試合前に騒ぐファンをカメラが行ったけど、何故か1人はブルズのシャツ着ていた。
オラディポが長い長いリハビリから帰ってきました。ただし、ベンチスタートです。エースがいなくても問題なく戦えているのがペイサーズであり、エースが戻ってきたことでプレーオフで勝てるチームにステップアップしたいわけです。
試合はペイサーズリードで1Q残り4分12秒でオラディポが戻ってきました。なお、1Q終了の頃には肩で息をしていました。完全復活はプレーオフで良いのさ。
それでもオラディポは見事でした。オフボールでしっかりとオラディポにスクリーンをかけて使っていくリハビリ3Pを打つと、そこからはスクリーン利用からディフェンスの間を突くパスを通していき、トランジションからスッとスピードを上げてのフローター。選手の間を抜けていく能力の高さはペイサーズの他の選手が持ち合わせていない特徴のため、明らかに違うオプションとして機能していました。
ただし、本日はターナーが不在でして、サボニスがベンチに下がると良いプレーをしてもフィニッシュに失敗したペイサーズ。ビターゼはもう少し修行が必要観たいです。
◉ラビーンとフェリシオ
ケガ人といえばブルズの方が深刻。オット・ポーター、マルカネン、ヴェンデル・カーターとフロントラインは全滅です。そのためプレータイムが少なくてトレードの噂があるサディアス・ヤングとルーク・コーネットがスターターに。いや、ヤングが残っていれば、何も困らなかったなペイサーズ。
まぁでも、ちょっとした楽しみもありました。それはシュート力がある(しかない)コーネットになったことでインサイドが大きく空き、ラビーンがより効果的になるのではないか、という実験です。3ガード+コーネットならストレッチしまくり。
ところが、全然目立たないラビーン。ありゃりゃ。パスアウトが機能しないし、それ以前にドライブが目立たない。
オラディポが登場する頃にコーネット→フェリシオになると、ラビーンが復活します。ストレッチ役としては機能していないけど、スクリーン&ダイブによってラビーンを助けてくれるフェリシオ。結局、これでドライブが機能し始めてブルズが逆転します。
さらにハッチソンがウイングとしてドライブでリングにアタックし、バレンタインは3Pを中心としたプレーながら、ディフェンスが出てくるのでドライブを効果的に織り交ぜていました。アーチディアカノもPGとしてゲームを作るし
・・・ってことで、ラビーンのチームだと考えれば普段より良い感じのブルズ。スクリナーがいて、合わせてくれるウイングもいて、コントロールするPGもいる。
ただディフェンスはスターターの方が良いし、ガード陣は大した違いがないのでフェリシオがいることが一番大きかったね。コーネットに戻るとドライブしたラビーンが3人に囲まれてそれまで。キックアウトが上手くないし、仕組みに組み込まれていないんだよね。
そんな感じのブルズでした。毎回、毎回、「戦術と選手が合っていない」と書くのも嫌になるんだけどさ。ピックのスクリーンを献身的に行い、リングにダイブするタイプのフェリシオでこんなに変わるし、ストレッチするコーネットだとイマイチだから、ヴェンデル・カーターとマルカネンはチームに合わない気がしてくるのでした。
◉オラディポと3P
さて、2Qに再び登場のオラディポ。3Pを外しまくります。結局、前半は3P4本全て外しまして、4点に留まります。アシストは3つあったよ。
この3Pが決まらないことは、ある程度は仕方ないという部分なわけですが、問題は4本がチームハイだったことです。
サボニスとブログドンのいるペイサーズのオフェンスは機能してきました。多分、Bリーグが参考にするならば今はペイサーズが最高のチームだと思います。Bリーグっていうか高校生とかかな。それくらいチームで攻める形とコンビで攻める形が整理されてきています。見事な合わせと冷静なゲームメイクは参考にしようぜ。
なのですが、NBAという舞台では物足りないペイサーズ。その理由は3Pを効果的に使えておらず、サボニスが堅実に押し込んでくれなければヤバいってことです。コンビプレーでそこが空くのは素晴らしいことですが、誘導されている感も否めない。
ところがオラディポはシンプルに3Pを打ちまくりました。1本1本は決まらないから得点力は上がらないけど、トータルで見ると3Pが混じって守りにくくなっていると思います。
ということでペイサーズに足りない要素をもたらしてくれそうだった前半のオラディポ。ただ決まらなかった。プルアップの3Pは誰でも決まるわけじゃないし、アーロン・ホリデーに与えられていた役割をそのままオラディポが引き取ったね。
まだまだ調整段階のオラディポですが可能性を感じさせてくれたのでした。
◉ペイサーのインサイド
3Qになるとこの試合初めてな気がするコーネットがいる状態でのラビーンの見事なドライブが決まり、さらにドライブに対してインサイドで合わせたコーネットのダンクでブルズが逆転に成功します。
さらにディフェンスではサボニスvsヤングにしたため、簡単には得点にならず、ジャカリ・サンプソン側の合わせになってシュートミスが出てくるペイサーズ。ここですね。サボニスは決めきってくれるけど、そこまで確率良く決まらないのがゴール下の密集地帯。
ちなみにジャカリ・サンプソンってロスターの端っこに入るレベルの選手ですが、どこにいってもこうしてチャンスを掴んでいる気がするよ。昨シーズンなんてブルズで4試合にでただけなのだけど、それが平均32分で20点なんだよね。平均20点で4試合しか出てない選手。そのうち大きくなれると良いね。
サンプソンに代わってTJウォーレンがローポストから決めると、さらに3Pも追加して逆転したペイサーズでしたが、サボニスが3Qになって3つ目のファールでベンチに下がることに。悪い予感しかしません。
見事に得点が止まったペイサーズ。唯一、サンプソンが合わせとプットバックのダンクで切り返しますが、コビー・ホワイトの3Pでブルズがリードを取り戻します。
再び登場のオラディポですが、スターター陣との相性がいまいちなのか、あまりボールが来ません。3Pも決まらないし、前半ほどの印象はないよ。それでもビターゼへのアシストは通し、アシスト側はずっと良い感じだ。
ホワイトの3Pで2点リードのブルズ。ペイサーズのラストプレーはオラディポのアイソレーション。これを1Qに続いてファールドローして終えました。
1Qファールドロー
2Q3Pミス
3Qファールドロー
復帰したエースが3つのQ全てでラストプレーを任されているのでした。いかにもペイサーズらしい。いかにもマクミランらしい。HCは論理よりも感情と信頼だ。
◉主役は誰だ?
4Qになってアーチディアカノ、バレンタイン、ハッチソンの3人がまたも良い味を出していきます。「もっとハッチソンを使えばよいのに」と思うのですが、シュート力はまだまだだろうからバレンタインとの組み合わせが良いのだろうし、ハッチソンが得点するのは大体がアーチディアカノのプレーメイクから。
〇チャンドラー・ハッチソン
21点 FG10/14
外した4本のうち3本が3Pでした。とても良かったぜハッチソン。また見たくなったよ。だけど本日お休みのフロントライン3人と違いすぎるプレースタイルだ。ウイングに何をやらせたいのか、そろそろ決まってきたかい?
さらにこの3人にファリシオとラビーンが戻ってくると、今度はファリシオのゴール下合わせ。能力は足りないけど、今シーズン観た中で最も良い選手の組み合わせになっているブルズ。納得性のある組み合わせ。シューターがバレンタインしかいない。普段はサトランスキー、ポーター、マルカネンがいるのにね。
残り5分となりブルズ3点リードでオラディポが戻ってきます。ブルズはアーチディアカノ→サトランスキー、ハッチソン→ヤングを交代させました。ラビーンが主役なら、ファリシオとバレンタインは残したいって事だ。
さて、ペイサーズも少し面白いチョイスをします。ブログドン、ウォーレン、サボニス、ここにオラディポが加わるわけですが、もう1人をマグダーモットにしました。その後でホリデー兄に戻します。このベンチメンバー2人をローテさせる不思議さ。本当は便利なヤングが欲しかったね。
7点ビハインドのペイサーズなので、オラディポはコーナーに置いてブログドン&サボニスを基本に、ウォーレンを絡めますがイマイチ。スティールからブログドンのダンク、ドライブレイアップは決まったけど、チームのハーフコートが苦しめ。
そしてホリデー兄がドライブからコーナーにパスを出すも、オラディポは既に移動した後。あぁダメだ。コーナーに慣れていなかったエース。。主役は主役なんだ。
ブルズはサトランスキーとフェリシオの見事な合わせが出ますがフェリシオはキャッチミス。わき役はわき役さ。チームとしての機能性はあるけど、この時間にプレーする個人能力は持っていないよね。
残り23秒でブルズが3点リード。ブログドンなのか、それともこの試合の全Qをオラディポで終わらせるのか。
驚くことにサボニスのハンドオフでドライブしたのはウォーレン。3点差だからアウトサイドへのチェイスが激しくてブログドンに渡せなかった感じかな。ウォーレンは見事にキックアウトパスを出すもホリデー兄が決められず。ただリバウンドがこぼれてペイサーズボールに。
やり直しのラストプレー。タイムアウトで選んだのはオラディポ。ガチのオラディポによるアイソレーション。
3Pラインの1m後ろからサクっと打ったオラディポの3Pはこの試合7本目にして初めて成功した3Pになったのでした。
おーらーでぃーぽ!おーらーでぃーぽ!
復帰戦でエースの仕事をしたオラディポ
ところでブルズはこの時のオラディポをマークしたのがハッチソンでした。クリス・ダンは信用されていなかったのか、後半の出番が少なかった理由がよくわからなかったよ。そしてラストプレーはバックコートからのラビーンアタック。見事にシュートに持ち込むものの、ファールっぽく止められてしまいました。
◉オーバータイム
プレータイム制限があるのでオラディポはベンチです。
ホリデー兄とブログドンの3Pで早々に6点リードしたペイサーズ。まぁぶっちゃけブルズがトーンダウンしたので、これといった盛り上がりもないオーバータイムでした。ブルズのメンバーはここまでよく頑張ったと思いますが、スタータークラスの選手が少ないし、プレータイムが長くなったから仕方ないと思います。
オラディポがいなければアップセットが出来そうだったのに、運が悪かったね。ということで、まとめです。
見事なオラディポでしたが、あまりにも良くできたストーリーでした。
3Pの足りないチームに3Pをもたらし
Qのラストプレーを4つとも担当し
クラッチ3Pで同点にする
まさにペイサーズが欲しかった「エースの大仕事」をやりきったオラディポ。ちなみにブログドンもエースの仕事をしているんだけどね。真打登場って感じした。
ペイサーズのこの感じだとオラディポを長く使う必要はないので、「エースの大仕事」をして欲しい時に元気な状況でプレーしそうです。プレーオフに向けて頼もしすぎ、でも余裕があるからプレーを制限できるエースでした。
まぁそれよりもサボニスがね。サボニスの代役がいなすぎて困るわ。ビターゼも良いプレーをしているけど、比較対象がサボニスだとさ。ターナーとサボニスが元気でプレーオフにはいれないと苦しいですね。
・・・まぁそれはどこのチームも同じですが。
ブルズはラビーンをトレードした方がいいと思うのですが、
管理人さんは、どう思いますか?
ラビーンはディフェンス良くないですし、
マルカネンやウェンデル・カーター中心にした方が良いと思いまして!
ともあれ、オラディポが戻ってきてくれた何よりという試合でした。
オラディポがドライブで被ファウルを稼いでくれると、リーグワーストの被ファウルとフリースローアテンプトがいくらか改善されてバランスが良くなってくれると思っています。
今日のように、自分だけがファウルトラブルになってしまうと、ローテーションが厳しくなってしまいますよね。(……ターナーはFluと言われていましたがベンチにはいました。大丈夫なのかしらん)
能動的にスリーを打つ形は、これまでのペイサーズはサボニスのハンドオフスクリーンを使ったマクダーモットのトップからの形くらいしかなくて、それがナゲッツ戦辺りで決まりすぎたので、最近は対策されてしまっていて徐々に苦しくなっていました。オラディポがシンプルにスペースを広げていくことで、コーナーやウイングが空く形も作りやすくなり、ブログドンやスポットシューターたちが生きることになるでしょう、きっと。
サボニスの代わりはもうリーグ探してもヨキッチくらいしかいないような気がしてきました。契約延長できてよかったです、ホントに。
ただ、今度サラリーキャップが縮むかもしれないという話が出てきていて、21年オフのオラディポの契約延長を考えるとちょっと悩ましいところですね。20M前後の選手がオラディポ、ブログドン、ターナー、サボニスと4人いることになるわけで。とっとと決めてもらわないと長期的なチーム構成を考えるのが難しいですね。
久しぶりに感動しちゃいました。
試合の感想は、
オラディポすごい!おかえり!
ヤング帰って来い!おねがい!
以上です。