2019/01/23 サンダーvsブレイザーズ

噂のブレイザーズ第2戦

ポートランドにあるブレイザーズは移動距離がNBAで一番長いチームです。昨日はユタで、今日はオクラホマでの連戦に。それでも遠くないだけマシなのか。
同じく連戦とはいえ、ブレイザーズよりもはるかに条件の良いサンダーがルーズボールへの反応で上回り、ディフェンスからの速攻を繰り出していきます。ポール・ジョージのスピンムーブからのフローターとか、どこのドノバン・ミッチェルだよ。
そして止まらないウエストブルックがミドルまで決めるのでどうしようもない状態に。自分に引き付けてパスアウトが最も得意なパターンだけど、その前にストップジャンプシュートが決まると守るほうは何もできなくなります。

何よりポール・ジョージが絶好調。ステップバック3Pも決まるわ、アダムスへの見事なパスも通すわで止められない。厄介なエース2人が躍動するのだから、どうしようもなかったブレイザーズ
前半のサンダーオフェンスはそれくらい止めようがなかったのでした。この水準で常にプレー出来たら、もっと良い成績だよね。

それでも7点しか離されなかったブレイザーズ。ジャズ戦に続いてバックドアへのパスが冴えわたりますが、なんでそれが出来るかといえば、インサイドのスペーシングがよくなったことでした。主にハークレス&レイマンというのが、とりあえずの結論。ハークレスは消えていたな。
わかりやすかったのが、抜け出したリラードがゴール下へのパスを貰うもファンブル。しかし、慌てずそのままコーナーで待つアミヌにパスを出したシーンでした。たんにヌルキッチとリラードのコンビに思えて、チーム全体の連動性なわけだ。

加えてレナードがまたも3Pを決めるし、ベンチメンバーも対抗できていたわけですが、それ以上に前半だけで11のオフェンスリバウンドでチーム全体のミスを助けていきました。
サンダーのルーズボールに頭を悩ませたブレイザーズですが、ハードワークなら負けるわけにはいかないのです。サンダーの好調なオフェンスとは対照的に3P3/17だったのに十分に対抗したのでした。

ここで思い出されるのは、最近のサンダーのディフェンスの悪さです。守れているのに守れていない、非常に悩ましい状況がこの試合では顕著に出てしまいました。
そこそこのディフェンスしか出来なくても、ミスからの速攻を食らわず、ディフェンスリバウンドを抑えれば守れたりするものです。サンダーはその逆を進んでいるわけで、せっかくオフェンスが良くなってきたのに、ディフェンス面の課題が噴出中なのでした。

 
◉見応えある3Q

後半はお互いにブロックを連発しインサイドの攻防が難しくなり始めます。それでもインサイドのスペースを作れるようになっているブレイザーズは、合わせのプレーでゴール下を決めるシーンも。
ここで驚くのはジャズ戦と同じ流れになっていること。バックドアが多かった前半から、そのインサイドスペースが合わせのプレーで使うようになること。そして決まり始めるマカラムの3Pで5分経たずに2点差になります。

ブレイザーズというか、リラードがとった作戦はウエストブルックに時間とスペースを与えること。要するにアウトサイドでフリーにしたわけです。リードしていることもあって打たないウエストブルックですが、サンダーのオフェンスは流れが悪くなります。
なのでポストアップを増やすウエストブルックですが、そこはフィジカルに守るリラード。だけどバランスを崩してもリカバーが早いウエストブルックと、的確に助けに来るアダムスで対抗しています。

ところでサンダーってアブリーネスやディアロってケガなの?この試合は出てこなかったわけですが、守れていないシュルーダーを相手にマカラムが次々とシュートを沈めていきます。ディアロなら守れたんじゃないのか。
後半の状況はウエストブルックばかりにやらせるように仕向けたリラードと、マカラムに得点させるリラードです。個人対決ではウエストブルックが上回るけど、試合の中での駆け引きこそがリラードの強みだよね。
そしてついにウエストブルックからスティールしたマカラムがそのまま速攻を3Pでフィニッシュし、ブレイザーズが上回りそうになります。

このままブレイザーズがリードするかと思ったら、ポール・ジョージが取り返した3Q。非常に充実している両チームって感じでした。見ごたえあったね。だけど、それはお互いにラッシュしきれなかったともいえるかな。

◉流れをつかみ切らせない

4Qもポール・ジョージがスティールからのハンマーダンクで点差を8点に広げるスタートです。さらにシュルーダーが2本のミドルで二桁リードに。スタミナが切れてきたかブレイザーズ。でもセカンドユニットじゃないか。

ここでびっくりな選択をするんだ。ヌルキッチとレナードの同時起用。そこにレイマン、リラード、カリーだよ。3シューターと2センター。言い方を変えるとハンドラーのリラードにパサーのヌルキッチ。あと3人のシューター。
これが成功し、空いたインサイドに侵入するリラード。ヌルキッチのミドルなんてものまで決まります。ちょっとだけ点差を詰めてアミヌとマカラムも戻ってきます。

流れをつかんだと思ったけど、またもウエストブルックのインサイドアタックとポール・ジョージのディフェンスによって9点差に戻されるのですが、今度はリラードが連続でトランジションからのレイアップを決めて残り6分4点差に。
アダムスの連続オフェンスリバウンドからウエストブルックがレイアップを決めると、アミヌのオフェンスリバウンドからマカラムのコーナー3P。
ウエストの3位と4位を争う両チームだけあって、一歩も譲らないわけですが、それが守ることではなく、得点を取ることで譲らないってのは両チームらしくない展開に。

延々と拮抗した展開が続く中、それまで冷静なパス回しで判断の良さが光っていたヌルキッチのパスをポール・ジョージがスティールからの速攻で残り2分半9点リードにします。
この大きな一撃に即タイムアウトのブレイザーズですが、セットしたオフェンスは上手くいかず、逆にポール・ジョージのアタックにファールで止めることになり、MVPコールの中でフリースローを決めたポール・ジョージによって試合が決まったのでした。

◉ヌルキッチが上手くなった

ジャズ戦はヌルキッチが上手くなったというのは難しかったのですが、この試合ではハンドオフをもらいにくるマカラムに簡単に渡さず、フェイクからのミドルを決めたり、ディフェンスの逆を突くようなパスになっていました。
つまりはブレイザーズのオフェンスが良くなった点はヌルキッチをポストパサーとして使う形が定着してきたわけだ。でもレナードまで良いパスを通していたから、チームオフェンスが形になってきたってことかな。

もともとマカラムのオフボールムーブが目立っていたチームですが、今シーズンはターナーをPG役にしてリラード&マカラムをシューター的にする使い方を開幕からやっていました。
「パスが良くなった」と捉えるのではなく、「オフボールムーブを中心にしたオフェンスが形になってきた」と捉えたほうが適切な気がしてきます。いろんな役割をしていているリラードのゲームメイクあっての形なのは確かだけど、よりヌルキッチが活躍するようになってきたね。

ヌルキッチが活躍することは非常に大切で、昨シーズンは終盤にベンチに座っているシーンが結構ありました。それだけ弱点もいくつかあるわけです。だけど、こうしてオフェンスの中核的な役割が出来るなら、メリットも大きくなるよね。
オフボールの形が出来てきたことでポストタイプのセンターを起用する意味が大きくなってきたわけだから、与えられた戦力の中で工夫が実ってきたテリー・ストッツでした。

そんなブレイザーズを上回ったサンダーですが、スティールの多さに反して守れていないよね。この試合だけ言っても16もスティールがあるのに、レーティングだと109.6だよ。それはマズいでしょう。
ブロックも多いし、ルーズボールも強いのに守れないサンダー問題。それをオフェンスで解決することでフタをしてしまっているね。ポジティブなようでネガティブ。

いつも言ってるけど、アダムスはとても良いのだけど、ハードワーカーだからプレータイムをノエルとシェアしたほうが良いと思うぞ。ノエルもディフェンスが向上してきたわけだし、リムプロテクターとしてはアダムスより上だよね。
与えられた戦力の強さを信じすぎているようなドノバン采配は、時に強さを生み、時にひずみを生みます。今は良くてもプレーオフに向けて、ディフェンス問題に手を付けないと苦しくなりそうです。

まぁそんなことを吹き飛ばすようなポール・ジョージだったね。



2019/01/23 サンダーvsブレイザーズ” への6件のフィードバック

  1. 内容的には悪くなかった試合でしたが、TOが多過ぎましたね。それも横パスカットからの速攻がね。
    あとは、ハークレスのイジーミス2本とアミヌトレインマンの3Pが1本づつでも入っていれば違った展開になっていたと思います。6連勝中のUTAにもAwayで勝ち、OKCに勝って勢いをつけたかっただけに残念な結果となりました。このちょうしならPO出場は大丈夫だと思うのですが、POに向けて補強が必要と思います。上手いトレードが出来ればよいのですが、誰が適任だと思われますか?また、誰なら出しても良いでしょうか?

    1. スターターはハークレスかレイマンかって問題がありますが、今のバランスを崩してまで欲しくなる選手は簡単には取れない選手達ですよね。なので、やっぱりベンチから得点が取れる選手が欲しいです。理想的にはトバイアス・ハリスやモンテレズ・ハレルですが、指名権と交換でブルズのポーティスなんか狙えないですかね。コリンズとレナード両方の役割を任せることが出来るし、ヌルキッチの代役もそこそここなしそうです。

  2. 高い位置でヌルキッチとリラードやマカラムでハンドオフを狙うだけでなく、そのままバックドアやフレックススクリーンをかけ、空いたスペースにパス出して決める形がチームとしてやる割合が増えた印象があります
    いずれもインサイドのスペース空けた上で最終的にリラードかマカラムにボールを持たせて勝負できていたので非常に良く出来たオフェンスだと思いました

    あとフォワード勢の使い方がストレッチのみというのは現状のメンバー考えるとキツくなりそうなのでなんとかして欲しいですね

    1. レイマンで改善しそうなのはストレッチとしても、オフボールムーブの役割としても使えることですね。ハークレスだとちょっと苦しいけど、ディフェンスの良さはあるし。どっちも捨てがたい。
      スプラッシュブラザーズみたいにオフボールで動かし、ヨキッチみたいに起点にする。最近の傾向を現状のメンバーで上手くとりいれています。

  3. OKCファンです。いつも楽しみに拝読しています。せっかくのスティールを、慌てすぎて逆にターンオーバーにしてお返ししているケースが最近目立ちます。原因はここが大きいと思われますか?

    この試合の前半のように、裏にスパスパ通されるとスイッチディフェンスだとキツいですね。なんだかスイッチすることが目的になってしまって結局ミスマッチを作られて守れないみたいな、本末転倒になっている感じがして歯痒いです。あとは、シュルーダーの所がやはり狙われるのですが、トレードはあるでしょうか?

    1. ターンオーバーが少ないと誉めた次の試合からターンオーバーが増えましたからね。アグレッシブなのは良いけど、それが出すぎてしまう印象です。苦し紛れに打たせてもリバウンドを取られては意味がないですし。速攻のミスも目立ちます。

      シュルーダーは単に狙われるだけでなく、サイズの問題もあってリムプロテクターが欲しくなります。ウエストブルックとアダムスは良いコンビですが、シュルーダーの時はノエルの方が向いているかと。

      カンターどうするのかなー。カーメロもいるけど。

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