2019/02/04 ラプターズvsクリッパーズ

ラウリーは選ばれ、トバイアスは選ばれない。

驚いたことにクリッパーズはハレルがスターターです。その心は何なのか。チームのベストセンターがハレルってことは誰もが知っているわけで、だけどあえてベンチスタートにしていたわけです。これはゲームトータルで影響を考える必要があるので後述。
一方のラプターズはラウリーが欠場です。管理人はしっかりプレーすることが大切だと考えるのでラウリーのオールスターってのは微妙。とはいえ、プレーはとても良いのは事実。そのラウリー不在をクリッパーズはSGAのドライブでついていきます。苦しいんだヴァンフリート。

この対戦は一部の関係者に注目されています。関係者が誰かというとラプターズのフロント。HCにニック・ナースを選び、選ばなかったカラミアンはクリッパーズのACをしています。
フロントには幸いにもナースのオフェンスがカラミアンのディフェンスを粉砕していきます。悉くコーナーでフリーになるラプターズの面々。そこからの3Pを決めて先にリードを奪ったのはラプターズ。ラウリーの不在がディフェンスにしか響かなかったのは幸いでした。
また最近のラプターズの悪いところはレナード一辺倒なことでしたが、ディフェンスの弱い部分をついていったので、レナードが目立たずに得点できたわけです。良かったね。

潮目が変わったのはベンチメンバーになってから。ルー&マルヤノビッチに手を焼き、それ以上にオフェンスを組み立てられなくなったラプターズ。だったらここにレナードを使えばよいと思っていそうなリバース。
ドライブ&キックアウトの形は出来ているのに、全体的に思い切りが悪く、ちょっとずつ遅れているクリッパーズのディフェンスだけでギリギリで間に合っています。
でもそれはCJマイルズが思い切りよくコーナーから3Pを決めたことで簡単に解決し、やっぱり10点リード出来たラプターズでした。ナースとカラミアンの戦いなのかどうか微妙ですが、追いかけてくるディフェンスが間に合っているのかいないのか。ギリギリの中で上回ったのでした。

再びスターターが戻ってくるとSGAの連続突破になります。今度はダニー・グリーンで止めに行くのですが、それすら相手にしないSGA。なお、未だにハレルは目立ちません。ダンクを決めてもそれはSGAのアシストが良かっただけだし。
ラプターズはレナードが目立ち始めます。3Pを決めればブラッドリー相手なのでポストアップで決めきる。イバカも3Pで続き良い雰囲気ですが、ラプターズって前半に3P決めると後半に決まらなくなる印象あるよね。
なのでトバイアスも対抗します。ただ相手がシアカムなのでレナードよりは効率が悪い感じ。そして抜かれかけたところでシアカムがバックファイアーで奪い取って速攻を決め、ちょっと上手くいかなかったクリッパーズで前半が終わるのでした。

前半終了前のラプターズは不思議なメンバーで、ライト、レナード、マコー、アヌノビー、イバカとウイング3枚を並べた大きめのスモールラインアップでした。これはクリッパーズに合わせた対応になっていて、躍動感あるオフェンスを封じることになったのでした。
14点リードになったラプターズ。でも、そんなに強さを感じさせなかったのはディフェンスやルーズボールの強さを感じかなかったからかな。それがあってこそって思うのですが。

◉淡々と進むよ

後半になってもSGAを止められないヴァンフリート。なぜ再びマッチアップが変更されたのかはわからないけど、ボコボコにしていきます。さらにオフェンスでもヴァンフリートはパスアウトを連続で決められず、ドライブするとハレルにブロックを食らいます。
しかし、やっとこさイバカがブロックでSGAを止めるとレナードが3Pでアンサーし、点差は元に戻っていきます。ボールロストしたべバリーがカウンターを食らうとハードに止めたりして。

クリッパーズはインサイドをトバイアス&スコットにした3ガードに舵を切ります。本来はここでハレルが登場するわけでスコットを回したのがどうなるのか。
どうなるのかって思っていたらシアカムに連続で得点され、あっさりとやめてマルヤノビッチが登場と悩んでいるような選手起用に。悩んでいるのかルールがないのか。出番が一瞬だったジェローム・ロビンソン。
ラプターズからするとレナードかシアカムのどちらかがミスマッチになってポストアップを繰り返すだけだったので楽でした。

ちなみにハレルの件はラプターズのベンチがモンローなので、マルヤノビッチを当てやすいメリットがありました。2人のセンターをどう回すかという点では相手を考えてハレルをスターターにしたのは論理的です。ただハレルが活躍できたかといえば、SGAの大活躍で特に意味はなかったのでした。

淡々と進む試合はベンチメンバーになっても変化はなく、そこそこ得点できるクリッパーズと、苦しんでいるようで時に速攻で得点できるラプターズ。どっちも物足りないままで3Qは終わるのでした。
追いつくほどの要素はないクリッパーズと、試合を決めるほどの要素がないラプターズで17点差です。このまま終わりそうだな。みんな帰ってスーパーボールみたいもんな。

◉ブレイディ

何も起こりそうにないので4Qを観ながらまとめましょう。

クリッパーズはそもそも形なんてなく、個人間の連携能力が高いことで構成されているわけですが、SGA、ブラッドリー、べバリーというトリオはその点ではあまり効果的ではない気がします。この試合はSGAがヴァンフリートを圧倒したことで問題なかったわけですが、本来はガリナリとトバイアスという2人のビッグマン系ウイングのメリットを使いたいわけです。
インサイドでもアウトサイドでも良い選手2人で構成するのと、アウトサイドのガードになってしまうのは大きく違うよねと。べバリーが得点を多くとる試合があったから起用しているわけですが、ちょっと苦しくなってきたね。
ベンチから登場のルー&マルヤノビッチの方が効果的な連携をしていたのは間違いなく、わかりやすい形があったのでした。

おそらくスコットをスターターに持って行ったほうが面白いと思いますが、それをリバースが悪いというには離脱者が多すぎます。試行錯誤する中で成功することを探すしかないわけで、采配を否定するほどではありません。
層が厚いチームだったのに、ガードだらけになってしまいました。活躍している選手を優先すると自然とそうなったのでしょうが、ブレイザーズがフッドを獲得したことを考えると、何とかできなかったのかなと思います。バーアムーテがケガしているといってもオフェンスは期待できないしな。

ラプターズはやっぱりハードワークが足りない。そこのエナジーを感じないのですが、その理由がラウリーのヘルプディフェンスがないことや、ラウリーのパスがないことで速攻にならないって事なら大問題。ラウリーがいないってのが響いているように見えています。
そこでレナード頼みになりがちなわけですが、その逆にベンチメンバーは変にボールを回しているだけで、結局は個人技アタックが多く、ラウリーだけでなくチーム全体の問題を感じます。

シンプルなピックプレーの数を増やすだけで全く違うと思いますが、ベンチだとアヌノビーをエース的に扱っていた形でも良い気がしますが、それも出来なくなっています。
つまりはスターターとベンチとちょっと違う問題を抱えているような雰囲気で、なんでこうなっているのか理解できないんだよね。60勝は固そうだったのに今ではそんなチームに見えません。

ケーシーがいなくなったことでディティールへの拘りがなくなったのならば結構な問題ですが、ピストンズも拘れていないのでHC個人じゃないような。カラミアンとナースがACとは思えないような振る舞いをしていた昨シーズンを考えると、組織としてのコーチ陣が弱くなっているのかもしれません。
全てを語るのはプレーオフの結果なので、シーズン終了までに計画的にチームを作れるのかどうか。何が不足していると捉えているのか、ナースとレナードの胸の内を知りたいのでした。全てはブレイディのようになれるかどうかです。

そして試合は延々と淡々としています。もうクリッパーズも諦めてしまった。20点も離れていないのですが、追いつく要素を全く感じないのでした。早く帰ってスーパーボールみよう。トロントで盛り上がるのか知りませんが。


2019/02/04 ラプターズvsクリッパーズ” への6件のフィードバック

  1. スタッツと9分位のハイライトしか見てないですが、スモールで戦ってたLACの3PAが12本だけなのが少し驚きました。なおかつFG%も4割前半。確かにSGAのドライブフィニッシュにボコられてましたけど、それ以外の部分ではしっかり3ptとゴール下を抑えられていたと感じたんですが、そこらへんTORのディフェンスってどう見えましたか?

    1. クリッパーズはあまり3P打たないので、それを見越してインサイドを守っていました。それ以上にシアカムがトバイアスを守れているのが大きかったかと。SGA以外には有効でしたが、チームとしてというよりは個人が優れていた印象です。
      これでルーズボールなんかの早さが際立つと良いのですが。

  2. ブレイディの名前を、当日に出すのはいけないです。
    帰ってからスーパーボウルをビデオで楽しもうと思ったのに、その名前を見たので、「ペイトリオッツが勝ったのかな・・?」という視点で見ることになり、楽しさが半減しました。
    情報を絶っていたけど、まさかこのブログで触れられると思ってなかったから見たのに。
    他のスポーツの結果を示唆するようなコメントは、せめて数日後に以降にした方がよいです。

    1. まさか半日遅れのこのブログでネタバレ的になるとは書いてる方も驚きです。次回からは翌日にします。

  3. レナードに頼りすぎというかボール持つときは極力周りは動かないでくれってレナードがナースに要求してるんじゃないかってくらい動かないんですよね。後はイバカはバックス戦ではパス見てなくてTO出したり集中力に欠けることが多い気がします。年齢考えたら仕方ないかもしれないですが…。バランチュナス早く戻ってきて

    1. レナードが要求している可能性も否定できないくらいですね。シアカムと動き方についてなんか言ってたし、実際にあるのかもしれません。
      レナードにやらせるならシュート力のある選手で固めた方が良さそうですが、スターターはそんな構成じゃないしなぁ。

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