ロスに触れたなら、フォーニエに触れないわけにはいかないよね。
今回はオマケ回です。しかし、本来はこっちが主役でロスがオマケ。6thマンではなく、エースであるフォーニエは、ロスと共に試合終盤にヒーローボールを任される存在なのです。
ところで、そのヒーローボールが最もさく裂したのはマジックではなくてフランス代表。vsUSAではお互いにヒーローボールで臨んだ試合を制しました。同じヒーローボールならゴベアーが守っている方が強い。ゴベアーのマークをスマートにやらせるHCだしね。
まぁ正しくはUSAが毎試合のようにヒーローボールしたせいでスーパーエースが疲れていたからです。そしてフランスのフォーニエも次の試合では疲れてヒーローになれませんでした。
ただ見てのとおり、フォーニエは難しいシュートを打ちまくって、決めまくりました。この点ではロスと同様のタフショットモンスターなのです。
マジックの勝ちパターンは止められないタフショット連発
本当にこんな感じだからワラエナイし、マジックと1試合だけ戦うのは嫌になりそう。1発勝負なら怖くて仕方ないよね。
◉ノン・タフショット
しかし、ロスと違うのはフォーニエは「タフショット以外が多い」ことです。なお、極めて普通の事です。ディフェンスとの距離別アテンプトと成功率をみてみましょう。
〇フォーニエの3P
4フィート以内 1.5本 33%
6フィート以内 2.6本 39%
6フィート以上 2.5本 48%
ということで、オープンな状況では恐ろしい確率で決めており、しかもタイトでも平然と打つから平均が41%まで下がっているだけです。41%でも凄い数字ですが。
ということで、タフショットばかりだったロスに対して、フォーニエはオープンでも打てている理由を見つけていくのが今回の趣旨です。オマケの回だけど、フォーニエはオマケではなく主役クラス。
①コーナー3Pを活用している
まずロスと大きく違うのがここです。2人のコーナーの数字を並べてみましょう。
〇ロスのコーナー3P
アテンプト 0.6本
成功率 44%
〇フォーニエのコーナー3P
アテンプト 1.0本
成功率 52%
ロスの成功率の良さを眩ませてしまうフォーニエの恐ろしき成功率。ロスよりもアテンプトも多く広くコートを使えています。ただし、フォーニエの本数も本当はもう少し増やしたいところ。ゴードンとアイザック、フルツがいるってのも、ポジションバランスを難しくする理由でした。
いずれにしてもフォーニエのコーナー3Pは脅威でしかありません。そしてこの武器があることで、「ディフェンスを振り切れないロス」に比べると、フリーになる能力が高いのが1つ目の特徴です。
◉ブセビッチ
こうして振り切ることが出来るフォーニエには、6thマンのロスよりも長い時間ブセビッチと組めるメリットもあります。そんな印象の強いコンビなのですが、意外とパス交換が少なかったのです。
〇フォーニエ → ブセビッチ 7.7本
〇ブセビッチ → フォーニエ 6.8本
エースキャラ同士がパス交換が少ないというのは珍しい組み合わせですが、その割にブセビッチは1.0アシストを記録しておりセンターとしては多めです。パスは少なめだけど、シュートには繋がっているわけで
②フリーになったのを見逃さないブセビッチ
これがフォーニエがフリーで打てる2つ目の理由になっています。なお、ロスもブセビッチからパスを貰って決めるのですが、そのパス数がわずかに1.8本のみ。それでも他のセンター陣よりも多くなっており、パスアウトしてくれる相棒不足な空気があります。
〇ブセビッチのオン/オフコート
アシスト率 64.7%/55.8%
実際にマジックはブセビッチがコートにいる時間は高いアシスト率を誇りますが、ベンチに座っていると10%近く落ちてしまいます。自らパスを出してくれるだけでなく、スクリナーとして逆サイド側にフリーを生み出してくれるブセビッチがいるかどうかで、シューターの存在価値は変わってくるといえます。
フォーニエもロスもタフショットを決める。だけど、フォーニエにはブセビッチがいるからフリーのシュートも多い。
こんなこともいえるわけです。あれっ?今回はオマケのブセビッチ回だったっけ?
◉プルアップ3P
フォーニエとロスの違いにプルアップ3Pの確率差があります。
〇アテンプト
フォーニエ 2.8本
ロス 2.0本
〇成功率
フォーニエ 37%
ロス 28%
プレータイムの差を考えればアテンプト数は同じくらいですが、フォーニエの方が効率よく決めています。タフショットを決めまくるロスですが、プルアップになると確率が落ちるのは変な気もしますが、ロスのタフショットは
ディフェンスのプレッシャーがあってもキャッチ&シュートを打ち切る
ようなシュートが多く、いわゆるディフェンスをみずに自分のリズムで打ち切れば決まるタイプです。逆にドリブルしたら周囲の状況も観ながら打つから苦手なのかもね。
それに対してフォーニエは、スピードで振り切れるタイプではない代わりに、冷静に周囲の状況を見てプルアップ3Pを選択していきます。ボールを貰ってから早いロスと、緩いフォーニエ。
フォーニエはステップバックが上手いのも特徴的です。「バック」だけじゃなく「サイド」も多く、流れながら打つのも上手い。縦への推進力(ドライブ)はそこまでではないし、切り返しで振り切るわけでもないけど、スッと体を引いてディフェンスとスペースを作るのが非常に上手い印象です。
これらのシュートはディフェンスがシュートに反応すればタフショットとして記録され、ドライブに備えてインサイドへ下がればオープンショットとして記録されます。ロスがタフショットばかりなのは、この手のシュートが上手くない事が原因かもしれません。
ドリブルでディフェンスとの「隙間」を作るプレーが上手い
これがフォーニエの持つ3つ目の特徴なのでした。
◉過小評価
そんなフォーニエの数字は3Pだけでなく、高確率の2Pにも繋がっています。
〇2P52.5%
〇3P40.6%
3Pよりも多い2Pも堅実に決めていっています。まぁこの数字なら3Pをもっと多く打つべきなのですが、チームがそういう方向性じゃないしね。
〇ゴール下 65.4%
身体能力系ではないフォーニエですが、それでもゴール下まで侵入してのシュートも上手く、ビッグマン相手でも巧みにフローターを決めていきます。
ただ、ここでもマジックらしさでゴール下までいかずにペイント内シュートが多く、ミドル・ショートレンジのアテンプトの多さが、全体の確率(得点効率)を数字の上では下げています。もっとも、ゴール下まで攻め込みまくっていたら、フォーニエはブロックされてしまうでしょうが。
フォーニエが残している数字は、単なるシューターではありえない数字であり、ヒーローボールでチームUSAを倒してしまうようなエースでもあります。
実はリーグで有数の過小評価されている選手かもしれません。
優秀なシューターであり、素晴らしいスタッツを残すフォーニエ。だけど、チームは5割を下回っているわけだし、過小評価というほどでもないかもしれません。
ただ、そのプレーチョイスは個人としてではなくチームとしての特徴もあふれ出ており、違うチームへ行ったら、どんな数字を残すのか興味を持ってしまう選手でもあります。
エースとして扱ってくれるマジックが適しているのか
もっとスマートオフェンスをするチームなら更に力を発揮するのか
このオフにはプレイヤーオプションとなるのでした。
常々マジックとスパーズとの間で「フォーニエ – デローザン」あるいは「フォーニエ – マレー」のトレードをすることが双方にとってwin-winなのでは、と思っていたのですが、管理人様はいかが思われますか。
若い頃からずっと出ていて、今やっと中堅みたいな年齢ですよね?
「やり続ける」メンタル…もはや機械なのでは??
日頃何を考え 何を食べているのか気になります笑