

だから延々と二桁リードが続きます。効率の悪いプレーを頑張って決めるマレーと、効率の良いプレーがそこそこ決まるジャズ。日本語変だけど、これで互角さ。ジャズが決めていれば試合が決まっていた3Q。また3Qがダメなナゲッツ。

ドノバンが下がると、マレー、マレーで追いすがります。しかもマレーのパスをニヤングがカットしたらレフリーが「キックボール」とか言い出すラッキー。ヨキッチはゴベアをブロックし、ドジアーがコンリーを2回連続で止め、そしてマレーがドライブレイアップ。

さらにドライブから空中で一回転してのレイアップ。サーカスショットブラザーズ!

ドノバンがベンチに下がってからオフェンスが構築できなくなったジャズ。ディフェンスのナゲッツがやっと本領発揮し、その間にマレーアタックで4点差まで縮めました。

・・・まぁ本来はこういう展開が予想されていたシリーズです。それがジャズの好調さで誤魔化されていました。あと過剰にドノバンに反応してしまったナゲッツの事情か。オフェンス力が足りないジャズとディフェンス力も勝ち切るほどは高くないジャズ。

そんなこともあって4Qは初めからドノバンが出てきます。コンリーとクラークソンも並べて。

◎マレーとドノバン・ミッチェル

ヨキッチが久しぶりの3Pで1点差。MPJが相手のクラークソンがミス連発。そして逆にクラークソン相手のジャンプシュートで逆転するナゲッツ。よく追いついたぜMPJ!

なのですぐにドノバンアタックで逆転。それをマレーが3Pで再逆転。

ここでまたもドノバンアタックに行こうとしたらスクリナーのオニールがファールコールされ、5つ目。マーク担当がイングルスに代わります。

ドノバンがレイアップ。マレーがレイアップ。続くぜ!仲良しだな!

ここで遂に、遂にドノバンからボールを奪ったグラント。マレーのカウンターアタックから最後はMPJ。走っていたのがMPJしかいなかった。それでも続くオフェンスでドノバンはドライブレイアップ。延々と続いてくれ!と願いたくなる2人の対決。ちなみにコンリーが邪魔して(?)フリースローを得て同点。まだ7分残っているけど、延々とクラッチタイム。

ここで1つ変化が。マレーのマークにドノバンが自分で向かいます。攻守にスタミナを削ることになるよ。それでもマレーをストップするのですが、ヨキッチがミドル。エース対決やったら、スタミナ的にナゲッツが有利なはず。

まぁそれでもドライブからハンマーダンクですよ。ドノバン君。マレーはドノバンを左手で吹っ飛ばして難しいミドル。

そして、ここでやっとマレーのアタックとみせかけてのグラントへのパスアウトで3P。これが決まると一気にナゲッツペースになりそう・・・と思ったらコンリーが&ワン。プレーオフ・コンリー。

さて、悩ましいのですがジャズはコンリーのプレーメイクをチョイスします。これで雰囲気が変わり始めます。クラッチ感が減った。残り5分切っているのに。

これが裏目に出たか。ナゲッツはルーズボールやリバウンドが最後にマレーに転がってきてミドルと3Pで7点リードまで行きます。エースにやらせ続けたナゲッツに流れが来た。

すると、今度はドノバンアタックからコーナーでコンリーがフリーになっても決まりません。勢いが途切れた気がするジャズ。

残り1分8点差。ドノバンがボールを持つと2人来るのでスッとパスを出して、イングルスがフリーになるも、これも決まらず。それでもMPJからボールを奪ってゴベアのダンクに繋げたドノバン。

残り40秒から時間を使ってマレーの1on1を選ぶナゲッツ。マレーはオニール相手にペイント内に押し込むとゴベアがヘルプに。ここでヨキッチはコーナーで待っていました。ドフリーの3Pは見事にリングに吸い込まれ、ナゲッツが見事な逆転勝利を得たのでした。素晴らしい!

ちなみに、この後で簡単にロング3P決めちゃったドノバン。ゲーム0がこれで同点になったから気を抜けないナゲッツでした。

◎ザ・プレーオフ

そんな試合でした。ジャズの敗因は(正しいかわからないけど)コンリーで挑んだプレーチョイスでしょうね。プレーそのものというよりも、緊張感で負けた。そこからシュートが外れてしまったジャズ。

〇ドノバン・ミッチェル
30点 FG11/23
FT4/5

ゲーム5は「パーフェクト」とは言えませんが、立派にエースの役割は果たしました。しかし、問題はフリースローが5本だったこと。これはナゲッツ側の改善でもありましたが、ジャズがドノバンのプレーを選択しなかったことも含まれています。

〇ジャズの3P
ドノバン 4/8
その他  12/26

悪い確率ではなかったですが、これが決まりまくっていた、いや、打ちまくっていたのがゲーム4までの勝因だったので、ナゲッツディフェンスの改善とフリーを作れなかったジャズオフェンスの問題です。

「問題です」と書いたけど、実際にはそんなに問題ではありません。ただ、このプレーオフ勝負に勝つには足りなかった。それが良いプレーをしていたコンリーとスーパーエースが生み出す違いなんだろね。ということにしておきましょう。なんせよくわからないレベルでプレーが展開されていたからさ。

〇ジャマール・マレー
42点
FG17/26
8リバウンド
8アシスト

一方で完璧にドノバンを上回ったマレー。その理由はマイク・マローンがひたすらやらせまくったから。ただ、それは後半の話。前半は9点だったマレーが後半は33点を奪いました。主としてオニールから解放されたのが大きかったですが、スタミナを残していたから続いたのも事実です。

それにしてもタフショット「クラッチ」マレー。こちらもドノバンに劣らず素晴らしい。そして、最後はヨキッチでフィニッシュでした。

〇ニコラ・ヨキッチ
31点 
3P7/11
6リバウンド

マレー勝負が成立したのも、ヨキッチが3Pを決めまくったからでした。なお、2人以外は5/16なので課題は継続です。

ちなみに本日わかりにくいのがヨキッチが6つしかリバウンドを取っていないこと。その一方でゴベアはオフェンスリバウンドが1つだけです。つまり両センターがナゲッツのゴール下でリバウンドをとれなかった。ヨキッチが優先的にゴベアを抑えることを目指した気がしますが、見直さないとわかりません。

まぁいずれにしても1勝3敗になったくらいで、簡単に引き下がるような選手じゃないことを証明してくれたマレーとヨキッチに乾杯。そしてこれでジャズの勢いを止めることに成功しました。

ドノバンは相変わらずですが、クラークソンとコンリーが通常くらいに下がってくれれば戦いやすくなるナゲッツ。ゲーム6はこの2人がステップアップするのか、それともドノバンアタック一辺倒に戻すのか。初めてスナイダーが選択しないといけません。それが負けたということだ。

プレーオフ ナゲッツvsジャズ” への3件のフィードバック

  1. ナゲッツ勝ってよかった
    まだこのシリーズが続く喜び、つまりナゲッツVSジャズの試合を見て管理人さんのレポートを見る喜びでもあります(ナゲッツが勝ったらなお良し(;´∀`)
    12点差付いたとこからのマレーマレーマレーかっこよすぎました
    ドノバン君とのクラッチ兄弟仲良すぎ問題w
    >ここで遂に、遂にドノバンからボールを奪ったグラント。
    これはホントに大きかった声出ました
    1-3と追い込まれた状況で最高のパーフォーマンスをして勝つエースかっこよすぎ
    あとはここからシリーズ逆転すればMAXに相応しいですかね
    カリーCP3髭ウェストブルック、今シリーズのミッチェルその他のスターガード勢にマレーが確実に勝ってるとは思えないんですけど、マレーのクラッチ見てると熱くなります
    マレーがスーパースターになるにはビラップスとかみたく優勝するしかないんでしょうね
    ジャズ思った以上に強くてマジ困ります3P入りすぎだよ
    次回も楽しみにしてます!!!

  2. 毎日ありがとうございます!今日は後半のとことんマレーが理不尽すぎてえぐかったです。オニールのしつこすぎディフェンスもファールかさんだ辺りから遠慮がちになり。。。

    ドノバンにもっと持たせてもと思いつつ、、ここ数試合のパパコンリーの強さもあり。

    佐々木クリスさんの解説も聞きつつがんばるMPJとかナゲッツのディフェンスの工夫も見つつ、やっぱり今日のマレーのスイッチ入ったエグい感じはやばかったです。いやーこの組み合わせずっと見てたい。。

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