プレーオフ サンダーvsロケッツ④

サンダー1-2ロケッツで迎えるゲーム4

よく考えたら、本日4つ目の原稿になるので、自分が何をしているのかイマイチわからなくなります。眠くなってきましたが、明日は2試合しかなくて、試合開始も早朝ではないので書いておこう。雑感でも良いから。

ゲーム3はオーバータイムの接戦でサンダーがクラッチの強さを見せて勝ち切りました。シリーズが始まる前から予想できていた「クラッチ勝負ならサンダー」なので、その通りの結果になったわけです。

ただ、ロケッツファンからすると「勝てる試合を落とした」「自滅」みたいな雰囲気もあったのですが、ロケッツってそもそもそういうチームじゃん。それがマイクロボールであり、ハーデンじゃないか。

この傾向が続くゲーム4でもありました。

◎15点差の大逆転

一般的な記事にすると、この試合の題名はこうなるみたいです。キャッチなので、そりゃそうだ。管理人がガチ記事書いても最終的にそんな表現を使ってしまいそうです。

しかし、残念ながら(?)試合内容的には「15点差の大逆転」な空気ではありません。逆転したサンダーからしても「15点差もあったっけ?」と思っているでしょう。特に自分たちがペースを上げることなく、逆転してしまっただけです。

後半開始から8連続で3Pが決まったロケッツ。これまで信じられないくらい外していたゴードンのプルアップ3Pが連続で決まり、そこからドライブキックアウトでタッカーやハウスも続きました。

3Q開始が60-60でしたが、そこから6分間で8本の3Pを決めたロケッツが84点まで行きました。で、次の6分が3P1/6で93点までしか伸びませんでした。

3Q前半6分 24点
  後半6分  9点

ザ・ロケッツという感じであり、このチームがゲームレポートを書きにくい理由でもあります。まじで「3Pが決まった」「3Pが外れた」というだけの結果です。

一方のサンダーの得点を見てみると

3Q前半6分 13点
  後半6分 19点

許容範囲の上下動ですね。ということで、サンダーの大逆転劇というキャッチコピーが使われがちですが、実質的にはロケッツがいつも通りに不安定かつ爆発的な得点の取り方をしたという試合でした。

◎ゲーム2を思い出そう

「ドノバンのこと嫌いですよね」とコメントも貰いましたが、うーん、間違ってはいないのですが、嫌いというよりも「信頼していない」という方が正しいかもしれません。

ウエストブルック劇場のサンダーは楽しかったし、熱い戦いがみれたのでドノバンが嫌いってわけでもありません。そこそこ仕掛けてくることもあるしね。

ただ、毎シーズンのように同じような負け方をするので飽きました。「どうせ、来シーズンも同じでしょ」と思いたくなるのがドノバンスタイルなわけです。ウエストブルック時代のね。

そのウエストブルックがいなくなったため、今シーズンのドノバンというのは飽きてはいないので嫌いではありません。ただやっぱり「信用していない」ことに変わりはなく、ゲーム2では試合を見ているのか?と思いたくなる采配ぶり。言い換えると目の前で起きている現象よりも、選手を信じている采配ぶり。

まぁゲーム2のことを延々と書いても仕方がないので、ポイントだけ箇条書きしましょう。一体、サンダーの何が問題で、ドノバンを信用できなかったのか。

①アダムスのボールを持つ位置が悪い
②アダムス活かせていないなら、スモールラインナップにした方が良いけど、しない
③3P狙ってくるロケッツなのに、全体的に下がるディフェンスをして自由に打たせている(ハーデン以外)
④同じく下がり気味のロケッツディフェンスなのに3Pはあまり打たない

他にもロケッツに一方的にラッシュされたのにタイムアウト取らない問題とか、まぁいろいろあったのですが、本日の結果に関係ないので割愛。

さて、この中で②についてはゲーム3の時点でオーバータイムをノー・アダムスで戦い、それがディフェンス面のデメリットを消した感じでもありました。ただ、起用しなかった理由はケガだとか。

クラッチタイムの勝ち方も別に戦略的なわけではなかったので、まぁ別にドノバンが何かしたわけじゃないよね。。。くらいに思っていました。

でも、このゲーム4では変化があったので、びっくりしています。ドノバンを信用していないから選手が自主的にやった気もするし、いや、でもそれは偏見のような気もするし。

ってことで、ドノバンの指示かどうかは置いといて、サンダー中心に考えていきましょう。

◎SGAとドート

あまりにも素晴らしいディフェンスでDPOYをあげたいドート。ただ、プレータイムの問題もあるけど、当初からここまで凄かったわけじゃないので、レベルアップしている印象です。NBAレベルでどうやって自分を生かせばよいのか学んできた。それもハーデン相手でね。

ドラフト外のドートにとっては、1回はある種の失格の烙印を押されたわけで、それは「全てにおいてオレはやるぜ」みたいな変な勘違いを起こさず、自分の仕事に徹することで、凝縮した良さを出すことにも繋がります。それがディフェンス。

ただ、ゲーム4で気になったのはドートのオフェンス面。驚くほどに積極的に3Pを打っていきました。

〇ル・ドート
9点 3P3/9

確率はそこそこですが、躊躇なく打っているアウトサイドは、ゲーム2で閉塞感のあったサンダーオフェンスを大きく打開してくれており、チームオフェンスは驚くほどに改善していました。

ここにSGAもプルアップ3Pを利用して、ロケッツディフェンスを広げる事を狙っていきました。こういうのって「ディフェンスの状況を見て」ベテランがやる仕事に思われがちですが、意外と若手の方が自分のやり方を変えられるよね。

SGAのアテンプトは5本程度でしたが、アシストはチーム最多の6本。うん、チーム最多で6本しかないんだ。ちなみにハーデン1人で15アシスト。

〇アシスト数
サンダー 16
ロケッツ 25

相変わらずチームオフェンスの欠片もないサンダーでしたが、SGAは3Pとドライブ&パスアウトでチームの流れを作っていたし、ドートは主としてスポットシューター的な役割ですが時にドライブキックアウトもしていました。2アシスト。

ゲーム2と同じアシスト数、3Pアテンプト数だったのですが、その割にはロケッツディフェンスを振り回しており、歯切れの良いシューティングも目立ちました。時に数字と印象は違うんだ。

ということで、サンダーはゲーム2の反省を生かしているんじゃないか疑惑。「疑惑」になるのは明確な数字にはなっていないから。

◎アダムス問題

ゲーム4も強かったぜアダムス。だけど、相変わらずシュートアテンプトは増えず、27分しかプレーしませんでした。

そうアダムスの利点を生かしきれていないサンダーは、終盤の勝負所でアダムスを外す決断をしました。この点については明確にドノバンの改善です。

〇レーティング
オフェンス 122
ディフェンス 135

1試合のレーティングなんて何の意味もないのですが、実はこれがオフェンスはサンダーで一番高く、ディフェンスはサンダーで一番悪かったのでした。わかりやすい。

3Q終わって93-92とハイスコアゲームだったのに、4Qになると21ー25と途端にロースコアに。ロケッツのシュートが決まらなかったこともありますが、サンダー側が「ディフェンス勝負にしないとマズい」と感じたからこその変化でもありました。アダムスをベンチに置こう。

ということでメリットもデメリットもあるアダムスの起用法はゲーム5以降も重要になりそうです。

ところで、問題の中に①アダムスのボールを持つ位置が悪いがあり、これが改善すればメリットを多く享受できそうなのですが、結局は改善していません。

試合序盤にローポストでボールを持ったアダムスが仕掛け、コビントンからファールドローすると、解説も

「ローポストとミドルポストじゃ全然違う。リングの近くで持たせるべきだ」みたいなことを話していました。みんな同じ感想って事です。そこにはポストアタックだけでなく、オフェンスリバウンドもリングに近い位置で勝負できる利点があります。

ところが、このファールドローによるフリースローで、クリス・ポールがアダムスに近寄ってきて言葉を交わすと、アダムスも何か言い返し、長めの会話が続きました。

そして次のプレーからアダムスはトップへのスクリーンやミドルポストでボールを受けることになりました。

ってことでアダムスのポジショニング問題は、本人よりもクリス・ポール問題っぽいわけです。ゲーム2でも「ボールを持たせるプレーコールが悪い」「ミスマッチだからボール渡せばよいみたいなプレーしている」と書いた気がしますが、改善の兆しはないのでした。

◎ノーセンター

ちょっとだけロケッツに触れておくと、本当にどうしたのかと思うくらいに、ハーデンのエースアタックではなくて、オフボールで勝負できています。鮮やかに3Pを打たせていくのは論理的なオフェンスでした。

〇3P 23/58

確率も39%なので、ゴードンがやっと3/8になったことも含めて、戦術的には機能しました。

ここにシュートが下手なウエストブルックが加わったらマイナスな気がしてきますが、実際にはロケッツの問題はインサイドを攻略できなかったことなので、センターのウエストブルック不在が目立ってしまったゲーム4でした。

えっ?PGだって?、違うよセンターだよ。アダムスがマークに来たかもよ。

ただ、どうしても勝負所で3Pが決まらない問題は継続。ドンチッチ、ドノバン・ミッチェル、マレーをみていると「ハーデンが勝負弱い」と言われても致し方ないのですが、個人の部分は置いといて、そもそもロケッツの勝ち方は、どこかで爆発するしかないのだから、クラッチに持ち込まれた時点で勝率は下がる。

1年前(実質は2年前)に起きた問題は、時にディフェンスの動きを考えて、1人で基本戦術と違う事をして助けてくれたアリーザの不在でしたが、そういう選手が足りていないのかもしれません。計算できないウエストブルック待ち。

そして、あまりにも美しく回っていくパスなので、1年前にこのオフボールをチームに取り入れていたらなぁ・・・とも考えたのですが、クリス・ポールいたらムリだね。動かないのがハーデン1人だから成立しているオフェンスでした。

まぁいずれにしても、ダントーニが考えないといけないのは3P以外の部分です。ボールムーブも鮮やかだけど、誰かがインサイドも攻略しないとさ。

そして、その役割はジェフ・グリーンに与えられて成功していたゲーム1とゲーム2だったけど、この試合はFG4/10で10点にまで抑えられました。

〇ジェフ・グリーンのマッチアップ相手上位
クリス・ポール
ガリナリ
アダムス

理由はこれです。これまではアダムス相手が基本だったのに、一番多いのがクリス・ポールになりました。つまりはサンダー側の工夫が勝ったわけです。っていうか、グリーンにポストアップさせるべきだった。

ゲーム5でウエストブルックが登場するかは不明ですが、ジェフ・グリーン周辺の対応が、ロケッツオフェンスのカギになるかもしれません。

◎シュルーダー

最後に本日の主役です。

なんですが、特にこれと言って感想がありません。シュートが良く決まったよね。

ロケッツはマイクロボールですが、実はスピードへの対応が苦手。誰もクイックネスに対応できないっていう極めて変わったスモールボールなのです。

しかもセンターがいないから、リムプロテクトされないシュルーダーは気持ちよくドライブしています。これを止めるためにダントーニが出来ることは何か?全く思いつきません。

ゲーム1 6点
ゲーム2 13点
ゲーム3 29点
ゲーム4 30点

ゲーム3は29点ですが、FG10/23とそんなにきまっていたわけではありません。しかし、調子に乗ってきた感じは否めない。

基本的にはハーデンがオフェンスでいじめておけばOKなのですが、ここでもドートが厄介過ぎて、スイッチ誘導されても簡単にはスイッチしてくれないし、スイッチしてもヘルプにぶっ飛んできます。

サンダーはもはやドートのチームだぜ!ドートがいないとデメリットを享受することになる案件が多いんだ。

ということでシュルーダーがこんなに決めると、対応策のないロケッツはやってられないと思います。

それにしても1年前は日本相手にシュート決められなかったシュルーダーなのにね。。。

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