ロケッツ1-0サンダーで迎えるゲーム2
起きたら始まっていた試合。まぁこんな時間だとありがちです。ゲーム1も観ていましたが、どうもロケッツってコメントしにくいこともあって、淡々と進めていくから「3Pが決まった」「3Pが外れた」くらいの続け方。
だからもっと大きな視点で書かないといけないですね。ゲーム1はだらだらっとした展開でしたが、その中でハーデン以外のアシストがとても多く、ウエストブルック不在を感じさせるとともに、マイクロボールが回っている感じでした。
ただ、もっとも注目すべき3年連続得点王とドラフト外ルーキーのマッチアップは、ドートの欠場により実現せず、ロケッツの圧勝となったのでした。そして本日はドートが登場し、接戦で前半を過ごしています。
ウエストブルックがいない方が良いかもしれないゲーム1でしたが、ドートは絶対に必要なゲーム1でもありました。
◎リバースのダンク
ハーデンには自由を与えないのはデフォルトのため、しっかりとチェイスするのは基本事項。ステップバック3Pにもファールしないように最後までプレッシャーをかけよう。
そんなディフェンスに対して、意地になるように自分でばかり行くとロケッツは危険信号。シンプルにパスを出していくと上手くいくのですが、パスを出した先でプレーが構築できないことも発生しがちです。
それがゲーム1では、何とも言えないけどしっかりと構築出来た。ジェフ・グリーンのPG的振舞いと活躍もあって、バランスよくパスを回しながらハーデンも37点という事なし。
でも、なんでそうなったのか不思議でもありました。それがハーデンがいない時間のリバースを観ていると、ちょっと納得してしまったりして。
起点であり、フィニッシャーであり、全てであるハーデンにはマークを厳しくするよね。それが普通の事。でも、ハーデンがいないなら、殆ど通常営業のディフェンスをするわけです。
バックコートからボールを運んだリバースはレッグスルー1つで3Pを打って決めます。同じように簡単に打って、もう1本。そしてトドメとばかりに、ドライブしたらヘルプが来なかったのでハンマーダンク!
こんなに活躍するリバースなんて初めて見たってくらいの大活躍。ドライブダンクとか出来たんだ!前半はロケッツを引っ張るスコアリングでした。ターンオーバーもなく、アシストをしっかりと記録した。
要はディフェンスがぬるいサンダー。いやいや、サンダーのディフェンスは良いでしょ、って思いたくなりますが、それは思い込みなのかもしれません。
サンダーのディフェンスはドライブ優先の個人対応が基本。ウエストブルック時代はアグレッシブにボールを奪いに行き、良くも悪くも1人で異常に広い範囲をカバーするウエストブルックの能力によって成立していました。
今シーズンはアグレッシブではなく、的確に止めていこうぜスタイル。まぁアダムス以外はメンバーも違うしね。固いディフェンスとして機能してきました。
ところがロケッツとしては、奪いには来ないから、パスを貰った後にプレッシャーをかけられるわけではなく、シュートとパスの判断はちゃんとできます。それがハーデン以外の怪しいハンドラーを楽にしているような。
なので、リバースがレッグスルー1つで3P打てたのは、バランスを崩させたよりも、そもそもプレッシャーに来ないから打ちやすかったんじゃないかと。
ただし、粘り強く対応してくるディフェンスに対して、ゴール下へのアタックは成功しにくい傾向はありました。ナチュラルでスピードのミスマッチとなるジェフ・グリーン以外は、ドライブからのフィニッシュには苦労している印象。
でも、リバースはダンク決めたよね。マイクロボールで大きく広がっているロケッツに対して、ヘルプが間に合わないサンダー。1人抜けちゃったらダンクに行けたリバースでした。
概ねそんな傾向の強い対戦カード。ハーデンに対してはドートがデートを申し込んだことで、自由を奪い取りますが、ここでも3Pは打たせてしまう傾向があります。前半のハーデンはFG2/10しか決まらず。うち3P8本です。
そして3Pを打つのは出来るロケッツは前半だけで35本も打ちました。サンダー寝てんのか!ってくらいロケッツスタイルで打てたぜ。でも、ぜーんぜん決まらない。ドフリーでも決まらない。29%の10本しか決まらないから、53点しか取れずサンダーが6点リードになった前半です。
・・・でもね。この確率で6点差ってのはロケッツの流れにしか見えないぜ。
◎同じようにサンダー
FG50%なのに59点だった前半のサンダー。攻守逆転でやっぱり3Pは打たず、ドライブ中心で切り裂くぜ。確率は高いけど効率は高くない。
ロケッツのディフェンスはオールスイッチでスキを生み出さないスタイル。だけど、サンダー同様にアグレッシブにプレッシャーをかけてくるわけではありません。だから、3P打ちまくるのは出来そうなのですが、サンダースタイルはドライブ中心。
ならばせめてアダムスでゴリ押しすればよいのだけど、そこはマイクロボールながら、ゴードンやハーデンでもメチャクチャ体張ります。今シーズンもアダムスは強かったけど、「アダムスにボールを渡す」パターンには乏しいサンダー。ハイポストからドライブしたらヘルプに捉まるアダムスってのは当然でしょ。
唯一、ロケッツからやってきたクリス・ポールがプルアップ3Pを厭わず2本決めた分だけリードしたように思えた前半でした。
同じような対人ディフェンスの考え方で、止めに来られない3Pを打って外したロケッツと、止めに来られるドライブを決めに行ったサンダー。後者が勝ったけど、それは6点の点差にしかならなかったぜ。っていう前半。
サンダーの事を書く前に後半始まったので、こんな感じです。
◎ハチャメチャ
危惧していた通り、フリーのタッカーが2本の3P決めてあっさり同点。ゴードンがドフリーでも外しまくるから逆転にはならず。っていうくらいです。
ハーデンに対してはドートが頑張って止めているのに、周囲がこれだと孤軍奮闘みたいなドラフト外ルーキー。それでもハーデンの事は徹底して止めているので、ディフェンスとしては機能していたサンダー。
ところが後半開始7分で2点しか取れず。待ち構えているところにドライブしていくんだから、そりゃそうだ。ロケッツが8点リード。
と、なったところからSGA、ドート、SGAと突然3P3連発で逆転します。初めから打っていれば、もっと楽に出来ていたと思うのですが、打ったら3連発ってのも何なんだ。
さらにSGAのアタックが止まらずサンダーがリードを得るのですが、ジェフ・グリーンが出てくると、トラベリング、ドライブレイアップ、チャージング、キャッチミス、速攻レイアップとグリーン劇場に。ターンオーバーかシュートが決まるか。
でも、サンダーもミスが多くて、なぜかこれで追い付きます。ハチャメチャな試合。ウエストブルックがいないのに。3Q終わって78-77。最後にゴードンがフリースロー落として終わりました。
◎完勝のドラフト外ルーキー
どっちもドライブしては潰されて決まらず。でもクリス・ポールのミドルとグリーンの3Pは決まって同点。サンダーが先にタイムアウト。
この試合、ドフリーですら外しまくっているゴードンの3P(0/10)が決まっていればロケッツが楽にリードしていそうなのですが、一方でゴードンのドライブは効いています。
そのドライブからキックアウトでハウスが3P。ハウスもドライブからチャンスを作り、グリーンがコーナー3P。ゴードンは突破してレイアップねじ込み。ハウスはリバウンドに何度も絡んで最後はこぼれ球を押し込み。
ハーデンが休んいる間にゴードン&ハウスが素晴らしいプレーをして12点リードになったロケッツ。その間、タイムアウトをコールしなかったビリー・ドノバン。
ハーデンが戻ってきたらドートの出番。素晴らしいディフェンスでピックすらも許さないドート。それでいてオフェンスでもファールドローにシュートも決めて引っ張ります。凄すぎのドラフト外ルーキー
残り5分でロケッツのリードは9点。負けているサンダーはドートを下げてシュルーダーとスターターにします。ドノバンは試合観ていたの?
で、完膚なきまでに止められていたハーデンがドライブをねじ込みます。早くドートだせよ!
クリス・ポールで1本返すも、ハーデンがポストアップからミドル。早くドートだせよ!
SGAがレイアップで返すも、1ON1からプルアップ3Pのハーデン。早くドートだせよ!
やっとドートが登場し、SGAが粘り強くファールを引き出し、ロケッツ8点リードになって残り1分半。またもゴードンのドライブからキックアウトでタッカーがコーナー3Pをヒット。
結局ハーデンはドートを攻略しなかったけど、そんな時にマイクロボールで、特にゴードンとハウスがチャンスを作り、パスアウトをして勝利したロケッツでした。
ウエストブルックはゆっくり休んでいてください。
◎試合観てた?
もう感想はこれですね。ビリー・ドノバンは何を観ていたの?サンダーがもう少しで勝てそうだった理由は、ドートがハーデンを封じ込めたことにあったと思うのですが、自ら勝利を手放していく采配をしてくれました。
〇ジェームス・ハーデン
21点 9アシスト
FG5/16
5本しか決まらなかったFGですが、うち3本がクラッチタイムです。勝負強かったハーデン・・・ではなくて、ドートから解放されたら簡単に3本決めました。
それは「ハーデンを止めきられても勝機を見いだせたロケッツ」という意外な構図でもあります。理由は冒頭に書いたサンダーのディフェンスが3P止めに来ない事ね。
〇3P
ロケッツ 19/56
サンダー 11/32
ストロングスタイルのサンダーは、ロケッツがやりたいことをやらせたうえで勝ちに行きました。56本打たせるのかよ。
〇3P
ハーデン 2/11
ゴードン 0/10
ロケッツはハンドラーが全く決まりませんでした。この2人を除くと17/35となり、いかにキャッチ&3Pの確率が良かったかがわかります。
全体で見た感じだとロケッツの3Pはあまり決まりませんでしたが、それは単にハーデンを消したドートの素晴らしさと、シュートがあまりにも決まらないゴードンという事情に過ぎず、本質的にはマイクロボールという戦略に粉々に打ち砕かれていたわけです。
一方で11本のフリースローを打って31点をとったSGAを除けば、待ち構えているロケッツディフェンスに特攻しているだけにも見えたオフェンス。
ロケッツのディフェンスはオールスイッチなんだから、自分がやりやすい相手を選んで仕掛ければ良かったんじゃないですかねクリス・ポールさん。
「ミスマッチだからアダムス」という発想自体は悪くないのだけど、それはアダムスがゴール下に押し込んでからパスを渡すのが適切なんだけど、リングから遠い位置で持たせてしまいFG4/4だけど4ターンオーバーでした。
ってことでチグハグだったサンダーの戦略。ウエスト最強の呼び声もあったチームが、ドラフト外ルーキーの奮闘がなければ2戦続けて完敗だったかもしれません。
第一戦を見て、ラスよりドートの不在の方が大きいんじゃないかと思いつつ、でもそんなこと言えないなと思っていると第二戦でいよいよ現実となり、管理人さんも指摘されていてなんとも不思議な気分になりました。
そもそもサンダーはグリーンのハンドラー化に対処できていないように感じましたが、それに加えてロケッツによかったのは、張り付きデートをハーデンが無視できることでスタミナを保持したまま終盤に向かえたことかなと思います。
OKC戦ではシュルーダーも含め必ずデート相手が来るハーデンは、好不調に関わらずそれを嫌がっているイメージがありましたが、今日は意に介さずという感じで、それがドートが去った瞬間に出たのかと思いました。
個人的にはドノバンはモチベーターとしては非常に有能だと感じているので嫌いではないのですが、戦略家のACを連れてきて優勝を目指すとなったとき、果たして重要な決断を正しく下せるのか…。
近い将来コーチングスタッフの選択で大きな岐路に立つときが来るような気がしています。
ドートの件は素晴らしいのですが、言い換えればドートの個人能力以外には解決策がない状況でもありました。
結局のところ、メンバーが変わってバスケの質も変わったけど、ドノバンはドノバンというゲーム2になった感じです。
グリーンについては、今に始まったことではなく、どこかでナチュラルにスピードのミスマッチが発生し、それを利用してくるのがロケッツのマイクロボールです。
1回ドートがチャージドローしていましたが、ある程度やってくることがわかれば止められそうなんですけどね。
グリーンはターンオーバーも多かったですが、コースさえ切れば、多彩なフィニッシュとかイマジネーションには欠けるので。
ハーデンに自由を与えるダントーニが、戦術的工夫の中でハーデンを自重させて、ドノバンの方がクリス・ポールの扱いに困っているようにも感じてしまったのでした。
ほんともったいなかったよサンダー…
アダムスの位置が意味不明。実はアダムスってごりごりプレイはあまり得意じゃないのか。まぁ守る方も上手いけど。
そんな攻め方するならなんでアダムスとガリガリ君をずっと一緒に出しているのか。両方だすなら二人でHigh&lowとかすりゃいいのに。そんで収縮させてパスアウトして3Pじゃだめなのか。ディフェンス時リスキー過ぎる。あ、砲台が足りないのか。
クリポシャイ君シュローダー並べてもいつものようにギャップが作れなかったのはポケッツのディフェンスを褒めた方がいいのかな…
特にクリポとシャイ君はほとんど綺麗にフィニッシュまでいけてませんでしたね。
シュローダーは効いてる。シュートが決まるかは分からん。クリポが抜けないのは通常営業か。
いつものことですが、ポケッツのリバウンド意識の高さはすばらしかったです。
アダムスは器用なので、プレーメイクに参加することが多かったですね。自分がアウトサイドに出てきてバックドアパスを通すようなプレーもお得意です。
それが「アダムスにやらせたい」というミスマッチ信仰と噛み合わなかったような(実はクリス・ポール批判です)
こんなにうまくいかないならガリナリのワンビッグはアリだと思います。ムスカラではやっていたしさ・・・。
ガリナリをピック役にしてポップさせれば3Pもあるし、ドライブもしやすくなるような。
アダムスはエンドライン担当にした方が高さを生かせると思います。
それをしないから、リバウンド時にポケッツの方が人数が多いし、良いポジション取れていませんでした。要するに地味にアダムスの仕事量が多すぎて。
時間が作れたので酒のつまみにゲームを見ました。
管理人さんのドノバン嫌いは理解はしますが、4Qのドート起用には、しょうがないかなと思います。
オフェンスではズレからのファールドロー、ドフリーにされた3Pmade、その後のフリーの3Pmiss、ディフェンスではハーデンのドライブにファールとP&Rからのグリーン3Pmadeとハーデンステップバック3missと、残り5分で10点ビハインドの状況で使い続けるには、ジリ貧になるような内容でした。
追いかける状況でオフェンス力のあるプレイヤーを起用するのは、なんらおかしな事ではなく、ドートを絡めた破壊力のあるオフェンスセットを考えられたら、それは天才ですので、あの段階では定石通りの起用方でしたので、ドート起用に関してはしょうがないかなと僕は思ってます。
そもそもの、その前段でのシステム構築は別として。