プレーオフ ペイサーズvsヒート①

ゲーム1

熱いバトルが期待できる4位と5位の対決。ペイサーズはアーロン・ホリデーがスターターに残る形を継続。ヒートはナンではなくドラギッチがスターター。レナードもいないのでクラウダーです。

プレビュー書こうと思ったけど「ウォーレンとバトラーの戦い」みたいな記事があったから辞めた。バトル。それがこのシリーズ。

8-2とヒートが先手を取ったのですが、この内容がなかなかで、タフショットを&ワンにしていくバトラーのキレがよく、ダンカン・ロビンソンも簡単ではない3Pをしっかり決めていきました。

アデバヨのミドルもあって全体的にコンディションの良さそうなヒート。プレーオフに向けて調整してきた感じがあります。

これに対してオラディポがレイアップを外し、フリーの3Pをエアボール。どうもコンディションが悪いオラディポ。しかも膝が痛むのか、足を引きずるようなシーンも。しかもオラディポはボールを止めて仕掛けるタイプなので、流れも悪くなるんだ。

なお、オラディポは1Q8分にルーズボールで目に指が入った感じで、左目が腫れてロッカーへ。

オラディポを除けばヒートに負けないコンディションのペイサーズ。ブログドンのドライブから見事なパスを通せば、ウォーレンは強気な3Pで続き、アーロンもアグレッシブなドライブからターナーのダンクをアシスト。

そのアーロンが2ファールでベンチに下がると、変わってサモナーが登場し、ブログドンのディフェンスリバウンドの時点で前に走って見事な速攻。

オラディポがいなくなったら逆転してしまった・・・

1Qは33-27でペイサーズ。両チームがプレーオフに向けて気合を入れてきた感じの熱い展開でした。共にFG50%を超える高確率でオフェンスにキレがあった。ただし、ディフェンスも良かったため、簡単にはシュートに行けない。

ペイサーズは4スティールもあってカウンターでリードを得た感じです。それこそがペイサーズらしさ。っていうかサボニスいないから、ディフェンスはより重要です。

サボニスって戻ってこれないのかな・・・マクミランは戻ってこれそうみたいなこと言ってた気がするけど。

◎バトルと正確性

2Qはお互いにベンチメンバーを並べるのでローテはプレーオフモードってわけでもなく。それが両チームの特徴だしね。

出場が危ぶまれていたデリック・ジョーンズがコーナー3Pを決め、好調だったオリニクもトップから3P。ドラギッチのコントロールとヒーローの個人技を中心にしっかりと組み立てていくヒート。ヒーローからイグダラへのアリウープで同点に追いつきます。

ペイサーズはマッコネルのゲームメイクとマグダーモッドのシュートを中心に組み立てているのですが、そこは狙い所と認識しているようなヒートがデリック・ジョーンズの長い腕でマグダーモッドを追いかけさせています。

それでもサンプソンがディフェンスリバウンドをとってマコネルに渡すと、アデバヨとの短距離走に体半分勝つと、狙いすましたパスがマコネルから戻ってきてレイアップを決めます。

ところが少しずつスターターが戻ってくるとペイサーズはターンオーバーを連発。ヒートのディフェンスが良かったのは事実だけど、トラベリングとかのターンオーバーだから何ともね・・・。

ミス連発から試合の流れも少し変わってきて、両チームにシュートミスが目立ち始めます。ハイテンションバトルなので少しずつズレてきたパスが影響しているのかな。

ヒートの方が個人で最後まで打ち切るプレーが多く、少しずつリードを得ていきます。少しずつね。それでも最後にカウンター発動して1本取り返したペイサーズ。前半は56-52とヒートが逆転して終わりました。

ヒートはアデバヨとバトラーがインサイドを攻略するスタンスが明確で、この2人は仕掛けたら最後までやり切るプレーをします。アデバヨはパスなんだけど、シュートに繋げていくし、出せなければ自分で打ち切る。これが明確な分だけ、迷ってのミスがなかった。

ペイサーズはサンプソンやターナーに合わせる時は良いのだけど、それ以外はキックアウトパスが出来ませんでした。だってヒートはマークを離していないんだもん。要するにハンドラーが自分で決めきらないといけないプレーで、強引に行けませんでした。

試合序盤はミスが多かったけどオラディポが強引に行き、アーロンも同じく強気に飛び込みました。ロッカーから戻ってこなかったオラディポと3ファールでベンチに座っていたアーロン不在の影響が大きく出ていた感じです。

バトラーは14点、ウォーレンは9点。違いはフリースローの数なので、どこかでウォーレンも強引にファールドローした方が良さそうです。そういうプレイヤーじゃないんですけどね。

◎策士と信頼

アーロンは戻ってきたけどオラディポは戻らずサモナーがスターターの後半。序列重視のマクミランだけど、サモナーの序列はよくわからん。

しかし、ドラギッチに誘われたアーロンが4つ目。バカだ。いや、若いんだ。アーロンも黄金の2017年ドラフト組の3年目。3年目なんだよね。ドノバン・ミッチェルが57点、テイタムが32点とったってだけで・・・。

ヒートは同じく3年目のアデバヨがブログドンにファールを誘われます。全くファールに見えないので、ちょっとレフリー側が警戒しすぎにも見えます。荒れないようにしていく傾向はバブルではより強い。

ヒートのオフェンスはウイングにバトラーを置くとアイソ気味に仕掛けやすくしていて、同じくアデバヨがくると周囲はどいて。このわかりやすさが必要なんでしょうね。それでいてアデバヨの周囲を走ればパスが出てくるのがわかっているから、ダンカンがハンドオフからの3Pをヒット。

一方でペイサーズはウォーレンに渡すのですが、ここはヒート側が早めのダブルチーム対応を連発。この時ペイサーズは選手の配置が中途半端なのでウォーレンがパスを出してもディフェンスローテが間に合ってしまいます。

ってことでジワジワとヒートに。アーロンがいなくなったのが痛かったか。迷ったターナーのパスをバトラーが掻っ攫ってタイムアウトです。

ちなみにスポルストラはブログドンにバトラー、ウォーレンにダンカンとマッチアップを変えてきました。どうみてもウォーレンが楽になったのですが、そこはダブルチーム対応にしてパスワークの悪いペイサーズを利用した感じです。一方でブログドンを塞いでおくことでコンビプレーにさせない狙いかな。

そしてこの流れから頻繁にブログドンvsアデバヨになるのですが、止めちゃうからオールスターのアデバヨ。逆にその流れからカウンターでゴール下がアデバヨvsブログドンになって、アデバヨダンクで10点差です。

うーん、わかりにくいけど策を講じるスポルストラが、無策なマクミランとの差をつけたような3Qなんでしょうね。

無策のマクミランの良いところは「お前ならできる」みたいな信頼。それは時によくわからない爆発を生むよね。TJウォーレンが打ちまくる世界線みたいな。インサイドではダブルチームされるけど3Pは打てるのでヒットするウォーレン。

全然決まっていなかったブログドンも構わずに1on1から3Pをヒット。サモナーはトランジションでディフェンス2人いるけど強気に飛び込んでレイアップ。流れもなかったし、工夫したわけでもないけど、グッと力を入れて追い上げるペイサーズ。

そして終盤にマッコネルとブログドンを並べると、2人が強気に飛び込んでいき、ギリギリのシュートを決めていきます。終わってみれば81-80とヒートの1点リードで終わった3Q。

スポルストラの策が10点リードをもたらしたと思ったら、マクミランの信頼が何もない所から追い上げさせてしまった。不思議な不思議な3Qでした。

そしてどうやらダンカン・ロビンソンのディフェンスってのはシリーズのキーファクターになりそうです。ペイサーズは狙い所として利用しており、ヒートは「狙われるから逆にトラップ」みたいなダブルチームのポイントにしていました。

◎足りないパターン

かなりメチャクチャなデリック・ジョーンズのアリウープで始まった4Q。ディフェンスにカバーされているし、パスを出したドラギッチはジョーンズが見えていたとも思えないので、ファーストプレーを「決め打ち」のプレーコールで仕掛けてきたスポルストラ。

しかし、ペイサーズは思い切りよくマグダーモッドが3P。さらにサンプソンも迷わずにハイポストから打って追いつきます。

ここでアデバヨが戻ってきてオリニクと並べると、マクミランもターナーを戻してサンプソンと並べました。でも30秒で解消。なんだったんだ。さすがマクミラン。間違っているわけじゃないけど、よくわからん。

スターターはヒートの方が良い感じなのですが、マグダーモッドのレイアップをアデバヨがブロックすると、それがアーロンの3Pをアシストする形になったりして、なんとかかんとか。

続けてウォーレンの3Pも決まったペイサーズですが、どうしてもインサイドで押し込むプレーが出来ず、アウトサイドから打ってばかりになります。

そして試合はドラギッチが主役に。巧みにポジションとボールを動かしていくドラギッチでペイサーズのディフェンスは動かされていき、そこからパスが出てバトラーやヒーローがドライブ。ドライブからキックアウトパスはドラギッチに戻ってきて3Pです。

さらにバトラーが1on1からピックを使って、プルアップ3Pで残り3分9点差。

ペイサーズはウォーレンに託したいのですが、この時間になって再びマークがバトラーに。攻め所を失ったペイサーズ。うん、普通にスイッチ促したりコンビプレーすればよいだけなんですけど、サボニスがいないとそれも出来ない。

残り2分半でバトラーがオフバランスの3Pを決めてこの試合最大の12点差。決着ですね。

◎サボニスとオラディポ

ヒートが3Pを確率良く決めた試合でした。内容的にはドラギッチの上手さでフリーが生まれた感じなので、強引さよりも上手さが際立つプレーオフならでは。フリーになりたきゃ上手くやろうぜ。

そうでなければ強引にでも決めきるエースが必要。それは終盤のバトラーが3P連発で答えてくれました。重剛入り混じったプレーでプレーオフらしいヒートのオフェンスが上回った試合でした。

とはいえ、ペイサーズのディフェンスが悪かったわけではありません。それを上回るだけの理由を持っていたヒートのオフェンス。

そしてペイサーズのオフェンスは時間と共にダメになっていきました。ウォーレンの3Pとブログドンの1on1しかなかった。でもそんなに確率良くない。

ペイサーズのこの問題は今に始まったことではなく、ずーーーっとですから解決しないわな。サボニスさえいれば、コンビプレーを成立させてしまうのですが、こんなに欠場することになるとはね。

サボニスの欠場があっても4位に上げてきたのはウォーレンの爆発でしたが、確率悪かったけどオラディポが同時にコートにいたのは大きかったのかもね。強引にでも突破してくるオラディポを先に抑えたい事情。

試合序盤にイマイチだったオラディポですが、3Qになってウォーレンへのダブルチームなんかを躊躇いなくヒートが実践できていたのは「どこを止めるか」がハッキリしていたからな気がします。それがオラディポ不在。

ゲーム1にして、この対戦カードも底が見えてきた感じがあります。ペイサーズがプラスとなる策を作ってこないと、スポルストラの狙い通りの試合運びになってしまいます。

シンプルなピック&ロールで良いので、もっともっと複数の選手を絡ませていかないと単調過ぎるぜペイサーズ。

・・・まぁきっとムリだから、勝負はカウンターしかありません。

ヒートの勝因は9つに抑えたターンオーバー。1Qで4つあったペイサーズのスティールは、試合トータルで8つしかありませんでした。うち4つがウォーレン。

オフェンスの事を考えるよりも、ディフェンス優先でカウンター狙いに切り替えるべきなペイサーズかもしれません。

ヒートはこのままやれば勝てる。このままミスなくやれればね。

プレーオフ ペイサーズvsヒート①” への2件のフィードバック

  1. Game2も見ましたが、サボニスの存在の大きさを感じますね。
    1回だけバックコート陣でハンドオフしてマークをずらして……とやっていたオフェンスセットがあって上手くいったのですが、サボニスがいれば普通のプレーなんですよね。
    ディフェンスは悪くないですけど、追いかけ回していれば最後に誰かしら空いてしまうところで、ドラギッチとかロビンソンとかヒーローにやられてしまったのも痛かったです。

    Game3以降はヒートのスリーが極端に入らない日でもなければヒートが負けることはないでしょうねぇ。またスイープか……。

    1. ディフェンスはこれ以上を求めても仕方ないですね。ダンカンが決めすぎたら、他のチームも勝てないです。
      問題はバカ正直すぎるオフェンスか。ブログドンがいてもこうなるのだから、深刻な問題。
      せめてサディアス・ヤングがいれば・・・。

      マクミランと契約延長しちゃったので、サボニスの控えが出来るポイントセンター連れてきましょう。ポイントPFか。
      暇そうにしているイリャソバかなぁ。

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