アルゼンチンvsフランス

本当はスペインとオーストラリアを見ようと思ったのですが、試合開始時間がトリッキーじゃないか。準々決勝は遅い時間ばかりだったのに、突然16時開始とか。どっちにしても見れなかったけど。

それぞれ優勝候補を下しての準決勝とはいえ、フランスの方は予想できた勝利であり、アルゼンチンの方は予想外。フランスの方が強そうなわけですが、ここで忘れていけないのがアルゼンチンが中2日でフランスは中1日なのです。

ハードすぎるよWC。だからアメリカがフランスに勝ったとしても、ドノバン・ミッチェルに頼るしかないオフェンスでは苦しんだでしょう。そして実際にセルビアとの試合は苦しんだよね。

管理人はビッグネームがいないからアメリカが負けたとは思っていなくて、「カリーがいても負けたけどイグダラがいたら勝っていた」と思うし、「レブロンがいても負けたけど、アンソニー・デイビスがいたら勝っていた」と思います。それが戦術的なお話。

それに対して、大会を戦うという意味では層の薄さは致命的。カリーもレブロンもミッチェルもいないとあのアメリカバスケでは勝てません。これがロスター的な問題。2枠も潰すなんてバカ。

その意味でここでのフランスは苦しむ予想です。アルゼンチンの方が層が薄くても、フルメンバーでアタックできるだろうけど、フランスには無理だよね。

キーになりそうなニリキナ。アメリカ戦での決定的な働きが印象的ですが、そのディフェンス力がカンパッソを封印できるなら試合はそれで終わります。セルビアは全く止められなかった。カンパッソは決して個人技でシュートまでいくタイプではないので、止められる気もします。

そのニリキナのミドルで試合は始まります。そのニリキナをふっとばしながらのレイアップを返したスコラおじさん。ダンディー。さらに速攻に行ったスコラおじさん。ゴベアーを味方がブロックしてくれると一目散に走ったぞ。見事なゴベアー対策のアルゼンチン。

今度はスクリーンでマークを入れ替えておいてのカンパッソの3P。同じくミスマッチにしてのスコラのターンシュート。わかりやすく攻略していくアルゼンチン。アメリカはこれが出来なかった。

一方のフランスは、やっぱりフォーニエがお疲れ。もうこればかりは文句言えない。オフェンスを1人で引っ張ってきたフォーニエだけど、国際ルールでは特定の選手を止めるのがNBAよりも楽。本当はここらでバトゥームの出番だけど、出来ていないぜ。ってことで4分で2点しかとれないフランス。ベンチメンバーに切り替える英断をみせます。

するとアフロが期待に応えて3P。ちなみに忘れてはいけないのはアメリカが急造チームだけど、フランスのスターターだって十分に急造だ。デ・コロを中心としたベンチメンバーの方がチームで攻略するには向いている。

お見事なデ・コロのドライビングレイアップもあり、オフェンスリズムを取り戻して次の3分で10点をとって追い上げるとフォーニエを戻します。初FGはシェイキン・ドライブからのレイアップねじ込みのフォーニエ。いろいろ考えているなHC。観てるかポポビッチ。

ただ、ちょっと楽になったカンパッソが切り裂くし、スコラおじさんがパワーでアフロとの1on1を制すなど、アルゼンチンはリズムを失いません。フランスのアップダウンはあるけれど、アルゼンチンは揺るがない。

そしてこちらも6thマンのデックが個人技炸裂。ドライブダンクで追い上げを許しません。ベンチからは個人でとらせるって最近の流れだよね。

ということで疲労の見えたフォーニエが決まらないけどベンチメンバーで調整したフランス。そのアップダウンを見逃さず揺るがないアルゼンチンが確実に積み上げて21-17とリードを奪った1Qでした。

総じてフォーニエ頼みになることを読んでディフェンスのアプローチを集中させたことと、ゴベアー対策でトランジションに持ち込んだのが成功でした。スモールにしてリバウンドで完敗し、トランジションにできなかったチームとは違うぜ。

◉バランスアタックで回避する

フランスの弱点は控えセンターのサザエさん。フリースロー決められなかったり、ワンフェイクで簡単に引っかかったり。でも、明らかにゴベアーよりも走れるので、アルゼンチンのトランジションが成功しません。守ってもブロックでチームを救います。そしてカンパッソ不在でハーフコートでの得点が止まってしまった。

変わらずアウトサイドが決まらないフォーニエだったけど、ドライブを返し、デ・コロの見事なアシストでサザエさんもダンク。アメリカ戦よりも出番が短くなっているゴベアーってのは相手に合わせたHCの判断。逆転のフランス。揺らいだアルゼンチン。

でもカンパッソが戻ると再逆転。そこでゴベアーも戻ります。

どうなったかというとオフェンスが組み立てられるようになったフランスが、フリーのアウトサイドを生み出してはフォーニエとバトゥームが外し、そしてトランジションからデックのレイアップで再び5点差に。

笑えて来るほどゴベアー対抗策が成功しているアルゼンチン。もしもフォーニエが3Pバシバシ決めたら全く違う展開になっていたでしょうが、決まらないからカウンター発動でゴベアーをお荷物にしています。マジでみているかポポビッチ。とはいえアメリカ戦はタフショットを決めまくったフォーニエだからね。

アルゼンチンのディフェンスはアメリカ並みに強力に個人を守っています。ただゴベアーのスクリーンでフォーニエが簡単に空きます。そこが決まらないと手持ちの武器が不足してしまうフランス。外しまくるフォーニエ。

アルゼンチンの方はバランスとってスイッチを促してのバランスアタック。セルビア戦はもっともっとカンパッソだったから、そこまで見事な合わせにはなっていませんが、オフェンスごとに攻めてくる選手が違うから的を絞りにくそうなフランス。

カンパッソ並みのタレントが出てくればマネできそうなオフェンスの気がしたアルゼンチンですが、どうやらそんなことはなく個々がちゃんと自分で得点しに行く前提があってのことらしい。チームでも、個人でも、それぞれが得点できないとね。

そう考えると日本って異端だわ。「もっと個人でシュートに行けよ」が感想だった日本ですが、世界をみるからそう思えるわけで、特殊な戦術をしているって意味では日本は日本で良いのか。ただ「パスを回してエース勝負」のエース部分がアンテトクンポクラスになる必要があるけど。

ということで2Q序盤に初めて揺らぎかけたアルゼンチンですが、外しまくるフォーニエを横目に少しずつバランスアタックで得点を積み上げます。それは決して爆発的にはなりませんが、地味にフランスを追い込んでいきます。ここだけみるとラマスそのものだからこのゲーム運びがアルゼンチンらしさなのかな。

リードを広げて終わると思ったら、残り1分半からフォーニエとニリキナで4点差に。勿体ない感じで前半が終わるかと思いきや、ファールを貰いに行くような放り投げ3Pを決めてしまったカンパッソ。39-32でアルゼンチンが7点リードとなったのでした。

〇フォーニエ
9点 FG4/13 3P0/4

コートにいるときはフランスの半分はフォーニエのシュート。でも全然決まらなかった前半でした。やっぱり中1日が響いています。

アメリカ戦はミッチェルと互角なエース勝負の中で、エースにマークが集中してからの展開力で上回ったフランスでしたが、本日はエース勝負そのものが不調。連戦したミッチェルと同じ。

〇ゴベアー
1点 1リバウンド

そして完封されたゴベアー。アメリカはゴベアーにボコられたわけですが、本日はフォーニエのシュートが決まっていないのにリバウンドをとれていないわけです。アルゼンチンがいろいろと意識しているし、スモールラインナップなんてバカなことはしません。センターはスコラだぞ。もういちどいうぞセンターはスコラだぞ。

〇スコラ
13点 FG4/8 10リバウンド

いいかい。スコラがゴベアーの10倍のリバウンドをとり、ゴベアー相手に13点を奪っているんだ。DPOYが相手だぞ。当たり前ですが個人の勝負で上回っているわけではなく、走ったら勝てると踏んで一生懸命走り、スイッチを促してインサイドの優位性を作って勝負させています。

個人の力じゃないんだ戦術なんだ。戦術ってのは個人の力をどうやって発揮するかで組み立てるんだ。

そんなことを言いたそうなアルゼンチンのバスケがフォーニエとゴベアーへの依存度が高いフランスを上回った前半でした。ただフォーニエを止めていたかっていうと、そういうわけではない。もともとタフショット打つタイプのフォーニエなので、決まらなかっただけとも取れます。

だから大事なのはゴベアー対策が成功しているってことなのかもね。フォーニエは諦めているけどゴベアーは自由にさせないし、走ることで無力化している。

◉八方塞ぐアルゼンチン

そのゴベアーのポストアップがミスになって始まる後半。まぁそれが決まるとはだれも思っていない。決まるならオールスターだ。

フランスはニリキナではなくアルバシーをスターターに。こっちの方が本来の形だと思いますが、その心はもっとチームでやらないとマズいんだってことです。微妙に使い分けているフランス。なお、ンバイも辞めてアフロを出しているのでインサイドを厚くしてゴベアーに頼り過ぎないようにしています。アフロは3Pも決めるから使い勝手がよいよね。

スコラのアタックをゴベアーと2人で止めるアフロ。さらにらスコラのドライブを止めきってオフェンスファールさせるアフロ。超狙い通りのフランス。さらにアルバシーも3P。こっちはラッキー。

でも、やっぱりフォーニエはフリーの3Pも決まらない。

逆にフォーニエがマークしている3番が3P。いやいや、もうフォーニエはダメだろうな。ヒーローボールのアメリカを倒したフランスが、ヒーローボールで追い込まれそうだ。

さらにゴベアーがダンクミス。そこからカウンター発動で、チェイスしてくるバトゥームにファールさせるクレバーな3番。カンパッソの強烈な存在感と地味な役割を与えられたことで目立たない選手だけど、ヒーローボールを崩す頭脳を持っている様子。

12点差に広がってタイムアウトのフランス。ヒーローボールってもう通じないんだな。「通じない」っていうのが、もちろん全体のレベルがあがったからってのもありますが、WCの連戦を制するのが難しいってことね。

フォーニエとゴベアーをベンチに下げ、組み立てられなくなるフランス。そんな時はデ・コロなのですが、ボールすらもたせない3番。バトゥームはガリーノが消しています。いつもか。どうにもならないフランスは得点が伸びず、結局はフォーニエを戻します。

ドライブを決めるフォーニエ。ドライブなら決まるんだ。ここでデ・コロがドライブすると3番がアンスポで止めます。フォーニエがいるのでデ・コロに集中できなかったようなアルゼンチン。さらにニリキナが3Pとちょっと崩れていきます。

でも、オフェンスは揺るがない。大して目立たないカンパッソ。どこからでも仕掛けているバランスアタック。そしたら、ボールを回して最後がカンパッソの3Pとか。何でも行けるねアルゼンチン。ラマスがシューターを好まない理由が出ているようなアルゼンチンバスケだな。

とにかくオフェンスよりもディフェンスの打開策がないフランス。というのも、そこまで決められているわけじゃないので、これ以上下げるってのが難しい。バランスアタックされているから、特定のスターが得点ラッシュすることもないのだけど、どうしても絞れないから、少しずつやられます。揺るがないアルゼンチンという理由であり、ラマス的。

だからオフェンスで取り返すしかないのだけど、そこはヒーローボールしかないけど、さすがにフォーニエへのマークは厳しい。厳しくても決めて欲しいってのも事実。ニリキナがレイアップ決めたりと「全く通じない」なんてことはありません。

だけどラッシュするには厳しいし、しかもリバウンドをとれるわけでもない。だからゴベアーを諦め気味でトランジションを仕掛けるけどハードワークのアルゼンチンには通じない。

攻守に通じているからこそ、苦しい感じのフランス。通じるところがあるけど、一気呵成に崩せるところがないんだ。揺るがされないアルゼンチン

3Qは60-48でアルゼンチンリードで終了。八方ふさがりな感じのフランス。どこから打開すればよいのか。ファイナルが見えてきたアルゼンチン。NBAプレイヤーはいない。

◉オフェンスリバウンド

ニリキナの3Pが外れたのをンバイがリバウンド。繋いでンバイが3P。そう、こういうリバウンド繋ぎがあれば話はだいぶ違います。3回に1回シュートが決まり、外した2回のうち1回でセカンドチャンスにすれば、3回に2回のオフェンスで得点が出来るアメリカ理論。

そしてニリキナがミドル。これが続くなら計算が成立するぞ。さらにニリキナがドライブからゴベアーのダンク。エース以外のところで上手く構成できるかどうかというアメリカとフランスの差だった部分です。8点差。

しかし、やりすぎてしまったニリキナ&ゴベアーライン。ミスになってカウンターを食らいます。主役ってのは違うんだよ。二桁に戻されてしまった。

それでもゴベアーがこの試合初めてのオフェンスリバウンド。初めてだよ初めて。そこを取られたらファールで止めるしかなかったアルゼンチン。そのフリースローが外れたのを今度はンバイがリバウンド。でもそのフリースローも外しちゃった。前の試合は4Qにフリースロー外しまくるアメリカに勝ったよね。ニリキナも外して追い上げるのに3点くらい損しているフランス。

4Q序盤はリバウンドで追い上げたフランス。しかもリバウンドをとれるからトランジションも食らわないし、ゴベアーのリムプロテクトでディフェンスも機能します。得点が止まったアルゼンチン。前半はトランジションで攻略できていたけど、そうもいかなくなりました。

ガマンのアルゼンチン。5分で5点のみ。ちょっと揺らいでいますが、リードがあるから時間を使ってメンタル的にフランスを追い込むしかない。

残り5分になってもフォーニエを起用しないフランス。デ・コロ以外はオフェンス力がちょっとな選手達。だけど、ハードに戦う事でオフェンスチャンスを増やすしかありません。どこのアメリカだ。

まぁそんな魔法はどこかで切れるよね。ンバイの3Pが外れ、リバウンドに誰も絡めなかったらあっさりとカウンターを繰り出すアルゼンチンの餌食に。狙いに狙っている形で、残り4分11点差。走り勝つアルゼンチン。

◉ヒーローボールの限界

フォーニエを戻すフランス。ヒーローの大爆発に頼るしかない。でも残り4分でそれが出来るのはコートサイドにいるコービーに代表される理不尽アタッカー達くらいさ。フォーニエがそのレベルにあるとはいえないわけで、スコラが連続3PっていうMVPな活躍を見せて試合はほぼ終わりました。

NBAブログなんでね。アメリカの話を混ぜたくなるわけですが、ヒーローボールの限界を感じさせてくれたフランスでした。フォーニエに頼り、そこが機能しないとムリだった。理由はミッチェルに頼ったアメリカと同じ。体力の限界。WCの日程は苦しすぎ。

フォーニエまでフリースロー外していくし。敗因はフリースローのフランスでした。

〇フリースロー
フランス   13/25
アルゼンチン 17/20

アメリカはそれでも複数のヒーローを抱えているわけですが、今大会はミッチェルしかいなかった。そこに関してはポポビッチを責めることは出来ません。

でも、ポポビッチに期待されたことってアルゼンチンみたいなこと。全員がハードワークして、バランスアタックして、その中で大事なところはエースが決めていく。普通に考えるとアメリカの戦力だったら12人全員がそれぞれの役割をこなして層の厚さで上回るのにそれすら出来なかった。

一方で面白いのはそんな戦力が揃っているとは言えないアルゼンチンが、それを出来てしまう事。全員の共通意識はハードワーク。そして積極性。

相手へのスカウティングと対策が存在しているわけですが、ヨキッチを苛立たせるほどハードに削るくらい個人が守り、そこにトランジションへの参加率が全員高いっていう。超基本的な戦い方を超徹底している。

カンパッソと3番の賢さは特筆すべきものがあったフランス戦でしたが、とはいえ、この2人もハードなんだよね。そっちの方が基本な感じ。そう考えると日本については八村とファジーカスの存在がハードワークを消した感も否めない。

まぁ結論的には中1日はつらかった。だけど、中1日の戦いが続くことは大会が始まる前から知っている事。誰もがアタックしていく見事なアルゼンチンの鍛えられたハードワークが、準備不足のアメリカを破ったフランスを凌駕しました。

あるいはヒーローボールが出来ている状態のフォーニエと戦っていたらどんな結果になったのか。チームの強さと共に、お互いの試合間隔が異なる準決勝というタイミングでフランスと戦えた運も持ち合わせていたアルゼンチンでした。これってアメリカが上がってきても同じだったけど、そしたらトランジション勝負は挑まなかっただろうしね。

個人のチームが負けたことで、「連携に優れたチーム力のアルゼンチンが勝った」と言いたくなりますが、基本にあるのはハードワークであり、それを可能にする個人の力です。対策したからってゴベアーにリバウンドを取らせないとかありえるか。

どこをどうすれば誰を止められるのか。少なくともフタをしておくところはそれぞれが頑張り、全員が共通のトランジションで攻略してしまったアルゼンチン。さぁダブルオーバータイムのスペインをどう止めるのか。

アルゼンチンvsフランス” への1件のフィードバック

  1. まさにそーなんねすよねー

    ポポさんに期待していた事をアルゼンチンがやっているって感じですよね。超徹底 超基本的 言うのは簡単でもやるのは物凄くムズいやつ。もう少しスターが出揃うであろーオリンピックはどーなることやら。(ストロングスタイルで勝てちゃうだろーしなー それはそれでつまんない)

    なんにせよ、アルゼンチンのスターらしいスターはいないが地味に全員スコアー出来る強さや闘い方は、ある意味FIBAルール大会に適してるっぽい。元NBA選手のスコラおじいちゃん以外、有名どころいないってのがミソかなー そのスコラおじいちゃんもチーム戦術の1つの駒になれるタイプだし

    決勝戦 楽しみ

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