ピストンズvsシクサーズ

シクサーズ目線で見ましょう。

事情によりシクサーズ目線です。個人的にはピストンズは開幕から3試合全てみています。唯一のチームであることはいうまでもありません。そんな事情もあってのシクサーズ目線。

しかし、どうやらグリフィンだけでなくエンビードもお休みだそうで。例によってエンビードに弱いドラモンドがどうなるかを見たかったのですが、残念なことで。そろそろジョシュ・リチャードソンの脅威も感じたいものです。

◉ディフェンスのシクサーズ

開始3分でこの試合を選んだことを後悔するような内容です。レジー・ジャクソンがいない様子でフレイジャーがボールを運ぶのですが、対面するジョシュ・リチャードソンの異常な反応力のディフェンスがボール運びすら自由にやらせてくれません。そもそもピストンズもモリスが信じられないようなキャッチミスをして速攻を食らい、ファールで止めてベンチに戻されるとレフリーにクレームしてのテクニカル。どうしようもない。

シクサーズの売りになるガードコンビのディフェンスがハマりにハマったスタート。そこからトランジションに移行するのでオフェンスを組み立てる必要もなく、シモンズ&トバイアスの強力な高さとフィニッシュ力が活かされています。

ただし、ハーフコートオフェンスは殆ど組み立てることが出来ていません。シモンズが「動け」といっても反応していない周囲がいて、ボール見ていないのにパスがきてキャッチミス。ホーフォードが2本くらいフリーの3P打ちましたが、それが決まらなかったこともあって、どうしようもない。

トバイアスとシモンズのポストアップに頼り、そこからのパス自体は良いのですが、シュートを打たずにドライブやパスをすると次の動きにルールがないから止まっている選手によってピストンズのローテが間に合います。

ジョシュ・リチャードソンがいなくなったら、ピストンズは復活。ローズがPGになったこともあって、オフェンスのスタートが安定します。

するとベンチメンバーが増えたシクサーズディフェンスは後手後手に。要するにスターターはディフェンダーが揃っているけど、ベンチはそういうタイプじゃないからギャップが出てしまいます。

なお、ルーキーの Matisse Thybulle  は良い感じです。ディフェンスで手を伸ばす能力がある。オフェンスには課題が多そうですが、シクサーズはディフェンス主体のメンバーだからこっちの方が起用したくなる理由があります。

ルー・ウィリアムスのようなオフェンスマシーンならばディフェンダー揃いのスターターとの使い分けが可能ですが、そこまで能力がある選手がいないシクサーズの事情。ただ単にディフェンス力が落ちるベンチメンバーによって、遅れてのチェックでファールコールされあっという間に追いつかれました。

エンビードのいないシクサーズはゴール下でも苦労し始めます。特にピストンズがウッドとメイカーを起用してくるとスピードも高さもある2人の存在にきりきり舞い。インサイドにポジショニングしてくれないので、ストレッチされ、誰もヘルプに行けなくなるのでした。エンビードいても同じか。ドラモンドがいないことが大きいのかな。

1Qは29-28と観るのを辞めようかと思った序盤に反して、ピストンズが逆転したのでした。

◉ザ・凡戦

シモンズがベンチでJリッチがいる2Qはフレイジャーのプレーメイクが連続で成功します。1人で止め切るのは難しい。なお、フリースロー外しまくりのピストンズに救われる。

ケナードとペリメーターで対峙するのがトバイアスだったりと、いろいろと苦しいマッチアップ。それでいてビッグマン役のウッドがスピードで振り回すから、中も外もついていけません。

しかし、ピストンズもアクシデント。ノンストップな攻防の中でドラモンドが3つ目のファールをコールされます。すかさずチャレンジするケーシー。この使い方も重視されているみたいで主力のファールトラブルを回避する手段になります。まぁドラモンド働いていないけどさ。

「働いていない」ってのも大切な話で、シクサーズはインサイドのブロックを重視しているのでドラモンドをゴール下から遠ざけます。そこが成功しているし、その分だけ周囲への反応が遅れてファールになっている。

で、チャンレジは失敗。オクインに押されたドラモンドが手を伸ばした先にオクインの顔があったのでオクインのファールでも良かったんだけどね。ただでさえ人数が少ないピストンズには痛手。

そして試合は拮抗します。オフェンスを組み立てられないシクサーズと核の3人(ドラモンド・グリフィン・レジー)がいないピストンズ。拮抗っていうかどっちも点が取れない。

ということでトランジション頼み。速攻が出たほうがリードします。先に出したピストンズで、しかもシクサーズはマッチアップミスしてモリスがドフリーの3P。攻守に酷くなってきたシクサーズ。

Jリッチは3Pを打てる選手ですが(打てない方がおかしい)ヒートにいたからか、わりと3Pラインの内側をオフボールムーブします。そうなると、もう最悪。5人が3Pラインの内側にいることも出てきて、バッドボーイズ時代のバスケかっていう。そんなのさすがにインサイドで止められます。

ピストンズも酷くて、何本も速攻のレイアップをミス。で、カウンターを食らうので得点するシクサーズ。ディフェンスが多い速攻なら3P打てば良いじゃん。それが現代NBAだろ。

お互いのチームの良心、ケナードとマイク・スコットが3Pを沈めて少しマシになった残り3分ですが、今度はピストンズが凡ミス。スイッチしてJリッチについたモリスが、ボールがなくなるとなぜか勝手にマークを戻そうとして、フリーになったJリッチがドライブレイアップ。

シクサーズはやっとネトをだして、それっぽく組み立てますが、パスアウトをスティールされて速攻。何のためにネトを出したのか。ピストンズはローズがドライブを決めて前半を締めくくります。

57-54はピストンズがリードですが、ターンオーバーも13-11でリードしています。ミスも多けりゃお互いに6本ずつフリースローを落としています。ザ・凡戦。

◉トバイアスのアタック

ドラモンドがいるとスクリナーになってくれ、意図したオフェンスを構築しやすくなるピストンズ。2つの3Pで先手を取りますが、フレイジャーはターンオーバーするし、ドラモンドはまたファールするし。

シクサーズは本当に何をするのか決まっていないオフェンスでシモンズとトバイアスが突破し、そこからパスが出るだけ。全く形になっていない。

ただ、昨シーズンまでどうだったかというと、そもそもシクサーズには形がありませんでした。2年前はギャンブラーなシューターを集めトランジションの連続からシモンズとマッコネルによるパッシングゲームで次々にシュートを打ってリズムを作りました。

昨シーズンはそれを嫌がったのか、バトラーとトバイアスを加えて個人技で突破できるメンバーを増やしました。ただそういうと個人技任せっぽいですが、「基本的なピック&ロールを増やせ」というバトラーの言葉もあったように、ベーシックなコンビプレーの組み合わせは存在し、それがエンビードもいるものだから強力でした。

しかし、本日はエンビードも不在。そしてシュート力のないシモンズがピック&ロールをしても、あまり意味がないわけです。本当はトバイアスとホーフォードでやったり、Jリッチでやるパターンがあるのですが、全然やらない。何故ならチームで作るわけじゃないから。ザ・シモンズ任せ。

ということで点差は二桁になります。むしろ当然です。フレイジャーがイージーシュートミスと凡ミスしなければ前半でこうなっていたはず。フレイジャーにシュートミスはつきもの。

それでも速攻をスティールしてしまうJリッチとルーズボール系を頑張るサイブルによって、なんとかついていきます。オフェンスは構築されなくても運動量とディフェンスでは負けないガード陣。

ドラモンドを下げると機能しなくなったピストンズに対して、タイムアウトからトバイアスにアリウープさせるプレーコールを連続で成功させたシクサーズ。同じプレーやる方もやる方だし、決められる方も決められる方だ。

で、ノッたトバイアス。スティールから速攻にコーナーから3P。パスを出したらスティール速攻されますが、これもピストンズがミスするので、再び接戦に。なんだこの凡戦は。

今でこそ安定してきたトバイアスですが、ピストンズ時代は不安定。そして当時のピストンズは戦術的な部分ではなくて、チームオフェンスした後に突破しきれなかったらトバイアスっていう空気でした。ちゃんとパスも出来るし、全体の流れの中で勝負するトバイアスですが、本質的には自分のリズムでやるタイプ。

最後にちょっとネトが出てきて一生懸命PGやると、スコットの3Pが決まって83-83と追いついて3Qが終わりました。なんでネトを温存していたのかわからん。

◉負けたいピストンズ

4Q開始ですが、何故か両チームがスターターみたいな構成にしています。なんでだろうか。

ケナードとドラモンドで点を取るピストンズ
トバイアスが点を取るシクサーズ

やっとまともで落ち着いた雰囲気になります。でもドラモンドはフリースローが決まらない。またも同じプレーでトバイアスのアリウープパターンを食らうし。ボール運びでJリッチにファールするモリスだし。なのでシクサーズが先手です。

散々速攻をミスしたり、ファールで止められてきたピストンズが遂にギャロウェイが&ワンを成功しますが、フリースローはミスります。波に乗り切れないフリースローだ。

しかも、この試合決めまくっているスコットのマークを忘れる大チョンボ。しっかりと3Pを決めるスコット。シクサーズを勝たせたくて仕方がないようなピストンズ。オクインがドラモンドの顔を叩き落すけどノーファールだったりしてさ。

オクインがフリースローをミス → ドラモンドがリバウンド → リバウンド争いでオクインがファール → ボーナススローを2本ともミスするドラモンド

何だこの試合。コーストtoコーストのドラモンドですが、レイアップがミス。うーん。そこまでは素晴らしいのにシュートが下手すぎ。そんなこんなでシクサーズがリードを広げます。久々に3ポゼッションゲームに。

リバウンド争いが広がって、キープしたのはシモンズ。ただ、着地がトラベリング。これは仕方がない。が、そのインバウンドでドラモンドが空いているのに、ムリにケナードにパスしたローズ。シモンズがかっさらって速攻。負けたいとしか思えないピストンズ。

残り3分で10点差になると、やっと特攻を辞めたローズからギャロウェイの3P。しかし、やっぱり特攻してターンオーバー。全然組み立てられないローズ。時に抜けきってレイアップ決めてしまうから評価が難しい。

シンプルなピック&ロールからポップしたホーフォードにパスが出ると、3P、ドライブ、と何でもありで決め続けたホーフォードにより、イージーリードになったシクサーズでした。

◉ホーフォードをどうするのか

トランジションの天才であるベン・シモンズ。ところがビッグラインナップは走力には課題があります。でも、問題はそこではありませんでした。

PGとしてのシモンズは細かなパッシングを繰り返してリズムを作ってくれるし、サイズ差を活かしたポストアップも交えてくれるのでシュートがない以外は、まぁまぁなPGです。

ただ、そのパッシングがチームにリズムを生み出してくれませんでした。トバイアスもホーフォードもそういうタイプじゃなかった。シモンズが悪いのではなく、そういうチームメイトとの相性だったという事。

後半になるとPGとしてボールを止めることが増えたシモンズ。するとシクサーズのハーフコートは少しずつ改善しました。その意味ではシモンズ個人としては引き出しを増やしていくシーズンになるかもしれません。が、そもそもタイプとしては向いていないって事で。

また後半はコルクマズやエニスのプレータイムを減らしました。理由はディフェンス問題なのかと思います。この判断は正しかったし、結果的にはシモンズ用みたいな選手じゃない方が今シーズンは機能するみたいです。

ハーフコートオフェンスで意味を作ってくれるのはホーフォード(とスコット)そのシュート力でピック&ロールから流れが出来ます。ただしハンドラーがシモンズではダメなので、せめてJリッチにしましょう。

ピストンズがホーフォードを外してしまうことが多かったので助かりましたが、そうではなく動けるビッグマン相手にした時にどうなるのか。ホーフォード次第になりそうなハーフコートオフェンスでした。

ピストンズについては後日書きますが

〇ピストンズ(シクサーズ)
FG54%(48)
3P42%(38)
ターンオーバー23(22)

これで負けました。フリースローを15本落としたからです。ちなみにシクサーズは”たった”10本しか落としませんでした。またドラモンドは3本のオフェンスリバウンドを奪いましたが、他はウッドの2本のみ。インサイドを守って起き、困ったらファールすればよかったシクサーズでした。

ピストンズvsシクサーズ” への2件のフィードバック

  1. ローズの特攻は今のところ高確率なのですけど、ローズが疲れてくるクラッチシチュエーションになるとシュートが入らないわターンオーバーするわでマイナスにしかならないのでとっても微妙ですよね……今はシュートが決まってますけど……ほぼ同じことがグリフィンにも言えそうですが。
    そしてウッドはマークの受け渡しなどなどを把握してない感がっ……
    あとドラモンドはコンタクテッドレイアップの練習を試合中にやらないでほしい……ダンク以外はシュート下手なんだし……

    1. いろいろと解決するべき問題がありますが、戦術を浸透することで解決しそうなのは、頑張って信じるしかありません。
      でもドラモンドはね。あんなに強くリングに投げなくてもリバウンド拾えるんだし・・・。

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