2019プレーオフ クリッパーズvsウォーリアーズ

タイに戻せるのか。今シーズン初めてのリアルタイム観戦

予定もあるけど、編集されてからの方が楽ってのもあって、リアルタイムで観ていない今プレーオフ。ちなみに個人的には常に試合を観ながら書く速報版です。
この試合は絶妙な時間設定なのでオーバータイムにならなければ試合終了まで観れるはず。

デュラントを止めることでスローダウンを許さないカラミアンの策がハマり過ぎた第2戦でしたが、そのデュラントに見事なカムバックされて落とした第3戦となりました。止めるべき選手にやられたと考えるか、止められない選手を止めに行ってしまったと考えるか。

実は多くのチームは後者です。やっぱり例示はブレイザーズだけど、デュラント止めるのは難しいから、そこはアミヌやハークレスに延々と1on1やらせるっていう。代わりに他を抑えたがっています。デュラントを止めたべバリーは偉いけど、チームとしてはっていうね。

第4戦もまたハイテンポな展開でスタートします。トンプソンのシューティングがあるのでウォーリアーズのペースで進みそうだったのですが、それをクリッパーズ初めの17点のうち14点を奪ったSGAが1人で対抗すると、ジャマイカル、べバリーと3Pを沈めて追いつくクリッパーズ。トランジションが続くなら強い。

さて、ここで注目はジャマイカル・グリーンがスターターにいる事。スーパースモールラインナップですが、これが極めて奇妙なマッチアップを生み出します。

ジャマイカルの担当はデュラント。だからべバリーはドレイモンド。で、べバリーはヘルプでテイクチャージにブロックと、どこのセンターだよって活躍をします。ある意味、インサイドを封じている。

しかし、この形はルーニー登場とハレルになってバランスが崩れます。次々にリバウンドを抑えていったルーニーとアウトサイドを守っていたハレル。これでトンプソンのオープンショットが増えていきます。1Qだけで17点のトンプソン。スパーズなら一番初めに止めに行く部分。

つまり、ジャマイカルをスターターにしたのはスモールで走りあう目的がありました。第3戦はそこで負けていたしね。しかし、ベンチメンバーが増えたところで、逆に走り負けてしまった。走りっていうか、トランジションの中でマッチアップ変更されると弱かった。

全く得点がとれなくなったクリッパーズ。第3戦で指摘されたガリナリが6本のFG全てを外し、SGAの活躍むなしくチームは22点しか奪えずに10点ビハインドとなるのでした。

なお、ガリナリについてはジャマイカルがストレッチすることでインサイドを使いやすくなる利点もありましたが、ドレイモンドとデュラントがいるウォーリアーズだと、平均得点を大きく落とすガリナリでもあります。この1Qもゴール下を何本も外したのでした。

◉カリーと仲間たちとジェローム

このシリーズよくわからないのがウォーリアーズのローテ。本日は2Q序盤がカリーと仲間たち構成です。何故かマッキーニーを起用しているのは10点差からくる余裕なのか。

これがカリーを追いかけるテンプルで少し苦しくなります。それでも予想外にプルアップ3Pを決めるイグダラに救われ、24秒オーバーになったところをルーのファールにされて(しかもボーガットのファールっぽい)と運も味方します。

ウォーリアーズもルーの止め方がわかってきた様子で、イグダラがマッチアップして仕事をさせません。ていうか、イグダラが1人で攻守にやっている。しかし、ここで以外にもジェローム・ロビンソンがドライブからハレルのダンクをアシストし、3Pを続けてチームを助けると、レイアップにはボーガットのファール。ファールじゃないとアピールしているボーガットだけど、ゴベアーに比べたら。。。

ジェローム君はさらにスティールから速攻ダンクで、2Q全ての得点を生み出し、クリッパーズが追いつきます。やべーやべー。ルーキー3人が活躍するプレーオフ。

さて、そもそも何でジェローム君がプレーしているのか。それはスターターをズバッツじゃなくジャマイカルにしたことで、セカンドユニットのウイングが足りなくなったから。もう完全にトランジション勝負しか考えていないような采配です。

これが成功したのもカリーと仲間たちユニットがインサイドに強みがなく、多少のミスマッチ程度では突破される危険性が低いってのもあります。だから不思議なんだよね。これが偶然の出来事なのか、リバースが狙ってユニットを合わせたのか。

ウォーリアーズはデュラントとトンプソンを戻します。するとあっさりとミドルと3Pでリードを取り返します。カリーだけなら何とでも。複数になればどうしようもないって感じです。べバリー出てこないし。

残り6分になって「通常の」マッチアップに戻ります。デュラントにべバリー。と思ったらカリーを追いかけているべバリー。うーん、ムズカシイネ。そしてトンプソンが止まらず3Pで再び9点差に。

デスラインナップにしたウォーリアーズに対してスターターに戻したクリッパーズは、やっぱりべバリーをドレイモンド担当にしてヘルプディフェンスで仕事をさせます。ガリナリはイグダラを殆ど追いかけないので、2人のゾーンと3人のマンツーみたいな状況。

しかし、これがファールだらけ。クリッパーズは変なチームでフリースローが攻守に多くて勝っているんだよね。だけど、自分たちが打たれまくったら上手くいくわけではない。ただカリーがファールトラブルでベンチに下がり、何故かルーニーが登場します。

それ以上に全くシュートが決まらないガリナリと決めまくるトンプソンという差が大きすぎ、得点できないクリッパーズ。もう普通にしていれば良さげなウォーリアーズ。ガリナリが速攻で初めてのFGをダンクで決めるけど、そこからカウンターでデュラントが&ワン。

それでもルーが流れながらの3Pを決めると、トンプソンからスティール。だけどそのトランジションをべバリーが3Pでミスしたりしてさ。なかなか苦しい状況だったけど、終盤にハレルのフローターで4点差。

これで前半が終わると思いきや、デュラントのロング3Pに何故か飛び込んだガリナリ。これが3P&ワンになってしまい、前半はウォーリアーズの8点リードで終わります。

5本の3Pを含むFG10/14のトンプソンが27点。FG6/10のデュラントが19点。カリーを3点に抑えた結果がこれです。ただし、イージーシュートを減らすことには成功しており、トンプソンが決め過ぎっていう面も否めません。8点差をどうとらえるかは難しい。

◉ルーキーズ

7秒で3つのターンオーバー。その9秒後にもターンオーバーで始まる後半は、SGAの3P、シャメットの3P、SGAがドライブフェイクでボーガットを飛ばせてのフローターとルーキーが引っ張ります。

ウォーリアーズはボーガットがフローターにリバウンド、ゴール下へのアシストとちょっとマークが偏っているクリッパーズのスキをしっかりと利用します。

それにしてもSGAのチームになっているクリッパーズ。ガリナリがドレイモンドに完封され、ならばとべバリーがvsカリーを生み出してあげるけど、やっぱり止められるガリナリ。それに対してカリーとの1on1を制すSGA。

これはもう一つの結果を生み出している気がして、全然シュートが決まらないカリー。単に張り付かれているだけではなく、ディフェンスでエネルギーを使わされています。で、使っていないデュラントはイージーに3P。ガリナリはフリースローすらも外す。

張り付かれているカリーと、前半の活躍から密着されるトンプソンでデュラント任せが増えるウォーリアーズ。デュラントは決めるものの、チームとしては大爆発にはならない。それをもう1人のルーキーシャメットが2つの3P、そしてSGAはリバースレイアップで逆転します。

これならやっぱりトランジションゲームの方が良さげなウォーリアーズはタイムアウトを挟んで、ボールプッシュを早くします。どうやら密着マークされてデュラント勝負だと、まさかのルーキーズの好調さに押し切られてしまう感じ。

しかし、ウォーリアーズにも絶好調な男が。イグダラが3Pで追いつかせます。マークしていたのはガリナリ。3Pも外れれば、ゴール下はトラベリングのガリナリ。

そしてトランジションの連続はカリーのシュート機会を増やします。そういうメンバー構成にしたし。あまり決まらないけど、この試合初めての3Pは決めたカリー。苦しいけど、これで良いって感じのウォーリアーズ。

トランジションについては、むしろディフェンス面を強調する事にしてしっかりと戻り切って止めて対応していました。ある意味ハーデンみたいな戦い方。これで何とか3点リードで3Qを終わらせます。

もうHC状態のカラミアンがコートサイドで必死に指示を出しています。何も指示を出せないリバース。

◉ルーを止めろ

今度はトンプソンと仲間たちユニットに変更のウォーリアーズ。とんでもないプルアップクイック3Pを決めるトンプソン。さらに外れたところをマッキーニーが押し込む。

一方でこの試合はルーを防ぐことに成功しています。だから徐々にリードを得ていくウォーリアーズ。前半はジェロームが何とかしてくれたけど、レフリーコールにも悩まされたルーで上手くいきません。

その間にデュラントが戻ってきたので、トンプソン&デュラントでオフェンスにリズムが出てきたウォーリアーズ。オフェンスにリズムが全くないクリッパーズ。

ガリナリが遂に3Pを決めるもルーを狙ったオフェンスで成功し、ルーを守れるウォーリアーズ。何だかんだで、そこのオフェンスパターンに乏しいクリッパーズ。トバイアス。

苦しみまくるルーですが、ボーガットからファールをもらっていきます。ボーガットは退場。まぁ最後はルーニーかイグダラだし。

タイムアウトのウォーリアーズはドレイモンドからデュラントへの素晴らしいパスが通ります。明らかにデザインされた形はガリナリのマークが遅れることを見越している様子。さらに速攻でイグダラのダンクになり10点リードのウォーリアーズ。

◉ルーとガリナリ

止められている上に狙われているルーを諦めても良さそうなクリッパーズですが、選んだのはハレル→ジャマイカル。でもこれで3人で囲みながらカリーにフローティングレイアップを決められてしまいます。

ルー&ガリナリばかり狙うウォーリアーズ。主役はルーを止めまくるデュラント。カリーのパスを受けて3Pもヒットし、残り2分で11点リードにしたのでした。あとはまぁ。

勝てそうだったクリッパーズですが、ウォーリアーズのルー対策が大成功した試合でした。そもそもルーってそこまで苦労するのかってのもあります。FG成功率は高くないけど勝負強さはあるくらい。ただ、あまりルーに注力するとアッサリと周囲を使われてしまう怖さがあります。

本日のウォーリアーズは特別にルーを守ったというよりは、イグダラを中心にしてサイズの優位性を活かして得意のシュートを減らしたイメージです。ダブルチーム対応ではないから、そこから派生するオフェンスパターンを封じ込みました。

だから何が目立ったかって、ハレルが目立たないのが目立ちました。合わせるにも、そんなシーンが少なかった。FG5/8といつも通りのハレルですが、手に負えないほどの怖さはなかった。

そしてキーになっているのはガリナリ。おそらくクリッパーズはガリナリが活躍しやすい形を求めたのだと思いますが、こちらもデュラントやドレイモンドに守られると何もできません。というか、これはシリーズ開始前から分かっていた構図です。

FG5/20と散々だったガリナリ。ルーはFG2/10なので、両者が完膚なきまでに抑え込まれたわけです。それでも勝負がどちらに転ぶかわからないところまでは持っていけただけに、最後をエースに託すにも、エースには強力なフィニッシャーが欲しいよねって話です。

あるいは3人のフィニッシャーを揃え、デュラントが止められてもカリーが決め、カリーが止められてもトンプソンが決めるスリースターズが1枚上手だったともいえます。ルーキーズの頑張りが目立ったわけですが、最後をルーキーに託す余裕もなければ、強引にでも突破する事は学んでいなかったSGA。

質と量の戦いと名付けましたが、結局は質が随所に上回りました。量の部分では見事なクリッパーズでしたが、終盤まで接戦に持ち込まれては苦しいね。

だから勝負の決め手は4Q序盤に先手を取ったウォーリアーズっていう部分です。あそこで先手を取れなかったから、いろんな苦しさが積もり重なったイメージ。

これでウォーリアーズは3勝1敗。衝撃の大逆転負けが一種の事故と考えれば、まぁ順当な形でホームに戻ります。クリッパーズがいろいろ仕掛けてくるけれど、これまでだって仕掛けには慣れていたじゃないか。ってことで、複数のパターンを上手に活用した試合になりました。

あと、やっぱりウォーリアーズはディフェンスのチームだよね。


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