2019/02/24 キャブスvsグリズリーズ

水色のチームはどこのチームだろうか?

楽天NBAで放送されるグリズリーズですが、一気に再建モードになって、渡邊雄太には出番がこなくなりそうです。本日のスターターはコンリー、ホリデー、ブラッドリー、ラブ、バランチューナスともはやコンリーがいなければどこのチームだかわからないレベル。
なおジェイレン・ジャクソンはケガで欠場だから見どころが全くないといえばない。新加入を観ながら、何となく書いていきましょう。

ラプターズでのガソルはボールムーブを促してくれていますが、バランチューナスみたいにゴール下での強さを発揮することはなく、ハードワーカーでもなかったわけです。
そんなガソルを中核に成り立っていたグリズリーズなので、当然バランチューナスになった影響は大きく、お得意のパス交換で崩していくのではなく、ポストに入れて勝負させます。
そのプレー自体は否定するようなものではないし、むしろ個人で得点しに行く点ではバランチューナスの方が上です。時折、コンリーとのピック&ロールも成立させていたし。ただ、個人的事情でリトアニアに帰っていたバランチューナスですが、そもそもケガ明け。まだ足がついていかない場面があってリハビリ中です。その真価は来シーズン以降になるかも。

問題はブラッドリーとホリデーを並べるウイング。そもそもグリズリーズは連動性とかないチームで、個人アタックの繰り返し。ただ、コンリーとガソルが組み立ててバランスをとってくれるだけ。
そのガソルがいないので、もう「個人がどうするのか」という場面だらけになっています。ブラッドリーもホリデーも1on1が嫌いなタイプじゃないので、そこまで酷くなってはいませんが、強いわけじゃないし。
だから元に戻ってポストアップがメインになるわけです。ウイングよりは確率が高そうなんだ。相手も高さがないし。だからといってノアがボール運んでスティールされているとか笑える。

オフェンスパターンに乏しかったグリズリーズから引かれたパッシング役のガソル。だから完全にプレシーズンみたいな連携もなにもないのでした。
ただし、そもそもカイル・アンダーソンもテンプルも強かったわけじゃないし。むしろガソルがいなくなって全体の機動力が向上しているので、弱くなったかというとそうでもないような。

◉慣れているキャブス

オフェンスが何しているかわからないといえばキャブスです。グリズリーズよりもダメだったけど、ケビン・ラブが戻ってきました。リハビリだけど。
やっぱりオフェンスそのものは狙いがあるのかないのか、って感じですが、シュート力があるラブなので時にストレッチしてくれ、時にポストでボールを持ってくれます。強くはない。
ここにナンスやクリスもいるので、割と機動力あるインサイドで動きが付いてくるのでした。あとはセクストンが突破できるかって感じですが、この人そういうタイプのPGじゃないよね。

1Qリードを得たキャブス。グリズリーズが何しているのかわからない中で、キャブスの方がシューティングに関しては打つ意識が高かったのでパスアウトがそれなりに有効でした。
何しているかわからないとはいっても、50試合も経過してきたのだから長くプレーしている選手たちはそれなりに相互理解しているよね。その程度の差かな。

2Qになっても順調に点差を広げていくキャブス。特に両コーナーからのシュートが目立ちます。ここはグリズリーズの弱点なのですが、別にローテーションさせて使っているわけじゃなく、たまたま空いたパターンと、クラークソンとナンスのコンビプレーで使っています。
ヌワバのしつこいディフェンスなんかもあって、ベンチメンバーとしては悪くない状態に。あくまでも、このレベルでの話ですが。

前回も思ったのはクラークソンがよくなっていること。得点をとれるといっても独りよがりで、チームで観れば効率的じゃなかったのに、そもそもキャブスが効率的じゃない中で、違いを作ってくれる選手として機能しています。
18点リードしたキャブス。今シーズンこんなにリードしたことあるのかな。

グリズリーズのスターターが戻ってくると流れは変わります。単純に個人能力に差があるし。バランチューナスのターンシュートにコンリーのドライブ。
キャブスもラブを中心にしてシュートシーンを作っていくのですが全く決まらず。でもポストで経由したラブからパスアウトしていくのは悪い形ではないよ。ただ熟練度はゼロってことで。

そして次々にフローターを沈めていくコンリー。圧倒的といえば圧倒的だし、リムプロテクター不足のキャブスだし。
18点ビハインドだったのに6点差まで行って、すぐに追いつきそうだったグリズリーズでしたが、コンリーのパスを受けたノアが外しまくった上に、毎回のようにレフリーに食いつき、テクニカルを食らったり、クレームしている間にカウンター食らったり。

仕方なくリハビリのバランチューナスが再び出てくると、しっかり決めてくれるし、セクストンをブロックするし、ライトとのラプターズコンビは機能するしで、もう一回追い上げて7点差で前半が終わります。
多分ノアじゃなければグリズリーズがリードしていたよ。ノアを伸ばす意味なんてないのだから、若手を使えばよいのにね。んっ、渡邊雄太になるのか。

◉ノアとパーソンズ

後半になるとキャブスはラブ用のプレーコールを増やしていきます。ここまでラブがいなかったとはいえ、プレーコールなんてあるのかないのかって感じだったのに、突然成功するわけです。
その理由はラブがシューター的にオフボールで動き回り、そこにスクリーンも絡めるとグリズリーズのビッグマンたちが対応できなかったという簡単な理由です。
スクリーンもしっかりかかっているわけじゃないし、タイミングが完璧ってこともないのですが、さすがにこんなPFは少ないからね。

チームオフェンスがあって個人を使えるのか、個人を使うためにチームオフェンスがあるのか、って感じのキャブス。ラブの能力があればチームオフェンスになるわけだ。
時にオフェンスがダメダメでもロング3Pを沈めてくれるラブ。キャブスはかなり助けられています。なお、グリズリーズの方のラブはドフリーで3Pを何本か打っていますが、決まる雰囲気がありません。そういうタイプの選手じゃないしね。ジェイレン・ジャクソンと同じことをやらせてどうする、と言われてしまいそう。

そうしてリードを得たキャブスでしたが、ラブがベンチに下がると一気にグリズリーズペースになります。全く持って継続しなかったキャブスのベンチメンバーが外しまくり。
そして追いついたのがチャンドラー・パーソンズとノアによるコンビで得点していったこと。これがまた何とも言えないんだ。

やっとプレーする機会を得た2人は必死に頑張っています。ノアは成績も残しているよね。でも、何だろうかね。良い雰囲気は全くない。全くないけど得点は得ていく。一体、これはどんな現象なのだろうか。
まずわかりやすいのはパーソンズ。個人で突破をはかりますが、ほぼ突破できません。だってスピードもなければ、フィジカルで吹き飛ばせるわけでもないし、テクニカルなシュートがあるわけでもない。
ただまぁなんかディフェンスを引き付けて、ノアにパスを通せていけます。何でだろうか。本当によくわかりません。多分、キャブスのディフェンスがアレなんでしょうね。また、守り切られた時もファールコールしてもらえていました。

次にノア。こちらはキャブスのディフェンスが悪いとかではなく、個人で得点できているのも事実です。動いているし、体張るし。
しかし、どうみてもチームオフェンスのジャマ。魅力的ではないグリズリーズのオフェンスですが、ウイングが開いてハンドラーとビッグで真ん中から組み立てるのはガソル中心であった形。
だからボールを持つ機会は多い。そして真ん中のスペースがあります。そこを使って得点していくわけですが、ライトがボールを持っているとハンドオフで受け取ろうと寄って行って、ディフェンダーを増やしたり、逆側のスクリナーを呼んでいたのにノアが寄ってきちゃったり。

結構なオフェンスの邪魔をする上に、ボールとスペースがあってパスしないから個人としては目立っています。これでいいのかっていうとグリズリーズだからこれで良いのだろうね。
若手たちを伸ばそう、みたいな気持ちがないと思えるチームだしなぁ。個人でやれってことが大切だから、渡邊雄太には向いていない気もするわけだし。

というわけで、ちょっと説明するのが難しいような内容で何故だかグリズリーズが逆転しました。それ以上にキャブスがダメだったってことかな。

◉エース同士の戦いから

ラブはリハビリなので長いプレータイムではなかったそうですが、本日は4Q開始から登場します。そして3Pで早速同点にし、リバウンドを抑えて速攻に結び付けて逆転に。
なお、ラブはほど3Pで得点を奪います。ポストアップしても良いパスが来ることはマレだし。

すぐにコンリーとバランチューナスを戻したグリズリーズは、その2人で得点し再逆転しますが、やっぱりラブが今度はスピンムーブで逆転弾。また4Q3分くらいですが、わかりやすい展開に。
バランチューナスが高さで制しても、ラブが入れ返して。あと前言撤回したくなるクラークソン。プレーが安定しないんだな。それとも中心が明確にラブになったことで、自分のプレーをしにくくなっているのか。

キャブスの試合を観ようかな、と思ったときにラブが出ていなくてやめるケースがあったのですが、やっぱりこの選手がいるだけで全く違うのでした。
例えば単純にスクリナーになっても、ディフェンスの動きを観て逆に自分がシューター役に変化できます。だから1つのオフェンスパターンから派生形が多い。何よりチームはラブにパスを出そうという意識があるのでタイミングが早くなります。

そんなラブは再びベンチへ。なのでバランチューナスとコンリーで逆転するグリズリーズ。なお、ノアとバランチューナスの同時起用を試しています。あり得ない形なのですが、そういう気持ちがあるようなHCではないからね。
残り3分半でコンリーがケガでベンチに戻ります。頭を打った形かな。パターンが減ったグリズリーズ。どちらのチームも主役を欠く終盤戦になっていまうのでした。

バランチューナスがコーナーから3Pを決めて残り2分で2点リードになりますが、オスマンが3Pで逆転すると、さらに速攻でダンクのオスマン。
さらにここにきてセクストンが時間を使ってからの3Pで残り1分6点リードのキャブス。試合が終わったかなと思ったら、すぐにバランチューナスがポストアップで決め返しますが、デラベドバのレイアップをブロックすると、これがゴールテンディングに。ものすごく微妙でどちらともとれるシーンでした。触ったバランチューナスを責めることは出来ないかな。

というわけでエースがいないと苦しかったキャブスでしたが、最後の最後は若手たちが決めて勝利を手にしたのでした。
見方を変えればキャブスはラブがいれば、そこそこ機能するわけです。その中心選手が長期離脱は苦しすぎたし、フォローするほどの選手層はない。経験を持っていた選手は、みんないなくなったしね。
しかし、まぁそんなにコメントすることがありません。久しぶりにみたラブが元気に活躍出来そうで良かったね。それくらいです。クリスはどっかいっちゃったけど。

一方のグリズリーズはバランチューナスがガソルよりも得点面で活躍してくれそうな感じでした。こっちの方がコメントのし甲斐がある。
ただし、ガソルとはプレイヤータイプが全く違うので、これまで以上にパスをもらいたいタイプの選手は苦労しそうです。ブラッドリーとか何していたのか記憶にないし。
バランチューナスはしっかりパスをするし、それ以上にスクリナーとして働いてからインサイドって選手なので気にすることではなく、むしろチームとしてちゃんとパターンを作りましょうってだけです。

ホリデーとブラッドリーが並ぶウイングはディフェンス面で強調出来そうだし、オフェンスもそこそこなはず。ウエストで勝つには厳しいけど、しっかりやればこれまでと同じくらいのチーム力は維持できると思います。しっかりやるとは思っていませんが。

グリズリーズにはジェイレン・ジャクソンがいるし、キャブスにもセクストンがいるしで、どちらも若手を加えながら他にエースっぽい選手がいる構図。
求めているのは次のドラフトで大物ルーキーという構図も同じなのかな。ザイオンかバレットか。はたまた八村か。

いずれにしても、何を観れば良いのかわからない対戦カードでした。じゃあ選ぶなってことですが、グリズリーズがどうなっていくかは気になるしね。
エースがいることでフォーカスするところがわかりやすくなり機能性が増す。という点で日本代表と同じなのかもしれないっていうのは強く感じたのでした。


2019/02/24 キャブスvsグリズリーズ” への2件のフィードバック

  1. ドアマットチーム達の中だとホークスが一歩リードしていると思うのですがどうでしょうか?

    1. 5歩くらいリードしていますね。
      1月はまだ「ここだけの話」レベルだったのですが、順調に伸びてきてくれました。

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