2019/01/14 ウルブズvsペリカンズ

5割に復帰したい両チームのサバイバルレース

◉ペイトンのいるペリカンズ

グリズリーズが4つの負け越しで下から2番目という恐ろしきウエスト。管理人の予想はウルブズもペリカンズも「プレーオフを逃す」なので今の成績は予想の範疇ではありますが、それぞれ事情もあるよね。
ペリカンズ最大の言い訳はロンドの代役として獲得したペイトンのケガ。なんせペイトンがいる試合は9勝2敗です。順調なスタートを切りながら、PG離脱で苦しくなりフレイジャーなんかも試しては消えていきます。

しかし、そこまでペイトンに影響力あるのかってのが疑問なわけですが、ひとつにはローテーションバランスがあって、ホリデーがベンチの時間に大いに苦しむのでムーアをベンチにしたりと工夫していました。サイズがあるPGのペイトンなのでハンドラーだけど周囲のメンバーの組み合わせに自由が利きます。
それ以上に大きいのはパサー役として想定されているペイトンですが、止まってパスを出すのではなく動いてアングルを常に変えながらパスを出していくので、オフボールムーブが有効に機能していること。これが今シーズンは出来ていないよね。
ビッグマンにフィニッシャーを抱えるペリカンズなので、パサーの動きとアングル調整がオフェンスを少しずつ変化するものに変えてくれます。ホリデーがスコアラーとして活きるのは言うまでもなく。

アンソニー・デイビスが自分でボールを持って打開するシーンが殆どない1Q。ペイトンとホリデーでボールを動かし、アングルを変え、パスを通してフィニッシュさせる。全体が良いオフェンスになったというよりは、何本かのイージーシュートの割合が増えていきます。
それはホリデーがベンチに下がると明確になって、途端にアンソニー・デイビスが自分でボールを持つ時間が長くなるのでした。序盤にリードを奪ったペリカンズですが、追いつかれて1Qが終わります。

◉コビントンのいないウルブズ

若き暫定HCサンダースを誉めたけど、本日はさらにアンソニー・トリバー、サリッチ、ギブソンの3人のPFのうち2人を同時起用します。もちろんタウンズやジェンも出ているのでビッグラインナップ。
ただし、これはサンダースがやり始めたのではなく、コビントン離脱によって代役をトリバーに求めた結果です。トリバー有能と書いている管理人的には当然くらいの感覚だけど。

シボドーとの違いをいうなら、それをさも当然のようにやらせていること。つまりオフェンスの流れがスムーズになってきたわけです。コビントンはいないけど、チームオフェンスは変わらない。
ちょっと増えたのはサイドからのビッグマン1on1が増えたこと。今からオフェンスを変更するのは非現実的な中でチョイスしたのはスペースを保ったミドルレンジからの勝負です。これも別に目新しくはないからシボドー時代からの構成だけどスムーズになったこと。
だから何かが凄く改善したというよりも、選手たちが気持ちよくプレーしているような変化は感じます。HC交代なのか、単なる気分次第なのかは、もう少し様子をみましょう。

1Qだけで14点を奪ったアンソニー・デイビスがベンチに下がるとホリデーがイージーレイアップになる2Q。ペイトンがPGとして機能すると、ホリデーに任せやすい時間が出来てくる印象です。
こうやって高さよりもスピードで振り回してくる相手だとコビントンの不在は響きそうです。早めにスペースを埋めるようなことが出来そうにないウルブズのディフェンス。ただ、それをオコギーの身体能力で誤魔化そうとしている印象です。
速攻に追いつくのはオコギー。ホリデーを止めるのもオコギー。昨シーズンのOGアヌノビーみたいな役割かもしれません。チームに足りない要素を補うロールプレイヤーとしてポジションを掴む。

総じていうと、タウンズのディフェンスが良くなってきてヘルプの意識が高くブロックショットに飛ぶことが増えてきた中で、リムプロテクトを期待できる一面があり、代わりにボールに出すぎるからスキがいっぱいできます。
ジャズなんかだとボールマンプレッシャーでパスを出しにくくしてからゴベアーブロックな感じですが、そんな細かいディフェンス組織は出来ていないウルブズ。
ただ、生まれてくるスキをカバーしてくれるコビントンはバトラーよりも有効なチームディフェンダーでした。その役割を今はトリバーやオコギーがやってくれている印象です。コビントンが戻ってきても2人を使ってほしい。

ディフェンスが良くなったウルブズにペリカンズは苦しみます。で、その時間はペイトンがベンチなの。前半に52点のペリカンズですが、ペイトンのオン/オフだと

ペイトンあり 15.7分40点
ペイトンなし  8.3分12点

こうやって明確に苦しみました。ペイトンの活躍度なんて大してことないのだけど、主役たちが輝くために小さな動きを作ってくれる選手が必要なのです。んっ、アリーザみたいなものか。

ウルブズは2Q残り3分半の時点で10点リードします。まさかのデンまで起用して、チームのモチベーションを高く保つことに尽力していそうなサンダース。オコギーのドライブジャンプシュートなんかも飛び出ます。
しかし、そこからアンソニー・デイビスが3Pでタウンズを引き出すとホリデーがドライブレイアップ、速攻での得点も繋がり、最後はホリデーからアンソニー・デイビスのアリウープで

◉ペリカンズのらしさ

後半になり早々にアンソニー・デイビスをベンチに下げることになったペリカンズですが、むしろ「らしさ」が出てきます。ノーガードの打ち合いみたいな。
リムプロテクターがいなくなったことで、もうひとつ前で止めたいディフェンスをし、そこをかわされてレイアップを決められると迷わずオフェンスに走り出します。
息つく暇を与えないペイトン&ホリデーの2人のハンドラー。トランジションからピックアップミスを生じさせ、速攻にならなくても、あちこちで様々なミスマッチが生まれ、ミロティッチも決まり始めて逆転します。失点はするけど、それ以上に得点を増やす。

これを延々と繰り返していき相手をバテさせるのがペリカンズだったけど、今シーズンは先に自分たちがバテる試合が多いのでした。ホリデー&デイビスの負担が大きすぎるとそうなる。
スターター酷使のウルブズなんて絶好のお客様なはずですが、HC交代したことで選手を信じる要素が増えたウルブズは、ベンチメンバーが増えてもミスマッチ連続を逆に使ってサリッチが連続得点で対抗します。

ちなみにウルブズはベンチメンバーを積極的に使うけど、タウンズとウィギンズのどちらかをコートに残す混在型を選択する様子。もう1人ハンドラータイプのスコアラーが欲しいのは事実なので、デリック・ローズをどうやって起用するのかは楽しみな要素です。友人がデリック・ローズ好きなことが発覚したけどプレーしていないから書くことがない。

3Qはペリカンズの仕掛けによりテンポアップすることになったものの、十分に対抗できたウルブズ。それがベンチメンバーを多く起用して実現できたのでペリカンズがアドバンテージを得た雰囲気ではありませんでした。
逆転には成功したけど、オコギーの肘を顔面に食らったアンソニー・デイビスという問題もあり、スタミナロスになったかもしれません。

◉守ってウルブズ

3Qの状況を嫌がったか、ウルブズは時間をかけてプレーをセットしていきます。しかし、シュートは決まらない。ペリカンズはトランジションに移行したがりますが、誰もついてきてくれないホリデー。でも1人で行って決めきる。
時間をかけた結果、サリッチが空くことが増え3Pにカッティングで得点し、タウンズがリバウンドを押し込むので逆転するウルブズ。

アーリーオフェンスをするペリカンズは次第にシュートが決まらなくなり苦しみます。スタミナロスかな。まだまだ元気なタウンズがフィジカルで上回りリバウンドを抑えれば、ミロティッチを抜いてダンクで残り5分で4点リードにします。

ペリカンズはビッグマン3人を同時起用します。もう走る気持ちはなさそう。ペイトンはベンチ。ホリデーとアンソニー・デイビスが押し込むと、守ってもインサイドを封鎖することに成功し残り4分で再逆転。なお、どっちも3Pが決まらなくなった。

タウンズが3Pでリードをもたらすと、アンソニー・デイビスのゴール下をブロック。ホリデーのドライブはタイアス、タウンズ、オコギーが連携して止めます。そしてアンソニー・デイビスの3Pをまたもブロックしたタウンズ。
サンダー戦はウィギンズ&タウンズを徹底していたウルブズですが、ホリデーに密着されているウィギンズではなくタウンズを中心に組み立てたい様子。
シュートが外れても外れてもギブソンがオフェンスリバウンドで助け、最後はファールをもらったタイアスで残り1分4点リードに。結局、最後まで守り切ったウルブズでした。

〇アンソニー・デイビス
30点 14リバウンド

大活躍なのですが、前半の21点から後半は失速しました。失速した理由を何に求めるかは難しいけど、1Qのようなパスムーブはなくなっていたペリカンズ。リーグ最高のインサイドフィニッシャーだと思いますが、プレーメイクをほかの選手に任せてこそ威力を発揮するタイプです。

〇タウンズ
27点 27リバウンド
4ブロック

上回ってきたタウンズ。特にディフェンス面での活躍が目立ちました。そしてオフェンスリバウンドだけで9つと最後までフィジカルな戦いを続けたのも好印象でビッグマン対決を制したのでした。

ベンチメンバーを有効活用したサンダースですが、スターター酷使がなくなったかというとそうでもなく、オコギーが42分もプレーしています。
言い換えれば重要視しているのはハンドラーとしての能力以外の部分ということ。この試合も途中でティーグが離脱しているのですが、ボールを長く持つガードがいないほうが機能しているウルブズです。

オフェンス面はサリッチが目立ちましたが、そこにスキがうまれたのを利用した感じ。爆発的なオフェンス力はなく、だけど誰もが強気に攻めることを推奨されているような雰囲気です。
もう少し変化を見てみたい新人HC。次は因縁のバトラーがいるシクサーズ戦になります。

ペリカンズはアンソニー・デイビスをトレードするのかね。しないよね。しないだろうね。
ミロティッチとランドルについての処遇を決めないといけない匂いがします。特にランドルについては個人としてしっかりと活躍しているだけに、インサイドに苦労しているチームに提示すれば、大きな対価を得られる可能性も。
テイタムを中心にしたアンソニー・デイビスをまとめるよりも、ブラウンを中心としたランドルをまとめたら面白そうですが難しいかな。

ウルブズが中心選手を長く起用しながらサポートメンバーを交代していき、最後までフィジカルに戦えたのに対して、ペリカンズのベンチメンバーは沈黙していました。ムーアも目立たない。目立たなくてよいのか。
チーム全体での戦いからを少し失ってきているように感じたのでした。

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