サンダーvsグリズリーズ

OKCクリッパーズ

八村vs渡邊を華麗にスルーしておき、渡邊がいなくてもグリズリーズチョイスする世間からずれているブログです。本当はウィザーズ観ようと思いましたが八村いないなら辞めようかということで、こっちの試合。

◉両チームのオフェンス

OKCクリッパーズは、新旧クリッパーズの要素を感じさせてくれます。旧バージョンはとにかくハンドオフしまくる立ち上がり。クリッパーズっていうかクリス・ポールが好きなプレーですが、面白いことにクリス・ポールがいなくてもやるっていうね。これでもかってくらいのハンドオフは、ボールを渡すかどうかというアダムスの判断によってプレーが構築されていきます。そこはデアンドレ・ジョーダンとは違うね。

新バージョンはワンドリブルからディフェンスにあたっていくSGAのルー・ウィリアムス式ドライブ。そしてガリナリのポストアップにランニングレイアップで合わせるハレル式アダムス。

ちなみに前戦のブルズ相手に26点ビハインドからの逆転勝利というサンダーらしさも持ち合わせています。ハイブリッドなのかはわからないけど、かつてサンダー出身の選手が加わったチームにハードワークがもたらされたように、他のチームのカルチャーを足し算しているのは良いんだよね。

そして何よりもバランスアタックしています。決まらないクリス・ポールは置いといて、全員がいろんな形で攻め込んでいく。遂にはベンチメンバーも個人アタックするのね。ネイダーくらいはまだわかるけど、ルーキーのベイズリーも素晴らしいアタック。超サンダーっぽいな。

グリズリーズはわかりやすいストレッチ系統で、ペイント内に大きなスペースを作り、1人しかそこにはいないような形。一見するとバランチューナスのスペースだけど、3Pも打つセンターなので、ドライブする選手とは微妙に入れ替わっています。

特に目立つのはディロン・ブルックス。サンダー同様にバランスアタックと見せかけて序盤はブルックスとバランチューナスが多いグリズリーズ。つまりモーラントとジェイレン・ジャクソンという主役キャラがわき役に徹しているような序盤戦。エースだからってやりすぎないぜ。

ベンチから出てきたメルトンも速攻にトランジション3Pと積極的。いやPGなんだからもう少し回したら、っていう気もするけど、誰もが強気に攻めようぜ(エースは控えめね)みたいな空気感でバランスよく攻めていきます。

そんな両チームのオフェンス勝負は、30点を超えたくらいで少し停滞したサンダーに対して、止まらなかったグリズリーズ。クラウダーやヒルの微妙な3Pも決まるし快調・快調。

言い換えればサンダーのディフェンスってハードさが足りないんだよね。ちょっと昨シーズンのクリッパーズみたいだな。守れないというんじゃなくて、緩く打たれてしまうシーンが多い。そして決めていくグリズリーズ。決めすぎ。

グリズリーズディフェンスは次第にクリス・ポールのロブパスにやられていきます。言い換えれば、個人を止めるために前に出始めたところを上のスペース活用されてしまった。

前半は68-59とグリズリーズリードですが、どっちも高確率でシュートが決まりました。

〇前半のFG
サンダー 53.5%
グリズリーズ 52.6%

ただし、8/16で3Pを決めたグリズリーズに対して、3/13だったサンダー。決まらないのはサンダーらしいかもね。

どっちも守れていないので、なんつーか。どこかでシュートが決まらなくなったら一気に置いていかれるだけのような。

◉走るのか、走りあうのか

で、決まらない3Qのサンダー。開始3分でクリス・ポールがフローターをねじ込んだのが初得点。その間にグリズリーズは12点を積み上げました。

前半はファールトラブルで休んでいたJJJがいると、ディフェンスでチェイスが効くような感じになるし、モーラントは個人で止めてくれるし。そしてJJJはトランジションから3Pも沈めて最大24点差までいきます。

サンダーは少しクリス・ポール以外の足が止まるというか、クリス・ポールが自分で行った時に待つしか選択肢がない雰囲気。これも結構なあるある。多分、その場の状況判断でプレーメイクしているから、周囲は動き方が難しいんだよね。

そのためバランスアタックが消えてしまう。そんな事情もあってか、アダムスと共にベンチに下がります。点差がついているので走れるメンバーを増やした構図でもあります。

ところで、20点もリードが出来たらどうする? かつてのクリス・ポールロケッツは、一気にペースダウンしました。自分たちの3Pという武器を信じているし、守れるから時間が経過するほうが大切。しかも相手は追いつくために走りたいメンバー構成だぜ。

何の関係もなくトランジションを連発するグリズリーズ。その場面で3P打つ意味あるのかな?という形でも打っていきます。現代的じゃん。それでも、アダムスいないし、インサイドの強さを発揮するバランチューナスを中心に得点を積み上げていきます。

しかし、アダムスが戻りバランチューナスが下がった形で状況が逆転します。3Q半分が過ぎたところで91点に届いたグリズリーズ。ところが、そこから9点しかとれませんでした。

動けるメンバーを並べたサンダーディフェンスはトランジションを許さなくなります。タイアス、カイル・アンダーソン、ソロモン・ヒルあたりのグリズリーズがトランジションで強引に行かなくなった事情もあります。そしてネイダー、ベイズリーあたりのヘルプディフェンスの足がグリズリーズオフェンスを上回り始めました。

そこそこ抜けるし、ボールを回してギャップも作れるけど、フリーに離れない形。判断が遅れるとスティールされ、切り替え良く走り出したシュルーダーにアダムスからタッチダウンパスが届けられます。要するに走りあいで完勝しているサンダー。

なんせ26点差を逆転したばかりなので、会場は本日も逆転する空気に満ちており、10点のビハインド何て意味がないってくらいに盛り上がると、最後はネイダーの3Pが決まって残り2秒から急いだグリズリーズのパスを奪ったSGAのブザービーターフローターが決まって、100-93で3Qが終わります。

24点差あったのに7点差です。終盤はクリス・ポールはベンチに置いて、全員のハードなディフェンスから走りました。まるでウエストブルックのサンダーです。あぁサンダーか。

グリズリーズがスローダウンしなかったことは失敗な気がして正解だったのかもしれません。途中から時間がかかるようになると一気にサンダーディフェンスが活性化しました。走り負けたという表現になりそうな内容でした。

◉休んでいた御大

このまま一気に逆転、とはならなかった4Q序盤。なんせシュートが決まらない。それでも外れたらオフェンスリバウンドに飛び込むサンダーらしさ。守っても3Pラインの外までダブルチーム気味に仕掛けてくるアダムスに押され気味のグリズリーズも点が伸びません。

そんな中で1人好調のシュルーダーがミドルで4分経過して逆転に成功します。タイムアウトのグリズリーズが、ヒルとクラークのドライブで再逆転しますが、長い長い休みから戻ってきたクリス・ポールが3Pでお返しします。

モーラントがプレッシャーをかけてくると腕に引っかけて3Pファールドロー。ブルックスのパスを読んでスティールし、自分にマークをひきつけるとアダムスのダンクをアシスト。

グリズリーズはヘルプの早いアダムスで空いたゴール下をオフェンスリバウンドで押し込んだり、クラークがフローター決めたり。リバウンドが大切なら、リバウンドをとれるディフェンス構築しないとね。それよりもハードに守ることを重視しているサンダー。クリス・ポール、シュルーダー、SGAが並ぶとどうしてもカバーリバウンドは弱くなるね。

それでもモーラントのミスパスを掻っ攫ったクリス・ポールのパスからシュルーダーがダンク。SGAはモーラントへのパスに飛び出してスティール速攻。ハードな守り方で成功を生み出すサンダー。代わりにゴール下で2ON1になってダンク決められることも。

そういえばモーラントってクラッチになっても活躍できるルーキーという認識なのですが、ここでもまだバランスアタックしているグリズリーズ。パスを出す方がお好みのモーラントだけに打つのは誰でも良いけど、起点役は定めたほうが良さそうなんだけどね。残り2分でソロモン・ヒルが1on1仕掛けてるぜ。

残り1分半でそのモーラント勝負。なんだけど、コーナーのヒルにパスを出したらブロックされた。それでもショットクロック残り5秒から強引に仕掛けてファールドローしたモーラント。素晴らしいね。でもフリースローは外した。ダメじゃん。

残り1分、クラウダーのレイアップミスをクラークが押し込んで同点。しかし、クリス・ポールがいとも簡単にミドルジャンプシュートでリードを奪うと、モーラントのレイアップミスをリバウンドのクリス・ポール。素晴らしいね。まぁボールを貰ったシュルーダーがターンオーバーするんだけど。

残り22秒のグリズリーズ。タイムアウトからの選択はハンドオフで繋いでのモーラントのフローター。これをスイッチ対応したのはアダムス。ファールドローを狙ったモーラントだけど上手くいかず。最後もリバウンドじゃなくてアグレッシブに前に出たディフェンスで勝利したサンダーでした。

◉勝てる事、勝てない事

2試合連続で20点差を逆転したのは25年で2チーム目だそうです。これだけの点差を逆転できるってのは強いチームだけど、20点差をつけられるってのは弱いチームだからね。

強くもあり、弱くもあるサンダー。まぁこのチームになって1年目だからね。これから良くなっていくと思えば十分じゃないか。勢いに乗れそうな2試合だし、最後までロブパスを通されたけど、そのゴール下をカバーするよりもアグレッシブに守る方が向いているよね。

で、アグレッシブってのは従来通りですが、あれは怪物なウエストブルックがいろいろとフォローしてくれるから成立していました。今は怪物がいないわけですが、クリッパーズ的な「元気な方が強い」理論を実践できています。

つまりはPGがクリス・ポールに変わったことよりも、そのクリス・ポールをベンチに座らせておくことが出来る戦い方が本日の逆転に繋がった気がします。アンタッチャブルな選手がいないから、必要な時に必要な選手を起用できる。最後はガリナリをベンチにしていたし。

逆に言えば、ドノバンはなんでこれを昨シーズンまで出来なかったんだろうね?ベンチが凄く弱かったサンダー。

ブルズとグリズリーズに20点差をつけられるチームなので、安定感はありませんが、それもまたクリッパーズっぽくってさ。シーズン後半に向けて強くなっていくのかな。ドノバンの采配次第ってことか。

一方でオフェンスのフィロソフィーがあるし、バランスアタックも出来るグリズリーズですが、良いチームだけど勝てるチームにはなりきれない様子です。

もちろん、1つにはディフェンスで、もっとディフェンスの良い選手を並べればよいのにっていう空気はあります。そんな選手はしっかりと抱えているんだからね。ただ、そうするとオフェンスが落ちちゃうんだよね。

つまりは試合の中で流れを掴んで推し引きするって能力は足りていないかな。ブルックスなんか、初めから最後まで同じような感じで強気だったしさ。モーラントが良いだけにチームとしては勿体ない。

こちらは若いチームなので、こうして教え込んでいくわけですが、HC自身が若いので、まだ勝ち切るための方法論に悩んでいるのかもね。理論はあるけど、流れの中でコントロールが出来ていない感じか。

JJJのファールトラブル問題があって、ちょっと苦しかったのだろうけど24点リードをどうやって上手く使っていくのか。走るチームと、守るチームを上手く使い分けられると良いのですが。

◉おまけ

スパーズのトレード相手?

クリス・ポールがいいんじゃないの。デローザン+ガード1人(ホワイトが有力)でサンダーはウケてくれる気もする。ついでにグリズリーズが持て余し始めたカイル・アンダーソンももらえばね。でも、サラリー高すぎるかもね。

サンダーvsグリズリーズ” への2件のフィードバック

  1. 今シーズンのサンダーは世間の下馬評はいまいちでしたが個人的には再建中なのは確かだけど弱いチームでは決してないと開幕前思ってました。
    もっとこのチームを見てみたい気もするのですが誰がいつトレードされるか全く予断を許さない状況でいやはや来年は何人同じメンバーでいられるか…

    1. サンダーは別に悪いメンバーではないですよね。
      でも勝ちたいかっていうと負けたいよね。
      それが難しいラインですね。

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