2019/03/24 ブレイザーズvsピストンズ

マカラムのいないブレイザーズはスターターにシューター系SFのレイマンをいれます。それはリラードしかプレーメイカーがいない形。試合前にチームメイトたちに「最近のリラード」というインタビューをされていましたが、それくらい1人でプレーを構築してしまうリラード。

しかし、ピストンズにはルーキーのブルース・ブラウンがいます。vsハーデンで衝撃的なディフェンスを披露したことで、スターターになったエースキラー。
へばりつくブルースを振りほどけないリラードという序盤はピストンズ側がリードを奪うのですが、リラードがボールを持てないブレイザーズはカットプレーだけで得点を少しずつ上げていきます。今シーズンの取り組みが形になってきた終盤戦。

そして5分も経過するとブルースに慣れてきたリラード。まずはスイッチしたところでvsドラモンドの3Pをヒットし、ブルース相手にもステップバック3P。
そこから次々にドライブしてはビッグマンを引き出してパスアウトに、インサイドへのアシストにと1人でプレーを構築してしまいます。決して、とんでもないスピードがあるわけでも、超絶テクニックを披露するわけでもないだけに、ヌルキッチのスクリーンを使いながら、周囲の状況を見て空いたところに飛び込んでいくリラード。

キックアウト3Pも良く決まったことでブレイザーズが好調なオフェンススタートをきってリードを奪った1Qになりました。

◉セカンドユニットのキー

とはいえ、ピストンズもブレイザーズの高さとフィジカルのディフェンスに苦しんだ割には28点まで伸ばします。グリフィンのポストアップからパスアウトしてレジー・ジャクソンの3Pがよくきまりました。
ピストンズについてはグリフィンアタックをメインに据えないことで成功したイメージですが、そこにあるのはレジーがPGとして自分のプレーを取り戻したことにあるとも思っています。開幕後はコンボとしての役割が強く、勝負所はイシュがPGでレジーはSGでしたが、今は違うんだよね。

だからこそエリントン、ケナード、ギャロウェイの3Pにしっかりとパスを出さないといけない。まぁ後者2名がイシュの役割で、スターターはエリントンだけってのはレジーにあっているのかな。

ブレイザーズのディフェンスが機能した印象だったにも関わらず、ドラモンドのペイント外からのフローターまで決まってしまってラッキーというか、シュートの良さで対抗しているピストンズ。シュートの良さを優先しているシステム。

そうやって対抗したのだけど、セカンドユニットになって二桁リードを奪われてしまいます。ピストンズはベンチが良かったのですが、それはイシュ、ギャロウェイ、ケナードによるオフェンスとメイカー、パチュリアを並べたディフェンスって感じでしたが、オフェンスでビッグマンにボールを持たされると上手くいきません。いつも通り。

またメイカーのディフェンスをカンターがパワーで破壊してしまいます。コリンズの方は3Pで広げてしまったから、どうしようもなかったピストンズ。
ブレイザーズはカンターが困ったちゃんでしたが、コリンズが広げてくれて1人でローポストってのが似合うかもしれません。スクリーンとかやらないほうが良いのかもしれないけど、それはそれでブレイザーズっぽくないしな。

フッドがボールを持つと、全員が逆サイドに行ってアイソレーションさせるなど、それなりに整理がついてきた様子。コリンズがキーポイントかな。でもフッドのシュートも安定感がな。カンターのディフェンスもな・・・
コリンズはリバウンドを連続で押し込むシーンもあって、機能している感じのセカンドユニットに。マグレな気もするけど、いずれにしてもリラードを休ませることに大成功しました。

苦しくなったピストンズはグリフィンとドラモンドだけ戻します。こっちの2人だとボールを持たされてもプレーを構築できるので。
するとドラモンドのドライブとグリフィンの3P、そして空いたケナードも3Pで逆襲に成功します。リラードは休んでいた。

リラードが戻ってきて良いシュートチョイスを作ってもシュートが決まらないブレイザーズ。1Qが決まりまくったから仕方ないかな。ピストンズはグリフィンが強引に押し込むと、ギャロウェイが3Pで続いて良い感じになっていきます。
さらにギャロウェイはリラードに対して良いディフェンスを繰り返します。ブルースと違ってボールは持たせるけど、簡単には打たせないというディフェンス。

グリフィンやケナードのドライブも決まって逆転しそうなピストンズなのですが、ブレイザーズは1Qと違ってレイマンではなくカリーを残し、プレーメイクをさせることで地道に対抗していきました。
スティールされ速攻を決められたリラードが、すばやくスローインして逆速攻にするとか冷静かつ周囲が見えていたリラードのラストプレーでブレイザーズが3点リードで前半がおわります。

カリーが16点だったのがピストンズには効いたよ。

◉白熱する3Q

ピストンズがグリフィンのゴール下、エリントンのドライブなどで得点していきますが、逆転へあと1ゴールになる度に、リラードが決め返します。
逆に言えばブレイザーズがリラード中心に鮮やかな合わせで加点していくのに、ピストンズは反撃してリードを許しません。

ヌルキッチのパスからの合わせが定着してきたブレイザーズは、そこでカットプレーを連発しているのに、リードが広がらないってのは頭が痛いかもしれません。
レジーを守るのがハークレスという形なのに守れているのが素晴らしかったのですが、ちょっと守り切れなくなってレジーの3Pで遂にピストンズが逆転に成功します。

さらにリラードを最後までチェイスしたブルースが3Pを外させ、徐々にピストンズの流れになるかと思ったら、今度はアミヌがグリフィンを止め、レイアップも決めます。
レジーが3Pを決めればヌルキッチがミドルを返してと、お互いにエースじゃない部分でのやりあいになる3Q。そんな中でボール運びでファールを受けたリラードがフリースローラインに立ちますが、これがこの試合初めてのフリースロー。ピストンズが好調な理由は、余計なファールをしなことにもあるのかもしれません。

ベンチメンバーになってもケナードがミドルを決めてピストンズがリードすれば、カンターがプットバックダンクで取り返す白熱した展開に。
マカラム不在とはいえ、ブレイザーズと白熱した展開に持ち込めるのかピストンズ。最後にメイカーがコーナー3Pを決め、リラードにレイアップを返されたけど3点リードのピストンズでした。

なんていうのか、何かが良いっていうのではなく、試合を通じてアップダウンが減ったことで強くなったピストンズという印象です。

◉便利なアミヌと

セカンドユニットのブレイザーズは、明確にカンターにやらせますが、今回はメイカーやパチュリアではなくドラモンドが相手なのでパワーで押しきれません。マーク入れ替わってメイカーだとリバウンドを押し込み、だけどドラモンドには逆にリバウンドを奪われる。

インサイドの攻防がフィジカルになったからか、お互いにファールも増えていきます。ピストンズはケナードが、ブレイザーズはフッドが積極的に飛び込んでいきます。カンターがリバウンドを押し込むも、ドラモンドはドライブレイアップで互角は続くよ。

ブレイザーズはリラードを早々に戻します。前半休めたことも効いていそう。休めなくても出てきそうなリラードだけど。
お互いに意地のディフェンスが続くけど、リラードが出てきたことでピストンズはダブルチーム気味でも積極的に前に出ざるを得ない状況が生まれ、ゴール下が少しずつ空いてしまいます。そして、そこを塞ぐために全員がローテするとアミヌに3Pを食らい、さらに2本目の3Pにケナードがファールしてしまい残り6分でブレイザーズが同点に。

ところがアミヌはグリフィンに簡単に3Pを許してしまってやっぱり先手はピストンズ。さらにドライブからカンターを引き出したイシュからドラモンドへのアリウープでリードは6点まで広がります。
そんなアミヌはこの試合22点。マカラムがいないから得点しなければいけない状況と、ビッグラインナップでミスマッチになる時があるので押し込んだりしてさ。スクリナーになったりコーナー3P担当になったり、守ってもドラモンドvsヌルキッチのみにしておくのは危険だから、すかさずリバウンドに絡んでくるしさ。スーパーなプレーはないけど、スーパー便利な選手。

ブレイザーズはリラードのドライブからハークレスの合わせで追い上げると、更にリラードからヌルキッチの合わせで残り2分で同点にします。リラードを警戒せざる得ないとはいえ、リラードを観すぎているピストンズなのか。ここの選択はムズカシイネ。

◉ダイム・タイム

こうなるとわかりやすいですね。
ドラモンドのゴール下をヌルキッチがブロック。そしてリラードは2人のディフェンダーがいる中で3Pを&ワンでねじ込みます。

さらにアミヌがルーズボールを拾ってマイボールにするとリラードに集まったディフェンダーをみてタッチパスの連続でヌルキッチのダンクに。これで6点リードにすると、ギャロウェイに3Pこそ返されるものの、あとは時間をつかいまくり、そしてリラードのドライブをギャロウェイがブロックしたけど、ルーズボールをアミヌが手にして押し込んだのでした。

「この展開にしたらリラードが勝つよね」
という典型的な展開になってしまったピストンズ。最後までグリフィン押しではなく、ギャロウェイやケナード中心にして対抗できているのは印象的ではありましたが、単純に1人でリラードを止めることが出来ないから苦労したって感じです。それこそがブルースの役割だったけど、失敗してしまった。そういう日もあるさ。

本当にマカラムがいないとは思えないプレーぶりのブレイザーズ。あるいはいたらもっと強いのか。いずれにしても終盤はリラードに任せておけば大丈夫なさ。
ただ、今シーズン重要なのはそのリラードにマークが集まった瞬間に連続パスとカッティングでイージーオフェンスを出来る事。まるっきりウォーリアーズなんだけどさ。

マカラムがいなくてもプレーを構築出来ているってのはスターを集めて上手くいかないチームとは対照的。だけど勝利にはスーパースターが必要なんだ。

ピストンズというか、ブレイク・グリフィンといえばプレーオフになるといなくなる人です。それは運の悪さもあるし、プレースタイル的にフィジカルが疲弊してトーンダウンしてしまうからでもあります。
それを抑えているのが今のピストンズスタイル。だから怪我無くプレーオフに行ける気がしますが、それ以前にプレーオフに行けるのかが勝負です。

現在は苦しい日程が続くのですが、乗り越えればグリズリーズやニックスが待っています。そこまでに8位争いに巻き込まれるのかどうか。ピストンズとネッツの日程が苦しいという非常によくできたスケジュールでプレーオフ争いは佳境に入っていくのでした。

えっ!ホーネッツが大逆転勝利したって!

2019/03/24 ブレイザーズvsピストンズ” への6件のフィードバック

    1. 書きたいですけどね。以前と何が違うかと言えば、何も変わらず単に頑張っちゃうだけな気もします。

      数字探して、新たな発見が出てくるといいな!

  1. なんかこのレベルであっても、むしろエゴの強い人ばかりのこのレベルだからこそなのか、リラードのパーソナリティってケミストリーを生みますよね。

    理不尽さんと双璧のPGかなぁ。

    1. みんながリラードを信じるってのが強いですよね。
      基本的に似てますけどね。リラードのためにスクリーンやら何やらで働き、キックアウトは決めるぞ軍団がブレイザーズ

      理不尽に何でも突破しちゃうけど、ミスが多いからミスをフォローするぜ軍団がサンダー

  2. やっぱりCJが居ないと、リラード頼みも結構辛いです。チームリーダかつフロアリーダーだし、得点も取らないといけないし、アシストも必要だし、時間のコントロールもやらなきゃいけないし、クラッチタイムにも欠かせないし、ヌルキッチを宥めることも必要になるし、短期間なら持ちますが、POとなると厳しいでしょう。残り5試合ぐらいでは戻ってねCJ君!
    CJが居れば、オフェンスでアイソレーションさせておけば、勝手に決めてくれるので、その間は少し休めます。ディフェンスもそれほど寄ってこないしね。今だとタフショットが多くなり過ぎです。CJの代わりをフッドに求めるのはまだまだ無理ですね。
    でもこの数年で凄く成長したなと感じます。前は無理が多く、なんでもかんでも自分で決めようとしていましたからね。人を上手く使うことが出来るようになり、今やNBAでもTOPのPGだと思います。
    前にも書きましたが、アービングとトレードすればBOSはイーストで確実に優勝出来ると思います。あり得ないでしょうが。

  3. ヌルキッチやっちゃいました。選手生命終わりかも?残念過ぎます。

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