2019/01/16 シクサーズvsウルブズ

因縁がありそうで、なさそうな対戦

トレードからチームの再構成を行い、少し時間が経ったところで再確認するためにしばらく見てきた両チーム。しかし、ウルブズはHC交代していろいろな部分で変化が訪れ、シクサーズは試合によって見せる顔が違いすぎるのでした。

◉いつも通りは何か

ウルブズのオフェンスはHC交代したからといって魅力あふれる内容になんてなっていませんが、勝負すべきところを整理することで試合を通して安定感が出てきました。
ウィギンズのドライブからタウンズの3Pは外れるも、ウィギンズがリバウンドを抑えてタウンズのフックに繋げたり、オフボールでウィギンズ&タウンズのスクリーンでフリーになったタウンズが3Pを決めたりとエース2人が中心で組み立てる部分と、バトラーとのマッチアップが多いギブソンのポストアップを多用するマッチアップを意識した構成です。
やっていることは個人技ベースだけど、シボドー時代から始まったスペーシングをしっかりと使っているので、効果的に攻めることが出来ています。

ベンチメンバーが出てきてもローズがドライブすると、インサイドにヘルプがいない状態を作っているからイージーレイアップ、サリッチも裏抜けしてのリバースということで、ティーグの判断が怪しすぎることと、オコギーのシュートが決まらないことくらいが問題点でした。
実はバトラーのことが苦手なのはティーグ説。いるときといないときでプレーが違いすぎるんだ。

しかし、大きく上回ってきたシクサーズ。エンビートがいるのでハーフコートオフェンスではその強さを存分に使っていきます。タウンズは良く守っていますが、ウルブズには有効な連携ディフェンスが足りないので止めきることは出来ません。
エンビートはタウンズを止められないし、タウンズはエンビートを止められない。ならば互角のようですが、シクサーズはそのエンビートを使うまでもなく速攻を連発します。

1Qだけで7つのブロックを食らわせたシクサーズ。さらにディフェンスリバウンドからも走れます。しかし、最近見た2試合を思い出してみると、バトラー不在で走りまくったマブス戦とエンビート不在で全く走れなかったホークス戦でした。走らない二人だけど、不思議なものでした。
ならば「エンビートがいると走れる」となりますが、その心がなんなのか。違いがあったのはインサイドの安定感があるので、全体が収縮しすぎないこと。走り出す体形になっているわけだ。リムプロテクトできている部分も含めて、守→攻の切り替えの早さが目立ちます。
理由としてはシモンズがパスをもらうポジションに移行しやすいからでもありますが、確かにエンビートがいないとシモンズはセンターをやらされてたね。

そのエンビートがベンチに下がると、今度はマッコネル&シモンズで走り出します。このコンビが違うのはシモンズのみだと、本当に単なる速攻で、コンビだとパス交換で崩してシュートチャンスを作れるのでアーリーオフェンスだということ。
ハイプレッシャーディフェンスにひっかかってくれるウルブズという事情もあって速攻は増え、さらにシャメットとボールデンのホークス戦で出番が少なかったフォローに走って両コーナーから3Pを決めるのでした。

なんとも顔を変えてしまうシクサーズ。本日はポジティブに変化しましたが、その理由が何とも捉えがたいのでした。せめて「エンビートがいるから走れる」ならわかりやすいのに、ベンチメンバーのプレータイムによってもかなり違うのでした。そしてバトラーは走っていないけど、関係なかったとかね。
なお、エンビートがいることでインサイドに収縮しすぎないといっても、ウルブズにオフェンスリバウンドを取られまくっています。取られるけど、エンビートの高さに加えて後ろから襲ってくるシモンズなんかがいるので簡単には打たせないわけだ。

◉余裕がもたらす

ウルブズはスペーシングをしているわけですが、ベンチメンバーが増えると次第にボールムーブしなくなります。ここで良くないのはボールムーブしないことではなく、走ってくるシクサーズに対して対抗する気持ちが足りなかったこと。
ボールがそんなに動かずに個人が仕掛けてシュートまでいくと、コーナーで待っている選手は戻るのが遅くなりがち。さらにトランジションの連続なのにシンプルに打ってくれれば、さらにペースアップしたいシクサーズの流れになります。

加えてレディック、シャメットとシュートが決まりまくった上で、バトラーもミドルやドライブを決めていきます。走れば当然として、走らなくてもオフェンス好調なシクサーズが順調に二桁リードを奪う中で、どんどん個人技になっていくウルブズ

シボドーといえばタイムアウトを使わないことも印象的で、ラストプレーなのにコールしなかったり、だけどプレーの確認をしていないこともありました。何よりもプレーオフでロケッツに3Qだけで50点とられたときに1回しかタイムアウトを使わなかった。
サンダースはシクサーズが3本くらい連取すると即座にタイムアウトを使います。使うのですが、もう全く機能しなくなります。オフボールでの動きに乏しいオフェンスと、前にプレッシャーをかけては裏を取られるディフェンス。全く改善させることが出来ません。

試合開始からタウンズを止められなかったエンビートですが、これくらいになると止められるようになっていきます。その理由はおそらくリードを持っている余裕。エンビート自身はそんなにディフェンスを変えていないけど、タウンズがフックを打つなら少しでも難しくしておけばブロックできなくてもOKな守り方になります。
それはウィギンズを守るバトラーも同じような感じで、ドライブさえさせなければ大ケガはしない守り方。だってウィギンズはそんなに3P決まらないし。オコギーだって決まらないし。

そんなわけで15点差くらいになってから、余裕のある守り方になってきたシクサーズに対して、またもティーグが暴走し始めます。暴走なのか、打開点がないから自分で行こうとしたのかは微妙なラインだけどね。効果的ではないことは確か。
シボドー時代から問題だったシューター不足が明確に出てきた感じの展開です。レディックのようにオフボールで動いて外から射貫く選手がいると、抜かれないことを優先しているシクサーズの守り方に対して有効だし、オフボールでの動きに乏しいチームオフェンスも改善します。
誰も動かなくなってきたうえに、簡単な解決策を求めたがるティーグがワンパスでシュートを打たせようとして失敗する場面が連発します。

そんな動揺はディフェンスにも繋がって、不要なファールで&ワンにしたり、ファールコールされた後でゴールテンディングしたり。
反撃に移行できなかったウルブズでしたが、それ以上にシクサーズのペースにはまり過ぎ、一向にスローダウンも出来なければ、ディふぇんsぬでの解決策もなく、段々とティーグやローズの個人技ドライブが目立ち始め、ローズがレイアップを決めたのにワンパスカウンターでイージーシュートを決められる始末。

前半だけで81-56と試合はほぼ決まったのでした。結局後半になると40点以上の差がついたので前半で観るのをやめましたとさ。

◉そう簡単には変われない

せめてバトラーが超絶怒涛の大活躍をしてくれたなら見る理由もあったけど、因縁めいた部分ではなく、チームの総合的な能力で振り切られただけなので、どうしようもないのでした。
シクサーズから触れると、この試合はたまにある大当たりでした。3P決まりまくっており、それは速攻の多いチームが食らいやすいカウンターの機会を減らしています。大量リードを得ながら、一気に巻き返されるのもシクサーズですが、そうならなかったのはシュートの好調さが維持されたからです。

一方でなんで維持されたのかといえば、ウルブズが試合のペースをコントロールしにいかなかったから。あるいは、真正面からトランジションゲームに挑むこともしなかったから。
シクサーズが走ってシンプルにシュートまで行くのに対して、ウルブズは走らないけどスローダウンもしないで1on1ベースのオフェンスをしているので、一回流れがシクサーズに傾き、セーフティーリードをとられたら反撃できないよね。
走りあえばカウンター合戦になるのはマブスが示していたし、自分たちのパッシングゲームを続ければシクサーズのペースにはまり過ぎないことはホークスが示していたのでした。

まぁ「シクサーズが良すぎた」といえる試合なので、しっかりとゲームコントロールしてもウルブズは勝てなかったでしょう。
しかし、HCが交代したとはいえ、まだまだダメな部分が残りまくっていることを表していた試合でした。ペリカンズ戦ではトランジションディフェンスなどの怪しい部分をオコギーの運動能力で補っているとしましたが、個人突破ではないシクサーズを止めるには不十分

劣勢でも自分たちのオフェンスをやるには、オフェンスパターンが不十分。コビントンが戻ってくれば、ディフェンスが崩れにくくなって、もう少し良くはなるでしょうが、根本的な解決にはならないよね。
チームはそう簡単には変わらないことを示すようなウルブズの惨敗でした。

2019/01/16 シクサーズvsウルブズ” への2件のフィードバック

  1. シーズン平均よりも若干少ないくらいのチーム得点で、TOVもほどほどなのに、これだけの大敗を喫したのはMINにとって大打撃な気がします。
    チームとしてはTOVの少なさ、ORの強さ、FTを稼ぐ力/高確率が強みだと思うんですが、やはりチームディフェンスの面では強みがありません。
    チームの長所を信じていくソーンダースの姿勢はそれはそれで気に入ってるんですけど、コビントンが復帰したくらいじゃとても修正できそうになく、何か解決策みたいなものってあるんでしょうか?それともやっぱりプレイオフは無理ですかね?

    1. プレーオフはウルブズというよりも周囲次第なので、現状では苦しそうですね。もう1チームは落ちてきてくれないと。
      ディフェンス面を改善する方法に乏しいので、キーになるのはオコギーなのかな。かなり無理をしてくれています。

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