データが追いつかないネッツ

勝負弱かったチームに何が起こったのか。

◉ディアンジェロとネッツ

このブログはネッツ推しですが、管理人は根っからのネッツファンではありません。昨シーズンに初めてリーグパスと契約してNBAを本格的に見るようになった中で、その高度で超現代的な戦術をこなすドアマットチームという面白さと、エロすぎるディアンジェロ・ラッセルの魅力に惹かれたのでした。レイカーズ時代のラッセルには魅力を感じなかったのに手のひら返しの面白さでした。

そんな経緯があるのでオフに大した補強をしなくても勝てるようになった今のネッツには納得するとともに、予想よりも早い成長ぶりに驚きもしています。
「大した補強」はしていないけど、「的確な補強」をしているのも現在を形作っていて、指名権をもらいながらチームを強くするショーン・マークスとケニー・アトキンソンコンビに脱帽。
とはいえ「もう一人の主役」であるディンウィディーの不在は痛すぎて苦しみまくっています。というか、ケガ人が多すぎてチームのコンディショニングが最大の弱点になっているのでした。要するに人数不足でもがいているわけだ。この後で勝率を落としそうなので、まとめておくのが今回の趣旨です。

12月7日から1月末までの成績が20勝7敗でバックスに次ぐ勝利数を上げました。一気にプレーオフ圏内に上がってきたネッツ。当然得失点差もプラスです。
しかし、この数字は勝率7割オーバーの強豪としては少し寂しい数字でもあります。特にネッツはそもそもペースの早い高速系オフェンスを中心に組み立てていて、速攻が多いというよりもスクリーンを駆使して簡単にフリーになった選手が積極的に3Pを打っていくのが強みで、レーティングが高いわけじゃないけど得点が多い典型的なチームでした。
それって大勝もするけど大敗もするような形が多かったわけです。まずは今シーズンの変化について、ここを触れていきましょう。

〇レーティング差 +2.5

これで20勝7敗は驚きで似たような勝率のバックスは8.9、スパーズは8.4、ウォーリアーズは8.0あります。異様に少ない差異で高勝率を上げたことに。
その理由は簡単で2桁点差で勝ったのが4試合しかなく、二桁点差で負けたのが4試合もあります。負けるときは大敗し、勝つときは僅差で勝ちました。なお、負けた試合は主力を休ませる強豪みたいなパターンもあります。

しかし、以前に書いた記事では接戦の弱さが目立ちました。

これで8連敗してからネッツは勝ち始めたのですが、ここで触れた通りディフェンスに意識を向けるようになったのも大きな変化です。変化というかアレン・クラブがケガで離脱してそうなった疑惑もありますが。
この期間でディフェンスレーティングの良い選手が驚くべきことに

〇ディフェンスレーティング
ディアンジェロ・ラッセル 102.3
トレバン・グラハム 103.3
デマレイ・キャロル 105.8

オフェンスの主役として活躍しているラッセルの出ている時間に守れているというのは驚異。以前よりもかなりディフェンスが良くなったラッセルは、マッチアップを守るというよりもヘルプの位置が改善しました。上手く全体で連動できるようになっています。まぁポカも多いけど。
これを構成している要素も不思議だったりします。

〇ターンオーバー 15.7(28位)
〇ターンオーバーからの失点 18.2(24位)

ネッツの弱点はターンオーバーの多さと、そこから失点してしまうこと。スクリーンを多用し、スペーシングとパッシングで組み立てるチームにはありがちな要素です。ウォーリアーズも多いからね。

〇ターンオーバーからの失点
ラッセル 10.4
グラハム 8.1
キャロル 9.7

これが少なめなのがこの3人。といっても差異が分かりにくいですが。特にラッセルはプレータイムを考えると少ないのでした。まぁ要するにラッセルがいるとオフェンスミスが少なくなり、しかもFG%も上がってきたのでカウンターを食らいにくくなっているのでした。
この辺の数字を捉えにくいのもネッツらしさかもしれません。誰もが活躍するチームは、スーパーな活躍をする選手がほとんどいないチームでもあります。だからラッセルがオールスタークラスのパフォーマンスをしていることはチームに大きな成果をもたらしました。単に活躍しているのではなく、攻守の安定をもたらしています。

◉デュラントが欲しいけど

デュラントが欲しいのは、どこのチームだって同じですが、ネッツが欲しい理由はマッチアップ関係なく守れる選手の活用があるからで、これまでもサイズ関係なくインサイドでも守らせていました。
とはいえ、やっぱり少しずつデメリットがあるわけで、「サイズのあるウイング」不足は深刻でした。まぁ別にネッツに限らないけどね。

ドラフトで指名したのはムサとクルッツ。わかりやすい指名ですし、渡邊雄太に初めに声をかけた理由も同じでしょう。大切なのはインサイド選任タイプではないってことです。
先に戦力になったのは2巡目のクルッツ。バルセロナではスターターどころか1軍の帯同もほとんどしていなかったとか。ここでもマイナーリクルートしているわけだ。
才能がある選手だけでなく、自分たちに必要なタイプの選手を選んで成功しています。ディンウィディーやジョー・ハリスに代表されるように他のチームで失格の烙印を押されながらネッツで輝く芸をもった選手達。

変な言い方ですがクルッツはオールラウンダーだけど、多くのことはしません。やってほしいのは全部なのだけど、それぞれで圧倒するというよりも、全部を一定水準以上になってほしい。
エースキラーになるほど守れる必要はないけど、ガード相手でもついていける機動力が欲しいし、リムプロテクターじゃなくて良いけど、後ろからブロックするくらいの高さは欲しい。リバウンダーじゃなくて良いけど、インサイドで頑張れる高さは欲しいし、3Pだってそれなりに決めて欲しい。
ここまでクルッツは極めてオールラウンドな能力を発揮しています。

〇ロディアン・クルッツ
9.1点 FG46% 3P29%
3.8リバウンド 0.3ブロック 0.6スティール

何もないようなスタッツながら全てがあるクルッツ。それがネッツに不足していた要素でもありました。
シューターのジョー・ハリス
動けるビッグマンのアレン
小さなビッグマンのRHJ
それぞれが特徴のある選手だっただけに、オールラウンドに助けてくれるクルッツは大きく効きました。

同じことはキャロルにもいえるので、2人がプレータイムを得ていることでネッツには多少の安定がもたらされました。それは爆発力を犠牲にもしています。アレン・クラブをはじめとしてケガ人が多かった事情でもたらされた安定ではありますが、それが新加入のルーキーなのだから計算通りなのかもしれません。
本当はデュラントが欲しい。だけど獲得できるわけない中で、的確な補強になっていたドラフト指名。そしてここが本当にデュラントだったら、チームの機能性を増したうえでの個人力のアップです。高度な戦術に個人技が組み合わさるから面白いネッツを象徴するようなクルッツの活躍になっています。

活躍っていうスタッツじゃないんだけどね。印象度は高い。

◉勝負の3Q

さて、勝負強いが今回のテーマですが、いうほどクラッチに強くないのもネッツです。それは各Qの得失点差を比べてみると明らかに。

1Q △0.8
2Q △0.3
3Q 4.1
4Q △0.3

このチームもまた3Qの優位性で押し切っていることがわかります。1つのQで+4点は結構な記録なのです。この時間に優れているのはFG52%という高確率な部分。

〇3Qの成績
ラッセル FG59.5% 3P50.9%
ハリス FG58.5% 3P55.6%

なんじゃそりゃっていう数字の2人。でも得点はチームで31.9点のうち2人で11点なのでそこまでじゃないのです。エースが得点しまくっていることで優位性を生み出すのではなく、全員アタックが可能にしているラッシュの3Q。

細かなスクリーンとタイミングを合わせたチームプレー。そこに必ず加わるハードワークとわかりやすいネッツなのですが、勝率を上げた理由は試合トータルの中で上手くゲームコントロールが出来ていたことでした。
前半からの流れの中で、後半開始から的確にディフェンスの弱い部分を活用しつつ、自分たちは高確率で決めていたことになります。
今回の記事で厄介なのは、「勝っている割に数字で表すことが出来ない」ことだったのですが、その理由がここにあったような感じのネッツ。3Qにしっかりとリードを奪い、4Qをクローズする戦い方が実践できるようになってきているのでした。

◉ネイピアーとグラハム

さて、数字は置いといて今回の連勝でキーポイントになっていたのは第3PGのネイピアーの存在でした。普通のチームは好調時にローテーションをいじらないのですが、ラッセルに休みを与えたバックス戦で33分間プレーさせ32点を奪うと、それからローテーションに組み込まれ始めました。

2人のPGで回していたチームに加わる3人目のPGは基本的に2人同時起用になります。それだけチームバランスが崩れるわけですが、決してFG%が高いわけでもなければ、サイズがなくてディフェンスで狙われることのあるネイピアーを敢えて組み込んだわけです。

これはディンウィディーのケガによって大きく効いてきたわけですが、そこに至る以前でもちょっと特殊な役割をしていました。ラッセルとディンウィディーに比べると周囲とのコンビネーションで力を発揮できないネイピアー。要するにパスがそこまで上手くないわけです。
ブレイザーズもガードがいかに得点するかだったので、ベンチからエース代役として使われたわけですが、ネッツでも何だか独立友軍みたいに1人だけ個人技で打っていくシーンが出てきます。

とにかくケガ人が多すぎるため、毎試合のように違うメンバーで戦っていたネッツにとって、この個人で得点してくれるネイピアーの存在はありがたかったのです。
どうしても連携は過ごしてきた時間に左右されることがあるため、ミスも多くなってしまいます。短時間のプレータイムでも3Pを打ちまくっているネイピアーは困ったときのオフェンスを何とかしてくれていました。

またRHJ、ダドリーのケガで登場したのがトレバン・グラハム。これがまたビックリの小さなPFがディフェンスでハッスルプレーをするようになりました。ある意味、こちらも連携不足を補う機動力でした。

ラベートの大ケガにクラブの長期離脱。さらにはディンウィディーまで離脱し、大きなケガから小さなケガまで満身創痍になっているけど勝っていたネッツ。
しかし、さすがに力尽きたようにひどい内容で3連敗中です。練習に復帰したらしいラベートが戻って来た時にチームはどうなっているのか。プレーオフを目指す戦いは最後まで続きそうです。

◉あとがき

もう少ししっかり書きたいのですが、時間もないし「まぁいっか」の内容です。それは別にいいけど、自分の頭の中にあった予想数字と実際の数字に差異が非常に大きかったのが衝撃的でした。
ネッツの好調を生み出したのはディフェンスの改善です。それ自体は明確で12月まで110を超えていましたが、1月は107まで落としました。だけどオフェンス力が変わっていない中で3おちたところでそこまで勝てるかね。ってことで数字で表現がしにくい問題が続きます。

ディフェンスが良くなった一方で1月はペースアップしています。要するにトランジションオフェンスに移行することが出来るようになりました。
確かに速攻が増えていて1月は14.3点とそれまでを6点近く上回りました。でも、オフェンスレーティングは110で変化していません。速攻で得点できるようになったけど、得点力は上がっていないのです。

その意味ではディアンジェロ・ラッセルの大活躍も同じです。これだけの大活躍をしているのに、チームのオフェンスレーティングは向上していないのでした。むしろ、ミスが減ったからディフェンスの向上に寄与したなんて結論付けられています。

ネッツの高度なシステムと個人が成長していく環境は、チームが強くなることを論理的に示してくれています。
ウォーリアーズのようにパッシングと3Pを打ちながら、ロケッツのようにスペーシングとビッグマンの合わせを機能させ、
ドラフト下位で指名した選手を的確に育て上げつつ、他のチームで戦力外になった選手をスターターにまで育て上げる。

そんなチームなのだから勝てるようになった現在は面白おかしくて仕方がない反面で、高い勝率を残せることを裏付けるようなデータには乏しい。
何の懸念事項もないけれど、まだまだ強豪になるには足りない要素が多いってことです。それを解決してくれるのはデュラントをはじめとするオフのFA組なのか、それともここまでの成長率を考えれば来シーズンにはさらに数字を改善させるのか。

勝てるようになってきたネッツですが、足りないことは多くあります。しかし、それを埋めるには現状を崩す必要もあるのがNBAルール。2月はちょっと負けそうだけど、その間にもう一歩強くなってほしいのでした。


データが追いつかないネッツ” への8件のフィードバック

  1. 連敗中の中で、ネッツ記事アップありがとうございます。

    ネッツファンからすると苦しい展開が続いていますが、ラベートの情報は吉報です。

    これからもネッツ記事楽しみにしています。

  2. 管理人さんの影響もあってネッツの試合を見たいのですけど、楽天はやってくれないですよね。あとキングスあたりも、、、

  3. ラベートは練習でウィンドミルしたりしてたので期待しております
    まさかオールスター前で昨年の勝利数を超えそうとは思ってませんでした
    質問なのですがネッツは来シーズンどう言う動きをするのが理想なんでしょう?
    アトキンソン体制が楽しすぎてこのままの大きくメンバーを変えない未来も見てみたくなってます
    大物FAに手を出すのか余り物を安く買い叩くのか
    ラッセルをどうするのかも含めて楽しみにしております

    1. このままでお願いします。このオフにFAならデュラントとレナード以外は不要かな。
      まだまだ若手たちには時間が必要だし、それは主軸としてプレーする時間だとも思うので、FAでスターを加入させるにしても1人だけで限界だと思います。

  4. いつも楽しみにしてます
    ネッツの
    RHJのどんな選手なのか
    特徴について教えて欲しいです!

    1. 小さなパワーフォワードにして、万能なディフェンダーにして、シュートが最近決まるようになってきた人です。ディフェンスで輝けないときは消えています。

  5. ラバートがオールスター明けくらいから帰ってくるとの事ですが、欠場期間でラッセルがステップアップしてくれましたね。
    ラバート帰ってきて、すんなり上手くいく訳ではないと思いますが、プレーオフではネッツの番狂わせ期待してます!

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