2018/12/31 マジックvsピストンズ

◉上回るはブセヴィッチ

ブルースのダンクで先制したけど、シュートを外すピストンズ。7連続ミスでリードされます。キラー役のはずがフォーニエのオフボールムーブとマジックのパスの角度を変えるオフェンスに対抗できず、カッティングレイアップを決められていきます。

さらにインサイドの攻防では巧みに相手の状況を判断してプレーチョイスするブセヴィッチの前に無効化されるドラモンド。要するにミドルレンジへのプレッシャ-が弱い上にオフボールムーブからのイージーシュートを決められていたため、頻繁にフリーになったブセヴィッチがしっかり決めたよ。あっという間に二桁リード。

マジックのディフェンスはハンドオフからのグリフィン3P、ドラモンドのリバウンドシュートを止めることはできませんが、そこはもう仕方ないってことで、ガード陣を自由にさせずにオフェンスパターンを限定させます。
ピストンズは困るとグリフィンが足を止めるので、この守り方は正しいよね。ブルロックがシュートを決めてくれるわけですが、その前に誰が崩すのかということでレジー・ジャクソンが働くことが求められていますが、4本のFG全てを外してしまう1Qでした。

ゴードンが走ってダンクと良い感じに自分たちの流れをつかんでいきましたが、ベンチメンバーになったピストンズは決まらなかったギャロウェイのシュートを除けば、バランスの良い攻撃で目立ちはしないけど、しっかりと対抗したことで、何とか10点差で1Qが終わるのでした。
内容的にはこれ以上開いてもよかったけど、選手交代もあって続かなかったね。

ところでオールスターの投票が始まったけど、イーストのセンターでNo1はもちろんブセヴィッチだよね? 唯一対抗できるのがエンビートでしょ。選ばれないとかあり得ないから。

◉ケナード

ピストンズはセカンドユニット独立型を選び、それが定着しました。グリフィンとドラモンドというオールスタービッグマン2人をそろえるチームとしては意外な選択でしたが、いないほうがランニングゲームに移行しやすく、ケナード、スタンリーが中心的に何かを生み出すことが求められ、それをカルデロンが助けてくれるのは将来的なことを考えても悪くありません。

ゴール下を支えるパチュリアでも安定を求めた結果、ケナード&スタンリーで反撃していきます。この2人が活躍するにはハイポスト周辺を空けておいてオフボールで利用することと、エンドライン際をカットインしたときにヘルプがこない状況が必要なので、グリフィンがいないユニットのほうが良さそう。
一気に反撃したセカンドユニットで追いつくことに成功します。ケナードは良い選手だと昨シーズンから思っていたけど、グリフィンが邪魔なのかな。

追いつかれたとはいえマジックは若手に経験を積ませる時間なので何ともいえないね。アイザックは良いプレーで判断力も上がってきた様子。それは試合に出ていないと身につかない能力だ。まずはフィジカルを上げてほしい。
一方でバンバのほうが上手く裏抜けしてダンクというシーンもあったけど、全体的には未だに何をすべきか迷っているようなプレーが混じります。もう少しGリーグでプレー機会を増やした方がよいかもしれません。

苦しくなったのでスターターを戻すマジックですが、同じようにケナードにやられていきます。オフェンスの方はゴードンとブセヴィッチが何とか繋いでいき、ドラモンドをファールトラブルにもしましたが、オフェンス力が低いチームだけにミドルレンジから簡単に決めてくるケナードには困ってしまう。2Qだけで11点3アシストのケナード。
ケナードはフォーニエみたいな感じだよね。そして引き付けての緩いパスも通せるから、実はフィニッシャーもドラモンドじゃないほうが際立つのかも。イシュが復帰したらフォーニエとグラントでケナードとレジーのトレードとかどうかな。

完全にピストンズペースになった2Qでしたが、そこにはマジックのベンチメンバーの弱さもあったので、スターターが戻ってくると勢いを止め、やや劣勢程度に。そしてピストンズもスターターになると少しずつ盛り返してきたマジックで、DJオーガスティンのドライブ、ゴードンのドライブからブセヴィッチとシンプルなアタックで崩せるようになったので、前半を3点リードで終わらすことに成功したのでした。
ただ、最後の方でピストンズのオフェンスは、3連続でコーナーからドフリー3Pを打っておりスターターも論理的に崩せてはいます。守り切れなかった要素が強かったのでした。

◉ディフェンスの戦いに持ち込みたい

スローインのため小走りでレフリーからボールをもらおうとしたグリフィンが床に足を滑らせてしまいます。運動神経ない芸人みたいなコケ方だ。まぁ当然そんなわけなく、ドライブ&ワンで同点にして後半が始まりますが、ゴードンの3Pをチェイスしてファールしたドラモンドが4つ目に。うーん、追いかけないから決められて、追いかけて余計なファールをする。ピストンズは割り切れていないから不安定なんだろうな。

ピストンズはグリフィンとドラモンドの強さがあるので、ミスマッチを作ってポストアップで得点し、その2人にマークされるのがゴードンとブセヴィッチというマジックは、アウトサイドに引き出してはマークミスを誘って決めていきます。お互いに守れない状況は変わらず。
それを嫌がったのはマジックで、互角だけど早々にタイムアウトにします。でも普通にドラモンドにゴール下で暴れられるけど、外しまくったドラモンド。「自らとーる」を何回もね。

前半終了間際にコーナー3Pを連打出来たように、マジックのディフェンスはインサイドの方を固めたい考え方。固めるからブセヴィッチがブルースを連続ブロックなんてプレーも出ますが、固めてもドラモンドを止められません。狙ったディフェンスを正面突破されています。
しかし、オフェンスは良い感じというか、1on1の部分で巧みにファールを引き出したり、ターンシュートで制していくと、ドラモンドが後退の時間になってベンチに下がってくれました。

これでマジックの狙い通り3Pを打ってくれたピストンズ。ちなみにしっかりとフリーで打っているからよいシュートだよ。だけど決まらなかった。3Pが外れるのを祈るディフェンスでリードを奪うマジック

ところが今度はマジックもシュートが決まらなくなります。3Q残り5分から5点しか取れなくなったマジック。その理由は何かっていうと難しいね。前半同様にベンチメンバーの弱さとしかいえません。
好調だったころのマジックはベンチからの得点力が武器になっていて、それはロスとシモンズの個人得点でした。本日はシモンズが不在の上に、ロスがダメな日のようで突然のプルアップ3Pを決めるものの、FG1/4に終わったのがきつかった。ゴードンも滑ってコケるし。

そんなわけでオフェンスの戦いからディフェンスの戦いに持ち込みたかったマジックの作戦は成功したのかどうか、よくわからないけど、どっちもシュートを決めることが出来なくなりました。85-83のスコアはオフェンス力が高くない上にペースも早くない両チームの対戦としては、かなりのハイスコアですが、その一方で段々と得点できなくなってきているのでした。

ちなみにタイムアウト中のチアガールも滑ったのか足を痛めて退場していたよ。

◉オーガスティン

DJオーガスティンがかなり厳しいジェスチャーでプレーコールしているので若手たちの動きに不満なのだろうね。ただディフェンスは抜かれずにしっかりと守り、外から打たせます。この外からは困らせての外打ちなのでディフェンスの勝利。オフボールで見事なプレーをするケナードはレフリーコールに狂わされてしまい、怒るケーシー。
そんなわけでどっちも得点できない展開に。前半と違いすぎるけど、それはマジックの狙いがうまくいっているかな。3分半でお互いに2点ずつしかとれず。

しかし、そこからDJオーガスティンが個人技で連続得点すると、アイザックが1人で間を抜けて行って速攻レイアップを決めて8点リードにします。一瞬のラッシュ。残り7分でもグリフィンを戻さないピストンズとスターターになったマジック。ブセヴィッチの3Pも決まって優位な状況で終盤を迎えます。

戻ってきたグリフィンのゴール下を豪快にバレーボールアタックするゴードン。しかし、次のプレーではフェイクに引っかかって&ワンにされて4点差に。しかし、ついてこないグリフィンを見切って3Pでアンサーするゴードン。
ピストンズはミスマッチを作りたいのだけど、ハンドラーがグリフィンになっているとなかなかスイッチしてもらえません。作戦ミスだし、まともにぶつかり合うことに。それでもドラモンドが押し込んでくれたりするけどね。
一方のマジックはDJオーガスティンが巧みにコントロールして、1on1ではない状況にしてシュートを打たせていきます。互角の状態で時間が過ぎていくのでマジックの勝利が近づくし。

時間消費を避けたいピストンズは速攻を決めるも、ブルロックがサイドラインを踏んだりして、うまくいかず。マジックは時間を使ったオフェンスを繰り返します。シュートは決まらないから助かっているけど、ロングリバウンドがブセヴィッチに落ちてきたりしてさ。

しかし、残り1分40秒でブルロックの3Pが決まって3点差になると、リバウンド争いの中でDJオーガスティンが足をひねってしまいベンチに下がることに。かなり苦しいマジック。

中途半端なオフェンスになってゴードンのミドルが外れ、なぜかこの時間でもブルースがレイアップに行って外れます。好調なケナードをベンチに置いてのディフェンス優先で何を止めたいのかな?
さらにレジーのミドルも外れます。どちらもグリフィンを経由せず。次のオフェンスもフリーで呼び込むブルロックに気が付かず、袋小路に運んでしまったレジーがタイムアウト。

タイムアウト明けはブルロックの3Pが外れるもドラモンドがリバウンド。もう一度がなかなか上手くいかない中でレジーがリバースレイアップで1点差にして残り7.5秒。

スローインのマジックはプレッシャーをかけてくるピストンズの裏を取ったロスが走ってダンク。走られたのはまたレジー。これで5.4秒3点差。
スローインでグリフィンがボールをもらい、もう一つパスでブルロックの3Pを狙うと、ここでファールをもらいます。3ショットになって全て決めたブルロックで同点に。果たしてロスのダンクという選択は正しかったのかどうか。逃げまくって時間を使ってのフリースローにすべきだったのか悩んでしまう同点劇。

残り2.5秒のマジックはロスとみせかけてのフォーニエ。2.5秒という時間を考えてシュートチェックをしっかりしてドライブにファールしないことを優先したスタンリーが簡単に抜かれてしまい、ハイポストからのフローターを決めたフォーニエのブザービーターで勝利したマジックでした。

プレーオフを争う直接対決で、どちらに転んでもよい試合をものにしたマジック。戦力的な苦しさを感じさせる内容でしたが、こういう試合をものにしていかないとプレーオフにはならないよね。4Qのオーガスティンのコントロールは見事で、いなくなるとオフェンスが組み立てられませんでした。
しかし、そこをディフェンスの粘り強さで時間を使わせることで逃げ切った感じ。本当にオーガスティンで得たリードを、ただひたすらに時間を使うことで逃げ切ったんだ。もちろん最後はクラッチショットを決めたフォーニエを誉めなければいけませんが、少ないチャンスをいかに手に入れるかを目指した勝ち方でした。

オフェンスの戦いだったはずが、それを嫌がったのがマジックというところでチームの目指す部分を曲げなかったことがもたらしたわずかな差の勝利だった気がします。

これで6位のホーネッツ以下が5割を下回ることに。イーストの泥沼なプレーオフ争いも続きます。




2018/12/31 マジックvsピストンズ” への4件のフィードバック

  1. ブチェビッチ、マジックにいるから実力の認知度が低いのでしょうか?まぁ今季から実力上げた部分もあるので、まだ時間かかるのかな。ホントにプレイの幅が広くて、中々安定しているのですが。

    リムプロテクトと走り合いには不安は残りますが、レイカーズに欲しいなぁ。出場も30分以下にすれば全力でプレイできますし、ブチェビッチの短所が出たらタイプが違うCと交代させればいいし。レブロンとも中々合うと思うのですが。

    1. アメリカでもメジャーチームばかりが取り上げられる印象は強いですよね。マジックはゴードン中心という風潮が強いのも知名度を妨げているというか。
      レイカーズはチャンドラーよりもブセヴィッチでしょうが、対価を払うならズバッツに頑張らせたいでしょうね。思い切って指名権くらい放出してもよいと思いますが。

  2. 管理人さん、またまた勝たせましたね。笑

    ブセビッチは売られるのが既定路線みたいになっててちょっとだけ寂しいです。そのぶんバンバの成長に期待!

    NBAの日本語公式サイトにゴードンはエリートディフェンダーになれる〜みたいな記事があったんですが、管理人さんの目から見てどうですか?さすがに言い過ぎというか、オフェンスの中心になっていくんじゃないんかい!って感じがしちゃいます。

    1. ゴードンはグリフィンに似ている部分があって、フルパワーを出せるシーズン前半に大活躍して、次第に沈黙していきます。あまりディフェンダーには向いていない性格な気が。オフェンスにパワーを残すのも必要ですし。
      ヘルプで能力を使ってほしいからアイザック、イワンドゥと組んでのスモールラインナップにしたら面白いと思います。今の役割だとよいディフェンスをしたところで、そこまで存在感を示すことはなさそう。あとはアンテトクンポキラーになれるかどうか。

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