2018/12/21 クリッパーズvsマブス

試合前にデアンドレ・ジョーダンが休むとか報道されてなかったっけ?

◉前回と違う

ホームで13勝、アウェーで2勝。そして気がついたらマブスは3連敗中なのね。戦術ドンチッチが印象的な前半と、内容を変えてきた後半だったナゲッツ戦。ドンチッチの印象は良かったよ。ただし、この試合のスタートは戦術ドンチッチではなく、バーンズ中心の通常パターン。
もう少し細かく言うと「戦術ドンチッチ」はスペーシングして、インサイドのジョーダンを狙っていくことを中心にしていました。全てはドンチッチが司る。それは個人技ではなく、チームとして意図した攻め方です。

本日はジョーダンvsゴータットなわけで、ジョーダンとクリッパーズの関係性を考えても、徹底して狙っても良かった位なので意外な選択でした。それはクリッパーズにとっても同じなのか、開始3分5-2の場面でタイムアウト。

タイムアウトを挟んでもマブスはドンチッチパターンにせず、ブロンソンのピック&ロールからバーンズへのキックアウトなど、的を絞らせないオフェンスになっています。

クリッパーズはフリーで打っていくブラッドリーがなかなか決まらず苦しいスタートに。やっと決めてくれたのはガリナリ。
こちらもルーキーのSGAがPGとしてゲームメイクし、システムがあるのかどうか良く分からない形ながら、非常に上手く作っていきます。チームが苦しんでいてもトバイアス個人技にしないので、まだ余裕がある。

ガリナリが自分で打つ分には良い感じなのですが、パスを繋ごうとすると失敗することが多く、マブスディフェンスの狙いにハマってしまいます。しかし、何度もオフェンスリバウンドを奪い、繋いで行くのでした。ちょっと不思議な感じ。

5分も経過するとドンチッチが積極的に行きますが、今度はクリッパーズのディフェンスにハマってしまいます。こちらも自分で打つ方がよさそうな。バーンズのコーナー3P、ドンチッチのフローターでリードを得ます。

しかしベンチから登場したハレルによって走られ、ベバリーに止められ、あっさりと逆転されると、やっとボールを貰い始めたトバイアスがダンク。スコットの3P。ノビツキーを押し込んだハレルのゴール下で30-27とクリッパーズリードの1Qになりました。ハリスのブザービーター3Pがなければ苦しかったよ。

◉ベバリーとブラッドリー

クリッパーズはここ9試合で2勝7敗で4連敗中。やばいぜ。でもまだ5割を下回っていないから、貯金が効いているし、ウエストの厳しい戦いの中では許容範囲。特徴的なのはこの2試合がFG50オーバーで負けていること。サンダー戦はシュートは決まっても26ターンオーバー、ブレイザーズ戦は12ターンオーバーだけどリラード&マカラムに打ち負けた。
そういえばクリッパーズのオフェンスを褒めた記事書いたら「それよりもディフェンスだ」と力説しているコメントがあったけど、あれ?

ブラッドリーとベバリーが思ったよりも働いていないこともあるのだけど、特にブラッドリーね。2Qになってベバリーが個人でバレアを止めてくれるのでマブスのオフェンスはチグハグに。
オフェンスになると殆どをルー&ハレルで攻めきってしまいます。1Qに狙いが定まっていたマブスディフェンスなのに、主役の2人を捕まえきれないとか。スコットのコーナー3Pが外れても、走ってきたハレルがプットバックダンク。早々にノビツキーを諦めたカーライル。

パウエルのリバウンドシュートや、バーンズの3Pで何とか得点はとれるのだけど、ハレルは止まらないし、バレアは止められるし。そしてスコットvsバレアのミスマッチを作られてしまって7点差まで広がってスターターが戻ります。戻ったけどSGAはファールトラブルですぐにいなくなった。ベバリーが残る方が困るファールトラブル。

ガリナリはドンチッチを狙って攻めていきます。マブスはドンチッチをPF登録にしていますが、その心は楽なマッチアップにさせてリバウンドをとり、ボールプッシュし、全てを構成させること。ただ、トバイアスってわけにはいかないからガリナリなわけだ。
一方でオフェンスではベバリーやブラッドリーに守られます。バックビハインドでブラッドリーを抜いたと思ったら、後ろからボールに手を引っかけられて辛いドンチッチ。さらに滑ってコケたはずなのに、その状態からボールに触ってしまうブラッドリー。うざい。

残り3分で登場したマルヤノビッチ。の親友トバイアスがドライブレイアップで10点差になります。ただ、しつこいディフェンスのブラッドリーもファールトラブルに。ちょっと可哀想。
マブスはフリースローで得点出来るのですが、オフェンスそのものはマルヤノビッチに止められ、流れが良くない。さらにルーからマルヤノビッチへのアリウープ。ルーのドライブにアウトサイドから走り込んできたトバイアスと止まりません。

バーンズがよく決め返したけど、クリッパーズの11点リードで前半が終わります。雰囲気的には20点差くらいでもおかしくないので、頑張ったマブス。ただ離されたのはベバリーとブラッドリーのハイプレッシャーに対して、バレアとドンチッチが強引にでも仕掛けようとしていたことなので、試合開始みたいにバーンズを増やせば良かったのにね。

あとジョーダンはオフェンスで死んでいる。ハイポストをうろうろしているだけ。ナゲッツ戦みたいな事をしない意味は何なのか。

◉戦術ドンチッチ

ドンチッチのスティールもでて勢いよくマブスの3Q。ブラッドリー相手に&ワンも決めてやりかえすドンチッチ。ところが今度はバーンズが決まらない。マシューズがトバイアスに完膚なきまでに止められていることもあって、ドンチッチ一辺倒になっていきます。

ベバリーのディフェンスに追い込まれるドンチッチですが、その度に最後はファールをもらいます。上手いのか何なのか、いや上手いのは間違いなのだけど、バランスの崩し方がファールコールしてもらいやすいのかな。

クリッパーズはシュートが決まらない。リバウンドとったのにそれすらも外す。なので点差が縮まっていきます。ドンチッチの3Pで5点差に。ジョーダンもプットバックダンク。

苦しいので登場するハレルまで外してしまいますが、ディフェンスの方は改善し、しっかりとヘルプが寄ってきて、リバウンドを抑えて走る形に。そしてトバイアスだけは外してくれないし、シンプルにパスを回してくれるので少しずつリズムを取り戻し始めます。

しかし、止まらないドンチッチ。ビックリするほどドンチッチ任せなオフェンスなのだけど、上手く行くのだから素晴らしきルーキーなのか、守れないクリッパーズなのか。ドンチッチが1人で取りかえすような形で、自分でスティールし、自分で打って外し、自分でリバウンドをとって、と繰り返していきます。

まぁあれだよね。ハリソン・バーンズが来シーズンに移籍希望しても驚かないよ。エースになったと思ったら、スポットシューター扱いにもなっているし。FAになっても今のサラリーは稼げないだろうから残るだろうけど。デュラントがいなくなったウォリアーズとかないとは言い切れない。

そんなこんなで、89-82で3Qが終わります。見事だったドンチッチだけど、耐え抜いたクリッパーズだし、個人技だから耐え抜けたとも。ドンチッチが大活躍しても、そこから波及するオフェンスではないよね。

◉守れない戦い

ハリスとバレアのコンビが連続得点で2点差になって4Qが始まります。あれだけドンチッチに耐えていたのに、セカンドユニットの攻撃は耐えきれないとか。ちなみに前半と違い、クリバーとメジリのビッグマンコンビになっており、これが守れる事に繋がっています。ハリスの3Pで逆転。

いやいや、ここまで苦労してきたのが笑えてくるわ。やっぱりセカンドユニットで強みを出すのがマブスでした。そこにあるのはディフェンス力。守ってバレアで攻めるのが機能します。機能するっていうか、しっかりと得点差に出来るというか。

メジリが相手だったので、マルヤノビッチを出してハレルを休ませる作戦に。しかし、どうにもバレアが止められない。だけどマブスもルーを止められない。
2人が決め合って拮抗した展開に。あまりにも簡単に振りほどかれているブラッドリーとフィニースミスのディフェンダー達。

しかし、振りほどいてミドルを決めていくバレアに対して、ドライブを選択しパスを出したルーからの得点率が悪くマブスが3点リードしてルーが下がります。リバースにしては珍しくルーとハレルを休ませている。

登場したトバイアスがあっさりと決めるも、バレアからフィニースミスのアリウープ。SGAがショートジャンパーを決めるもメジリがダンク。またもお互いが決めていく展開に。ナゲッツ戦から続く守れる事の方が重要そうなマブスの形。

メジリとクリバーが連続で決めて5点リードになりますが、ガリナリが3P。さらにガリナリのブロックショットで残り4分半になり、やっとドンチッチが戻ってきます。バーンズはまだ。するとあっさりとガリナリのミドルで同点。試合開始から一向にガリナリ対策をしてこないのですが、そこまでは止めきれないと諦めているんだろうね。

なんだかんだあったけど、結局はクラッチ勝負に。やっぱり圧倒していた前半で11点差はクリッパーズとしては失敗なんだよね。
ドンチッチのアシストからジョーダンのダンク
ガリナリの突破を止められずフリースロー
どうもお互いに止めきれない感じなので、動いたクリッパーズはドンチッチの担当をトバイアスにしてステップバック3Pを選択させ外れます。賭けみたいな部分もあるけど、ハイプレッシャーでファールになるよりは良いかな。ルーのフリースローで逆転。

さらにドンチッチを止めジョーダンのミスに繋げて守り切ると、ハレルがジョーダン相手にゴール下に行き、ミスするもリバウンドを拾ってダンク&ワン。大喜びのオーナー。クレームしまくるジョーダン。クレームの意図はよくわかんないのでナゲッツ戦に続き。

バーンズのリバースレイアップも決まらず、しかし、ハレルをマシューズが止めます。久しぶりにお互いが止め合った。ジョーダンはオフェンスリバウンドで奮闘するのだけど、それだけシュートが決まらなくなったマブス。
トバイアスのディフェンスに対してステップバック3Pを選択せざる得ないドンチッチ。バーンズのアタックはガリナリへのチャージング。後ろに誰もいないかを確認してから倒れたガリナリ。

-そしてルーのミドルと、ルーのドライブに合わせたガリナリのダンクで残り1分7点差にしたクリッパーズでした。結局は守り勝ちなんだけど、それ以上に守れなかったマブスかもしれないので、何とも言えない。4Q39-36だからな。トバイアスだけが良く守りました。
なお、この後ガリナリのくだらないパスミスから速攻レイアップのドンチッチ。バレアは3Pで続き10秒3点差になり、チャンスを作ったのは偉かった。ドンチッチはさらに3P決めたし。

◉ドンチッチの活躍と

32点のドンチッチは凄かったよ。個人としては褒めたい。だけどチームとしてはどうなのだろうね。バーンズもマシューズも完全に脇役になっていた。あまりバランスの良い戦い方とは思えません。

キャブスが戦術レブロンにするとミスが少ないし、何よりチームよりもレブロンで攻めて周囲は3Pの方が効率的!みたいなのにちょっと似ている。ドンチッチは実際にそれくらい決めたし、バレアも決めまくったぜ。だからこれで良いと言えば良いのか。

マブスファンじゃないからどっちでもいいや。とりあえずドンチッチはエースキャラを定着させようとしています。シモンズやドノバン・ミッチェルに並ぼうとしていることになりますが、2人と違うのは個人技突破がチームオフェンスに好影響を与えるかどうか。

マブス自体は良く整備されたチームだけど、今のところはあくまでもドンチッチが凄いだけでした。相手がクリッパーズだけに対照的。

というわけで、個人技が多いクリッパーズだけど、それぞれがシンプルなアタックを繰り返す形だから、バランスアタックになるし、相手からしても対策がし難い一面を発揮しました。

本日はFG57%でターンオーバーは12と非常に優秀なスタッツを記録しましたが、それでも最後まで危なかったわけで、オフェンス面は良いけどって感じです。プレッシャーディフェンスがあるのに、それが意味をなしていないし、何よりもファールが多すぎてフリースローで簡単に得点されています。

ドンチッチを褒めるにも、苦しくなるとファールを得ていたからの大活躍だったので、どっちのチームの問題なのか。危なかった試合をものにしてレイカーズとブレイザーズに並んだのでした。次は首位のナゲッツです。


2018/12/21 クリッパーズvsマブス” への4件のフィードバック

  1. クリッパーズはここ4戦でルーがいなくて大敗することもありましたが、今日の前半はルーが戻ってきたこともありバランスがとれていてよかったですが、後半はひどかったかなと
    今日の試合を通じて思ったのがクリッパーズはなぜドンチッチにブラッドリーやビバリーをつけて相手にミスマッチの状況をつくってあげたのかとなぜトバイアスにもっとボールをあずけなかったのかは疑問でした。
    話題は別になりますが、最近の試合を見て、ブラッドリーを(1/15よりトレード可能)トレードするべきだと思いますが、ポイントガードやセンターを狙いにいくとすると誰とトレードできるのでしょうか?

    1. ブラッドリーとベバリーの働きどころですからね。効いてないわけでもなかったですし。最後にトバイアスを持ってきているので、判断としては悪くなかったかと。ただソーンウェルとか出番ないのかよ!と。

      ガリナリやSGAがいるのでトレードしてブラッドリーよりも効果的な選手を連れてこれる気がしません。強いて言えばセンターですが、ミッチェル・ロビンソンとコートニー・リーでも狙うかどうか。
      もしもブセヴィッチを連れてこれたら有能!

  2. 美味しすぎる2順目のブランソン
    ポテンシャルならdsjの方が上だと思いますがdsjを出してマシューズよりワンランク上のシューターをとった方がよりドンチッチをいかせると思うのですがどう思われますか? 正直dsjよりブランソンの方がドンチッチにあってると思います。かつセカンドでマシューズとバレアを使えるのはかなり有利に働くと思います
    Dsjを出すべきかどうか
    とるならどの選手がよいか
    セカンドでマシューズバレアは効果的か等をお聞かせください

    1. DSJを放出ってのは理解出来ますが、PG達のハイレベルな競り合いを考えると得られる対価は大きくないです。DSJに需要がないでしょう。サンズならジョシュを獲得出来れば、ドンチッチとコンビ組ませたい。

      バレアの年齢を考えてもDSJを将来的に6thマンにするくらいの幅を持って考えれば残留がお得かと思います。

      セカンドユニットにマシューズにして、フィニー・スミスをスターターというのはディフェンス力を保ちながらセカンドの得点力アップにはなりそうです。

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