フリーに出来ないクレイ・トンプソン

話題のシューター

クレイ・トンプソンの不調が話題になっています。スプラッシュブラザーズの片割れは今シーズンの成績がすこぶる悪く、12月になってもスタッツが安定していません。

〇FG 43.6%
〇3P 33.3%
〇FT 80.4%

この中で1番深刻なのは、もちろん3P。ルーキーイヤーから40%オーバーを続けていたシューターが3本に1本しか決まらないのは苦しい。まずは3Pについて昨シーズンのショットチャートと今シーズンのショットチャートを比べてみましょう。

昨シーズンは全レンジから高確率で決めていることがわかります。ちょっと苦手にしているのがトップから。リーグ平均36%を僅かに下回っています。トップから打つプレーパターンがあまり多くないチームなので、ボールムーブの結果として回ってきたときや、カリーがオフボールで抜けていったときに利用しているくらいです。
全520アテンプトのうち、356本を左右の45°から放っており、ここが基本となります。やや右サイドの方が多いくらいかな。

今シーズンは不調とはいえ右サイドはリーグ平均くらいに決めており、プレー機会の多いサイドでは機能性が失われていませんが、左サイドとトップが致命的に決まっていません。概ね、全体が同じように落ちているので「本人の不調」と言い切ることが出来ます。
シュートのバランスはトップが少し少ない程度の違いしかなく、やはり従来通り打てている雰囲気。そこまで悪くなったのはディフェンスが良いからなのでしょうか。

〇ディフェンスとの距離別3P

~4フィート 
昨シーズン 34% 35/106
今シーズン 32% 21/66

タイトな状況での確率はそこまで変化していませんが、目立つのはアテンプト数の多さです。36試合で66本と1試合2本近く打っています。カリー不在の時期があり、セカンドユニットにスコアラーがいなかったこともあり、苦しくても打たなければいけない状況が増えました。
タイトに守っているのに33%だと「こんなに決められたらやっていられない」くらい決めているのですが、全体の確率を落とすことには繋がっています。

~6フィート 
昨シーズン 43% 91/211
今シーズン 36% 45/124

オープンと評される状況でのシュート率が大きく落ちています。ハーデンとカリーは43%近く決めているシチュエーションなので、リーグ最高のシューターと評される選手としてはかなり苦しい。とはいえ、一般レベルからすると及第点以上です。決まらないとは言ってもシューターとしての怖さは失われていないことになります。



6フィート~ 
昨シーズン 51% 94/186
今シーズン 30% 23/77

問題はワイドオープンとされるシュートが全く決まらないこと。滅多打ち系のヒールドが48%決めているのに、というか普通レベルの選手でもここまで決まらないって事はないよ。
クレイ・トンプソンの最大の問題点は

ドフリーのシュートが決まらない

というかなりびっくりしてしまう内容なのでした。そうなってくると「がんばれ」としか言いようがないよね。全体が大きく落ちているというよりも、タフシュートが増えながら、それは標準以上に決めているのに、フリーになると決まらないのだからアドバイスのしようがないね。
ただ、逆にカリーのケガがあって、エース的役割が増したことでクイックシュートが増え、それが3Pの打ち方に影響を及ぼしている可能性も否定はできません。チーム全体が戦い方を変更する必要があったことはリズムを失わせたかもしれない。

ということで次はチームメイトからのパスでどんな変化をしているかを確認します。

〇パス相手別3P
グリーン 39% → 40%
デュラント 49% → 38%
カリー 41% → 24%
イグダラ 42% → 25%

こうしてみると問題点はカリーとイグダラからのパスにあります。デュラントのパスは昨シーズンから落ちているものの、そもそも49%ってなんだよ。2人でプレーする機会も多かったのでディフェンスに読まれてしまって、タフショットになったケースも多く、それでも38%なのだから指摘するほどではない気がします。

カリーについては結構な問題で、スプラッシュブラザーズのパス交換が機能していないことに。ちなみにカリーにパスを出すと59%も決めてくれていますが、そもそも18本しか打っていないよ。
ではカリーのパスからほかの選手はどうかというとチーム全体では39%→36%とトンプソンの確率が落ちた程度の影響しかなく、急激にパスの精度が落ちたわけでもなさそうです。ドフリーが決まらない中で特にカリーのパスから決めていないのでした。

◉勝敗への影響度

現在、24勝13敗ですが、これだけシュートが決まらなければ勝てないってのはわかるし、決まれば一気に勝率が上がりそうでもあります。

〇勝敗別成績
勝利 FG46% 3P39% 
敗北 FG41% 3P24% 

ここでも3Pの影響は大きくなっています。不調とはいっても40%くらい決めれば勝率はかなり高くなるはず。30%を割ってくると結構苦しい。この10%の差は得点にすると2点程度ですが、その2点は小さくないよね。オフェンスレーティングだと勝利117で敗北99と大きな差に。
ウォーリアーズと対戦するときには「まず初めにクレイ・トンプソンを止めろ」と書きますが、その理由はオフボールで動き回り、3Pを決めてくるトンプソンを捕まえきれないと、その動きに引っ張られてアレもコレも止められなくなるから。

ディフェンスを広げてしまうだけでなく、スイッチミスを頻繁に引き起こしてくるので、イージーシュートに繋げられてしまいます。その一方でトンプソンを1人で追い掛け回すことができると、ボールマンに集中しやすくなります。そこでカリーとデュラントを止める作業に集中できるわけだ。止められるわけじゃないけど。

〇3P40%以上の試合 12勝1敗

今シーズンは40%決めれば勝利がぐっと近づいています。負けた1試合も2本しか打たなかっただけなので、ある意味止められた試合です。決まらないシューターだけど、決めた試合は勝っている。

〇3P30%以下の試合 9勝8敗

逆に意外と勝っているよね。1本も決めなかった試合でも3勝3敗なので、決まらなくても相手が警戒してくれているケースもあって、チームとしてはそこそこ機能していることも。オフボールの怖さをしっかりと発揮できています。

見方を変えれば「ドフリーを外している」ということは、あまり警戒していないチームを相手にしたときが多いので、打ちまくった試合の勝率が悪くなっています。

クレイ・トンプソンをフリーにして勝つ

普通の神経していれば、こんな作戦を実行するのは怖すぎるので現実的ではありません。シュートが決まらないことで勝率を落としているのは間違いないけど、シュートが決まらないからと言って「チームの勝利に貢献していない」とは言えません。打たせて外れるのをまったチームが得した傾向はあります。

昨シーズンはプレーオフになって一気に状態を上げてきましたが、警戒すべきプレーを続けることが出来ているならば、そのうち復調すると誰もが信じているし、相手からしても無警戒にするのは怖すぎ。チームとしては変わらず打たせており、決まらないからと言ってシステムを変更する理由にもなっていません。
確かに3Pは決まっていないけど、クレイ・トンプソンの怖さは失われていません。逆に無警戒にしてくるチームが増えれば、楽に決めるようになるのではないかな。

クレイ・トンプソンのシュートの特徴は上半身がぶれないこと。個人的には上身と下半身の動きを分離させ、常に上半身を同じ形にして打つために下半身を使い、分離しているから上半身だけで打つパターンを持っているのでクイックシュートも可能になっているイメージです。走り回るチームですが、シュート率を落とさないのは下半身の疲労とシュートモーションに関係性が低いからともとらえています。

安定感のあるシューティングがまさかのスランプに陥っている現状は、「打ち続けるしかない」としかアドバイスされません。どんな選手にもスランプはあるもの。むしろ、ここまで安定感あるシュート能力をみせていた選手の驚きのシューティングスランプは、それでもフリーにしたくない脅威も感じさせてくれています。

フリーに出来ないクレイ・トンプソン” への5件のフィードバック

  1. 個人的には今シーズンはカリーKDが50点取ったり好調なこともあり、ハンドラー偏重のOFになっていて、それがトンプソンの不調に影響してるのかなと思います。
    特にカッティングからの得点シーンが減ったような印象です。
    また、Dウェストが引退して2ndユニットの構成も変わったことも影響してそうですね。
    GSWのファンでもたまに見る程度の印象なので、的外れなことを言ってたらすみません。

  2. 興味深いスタッツ調べて下さり感謝です。カリーとイグダラのパスを決めきれてないのは意外でした。

    個人的にその他の理由があるなら、ウェスタンがタフ過ぎてエースストッパーのクレイの負担が多過ぎるというのもあるかなと思います。14位まで団子でDIFFがほぼ➕って気が抜けなすぎる。

    1. それは書こうか悩んだけど、時間がなくてパスしました。
      ディフェンスの走行距離が伸びていて、それは影響を与えていそうです。

    1. 本人のカットプレーはそこそこ出るのですが、スクリーンを有効にかけてくれるプレーが減りました。
      それは昨シーズン途中から指摘している事項なので、チームとしての問題です。
      ちょうど、グリーンにもっとスクリナー役をさせるような話にもなっていますし。

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