2019/02/03 ヒートvsペイサーズ

オラディポはいません。

オラディポが離脱してから負けているペイサーズ。でも、前回オラディポがいなかった間はちゃんと勝っていたじゃないか。試合は観ていませんが、これが日常から起こる変化に困るってことを思い知らされます。ペイサーズのようなチームで戦うタイプでも、選手がいたりいなかったりでは安定感を欠いてしまうわけです。

そんな試合はペイサーズよりもヒートに目が向いてしまいます。びっくりしたのはホワイトサイドのためにインサイドのスペースを作っている事。それが出来ないチームだったし、出来ない理由は全員がアクティブに動き回るからでした。
悪く言えば動きの少ないヒートのオフェンスは、ホワイトサイドの高さを存分に使いながら、ペイサーズを圧倒していきます。ただ、ちょっとペイサーズの事情もあって、サディアス・ヤングがホワイトサイドの相手をしているけど、ターナーはあんまりヘルプに来ません。アウトサイドに引き出されているといえるし、まずは自分のマークマンを守るのがペイサーズの考え方ってことかな。
ヤングは高さで劣るのでホワイトサイドにやられていきますが、だけどヘルプをしながら守っているので否定するほどではありません。

一方でオフェンスでもヤングが目立ちます。多分、単純にホワイトサイドが空けてしまうから。でも、ヤングを空けてもシュートを外してくれることも多いわけで、むしろこのマッチアップはヤングのシュートが決まらないことでヒートのリードが出来てきます。
ヤングがサボニスになるとオフェンスが若干改善したペイサーズ。とりあえずオラディポ不在を感じさせていませんでしたが、ここから大きな分岐点が訪れます。

セカンドユニットになるペイサーズ。サボニスとケガから戻ってきたタイリーク、ホリデー3男まではまだしも、TJリーフとサマナーが出てきます。マグダーモッドをケガで欠くこの試合。どうもオラディポというよりは、全体的に少しずつ選手が足りていないのが日常になっている様子。
といっても、各チームにケガ人はいるわけでワガママはいえないのですが、このメンバーがとにかく守れなかった。さすがに苦しかったホリデー、サマナー、リーフを並べたフィジカルのなさでした。


ヒートのベンチが優れているかというとそんなでもないのですが、ホワイトサイドにスペースを与えたということは、両コーナーでスペーシングする選手がいるわけですが、オールスターに出ることになったウェイドもこの一から3Pを決めるなど、かなりスムーズな連携になっている様子。
時に速攻で取り返すペイサーズのセカンドユニットでしたが、とにかくオフェンスが苦しかったね。ヒートの有利が続きました。

ディフェンス力とチームワークのペイサーズ。オラディポの不在は少しずつ後ろにしわ寄せがいって、守れないシーンが増えることに繋がっています。
一方でそんなメンバーの出番を減らせばよいわけですが、そこはしないのがネイト・マクミラン。昨シーズン成功した理由は慌てずにしっかりとチームの形を継続したことなわけで、ピンチな状況になったら次の選手が登場することを信じたわけでした。だてにランス・スティーブンソンを信じたわけじゃないぜ。

このことは前半で早々に結果が出てきます。スターターが戻ってきた2Q中盤以降は完全なペイサーズの流れに。ヒートのオフェンスはしっかりとスペーシングしながらキックアウトも混ぜていますが、それを上回ったオフェンスのペイサーズ
コリソンとジョセフが2人で形成するオフェンスは、オラディポのアタックがなくてもパス&シュートにシンプルなピックプレーで得点になるのでした。ある意味スターターの強さを信じたわけです。

逆転されたヒートですが、オリニクが3Pにゴール下フックで再逆転。それをジョセフが3Pで返しますが、ウェイド様のフリースローで1点リードしたヒートでした。

◉ホワイトサイドじゃない問題

後半もこの流れを維持したペイサーズのスターター。パッシングと連動性ある動きで次々にイージーシュートを生み出せば、キックアウトするとターナーやボグダノビッチの3Pに繋げていきます。
ペイサーズはオラディポに任せすぎることが多くありましたが、逆にこのメンバーの方がチームオフェンスを徹底する気持ちが強いし、ポジションの取り方が上手い。

ならばヒートはホワイトサイドを活かすわけですが、前半と違ってヤングがペイント内でポジションをとらせず、またそもそもパスがあまりうまくないヒートなので、ホワイトサイドにボールが渡りません。
ただし、これって渡らなくても問題ないというのが普通です。今や3Pを打つビッグマンは珍しくないわけですが、逆にインサイドの強さを全面に出すパターンも増えてきました。高確率で決めるから意義があるセンターの役割。
代表的なのはジャズのゴベアー。ウォーリアーズやラプターズなんかもこのパターンを使います。で、これらのチームに共通するのはハンドラーが得点するのが基本だということ。そのハンドラーへのマークを強めるとビッグマンが空くっていう寸法です。わかりやすい。

なので、ホワイトサイドを使えるようになってきたヒートは、インサイドに引き付けてくれるだけで十分なはず。・・・なのですが、残念ながらハンドラーがスペースを貰っても突破力が足りないので、上手くいかないのでした。
リングに近い位置にホワイトサイドを置く形が出来始めたようなヒート。じゃあ近い位置にいて徹底マークされたらどうするのか。まだ解決していません。
ということで、一気にペイサーズがリードを得ていきます。全く違うセンターの使い方をするので、ターナーとヤングがコートの中を動き回って合わせていくので、守るほうもついていくのが難しい。ヤングに打たせなくなったことで、得点効率の上がったペイサーズ。
ボグダノビッチが超高確率で3Qまでに28点と爆発して、最大18点までリードをあけたのでした。

◉エースがいない

これで終われば「オラディポがいなくてもペイサーズは強い」で終わったのですが、そうは問屋が卸さないのでした。
再びセカンドユニットで停滞していきます。今度はスポルストラがセカンドユニットにホワイトサイドを当ててきたので、マクミランもサボニスにターナーかヤングを組ませるので、フィジカル的なデメリットは減りましたが、サマナーがターンオーバーをしたり、余計なファールをしたり。13-0のランで一気に反撃したヒートなのか、反撃されたペイサーズなのか。

3Q終了間際にウェイド様が3Pを決めて7点差で迎えた4Q。マクミランもさすがに苦しいと感じたようで、若手たちを下げるのですが、びっくりするほどシュートが決まらなくなります。
3Pはもちろんミドルもはいらない。ヤングのゴール下にしたのに決まらないのでタイムアウト。3分間無得点です。

だけど無得点はヒートも同じ。何一つ有効な攻撃手段がないようで、全く得点できず、トランジションでフリーになったウィンスローへウェイドがパスを通してやっと両チーム通じて初得点です。
ムードは完全にヒートになっていて、ディフェンスも締まっていきます。締まっていなくても決まらないシュートだったのに、締まったからターンオーバーが増えていくのでした。初得点は4分半が経過してからと苦しみまくったペイサーズ

ところが点差は5点のまま。ヒートもまたターンオーバーが増えていきます。守られているというよりミス。ミスが続くからシュートチャンスが出来ても決まらない。
コリソンはホワイトサイドと1on1になったのに仕掛けられず、ショットクロックがなくなって仕方なくいくとスティールされる始末。
そのスティールから走ったホワイトサイド。ゴール下でミスマッチなのにヒートは違うところでパスミスしてしまい、ホワイトサイドの強さを使うことすらできません。

両チームともに同じ悩みがあったこの時間。要するに「こんなときにオラディポがいれば」状態になってしまいます。高さは使えているのだから、広がったスペースを突破してしまうハンドラーが欲しいヒートと、全員がタイミングよく動いて合わせるのだから、きっかけとなる突破をしてくれるエースが欲しいペイサーズ。
クラッチタイムをエースに託すってのはこういうことなのか。両方に足りない存在が、苦しい状況を示しています。

ターナーのキックアウトからボグダノビッチ3Pと代役候補が得点し、コリソンも今度はミドルを決めて残り3分半で再び12点差にしたペイサーズ。ブログ書く時って当然、得点したシーンなんて殆ど書かないわけですが、この4Qは両チーム合わせて7本のFGしか決まらない異常事態でした。全部かけたね。

9本の3P全て外したヒート。ディフェンスが良くなってせっかく巻き返してきたのに、ホワイトサイドを上手く使えそうになってきたのに、やっぱりオフェンス力が足りな過ぎたのでした。

ペイサーズはオラディポの不在が響いたのは終盤の話だけでしたが、使えるのがスターターの5人+サボニスになってしまったのがマズい。タイリークが意味わかんないことしているのは計算外にしても、ホリデーが頑張ってくれないとマズそうです。
本当はホリデーをスターターにして、セカンドユニットのバランスを保ったほうがゲームを通した安定につながると思うのですが、そういうことは好きじゃないマクミラン。結果出しているから、文句は言えないよ。

そんなわけで久しぶりに観た両チームはなかなか面白かったのでした。ロールプレイヤーで組み立ててしまうヒートもまた選手層が強みだけに、ペイサーズの悩みは痛いほどにわかりそう。ディフェンスの良さで勝負しているけど、それだけじゃダメなんだって共通の悩みを持っているのでした。

2019/02/03 ヒートvsペイサーズ” への4件のフィードバック

  1. Jonah Boldenについて。彼は長いウイングスパンと高い運動能力を持ち平均以上のボールハンドリングに3Pを兼ね備えた良い選手だと思ってます。そんな彼がブレイクするにはどういうタイプの選手を目指すといいと思いますか?
    記事に関係ないことですいませんがお聞かせ願えませんかm(__)m

    1. ボールドウィンは守れるのが良いですね。ネッツに欲しいタイプです。
      3Pは打てるけど、そこの能力で勝負するセンターって特に意味がないので、しっかりとインサイドプレーをやるチームが良いでしょう。それがあってのアウトサイドかな。
      何でも出来るけど、基本的なフットワークを使えていないので、ロケッツでカペラ的なのが向いていそうです。

  2. タイリークはセカンドユニットと組ませた方がいいというのは私もそう思います。見ているとオフェンス面でターナーと全然合わないんですよね。サボニスとの連携はまぁまぁ。この前の3試合はタイリークも休んでいたので、スターターのSGにサムナーを出したのですが、これが完全に裏目で全時間帯守れないひどい状態になりました。
    そこでセカンドユニットからジョセフを引っこ抜いてスタメンにしたところ、スターターはまともになりましたが、セカンドユニットのディフェンスは言及されたとおりホリデー、サムナー、リーフなのでリードを保つことができず、4Qtrのエースが必要なところで得点できずに負けたのがマジック戦でした。バランスアタックのチームでもエースって大切ですね。ランスがほしい。
    この試合も同じような展開で負けてしまうのかと思いましたが、まさかヒートも同じような状態で、ペイサーズにお付き合いしていくれるとは思いませんでした。ウェイド様が引退するまでは再建に動きにくいでしょうし、悩ましいところでしょう。中継で何回かパット・ライリーが映っていましたが、彼も悩ましそうな表情をしていましたね。
    ペイサーズは放っておいてもこのシーズン終了後契約切れの選手が多くてキャップスペースが空くので、トレードデッドラインまでの大きな動きはなさそうです。となると、同じような試合展開で悶々とする日々が続きそうです。

    1. マグダーモット待ちですが、その前にサモナーの所を塞がないといけませんね。昨シーズンのもう1人のヤングやアル・ジェファーソン的な活躍を期待していたのでしょうが、ディフェンスがなぁ。

      ローテにホリデーは必ず加える必要があるわけで、そこの使い方次第だと思います。オフを待つのかコンリーに行くのか。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA