スーパーなルーキーはアメージングなスタッツを
19歳にしてユーロリーグMVPを獲得したドンチッチは、他のルーキーたちに比べて高い期待度もあれば不安もありました。それを「ドンチッチ予想」として開幕前に書きましたが、見事に予想をはるかに上回る活躍をしています。
その活躍度は大きな話題になり、オールスターのスターターをゲットする可能性も高く、ムーブメントを起こそうとしています。
開幕からのドンチッチへの評価は
・まだ戦術への対応が甘く、機能していない
・独りよがりなプレーが目立つ
・チームとしてドンチッチにやらせまくるようになった
・戦術ドンチッチ
・レブロン以来のルーキー
こんな感じで推移しています。まぁ別に取り立てることはなく、20試合くらいは準備段階として必要であり、そこからチームの中心に移行してきました。
これらの個人的な活躍度はポジティブにみています。本当にすごいと思うよ。一方でマブスとしては本当にそれでよいのかは疑問なことが多く出ているのでした。
連勝で一気に勝率を伸ばしてきていたころは、「ドンチッチはチームの中心の1人」でしたが、次第に「ドンチッチのためのチーム」になってきました。その変化は勝率を落とすことになっています。
ドンチッチをレブロンやハーデンのようにプレーさせて、個人能力を伸ばすという意味では理解できますが、あまりにもドンチッチ個人にやらせすぎなのでした。
これらの点も踏まえて、開幕前の予想と現状を比較していきましょう。該当記事はこちら。
当時の予想ではドンチッチのユーロでのスタッツを並べ、キングスのボグダノビッチがどんな成績を残したかで予想しました。
14.5点 → 11.5点
FG45.6% → 40%
3P29.1% → 29%
4.6アシスト → 3.5アシスト
5.2リバウンド → 4.0リバウンド
ただ、ここにチーム状況なんかも踏まえると、もう少しポジティブな結果が出てくるという予想でアンケートをとりました。最も多かったのは
12~15点 FG43%前後
アシスト 4.5本~6本
そして実際にはこんな数字です。
20.2点
5.0アシスト
6.7リバウンド
予想をはるかに上回る素晴らしい数字です。まずは管理人が考えていたことと何が違ったのかを捉えていきます。
FG43.5%
まず、ここが予想通りです。ドンチッチのプレーはスキルベースになっていて、十分に通用すると考えていましたが、とはいえNBAレベルのリムプロテクターやディフェンダーに遭遇する機会が少なかったことから、少し苦しんだわけです。当時はこんなことを書いています。
タイミングと周囲の動きへのパスフェイクを駆使して打っているのでNBAでもチームと高さに慣れれば対応出来るはず
まぁ大体予想通りといえます。でも、本来はこのFG%で15点に届かないと予想していたわけなので、他の部分が予想を上回ってきました。
その1つが高確率の3Pシュートです。なんせユーロでは30%を下回っていたのに、NBAにきて(距離が遠いのに)確率が向上するとは予想もしませんでした。
3P37.3%
これはNBAにはいってくる20歳くらいの若者としては極めて高い数字であり、そのシュートもステップバックを駆使したプルアップが多いので、難しいシュートを高確率で決めています。当時の予想はこんな感じでした。
ハイライトの中でステップバック3Pが多かったように、タイミングをずらし、ディフェンスとの隙間を作ってから打てることです。前後の駆け引きはNBAでも通用します。これが高さを活かしたジャンプシュートだと簡単に止められる可能性があります。
というわけで通用すると思ってはいたけど、こんなに決めるなんて予想できるわけないじゃん。ハーデンみたいにステップバックを決めてしまうからディフェンスからすると厄介極まりないね。
しかし、最も予想外だったのはこちらのスタッツ
フリースローアテンプト 6,2本
ファールをもらうのが実にうまいドンチッチ。先日もドリブル中にカリーに少し押されただけでバランスを崩していたのでした。フィジカル的に弱くないので間違いなくわざとやっているよ。
極めて器用にディフェンスに体を当てていく、そのうえでタイミングを外したシュートが打てるので単にファールをさせるのではなくシュートをしっかりと打ち切れます。これが出来ないと単に弱い選手なんだよね。ドンチッチは上手い選手。
スピードはNBAレベルでは苦しいと予想していたドンチッチですが、ポジションがガードじゃなかったのでスピード負けするシーンが少なく、フィジカルの強さというかボディバランスの良さを使っています。
◉ポジションレブロン
この点についてはポジション問題も大きく絡みます。当初はPGというかコンボガードだと思っていましたが、マブスは戦術ドンチッチというか、レブロンみたいなポジションにしています。
それはディフェンス面ではPF的にふるまい、オフェンス面ではPG的に振舞わせること。スピードの不安は関係なく、むしろフォワードポジションでもフィジカル負けしないことが特徴になりました。
レブロンだけでなくウエストブルックやハーデン、さらにはロンゾなど流行系ではありますが、ディフェンスリバウンドをとり、そのままボールプッシュさせることをマブスは狙っています。攻守の切り替えを早くするわけで。
そのためリバウンド数も予想以上に伸びました。これはチーム戦術としてやらせたわけですが、ユーロでも割と多かったのでリック・カーライルからしたら狙い通りかもしれません。
いずれにしても予想を超えてドンチッチにやらせているのがマブス。それはレブロンやハーデンみたいな感じですが、その2人のような活躍ぶりは出来ないのも事実なわけです。
最近はデニス・スミスをトレードする話が出てきましたが、マブスが選んだのはドンチッチによるワンマンチームです。響きが悪いけど、実際に1人でやるって意味ではなく、ドンチッチを全ての中心に考えて作り上げるという意味です。
どんなサポートメンバーを揃えるべきかはドンチッチの成長に合わせて決めていくでしょうが、これだけの役割をもつことでさらに輝きを増してきている今日この頃のドンチッチ。
なので、それは間違った選択だとは言えないよ。昨シーズンはチーム戦術の中核になったベン・シモンズと強気ジャズのスーパーエースになったドノバン・ミッチェルという珍しいルーキーが登場しましたが、その両方を請け負っているようなドンチッチです。
◉マブスの勝利とドンチッチ
ドンチッチの大活躍を評価しつつも、ドンチッチにやらせすぎなマブス。それはチームオフェンスをするマブスとは思えない選択でした。ドンチッチ予想を外した最大の要因は、こんな戦術を選択するチームにあったといえます。
とはいえ、これで大きく勝率を上げているのだから、間違っていると否定することは出来ません。1試合をみると、もっと他にやりようがあると思うのですが、昨シーズンは勝てないチームだったし、補強したのはデアンドレ・ジョーダンくらいなので良い成績を残していると評価できます。
一方で優勝時を振り返りつつ、ドンチッチのパス能力を期待してひとつの水準があると考えていました。それが
アシスト率60%の達成
ひとつの分岐点になりそうな数字でしたが、大活躍とは違ってマブスの数字はあまり上がっていません。
アシスト率 59.2%→58.4%
個人技での得点が増えたことで得点は増えたけど、アシストの数字は落ちてしまいました。ドンマイ
冒頭のとおり、気になるのがこの部分です。ドンチッチが自分でやりすぎている、というか「やらせすぎている」マブス。もう少しアタックバランスをとるとより効率的になりそうなのです。
あるいはレブロンやハーデンのようなスタイルなら、ドンチッチが得点以上にアシストを伸ばすことで、チームとしてはバランスアタックになるかもしれません。どんな方向に伸ばそうとしているのか。
〇マブスの勝敗とアシスト率
勝利 60.0%
敗退 56.7%
これくらいの差ならば許容範囲ですが、優勝時を考えるとクリアしたい指標です。個人で得点できる能力があるだけに、それをチーム力に変換できるかは、この先のキーポイントになるでしょう。
ドンチッチのオフェンス面で特徴的なのは
・ステップバック3Pの確率の高さ
・ファールをもらう技術
・フィジカル負けせずタイミングをずらしたフィニッシュ
こんな得点能力でした。パス自体も上手く、ギリギリのラインを通していきますが、チームとしてはその能力を最大限に発揮できるタイプのわき役で固めているわけではありません。
この先マブスがどんな選手を揃えていくのかは、ドンチッチの成長とともにマブスが勝つためには大切なポイントになりそうです。
ドンチッチはこの先も書くでしょうから、今回はこれくらいに。最後にデニス・スミスjrのトレードが成立するなら、誰を取るべきなのか考えてみましょう。といってもPGを欲しいチームは少なく、興味を示しているのはサンズとマジックだとか。
当然ガードが欲しいわけですが、加えていえばアウトサイドのディフェンス力とフリーランニングがあるタイプだと、ドンチッチに適しています。極端な例だとアンドレ・ロバーソンで、ハンドラータイプではないガードであり、ディフェンスと速攻で助けてくれます。
マブスにはバレアがいて、ルーキーのブロンソンもプレータイムを得ているのでPG役がこなせなくても問題なさそうです。
サンズで平均1.7スティールを記録しているメルトンは良い候補で2巡目指名権くらいならプラスしてくれそうです。もしもTJウォーレンやウーブレイが提示されるなら飛びつくべきですが、ちょっと難しいのではないかな。
マジックならばアイザックやバンバがとれるなら、長くコンビを組めそうなのですが、成立する気がしません。良いロールプレイヤーはいるけど、そこに未来はないしね。
こう並べてみても、未だドンチッチに誰が相応しいのか見極めることが出来ないわけです。コメントで「デニス・スミスjrは3&Dとして高く評価できないか」という指摘もありましたが、個人的にも現時点で諦めるよりはスピードを活かしたディフェンスと速攻で可能性を探すほうがベターな気がします。
まだまだ何かを決めるには早いけど、早くも期待されてしまう大活躍のドンチッチでした。
バレアは怪我でoutです。
whynotさんのブログを好き好んで読んでいるような者としては、ドンチは「まぁ…凄いのはわかるけどさ…」みたいな温度なんですよね…
ドンチを見てて感じるのは、ブログ内でも仰ってましたが、”ベンシモのサイズ”がある”ミッチェル”なんですよね。
外もいいんですけど、サイズがあるのでゴール下まで行ってフェイクかますとディフェンスが飛んじゃうんですよね。
フィニッシュもかなり上手いし。
でもね…
やっぱりつまんないんですよね…
他にも結構面白い選手いるから、絡みで見たいんです。
怪我しちゃったけど、バレアが引っ張る控え組のバスケは良かった。
デニスミでアイザック君取れそうじゃないですか?
バレアの件もあるので、なんか付けてイワンドゥあたりも一緒に。
TJウォーレンは外が弱いから無しかな。ハリバンを来年切るならウーブレ欲しいかも。ディフェンス重視でミカルもほしい。
というか、どこでもいいからデニスミが見たい。
まぁそうなんですよね。ドンチッチのプレー1つひとつはすごいのだけど、ハリソン・バーンズやマシューズがいる意味はあまりないというか。デニス・スミスに至ってはスネてしまったみたいですね。ドンチッチと同じチームでプレーするということは、役割の欲しい若手には苦しそうです。
サンズは興味がないらしいので、マジックなのかな。でもマジックは若手を放出することを嫌いそうな匂いがするので難しいのではないでしょうか。
マブスファンの僕からすると心よりお待ちしてましたといった記事です
Dsjトレード賛成派だったのですが完成形がエイブリーブラッドリーやビバリーと考えたら育てるのもいいよなと思い反対派に回りましたが
トレード予想でマシューズ dsj ウォーレン ジョシュジャクソンとなっていたのでウォーレンを出してくれるのなら全然ありかなぁと意見をまた変え賛成派にもどりました
サンズの試合はハイライトでちょくちょくしか見ないのですがマブスvsサンズでは30点近くとられて負けたのでかなり好印象です
スタッツを見たところ今期に入ってスリーの確率、アテンプトが大幅に向上しているので面白そうだなぁと思いました
またサラリーも4年で50mしかも25歳とかなりお買得かと思います
マブススレで上がってるポーターとの第二のハリバン構築トレードに比べたら明らかに良心的で逆にサンズフロントが心配になってきます
管理人さんに聞きたいのはウォーレン ジョシュジャクソンのプレースタイルとドンチとの相性
マブスのプレータイム、スタメン予想もお願いします
今期に入りようやくマブスの記事が陽の目にあたってきてとても嬉しいです笑
更新とても楽しみにしています!!
ウォーレンは非常に良い感じに仕上がってきましたが、ジョシュはミスが多く悪い感じに仕上がっています。
どちらもディフェンス力があり、よく走るタイプなので、あまりFGが高くないドンチッチを中心にディフェンス力で勝負するなら悪くない選択肢だと思います。ただ、今の戦術ドンチッチ状態でジョシュが伸びる気がしないですし、カーライルは嫌うタイプだと思います。戦術理解度の高い選手を好みそうなので、ちょっと違うでしょうね。
いつも楽しみに拝見させて頂いております。
dsjのトレード、全然話題にはありませんが、クリッパーズとは無理でしょうか?
dsj +ハリバンとブラッドリー +ハリスとか現実味がありませんか?
個人的にdsjには期待しているので、クリッパーズでSGAとコンボガード同士のバックコート布陣は面白そうかと。
マブス側としても、ガードのディフェンス力アップ、オフボールのカッティングやキャッチ&シュートで合わせられる選手が補強できるのは魅力的ではないでしょうか?
またハリスは昨シーズン、DJとのコンビが面白かったので、ドンチッチ以降のオプションとしても面白そうだと思います。
管理人さんの率直なご意見ください!
トレード案としては良いと思いますが、SGAの様な選手を集めたクリッパーズのフロントがdsjを欲しがるかどうか。サイズがないPGを加える意味合いをあまり感じません。
とはいえ、若手を集めたいのであれば、あり得なくはないですよね。クリッパーズが動くなら様々な選択肢がありそうなので、他に良いトレード話が出てこなければって感じかと。
いつも楽しく拝見させていただいてます
サンズ側からみてもdsj獲れるならおもしろいかなと思ったんですが…仕上がってきたウォーレン出してまで欲しい選手ではないですよね
ドラフトもありますしね
ウォーレンがシュート決まるようになるとは予想外でしたね。契約もお買い得だし、手放す理由に乏しいでしょうね。ジョシュの方が浮いているから可能性があるかと。
ドラフトでザイオンとか取ってしまったら、一気に層が厚いチームになりそうです。
指名権とDSJ、マシューズでラブとかどうですか?出し過ぎですかね
管理人さんのドンチッチ、トレーヤング、ロンゾ、フォックスのランク付けはどんな感じですか?
個人的には
特A フォックス、ドンチッチ
A ヤング
B ロンゾ
です
そのトレードはありですね。キャップスペースも作れるからキャブスにとってはメリットが大きいです。もしもDSJで失敗しても痛くない。あとは両チームの駆け引き次第ってところかな。
その4人だと並びは同じですね。身体能力ならロンゾかもしれませんが。
バランスアタックを諦めた結果の戦術ドンチッチかもと思い始めてます。
DSJのコンディション不良に加え、エースと呼ばせてくれないバーンズがもどかしいです。
アシスト能力が皆無、試合終盤の決定力がないバーンズ、となるとドンチッチ任せの時間が出来る現状も納得してしまっています
私も開幕前はドンチッチは時間がかかると思っていたのに、良い意味で予想外でした。
DSJは機嫌を直して戻ってきてほしいのですが、やはりトレードですかね?
クレバーとか成長してきてるので、やらりバレアの替わりになる選手を引っ張ってきたいと思うのですが、ブランソンの活躍もあるので得点力のある6THマンが良いと思うのですが。全盛期のテリー役は居ないですかね?
デリック・ローズ争奪戦!!!
あとコンリーを狙うのは良い案だと思います。グリズリーズはDSJを欲しいかもしれませんし、良い対価を得られるのがマブス相手かも。