2019/02/05 キングスvsスパーズ

5連勝中のスパーズにプレーオフラインに届いていないキングスが挑む

スパーズはホワイトをスターターにしたことでディフェンスが向上し、空いてしまったリバウンドの弱さをデローザンが補う形が定着してきたとしたのが、前回というか結構前。連敗もあるけれど、わりと順調に勝ち星を伸ばしており、1月以降は11勝5敗です。プレーオフは順当に進めそう。
ところが試合が始まったらホワイトいないじゃないか。代役がバータンズなのでなかなかのぶっ飛び方です。PGが欠場でPFが出てくるスパーズ。

しかし、もともとは高さのアドバンテージを活かしていたのがポポビッチ流。そんなに問題ないだろうと思ったらボコボコにされます。キングスのはじめの30点のうち17点が速攻によるもの。
そして迷いなく打っていく3Pでガンガンリードを奪っていくのでした。注目すべきはベンチから出てきたバグリーが3Pをバシバシ打っている事。遂に心の余裕も出てきたのか、スパーズのビッグマンを相手にアウトサイドに引き出すことをするのでした。
ただし、これはそこまで効果的ではなかった。だってヒールドいるし。中外の使い分けができないならば、単に確率の高くない選手が打っているだけになってしまいます。バグリーがこのプレーをするなら、もっとヒールドにスクリーンかけてミスマッチを狙おうぜ。

とはいえ、ビッグマンたちがアウトサイドから攻めていく形はスパーズのビッグラインナップに効果を発揮しました。それよりも動きの量で完全に上回ったキングス。
37点を奪った1Qはキングスの良さを消せなかったスパーズという形でもありました。ホワイト不在は痛いんだ。追いかけきれないシーンが多くて7本の3Pを決められてしまった。機動力の方が大切という2年前の課題みたいな。

◉走って、スローダウンして

2Qになっても走力で有利に立つキングス。バグリー&ジャイルズで走り勝っていくし、ゴール下の争いも強いんだ。スパーズもビッグマン2人体制にして対抗していきます。パートルはそもそも走り負けはしないし。
悪い意味でバグリー&ジャイルズはディフェンスで動き回りすぎていて、ポジションを取られてしまうケースが増えてきます。この2人を中心に設計されていないチームなので、守る形として厳しいのは仕方ないのかな。

2Q前半はお互いのオフェンスが機能する形で過ぎていきますが、スターターが戻ってきたころにスパーズが追い上げます。その理由はキングスのミスからのトランジションオフェンスだったりしてさ。走りあうことで対抗していったスパーズ。もちろん3ガードです。
ドフリーのレイアップに行こうとしてハンドルミスしたフォックスなんていう珍プレーに、ターンシュートを打とうとしたらボールを忘れてきたビエリッツァ。じっくりと取り返していくオルドリッジとデローザン。次第にペースも落ちてきて、スパーズが自分たちのゲームに持ち込んだ2Qでした。

ヒールドのシュートが全く決まらないので、スパーズリードで終わるかと思ったら、最後にコーナー3Pを決めたヒールドとブザービーターミドルのフォックスで4点リードして終わらせたのでした。エース2人がこれを出来るから留まっていられるキングス。
そういえばヒールド記事書いたけど宣伝はしていなかったな。最近はつぶやかないこと多いです。

https://basket-count.com/article/detail/16289

◉S級フォックス

後半もこの流れが維持されます。ペースコントロールが効き始めたスパーズがフォーブスの強気なアウトサイドシュート、デローザンの逐一うまいレイアップ、そしてオルドリッジのペイント内の強さで前半と違って走らせないスパーズのペースになっていき、逆転まであと1ゴールというシーンまで辿り着きます。
しかし、そのたびにフォックスがドライブからねじ込んでいきます。スピードで振り切りながら一気に減速してショートレンジを決めていく。速いけど、それだけではないフォックス。一時期はあまり機能していなかったけど、肩の調子も良くなってきたのか、エースの仕事をしています。

そして再びバグリー&ジャイルズになるとリードを広げ始めます。オルドリッジは良いのだけど、ガソルが苦しい。前半はここにパートルだったんだけどな。動き回るジャイルズを捕まえきれていないガソル。そして合わせで得点していくバグリー。
ヒールドが決めていれば2桁リードになっていただろうけど、そこは守り切ったスパーズ。

ちなみにキングスはオルドリッジに苦労しているので積極的にダブルチームに行きました。当然アウトサイドが空いたスパーズなのですが、これが何度打っても決まらない。
そして決まらない間に帳尻合わせるヒールドが連発したので2桁リードに持って行ったキングスでした。面白かったのはキングスが3Q後半なのに、フォックス、ボグダノビッチ、ヒールドを並べ勝負をかけるような勢いだったこと。そこにバグリー&ジャイルズだから若い!
そして3Qも締めはフォックスがドライブからバグリーにミドルを決めさせ、自らもドライブを決めたのでした。でしたが、Q終了と油断したのでミルズがワンパス速攻で取り返して12点差になりました。

◉ベンチの差

速攻に走ったパートルのフライングダンクに、同じく走ってべりネルのコーナー3Pでビハインドを縮めるスパーズ。今度はベンチから出てきたファレルがコーナー3Pにバグリーへのアリウープを通しリードを守るキングス。
さらにファレルはフローターも決めると、バグリーがスティールからボグダノビッチのレイアップをアシストします。ケガ人の少ないキングスは今ではベンチが厚いチームになっています。ドラフト2位と昨シーズンはマブスでスターターだった選手だから当然と言えば当然か。

そしてファレルがコーナー3Pを決めると残り5分で15点差に。3Q終盤にちょっと早すぎる3ガードにしたキングスでしたが、見事なファレルの大活躍でフォックスとヒールドはベンチで喜んでいるだけで済んだのでした。

〇ヨギ・ファレル
19点 FG7/7 3P4/4

パーフェクトだったファレル。チームハイの24点12リバウンドだったバグリーと合わせて、ベンチの得点が60-32と圧倒することになりました。ホワイトがいなくて守れないといったけど、それよりも単純に選手が足りなかったのかどうか。

フォックスがこの感じでプレーするならまだ落ちそうにないキングス。そこにバグリー&ジャイルズの成長でベンチが得点できるようになったら勝率が上がってきそうです。まぁそんなに安定してよいプレーが出来るとは限らないのですが。
バグリーはコーリーステインを上回りそうなのですが、そのコーリーステインが元気ないことは問題かな。たんにオルドリッジが難しすぎたのか、バグリーの活躍で自分の立場が危ういと焦っているのか。
エースも働けばベンチも働く。ウエストを面白くし続けることが出来るのかどうか。

スパーズはディフェンスがどうしても絞り切れませんでした。チェイスして流れを悪くするディフェンダーがいないと簡単ではないことを示したのか。好調の理由を何も教えてくれない試合になりましたとさ。


2019/02/05 キングスvsスパーズ” への12件のフィードバック

  1. 今日のキングスは魅力的でしたね!
    フォックスは素晴らしいの一言でした。
    フォックス、ヒードル、バグリーのラインナップは夢がありますね。
    ジャイルズも良く動くし、インサイドとしてはもう一回りフィジカルが強くなってくれたらと思います。
    管理さんがキングスのGMなら誰を残して、どういった選手を補強しますか?

    1. まぁとにかくデュラントが欲しいですよね。万能系ウイング。
      シャンパートとビエリッツァがバランスをとってくれるチームになっているので、それが継続できて安定感のある選手。
      ルディ・ゲイにでも帰ってきてもらいますか。

  2. キングスの記事待ってました!
    バグリーが開幕時ではハズレと揶揄されていましたが、最近は本格化してきたのかな?と感じています。
    ジャイルズは学生時代から注目していたので最近のプチブレイクは嬉しい。
    この二人が走れて自分の役割をしっかりこなせるのはヒールドとボクダノビッチに良いスペースを与えていると感じました。
    フォックスは怪我の調子以外は文句なし!
    これはディバッツの功績?と考えると悔しいし、イェーガーの影響なのでしょうか?
    ザックはチームのためになっているのですかね?

    1. バグリーは外れ感ゼロだったんですが、気が早いファンが結構いましたね。
      まぁ周囲のルーキーが出来すぎていただけです。いきなり活躍するケースの方が珍しいですし。

      バグリー以外は昨シーズンまでに集めているので、ディバッツの功績って感じでもないですけど、スカウト陣がしっかり働いているんでしょうね。
      ちょっと前にドラフト前に撮られた写真が出回っていて、ホワイトボードにバグリーの名前が書かれていたんですけど、その先にいたのがマイケル・ポーターだったから、ぎりぎりのラインで勝利したのかもしれません。

  3. コーリーステインはトレードの噂もありますしメンタル心配ですね。
    ただせっかくトレードするなら良い条件のトレードをしてほしいけど、WCSほしいチームってどこだ??笑
    ブルズが暴走してマルッカネンとかくれないかなぁ。
    SAC:WCS+未来の1順目指名権+今シーズン限りの契約の選手
    CHI:マルッカネン+高額不良債権選手
    ないか↓↓笑

      1. シャンパート・ジャスティン君・ザック神放出
        2順目指名権・バーンズ獲得
        実績とマブスの選手やHCの反応をみるとスゴイトレードをした感じですがどうですか??
        バーンズに印象がなくて・・・

  4. 1月以降は11勝5敗のスパーズですが、デローザンの不調・離脱やゲイの離脱もあって最近は明らかに下降線を辿っています。それでも勝ち星はそれなりに拾っているので悲惨だったシーズン序盤に比べればマシですけど。ケガ人や個人の不調が重なり、層の薄さも露呈してしまって、再び上昇気流に乗るには時間がかかりそうな感じがします。というかこのまま一向に調子が上向かない気さえして不安なところです。

    この試合を欠場したホワイトは1月4日のラプターズ戦でレナードを抑えて評価を上げましたが、それ以来同等のインパクトは残せていません。それは、そもそもどのチームのエースでも抑えられるというほどのレベルではないということかもしれません。
    あと、パウが復帰してからパートルのプレイタイムが削られてしまっています。個人的にはコーチ陣がパートルよりパウを優先する理由が全くわかりません。

    選手の起用法も含めて、最近またポポの手腕に疑問を感じてきました。手元にある選手をどう組み合わせれば最良なのかを考えるのは上手いと思います。しかし、相手のやることに対して有効な手段をとり、相手を好きにプレイさせないようにするという点ではあまり上手さを感じません。その辺りのことについて、よろしければご意見いただけないでしょうか。

    1. 昨シーズンは合わせるのすごく上手かったですけどね。
      今シーズンは狙ったメリットを享受できていないと思います。走れるパートルではなく、じっくりとプレーできるガソルを選んで走られているのは、自分たちの良さを優先しようとして失敗って感じです。

      ホワイトがエースを抑えているかは別にして、この試合は明らかにコートを広く使われ、そこを追い切れませんでした。
      ホワイトはそこら辺が上手くて、エースを止めるというよりは、チェイスしまくって困らせますよね。

      ポポビッチを神格化していなので、まぁこんなものだと思います。描いたことが上手くいく時もあればいかないときもある。ただ、安定感に欠ける若手を信頼しない方針は変化していないので、フォーブスを信じるだけでも限界なのでは。

  5. 明らかにバグリーは積極性を見せていましたね。3pも積極的に打てば平均以上の確率は残すと思うのです。僕が最近気になってるのはWCSの限界感以上にボギーのフィット感の無さです。WCSははなからわき役としか見ていないし本人もその自覚はあると思います。対してボギーはどうも持ちすぎてタフショットでオフェンスのリズムを崩しがち。PGっぽいことしてるんですが上手く出来てないですよね。ベンチの狙いでもあるでしょうが明らかにヨギの方がボールの回りがよくなるのに二人出ててもボギーがハンドラーをします。
    大型っていっても最近だと普通かもしれないが兎に角ポイントフォワード的に育てるつもりでしょうか?僕が今シーズンのキングスをずっと観てて1番ムズムズするのはそこですね。この試合もスピードも高さもないのでインサイドに突っ込んでめちゃくちゃになったりしてましたけどバグリーがフォローしてくれて事なきを得る場面がありハラハラしっぱなしです。ボギーの扱い方どうなんですかね?

    1. 個人的にはボグダノビッチはあまり好きではないプレーをしていたので、仰っていることはとてもよくわかります。
      とはいえ、全員が同じようなリズムのチームって変化に欠けるので、6thマンとしてのボグダノビッチは悪くないと思います。でもあくまでもフォックス&ヒールドとの交代で使うべきで、3ガードは違うし、全体的にボールが止まってしまいます。

      そして6thマンとしてベンチメンバーをみると、バグリー&ジャイルズはフォックスのスピードと組ませたいんですよね。ボグダノビッチとWCSをコンビで考えたほうが面白い気がします。

  6. 変化ですか、確かにその観点でいうとそういうハーフコートタイプではありますね。最近だとJJの方がトランジションでのランが目立つしディフェンスでも高い相手に一人でも頑張れるのでほんとにフォックス&ヒールドと組ますならボギーじゃ無いんですよね。おまけにオープン3ならそこそこ決めてくれるようになったし。かつてのベンチモブのターコルーみたいな感じになれれば御の字ですかね、まぁターコルーはマジックで大成したんですけどね。

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