2019/03/25 ペイサーズvsナゲッツ

早起きして損した気分

試合開始からペイサーズのプレッシャーディフェンスが効き、ターンオーバーを連発するナゲッツ。特にマレーは「うっかり」なミスが多いし、ミスにならなくてもプレーチョイスを読まれている感じ。

どうやらペイサーズにとってナゲッツは噛み合うタイプの相手みたいです。ディフェンスの良いチームだけに非常によく追いかけるのですが、例えばヘルプにいってフリーになった選手が生まれた時に、それを誰かが追いかけたけど強気で打たれると噛み合うって感じにはなりませんが、ナゲッツは必ずドライブを選択してくれるから、ペイサーズも次を用意しているよ、みたいな。

一方でハーフコートのオフェンスでは、そこそこ苦労していますが、スティール速攻が出るので得点が伸びていきます。これもペイサーズ的には大切ですね。決まらなくても打ってしまうチームだと、オフェンスに繋がらない。

お互いのディフェンスが効いている1Qは、単に止めるのではなく速攻に変換できたペイサーズが4点リードとなります。ターナーがしっかりとミドルを決めるだけでなく、コーストtoコーストのダンクもでて快調なスタートに。
なお、ペイサーズはインサイドをターナー、ヤング、サボニスの3人で回す雰囲気なのでプレーオフモードかな。コリソンがいないのでホリデーは出てきます。

◉カモン!IT

同じような流れの2Q。ナゲッツはモリスになったことでミスは減りますが、シュートを落としてしまいます。でも打っているから速攻は食らわないよね。それは良いけど、ペイサーズにはサボニスがいるので、ハーフコートが鮮やかに決まります。
この両チームが似ているとは全く思わなかったけど、テンポよくボールが繋がり、それでいてプレッシャーディフェンスが効いていき、見ごたえのある展開に。そしてサボニスは何ていうかナゲッツっぽいね。
試合前にヨキッチの紹介で、サボニス父との比較をされていましたが、息子はナゲッツに似合いそうだ。

サボニスとマグダーモットはオフボールで見事なプルアウェイを使ってインサイドを攻略していきます。素晴らしい連携力。ナゲッツっぽい。これで11点リードのペイサーズ。
得点が伸びないナゲッツはマレー、ハリス、ヨキッチを戻します。すると個人技でヨキッチ&ハリスが反撃しペイサーズがタイムアウト。

ボグダノビッチの3Pがリングに大きく弾かれながらもリングを通過するラッキーもありつつ、ターナーがオフェンスリバウンドを拾ってオフェンスが止まらないペイサーズ。
一旦はオフェンスの流れを取り戻したようなナゲッツでしたが、またマレーのミスが続き、良い形を作ってもシュートが決まらず、ボグダノビッチのポストアップで16点差に広がります。

あれだな、こんな時こそアイザイア・トーマスって感じなんだけどな。

ノリノリのボグダノビッチはタフな3Pでも関係なく次々に決めていき、前半だけでFG11本全て決めての26点。最後も残り2秒のスローインからマシューズのタップに繋げて、16点リードで折り返します。
単純にいえばボグダノビッチが半分外していれば、ほぼ同点だったわけですが、プレッシャーをものともせず決めまくったのでした。

◉マレーとヨキッチ

後半になるとバートンの信じられないようなハンドリングミスもありながら、ヨキッチのポストに預けていくナゲッツ。ここにダブルチームにこないなら、決めきれるかどうかが勝負になりそう。
守ってはハリスがボグダノビッチを止めていくのですが、どうもマレー狙いっぽいペイサーズ。狙いっていうか、負けているナゲッツがディフェンスを頑張ろうとするから、自然と緩い所から攻めることになるのだろうけど。

マシューズが積極的にドライブに行き、トランジションでマークが変わるとボグダノビッチが行き、そして外れた時にリバウンドを抑えたヨキッチからヤングが掻っ攫ってゴール下と、修正してきたであろうナゲッツをあざ笑うかのように得点できるペイサーズ。
そしてまたも速攻を決めきったボグダノビッチ。目の前にミルサップがいても関係ないぜ。ちょっと決めすぎだよ。

ちょっと集中力が切れてきたっぽいのはヨキッチ。戻り切れなかったり、ターナーから目を離しちゃったり。今シーズンは殆どなかった形が徐々に出てきてしまったのが、もうこの試合は無理という空気感にあふれています。
土日の試合ってアメリカの昼間にやっているから、日本時間の早朝だったりするよね。この試合は6時開始で非常にちょうどよく、3時とかだとど真ん中すぎるし、5時ってのは起きる気持ちを失うし、7時だと試合終了まで観れない。本当は6時も微妙だけど。まぁそんな理由もあって、非常に良いタイミングで試合開始になり、かつ面白そうな対戦カードだから早起きしたのですが、残念ながら盛り上がりに欠けるのでした。アイザイア・トーマス出てこないかな。

◉まとめ

4Q観ながらまとめましょう。といっても、そんなに書くことないくらいペイサーズが良くって、ナゲッツが何もさせてもらえない試合でした。「何もさせてもらえない」ってのはキーだよね。何かが悪いのではなく、しっかりやっているけどダメだった。

前日にウォーリアーズがマブスに大敗したことで再び首位に躍り出たけど、見事に大敗して1日天下になりました。

ナゲッツはホームに強いチームで、ペイサーズもホームに強いチームです。インディアナの試合だからこうなる運命だったのかもしれません。ナゲッツがホームに強い理由はデンバーが高地だからという、立地的な要因があるのですが、それはアドバンテージになりつつも、アウェイで弱いというデメリットもありました。
それがアウェイでも5割を超えたので現在の成績があります。「来シーズンは60勝だ」と言いたいところですが、この立地的な問題から簡単ではないと思います。

今シーズン好調な理由は、ハイペースではなく何度もやり直せるようなオフェンスに変革され、だけどハイテンポでパスを繋ぐ形は残っていることにあります。それはディフェンスの安定を生んだし、試合全体でアップダウンが減りました。
もちろん、アップも減ったから良いことばかりではありませんが、しっかりと競り合いにもっていけるチームになりました。だからアウェイは5割ちょっと。

この試合はペイサーズの良さばかりが目立ちましたが、一方で前述のとおりボグダノビッチが決めすぎです。あれが半分とは言わないまでも、3割くらい落ちていたら試合はもっと接戦になったはず。
ここで以前のようなノーガードの打ち合いに持ち込めるなら面白い所ですが、さすがに1シーズンかけて作り上げてきたチーム力を振り切るほどではないよね。アイザイア・トーマスを出せってのはそういう事です。追いつきそうにない雰囲気なら振り切れる選手を使った方がさ。

珍しく思い切りが悪かったマレーでしたが、思い切りが良すぎてもそれはそれで問題なわけで。
ただ抜かれても抜かれても、ローテーションディフェンスを繰り返せるペイサーズには思い切って打つよりも、繋ぎなおすような形は悪い方向に出ました。最後まで粘り強く追い切れるチームってのがリーグ全体に減っているしね。

ペイサーズはディフェンス力は通常営業ですが、ボグダノビッチが良すぎた。そこで得たリードで余裕のある試合運びとなりました。ただ、ペイサーズのイメージって余裕があるとディフェンスプレッシャーが弱くなって、あんまり強くないってことです。
ターナーと違ってボグダノビッチは延々と決め続けた良さがあふれていたオフェンスはともかく、守り続けたのって何だろうね。相手がナゲッツだったからかな。ボグダノビッチは27分で35点です。

大体の試合を接戦にしてしまうのが、良くも悪くもペイサーズなのですが、本日はそんな感じでホームのファンを興奮させることもなく、終始圧倒してしまいました。相性としか言いようがない。
ボグダノビッチが決めまくるってことがなかったとしても、こんな戦い方をプレーオフでも出来るなら、アップセットも期待できます。セカンドラウンドの話ね。

ペイサーズはこのメンバーで戦うのが今シーズン限りになる可能性があります。契約が切れるメンバーばかりで、延長もしていないので。オラディポ、ターナー、サボニスは残るので骨格は変わらないけど、それだけじゃダメなチームだよね。

天敵のレブロンはもういない。ラプターズとペイサーズがファイナルで当たったら、そんな話で盛り上がりそうだな。

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