2019/03/04 ブレイザーズvsホーネッツ

移動距離が長いのがブレイザーズ

オールスターをシャーロットで過ごしたのに、またも戻ってくることになったリラードとセス・カリー。20年前の今日はカリーパパが1000本目の3Pを決めた日だそうです。

ホーネッツはケンバが3P打ちまくって成功していたけど、さすがに読まれてくるので次の手を展開したいのに、そこに迷走中。どれをとっても不十分だけど、それなりには機能している。
しかし、ブレイザーズはインサイドを守るのが上手く、なかなか突破させてもらえません。キーになるのはハークレスとアミヌの2人がサイズも機動力もあるから、ヌルキッチを引き出しただけではダメだということ。

ケンバがドライブからブリッジスのアリウープというシーンが出ましたが、ヌルキッチを引き出し、ヘルプを呼び込み、逆を取って合わせるの3段階を経ないとインサイドで得点がとれないのでした。困ったぞ。
しかし、その苦しい中でラムがタフショットを含む3連続3Pで救ってくれた1Q。チームとしてはイマイチでしたが、助かったホーネッツ。

一方でブレイザーズの悩みは、そんなハークレスとアミヌのポジショニング問題。2ガードに得点を取らせる形はしっかりしているけど、その時にどこでどんな形で連携を取るのか。特にケガで離脱ってのが多かったハークレスが上手くいきませんでした。
例えば単にコーナーでストレッチさせるなら、レイマンの方が適任です。オフボールで動き回って3Pを決める能力もある。そこをどうするのかってのが課題でした。

しかし、いよいよ慣れてきたようなハークレスが、ストレッチするポジションを取りながらも、タイミングを見てのカッティングでレイアップを決めれば、ミスマッチ利用のポストアップもあってディフェンスでの貢献も含めて機能します。
アミヌも3P決めたし、非常に良い感じのブレイザーズ。

そこには2ガードが自由に動き回る構図が出来ており、この2人を個人技で止めない限りはブレイザーズを止めるのは難しそうです。
攻守に強さを持ちながら、何よりもわかりやすさがあるブレイザーズのスターター。再びここから勝率を上げるのか。

という感じで40点くらいとれそうだったのですが、ベンチメンバーが増えると失速します。まぁ1Qはフリーの3Pを外したからってくらいでしたが、それ以上に守れません。

新加入のロドニー・フッドはいるのかいないのかわからないし、カンターはとにかくディフェンスが悪い。ハードワークする選手だから、しっかりと走るしリバウンドにも献身的なのですが、なんだろうか。ピックアップが下手だったり、周囲のポジショニングが目に入っていない守り方だったり。

そんなわけで強いスターターと弱いベンチという構図がありありと出てしまいました。15分で16点のヌルキッチと、9分で4点のカンター。同じようなタイプのはずが、大きな差です。

それでもカンターの加入自体はポジティブに捉えましょう。他にこのクラスのセンターはいなかったわけで、ヌルキッチのファールトラブルを心配することがなくなりました。
ディフェンスの良いチームに加わったディフェンスが課題のセンター。親友のアダムスにポジションをがっちり奪われた理由が感じられた前半でした。

◉ホーネッツだって弱い

それをいったらホーネッツのベンチだって弱いです。
しかし、6点だったケンバを尻目にラムが20点と荒稼ぎで助けました。加えて何故かカミンスキーが9点もとります。まぁこっちは理由が簡単でカンターのルーズなところを突いていく作戦です。ゴール下で勝負したら負けるのだから、アウトサイドで勝負する選手をチョイスしたボレゴ。

時折はビヨンボも混ぜながら、こまめに交代をさせて少しでも有利なポイントを探していきます。
逆に言えば、そうしないとオフェンスが構築できないくらいに苦しんでしたホーネッツ。でも何とかしてくれたラム。

全く流れのなかった前半だったのに、たったの6点しかビハインドがないのでした。

◉5分だけ若いパーカーおじさん

後半になってもまぁ同じような感じです。スターターが並ぶとブレイザーズの方が強い。もちろん、そんな見事に上手くいくわけではありませんが、随所に力で上回るところをみせつけ、そして自分たちもターンオーバーしたりして。3Qだけで3つのターンオーバーをしたアミヌに足を引っ張られます。

これがまた前半と同じようにベンチメンバーになると反撃を食らってしまいます。ちょっとまずすぎるぜディフェンス。なんか個人以上にチームとして機能していません。
新加入が2人いて、慣れないレイマンが加わったこともあり、ブレイザーズの大きな課題になりそうなセカンドユニット。

それって夏の時とメンバーが交代しただけで同じ課題じゃないか。

ということで貯金を使い果たしたブレイザーズ。1点差にされて4Qに突入するのでした。そして、そこでホーネッツにはトニー・パーカーの時間が生まれます。
ケンバを守ることに成功していたブレイザーズですが、パーカーを全く止められませんでした。5分だけ若返るパーカーおじさん。

マークはカリー。あまりにも簡単にピックで引きはがされるし、そこからのチームディフェンス悪いし。何よりミドルを打たせてしまっても、という守り方なので得意なゾーンで自由に動けたパーカー。
後半8分のプレーで12点を奪い、さらにブリッジスの3Pを生み出すなど、ケンバよりも機能していました。パーカーの良さとブレイザーズのベンチが守れないのと。

ところが、守れはしなかったけど前半に空気だったフッドが見違えるような活躍を見せます。
パーカーとのミスマッチを利用したポストアップからのターンシュートに、ドライブからのプルアップミドル。カンターのスクリーンを利用して抜け出してのショートレンジと自由自在なフッド。

フッドを獲得した意味はオフェンス力のあるウイングを増強した、ってことだと認識していました。それってハークレスとレイマン、ターナーもいるのだから、そこまで大きな意味はないかという予想。
しかし、3Q終盤のフッドはリラードの相棒として登場します。つまりはマカラムの役割。これがヒットしていました。動き回ることでディフェンスをずらしていき、高さで上回るのでミドルがイージーに打てたフッド。
フィジカルとサイズがあるけどシュート力がないターナーと、その逆のカリー。間を取ってのフッドって感じです。

守れないけど得点をとれたベンチメンバー。そこにハークレス以外のスターターが戻ってきたブレイザーズは、リラードが積極的にフッドを使っていきます。
リラードは終盤を自分の時間にする選手ですが、偉いのはこういう部分で、調子のよい選手がいたらそこを使います。マカラムが活躍すると全く得点しないこともあるよね。

3Qに3本の3Pを含む14点を奪っていたリラードですが、好調なフッドを前にゲームメイカーに徹したことで4Qはわずかに2点。なおマカラムは0点。でも得失点差+10。

止まらないフッドはショットクロックなくなってのロング3Pもねじ込み、なんと後半だけで27点の荒稼ぎ。なお空気だった前半が0点だったからトータルも27点です。

困ったホーネッツはケンバが2本の3Pで追撃するのですが、やっぱりスターターだと守れるブレイザーズ。アウトサイドはどうしても追い切れないときがありますが、しっかりと塞ぐところを塞ぎ、時にカミンスキーにやられ、大した得点差じゃない割にはかなり落ち着いた形で勝ち切ることに成功したのでした。

◉ホーネッツどうするの?

近頃は遂に面白みもなくなってきたホーネッツ。モンクが出てないとかじゃなくて、試合の中で能動的に波を起こすことが出来なくなってきた印象です。それはケンバにシーズンの疲れがたまってきているからなのか。ブリッジス以外に若さが足りず、エネルギーをもたらすことがないからなのか。

同じようにガードに得点させるシステムの両チームですが、ブレイザーズの方は他の3人がパスを待つだけではなく、組み立てに参加したりスクリナーとしてガードコンビに得点させるための動きを繰り返します。特にヌルキッチね。アミヌはあまりやらない。
それに比べるとホーネッツの方はケンバのアクション待ちっていうシーンが多くなっています。開幕直後はバトゥームがプレーメイカー的なこともこなしていたけど、安定感のある選手じゃないよね。ミスするというよりは、試合から消えてしまう。

それでもまだケンバが得点すれば、そこから波及するように周囲の機能性が高まるわけですが、ラムとカミンスキーだと単なる個人技だから、個人として得点はしても周囲の苦しい状況は変化ない感じです。
だからケンバが止められた時に個人で得点できる選手を選ぶのか、それとも同じようなタイプを置くのかってのは大切です。パーカーが得点すると周囲は同じく動き出せるので、その差は大きいんだ。

◉フッドを信じはしないけど

ブレイザーズに来て初めてまともな活躍をしたフッド。時に止められなくなるのが魅力の選手であり、そんなのはたまにしか訪れないのがネックの選手です。
そのあたりの日を上手く活用した勝利だったわけですが、仮に外れならリラードとマカラムがもっと頑張るだけだから、そんなに問題ないんだよね。

確かに当たりはずれは大きいけれど、ベンチから登場して得点力でリードをもたらすことがある選手ってのは、これまでのブレイザーズにはいませんでした。
シュートが決まる、くらいの活躍はあってもフッドの場合は何でも決めてしまうからね。

本日は6点しかとらなかったマカラムでしたが、得失点差は‘20点。スターターは強いんだ。ってことを感じさせてくれました。
課題のベンチメンバーはディフェンス力を構築できるのか。それさえクリアすれば、5試合に1回くらい爆発してくれフッドって感じです。プレーオフが問題なんだけどさ。

3月のスケジュールで自分たちよりも勝率が高いチームはサンダーくらいです。高いっていうか同じ。
なのでここで再び走って早々にプレーオフを決めたいところ。ブレイザーズに風が吹いているのかどうか。もう少し見てみましょう。

2019/03/04 ブレイザーズvsホーネッツ” への2件のフィードバック

  1. 久しぶりのブレーザースレポートありがとうございます。オールスター明けから好調になってきました。スターターは特にヌルキッチが安定していますが、インサイドならこれ位のFG%は普通なんですけどね。特に格下相手のCだと強みを発揮します。Away7連戦中ですが、ここまで5勝1敗で、負けたTOR戦もカンターが居ればもう少しヌルキッチを長時間使えたと思うので勝てた試合でした。余りにも酷いコリンズとレナードのディフェンスです。
    心配のセカンドユニットですが、フッドもカンターもおそらく±では0の選手なのでしょう。ターナーが次戦から復帰するので、ダメダメコンビのコリンズとレナードを使う必要が全くなくなるので、今までセカンドユニットで大きくマイナスしていたものが、0になるだけでも相当のチーム力UPになると信じています。
    POですが、ヌルキッチ次第だと思っています。ウエストのインサイド陣(カズンズ、ヨキッチ、カペラ、アダムス、ゴベール)はしっかりしているので、名前負けするというか、自信を持って自分のプレーがまだまだ出来ません。彼が今の調子をPOでも発揮出来るなら勝てると信じます。

    1. 確かにヌルキッチがってのはポイントですね。名前負けっていうか、スピード負けするとタジタジだし、ファールで止めてしまうユーロ癖も抜けていないし。
      プレーオフの不安は対策された時に、逆を突くプレーをヌルキッチが使えるかどうかですね。結構な正直者なので。

      セカンドユニットは経過観察で。前よりもサイズがあるからチームとしての約束事が守れれば、0から少しだけ+に動くはず!

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