バックスvsブレイザーズ

始まる前から大差がつきそうな匂いしかない試合

バックスはいつのまにやらディヴィチェンゾがスターターに。ミドルトンの代役扱いなのか、それともマシューズが代役なのかはわからないけど。

そんなバックスなんか比較にならないのがブレイザーズ。マカラムとフッド以外が、ゲーリー・トレント、トリバー、カーメロ。ここまで行くかってくらいのノーポジションチームになっています。

当然のようにヤニスとブルックにボコられる・・・のですが、バックスの課題なのか、そのインサイドを続けず3P打ちまくるので、決まればリードするし、外れ始めると停滞します。

そしてスモールの良さをちゃんと享受するように走ったトリバーが速攻を決めれば、カーメロと共に3Pを決めて、舐めた感じでスタートできたバックスが驚いた感じでタイムアウト。

7分経過でヤニスがベンチに下がると合わせるようにトリバーを下げたテリー・ストッツ。試合開始からマークを担当させて見事に止めていき、その代わりにカーメロがブルックだから大変そうに。そしてこの交代でブレイザーズはこの試合唯一のセンターであるラビジエリが登場。ノーインサイド。

ただ、この形はオフェンスリバウンドをほぼ諦めてハリーバックしているので、単発なオフェンスながら意外と離されずについていけます。リトル、ラビジエリと3Pを決めていき、なんだかバックスみたいな戦い方。単発でも3P打っといて早く戻る。

バックス4点リードの残り1分40秒。ヤニスが再登場するとマークはヘゾニャ。完全に離して守るのですが、それなら1人で良いのに全体が収縮しすぎてしまいジョージ・ヒルとカナートンが3Pを決めてバックスが10点リードで終わります。

2Qもラビジエリが3P。全員が打っていく体制を整えて、少ないシュートチャンスなら積極的にアウトサイドからでも打っていくスタンスを明確にしています。ラビジエリは1on1もミドルを選択して決める。

同じくバックス。全体が収縮しすぎのブレイザーズディフェンスによってアウトサイドは自由に打てていきます。代わりにインサイドはフタをされ、ここでもラビジエリがブロックで活躍とまるっきり別のチームになっています。

ヤニスがベンチに下がるとブレッドソーが連発。さらにマシューズが3Pを決めれば、ディヴィチェンゾがスティール速攻で16点差まで広がります。バックスファンからすれば、やっと力の差を示せ始めた時間帯。

ところがどうしたことか決めまくるラビジエリ。スムースな動きでブロックも決めるし、テリー・ストッツも気に入ったのか、カーメロ、トリバーと並べて延々とコートに残しています。

〇前半のラビシエリ
14点 3P2/3
3ブロック

広がり続けそうな得点差なのに、なんとか試合を終わらせなかったラビシエリの活躍。この試合唯一のビッグマンがバックスの強力なインサイドに対抗していきました。びっくり!

まぁでも、バックスは特に関係なく決めていきました。FG49%、3P42%、10オフェンスリバウンド。ほぼ何も苦労しなかったような前半。触れるほどの事がないくらいに通常営業で延々と。

ただし、唯一ブレイザーズが上回ったのがターンオーバーの少なさ。バックスの5つも少ないのに、わずかに3つだけ。「ミスするくらいならシュート打て!」というバックスみたいなオフェンスで、打っていき2Pは決まらないけど、3Pが47%と決まりまくったことで、なんとか14点ビハインドに耐え凌ぎました。

ていうか、これだけやっても14点もビハインドなのだから、どれだけ苦しんだかもわかるよね。

◉突き放せない

後半になってもトレント、トリバー、カーメロと3Pを打っていくブレイザーズ。同じさ。むしろ前半以上に思い切りが良くなっているし、意識が徹底されているからボールも動く。

バックスはブレッドソーが突進して対抗していくし、それを守るだけの能力がないブレイザーズ。ちなみにその理由がヤニスvsトリバーでトリバーが素晴らしいディフェンスで抑え込んでいくから。このディフェンスに苦しみまくるヤニス。ただし、トリバーはヤニスに付きっ切りなので、ブレッドソーの突破に対してリムプロテクト役がカーメロとなり、まぁまず無理。

チーム全体が収縮していた理由は誰もリムプロテクト出来ないから3Pを強気に守ってしまうと簡単に抜かれるからです。とはいえ打たれすぎたからか、後半はもう少し守りに行って、結果的にブレッドソーやカナートンがイージーレイアップに。

バックスは本当はオフボールカッティングが有効なのですが、アングルをつけられるパサーがヤニスだけになっています。ヒルとブレッドソーがトップからの仕掛けなのでパスアングルがなく、中継していくヤニスからは良いパスが出るけど、それ以外はあまり期待できない。

まぁそれでも特に問題なくインサイドのメリットを活かせてはいるので、2Pを奪っていき、3Pで返される形に。前半に苦労したラビシエリにもロビンがパワーで押し込んでいくのでオフェンスは快調に飛ばせています。ヤニスはトリバーに止められるけど、ヤニスからは良いパスが出る。ベンチに下がるとカッティングは減るけど、みんなが突破しやすいから得点できる。

ただブレイザーズにも変化が。前半同様に3P打ちまくっていた流れから、マカラムとのコンビプレーでセンター的な動きをしたリトルのレイアップ、マカラムのバックドアカット、サイモンズのミドルと2Pが混ざり始めます。バックス的にも「さすがに3P決められすぎ」という中で生じた変化。

そして3Q終盤。ベイズモア、リトル、サイモンズがディフェンスで踏ん張りを見せ、全員がディフェンスリバウンドに絡むことで何とか守り抜くシーンを増やします。バックスとしてはシンプルに3Pを打ちたい感じだったのですが、そこまで突破できていただけにね。とはいえヤニスのキックアウトからカナートンの3Pは決まる。これをもう少しやりたかったけどキックアウトしてくれるのヤニスだけだし。

3Qで107点まで伸ばしたバックス。得点としては快調。しかし、このメンバーのブレイザーズに98点を奪われる予想外の展開に。点差は9点。楽勝ムードが延々と反撃にあっています。突き放せないぜ。

◉止めきれなかったアシスト

4Qもサイモンズのドライブレイアップから。ベイズモアのドライブにインサイドでリトルが合わせたりと3Qから続く2Pをとれる状況に。

ヤニスもトリバーから解放されるとレイアップを決めていくのですが、ちょっと苛立っていそう。アウトサイドを打たされるようなシーンも出ています。それでもヤニスのキックアウトは効果的。ディヴィチェンゾに3Pを打たせてリードはしっかりと保ちます。

腹をくくったというか、何も考えずにやるしかないようなブレイザーズなのでバックス相手にトランジションを仕掛けていきます。リラードがいると殆どないパターンにして、シュートが落ちると一気にラッシュされるはずですが、またもラビシエリが繋いで繋いで。

ということで4Qも点の奪い合い。しかしヤニスのアウトサイドが決まらず、ラビシエリが決め、マカラムのステップバック3Pで、なんと残り8分で4点差まで縮めることに成功します。ザワザワしている会場。楽勝なはずが。

ここで踏ん張ったのがブルック×2本とマシューズの3P。後半になって沈黙していた3Pアタックが突如として連発されました。突如打てたのはヤニスの存在も大きいけど、高さがあるからフリーみたいなブルックの事情と、3Pラインの1m後ろから打ったマシューズの事情かな。

この3本はブレイザーズに重くのしかかりました。どうしてもこれ以上は離されたくないのでディフェンスを広げざるを得ず、これまで止めていたヤニスのアタックがダンクになり、ブレッドソーのドライブにもノーヘルプ。

〇ヤニス・アンテトクンポ
24点 FG9/27
19リバウンド 15アシスト

この数字はまずトリバーを中心に非常によく守ったFGです。ここは忘れてはいけない。ただ、そこからの15アシストがバックスの肝になりました。ヤニスの価値を示すモンスタースタッツであり、ヤニス中心じゃないと苦しんだバックスの数字でもあります。

30点、6アシストのブレッドソーはこの状況の中で見事に得点していったものの、そのほかの選手からは有効なプレーメイクはなかったね。まぁロケッツも同じだけどさ。バックスを悩ませそうな問題は変わらず。

その後も一生懸命に走ったブレイザーズでしたが、オフェンスだけで追いつくのは難しいよね。

◉カーメロ+ラビシエリ

バックスはインサイドアウトのバランスが悪いのが気になりました。昨シーズンから続くブーデンフォルツァー体制のオフェンスは機能しています。そこは間違いないのだけど、1つのプレーは良くてもトータルで見た時にバランスよくディフェンスを攻略できているかっていうと苦しめ。

もちろんミドルトンがいれば問答無用でアウトサイドから打つので、これで良いといえば良いのですが、ヤニスがいないとプレーメイク力不足に。ブログドン。うん、ブログドンなんだけど、それだけじゃなくて、コーバーがベンチに座っていたし、イリャソバが効いていなかった。

マシューズとイリャソバのポストアップパターンを使って、ムリにでも収縮させてから始めるわかりやすいパターンも必要な気が。まぁこれらはあくまでもプレーオフの話です。プレーオフどうすんだ。ヤニスだけじゃ苦しいぜ。っていう反省点ね。「レブロンだけで大丈夫」理論で行くのかどうか。

ブレイザーズは脅威でした。走れないホワイトサイド不在で振り切ったことが良い方向に。しかもコントロールするリラードがいないからフルアタックモードだったのもハマったような。

〇ラビシエリ
22点 FG10/16
12リバウンド
5ブロック

どうしたんだラビシエリ。こんなプレーが出来るなら契約ゲットはイージーだったぞ。少なくとも走れないホワイトサイドよりも効果的なプレーを連発。このままベンチからの重要な戦力になれるならば、ブレイザーズはホワイトサイドを捨てる選択肢がとれます。まぁ安定しないのが問題のラビシエリだからね。

〇CJマカラム
37点 10アシスト 3ブロック

シュートが決まらないサイモンズをベンチ専任しに、スターターはマカラム任せのゲームになりましたが、これもまた悪くない方向に。マカラムがパスを出すから、テンポが上がりました。リラードじゃダメな形だから難しいよね。

その中でゲーリー・トレントのディフェンス面の奮闘も目立っており、だけど止められていないのはトリバー&カーメロじゃリムプロテクト出来ないっていうね。元も子もないけどカーメロのところがアミヌだったら成立していた戦い方です。

カーメロは1試合目よりも良かったけど、この戦い方じゃあ不要な選手。ラビシエリが同じパフォーマンスを出来るならば、ベンチユニットで組ませて、動けるリトルをトリバーと組ませたいね・・・ってスターターとベンチを交代させれば良いのか。

ということで、まさかの奮闘をしたブレイザーズですが、キーになるのはラビシエリ。それってザック・コリンズがいないことで困っている状況をラビシエリで解決したい!ってことなので問題の根底は同じです。動けるビッグマンがいれば、戦い方も変わってくるもの。

カーメロ+ラビシエリって危険な匂いしかしませんが、そこに賭けるしかないくらいに困っているチーム状況。賭けてみたくなる試合内容でもありましたとさ。

バックスvsブレイザーズ” への1件のフィードバック

  1. 両チームのファンなので、的確な観察眼とチーム事情に詳しい上での軽快なコメントにたくさん笑いました。ありがとうございます😀

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