マンバ・キング(ス)

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コービーへのリスペクトで溢れ、悲しみに満ちた2日目。トレ・ヤングとデバン・ブッカーがそれぞれ24本のFGを放ち、合計81点をとったのは偶然とはいえ凄い話だし、ハーデンとウエストブルックがいない中で50点をとったエリック・ゴードンは素晴らしい。ケンバ・ウォーカー、ブラッドリー・ビール、ドノバン・ミッチェルとデマー・デローザンもハイスコアをあげ、リラードは驚異の3P8/12で50点だった。

まるでマンバメンタリティが乗り移ったかのように2日間で35点以上が11人。誰もが凄かった。だけど、コービーになるには自分の力だけじゃダメなのさ。

◉ノーマンバ

コービーの映像を観まくってしまったからか、はたまたキングスとウルブズが情けないからか、なんともつまらない立ち上がり。コービーの鬼気迫るプレーを見たことがないのか?

まぁでもオフェンスはまだよい。そういう時代だし、効率的じゃないコービーのプレーをしたらこのブログでは酷評されるしね。

でもさ、もっと激しく守れないのか?ファールコールが厳しくなった時代なのは確かだけど、両チームが置かれている状況を考えたら、もっともっと激しく強く攻撃的にディフェンスしなくて良いのか。

なぁウィギンズ。特にお前だよ。『カナダのマイケル・ジョーダン』はパスを出してコーナーに移動して何で突っ立ってんだよ。コービーとジョーダンの激しいポジション争いをみたことがないのか?

こうして酷評してやろうと思ったウィギンズでしたが、この試合では次第に支配力を発揮し始めます。前回観た時はなかったトップからのアイソレーションパターンも復活し、ズルズルと下がるだけのディフェンスをしているキングスに対してアタックを強めていきました。

〇アンドリュー・ウィギンズ
36点 FG13/21
3P7/11
8アシスト 9リバウンド

打ち続けたウィギンズ。もしも、こうやってウィギンズが打ち続け覚醒するならばコービーの魂は未だに影響力を与え続けてくれるわけだ。まぁウィギンズが外しても打てるかが問題なんだけどね。エアボールを4本打ってから評価しよう。6年目がエアボール4本打ったら酷評するけどね。

それにしてもルーク・ウォルトン。記事に書き込もうかと思ってくだらないから辞めたエピソードは、二日酔い気味で練習場にきたルークに対してコービーがマッチアップし(させ)「誰もヘルプに来るな」とチームメイトに伝えて、ボッコボコのボッコボコのボッコボコにした話。

完璧主義者すぎるコービーと楽観的な空気がチームワークを生み出していたウォリアーズの両方にいたルークは、キングスの空気をどう考えているのだろうか?

ただ少なくとも両チームは激しいディフェンスをもっていた。キングスをどうしたいのか教えてくれよルーク。

ってことで、試合は一方的な展開に。気持ちの入ったウィギンズに引っ張られたウルブズは「中心がしっかりすれば」戦える試合を作っています。酷評したオコギーも少しずつ復調しているようで、ハードワークとエースのメンタリティを武器にもう少し改善できるのかどうか。タウンズは調子悪そうだけど。

試合開始から順調にリードを奪っていき、3Q残り3分46秒には27点差。94-66と楽勝のウルブズ。

◉帰った観客

19点差で始まった4Qは奇妙なものだった。

そういえばキングスは1年前にネッツに大逆転負けを喫したよね。ムネアツな試合は何度も見直しましたが、あれは明らかにネッツが(ディアンジェロが)一気にプッシュしていったことで起きた逆転劇だったし、4Qフルに使って追いついた感じでした。

言い方を変えると4Q始まったときは「追いつかないだろ」だったのが、少しずつ空気が変わっていき、5分も経てば「これは逆転するんじゃないか」になったわけだ。最終的にはRHJのレイアップで勝利を得たわけだけど、異様な空気ってのは欠かせない要素だよね。

しかし、この試合はそんな空気は感じさせず、13449人の観客のうち「試合終了まで見届けよう」としたのは3000人くらいじゃないかと思うほどに観客は帰っていきました。ホームのウルブズの勝利なのに見届けないくらい試合って事だ。

何故かというと19点差で始まった4Qは残り1分46秒の時点でも14点差だったから。キングスが頑張って5点は縮めたけど、さすがにね。

観客だけじゃなくライアン・サンダースも「お疲れ様」とばかりにタウンズ、ウィギンズ、ネイピアーをベンチに下げました。24秒使ってしまえば終わる試合なのさ。

◉油断のサンダース

マイボールにした21秒後に打ったレイアップはフォックスがブロックし、トランジションから4秒後にはボグダノビッチが3Pを打つけれど、そう簡単にわかりやすくやらせるはずもなくベイタ・ディオップがブロック。

しかし、リバウンドはキングスが抑えて残り1分5秒でヒールドが3Pを決めて117-108になります。うん、実は残り1分9点差で主力がコートにいないのは不思議な状況でもありました。

フルコートで仕掛けるキングスですが、ウルブズはしっかりと19秒使って3P。問題はリバウンドをバーンズが抑えると4秒後にレイドがファールしてしまいボーナススローになったこと。「時間を使えば勝ち」の時にやってはいけないフリースロー。

ウルブズは意思統一が出来ているようで出来ていませんでした。ツメの甘さが目立つし、ちゃんと仕込まれていない。若すぎるのかサンダース。

とはいえまだ110-117で残りは40秒しかありません。24秒使われたら終わりなので、ファールに行ったキングス。しっかりと2本決めたオコギー。

急ぐキングスはクイックでヒールドが3P。ここにまたもファールしてしまったウルブズ。タイムアウト明けだぞ。なんでだよ。3ショットで1点縮めたキングス。

「アレっ?やばいのかな」ってことでウィギンズ、タウンズ、ネイピアーを戻すサンダース。うん、実に中途半端だ。リバウンドのタウンズはともかく、ベンチメンバーを信じられないという事を示してしまったよ。

で、最悪なのが戻したネイピアーがファールゲームのフリースローを2本とも外した事。采配が裏目すぎのサンダース。

6点差で残り30秒なのでツーポゼッションが必要なキングスは、再びクイックでヒールドの3P。ディフェンスを前にしたロングだったけど構わず決めて3点差になります。おかしいぜ1分16秒前は14点差だったのにな。

タイムアウトから決めれば勝ちのシュートを打ったウィギンズでしたが決められず。ただし残り6秒3点差なので、ボールを運ぶフォックスを捕まえて逆ファールゲームに。3P打たせるよりも確実な選択肢だ。

1本目のフリースローを決めたフォックス。外すしかない2本目に備えて両チームがリバウンダーをコートに送り出します。フォックスが選んだのは弾丸パスのようにリングの手前に当てる形。高さが関係なかったリバウンドは、リングに当たって床に一直線。誰よりも早く反応したフォックスが拾ってそのままレイアップ。

まさかまさかの14点差を1分40秒で追い付いたキングスでした。

4Qのヒールドは3P5/5でなんと20点!マンバメンタリティ!

◉戦術オコギーと

ウルブズのオフェンスはタウンズのポストを狙うのですが、そこにキングスが必ずダブルチームを仕掛けます。ここからパスアウトは出来ているのだけど決めきれないウルブズ。攻略しているのにね。

しかし、ミスショットに対してオフェンスリバウンドやルーズボールのシーンに顔を出しまくるのがオコギー。これぞオコギー。期待していたオコギー。

管理人はウルブズを「戦術オコギー」だと考えていて、そんなシーンが皆無だったシーズン前半なのでオコギーを酷評していました。ここの「戦術オコギー」は普通の戦術〇〇と違っていまして、

ただひたすらチームメイトのミスを救い続けるオコギー

なのです。チームとして未熟なウルブズにはスキが多く、こうしてシュートが落ちまくる時もあれば、カウンター速攻を食らいまくったり、相手エースの大爆発に抗えなかったりします。

しかし、オコギーはリバウンド、ルーズボール、トランジションディフェンス、そしてエースキラーにヘルプディフェンスと異常な運動量で全てをカバーしてくれるハードワーカーです。だからウィギンズは気にせずエアボール打てって!

オーバータイムでは懐かしの戦術オコギーが復活。ミスを助けてくれるだけでなく、4Q20点のヒールドに張り付いてシューターに自由を与えませんでした。

が、今度はフリースローを落としてしまったオコギー。3つもオフェンスリバウンドをとったのに0点ってのもオコギーなのか。そしてウィギンズも1本ミス。大してキングスは・・・こっちもフォックスが2本ミスしているぜ。

それでもヒールドを止められてもフォックスが積極的に仕掛けてオーバータイムで6点1アシスト。久々のフォックス&ヒールドの活躍で大逆転勝利となったキングスでした。

ウルブズには最後に「3Pを決めれば同点」というシーンがあったものの、好調のウィギンズが4Qに続いて試合を決めるシュートは決められず。マンバの道は1日にして成らず。6年でも到達できず。

◉若いなら若いらしく

もう若くないタウンズ&ウィギンズというツッコミは置いといて、シュートが決まるかどうかは別にしても、これくらい積極的に仕掛けまくるウィギンズだったら、選手としての伸び方も違っただろうね。まぁこうやって誉めても、何故かHCがやらせなかったりするから、よくわかんない。

一方で試合終盤がバーンズアタックになってしまっていたルーク・キングスだけど、本日はフォックス&ヒールドで勝利を掴みました。ラッキーだったけどね。

〇バディ・ヒールド
42点 3P9/14


〇ディアーロン・フォックス
22点 8アシスト
FT8/14

打ちまくって決めまくったヒールドと、積極的なアタックでファールを貰って外しまくったフォックスですが、やっぱりこのチームはフォックスのスピードとヒールドのシューティングが中心な感じでした。

そこにパスアウトから決めてくれるバーンズとビエリッツァというウイングの構成そのものは否定するほどではないのですが、オコギーが助けてくれる体勢ってのも捨てがたいよね。

主役となる選手にどんなわき役を組み合わせるのか。そして主役ってのは初めから主役なのか、伸ばしていくものなのか。少なくとも両チームは「伸ばす」を選んだはずなのに、中途半端な印象を受けるのでした。

36点のウィギンズは打ち続けることが出来るのか。それをオコギーのハードワークが支え続けることが出来るのか。

フォックス&ヒールドのメンタリティを信じて伸ばせるのか。ルークは何を考えているのか。

変な試合だったけど、だからこそ選手個人への注目度が高まる試合でもありました。戦術的にはよくわかんなかったな。

マンバ・キング(ス)” への2件のフィードバック

  1. ゲームレポートお疲れ様です。

    『伸ばす』と決めたわりには…ですよねー。

    ルークの話、いかにもコービーっぽい話ですよね(笑)コービーとチームメイトするのも大変ですよね。

    高校の先輩エースもコービータイプで、憧れ 怒られ でも好きだったし少しでも助けたかったから必死にくらいつきました。あんなに男気を試合や練習でみせてくれた先輩がコービーに被ります。プライベートは優しくて可愛がってくれるからまさにツンデレにやられました。

    おっと 寄せ書きはもう書いた書いた。

    コービーのトリュビュート動画ばかりに目がいきがちですが、いつも通りゲームレポートを書いてくれている事に何かホッとします。

    にしても、コービーの訃報を知り、得点を自分で取りにいった各チームのエース達 なんか泣けちゃうっす。

    何度も言いますが、通常のゲームレポートを書いてくれてありがとうございます。管理人さんも格好いいっす

  2. 不思議な逆転劇でした、おっしゃる通り逆転につながる布石や火種があるわけではなくなんだかぬるぬる追いつかれあっさり敗退。手に汗握る接戦は大好物ですがこれはミネティン何やってるんだって感じです。

    話は変わりますがウィギンズ、前回のロケッツ戦では終盤接戦での点の取り合いは紛れもなくエースの風格で見方が180度変わりました、ただ普段は良くも悪くもロールプレイヤーな印象で優秀なんですがロールプレーヤーにMAX払うほど馬鹿らしい話もないんですがオーラが全然ない、ポテンシャルはたまに見せつけてくれるんですがやっぱりメンタルの問題なのかなぁ、あとこのブログでおっしゃる通りチーム戦術でウィギンズ立たせない構成なのか、ほかのチーム行ったらどうなるか…もどかしい選手です(-ω-;)

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