レナードとアヌノビーの出会い~ニック・ナースを想像する~

OGアヌノビーはドラフト前にカワイ・レナードと比較されていたらしい。その真偽は知りませんが、2人は同じチームでプレーすることに。その出会いがもたらしてくれることは何か。

今回書きたい内容は例のトレードが決まったときに、感じたことなのですが、まぁそのうち書こうと思っていたところ、現地で殆ど同じ事を書かれた記者がいたらしいです。悔しいので、逆に自分なりにそのまま書いていきます。「なんだパクりじゃないか」と言われそうなので、先に断っておくのでした。

なお、トレードについて肯定的であり、ラプターズを改革するためにはドライな思考としては非常に良いトレードでした。それはトレード直後にも触れています。

デマー・デローザンとカワイ・レナード、感情論が走るトレードをドライに考察する

 

◉ニック・ナースとドゥエイン・ケーシー

 

新HCニック・ナースはラプターズで5年間オフェンス担当のACを務めている人物とのこと。その前は下部リーグのチームを率い、リーグトップクラスのオフェンスチームに仕立て上げたそうです。詳しくは知らない。

「5年間」というのが少し引っかかるのですが、昨シーズンのラプターズのオフェンス改革は素晴らしいものがありました。ラウリー&デローザンのドライブからスタートする形だった2年前までの姿から、主力の顔ぶれが変わらないのに全く違うオフェンスに切り替わったのでした。

それは特にデローザンのスタッツに大きな変化をもたらし、3Pを打つし、アシストもしっかり記録するようになったのでした。詳しくは過去記事。

トロントのファンはラプターズを信じ抜けるのか

これらの変化を主としてニック・ナース流のオフェンス色が強くなったと考えてみましょう。何故なら、ケーシーのピストンズがガードとセンターを集めているからです。これまでのラプターズのメンバー構成はケーシー好みだったっぽい。

 

昨シーズンのラプターズで微妙だったポジションが1つあります。それがPFのイバカとシアカム。2人ともアウトサイドに大きく広がってスペーシングしますが、3Pを打つのには頼りないタイプが揃ってしまいました。

〇3P

イバカ 36.0%

シアカム 22.0%

イバカはいうほど確率悪くないのですが、チームからはドライブを増やすように指導されていたそうで、オープンな状況でのみ打っていてこの確率なので、優勝を狙うチームとしては少し寂しかったのでした。しかも前年までベンチにいたのはコーナー3Pの専門家パトリック・パターソンなので、尚更厳しかったのでした。

 

つまり、本質的にいえばニック・ナースのシステム的には、よりストレッチ4として3Pが得意な選手を使いたいのだと思います。選手が足りなかったと言えばそれまでですが、イバカとシアカムというのは、さすがにタイプが違いすぎたような。

ここら辺がケーシーの好みと相違があったような気がするのでした。そしてレナードとグリーンを獲得したのは明確なウイング増です。

3P能力があり、ウイングを守れ、インサイドの戦いも苦にしないタイプのウイング

ラプターズが増やしたのは昨シーズンのシステムに当てはめるならオフェンス面でより機能しそうな選手だったのです。全然出てこないけどアヌノビーもまた同じね。

 

さて、この1年でラプターズが手に入れた大きな成果として

フレッド・ヴァンフリート

デロン・ライト

この2人のガードの成長がありました。エース・デローザンと考えると苦しいけど、ガードが1枚減ったことは全く痛くありません。あくまでも枚数の話ね。

ちなみにデローザンとライトのFGを比較すると

〇デローザン/ライト

FG 45.6%/46.5%

3P 31.0%/36.6%

FT 82.5%/82.9%

TS 55.5%/57.4%

 

まぁ実は変わらないという一面があることは内緒です。

ウイングでもありセカンドガード的な役割もしてきたグリーンとレナードなので、ガード陣の枚数が減ったと言えるかどうかも微妙な状況で、ウイングを増やすことが出来たのが例のトレードでした。

 

これでラプターズのロスターは人はそこまで変化していないけど、考え方が大きく変わった印象です。従来は

PG ラウリー、ヴァンフリート

SG デローザン、ライト

SF アヌノビー、CJマイルズ

PF イバカ、シアカム

C バランチューナス、パートル

こんな感じで5ポジションの概念が強かったので、逆に最強セカンドユニットなんかも生まれました。試合終盤だけはセンターを外す形を採用します。でも、アヌノビーは大抵ベンチで3ガードになることが多かった。これが新シーズンは

 

【ハンドラー】

ラウリー、ヴァンフリート、ライト

【ウイング】

アヌノビー、レナード、グリーン、CJマイルズ

【ビッグ】

バランチューナス、イバカ、シアカム

 

イメージはこちらに近づきます。5人がプレーすることは変わらないし、スターターのバランスもそこまで変わらないかもしれません。しかし、増やしたウイングによって柔軟な起用が可能になりました。ハンドラーとビッグを1人ずつ減らしてウイングを2人増やした現代的な判断でした。

正しいかどうか不明ですが、これがニック・ナースが求めた変化だとすれば、合点のいく内容です。より柔軟性が高く、戦略的に交代策が取りやすいチームであり、マッチアップで負けないユニットを組みやすくなりました。

 

ケーシーからニック・ナースへ。HC交代に合わせたロスター変更だったのではないでしょうか。

そういえばグレッグ・モンロー獲得したんだっけ。ビッグ増えちゃったなぁ。

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◉ハンドラー中心ではなくなること

 

まだトレードが決まる前、ニック・ナースがはじめにキープレイヤーにラウリーを指名したとの報道がありました。ラウリーの良さ、というかデローザンとの違いは、よりシュート力があり、そしてPGだということです。デローザンに劣るのは個人の突破力にフィニッシュ力です。求めるのは前者のゲームメイカータイプのハンドラー

そして昨シーズンのラプターズの変化はハンドラー頼みのオフェンスを、ハンドラーから全体が連動していくようなチームオフェンスへの変化でした。

 

つまり、新シーズンはPGのコントロールから始まるチームオフェンスの風潮が強まると言うこと。それはニック・ナースの下部リーグ時代のチームに観られた傾向らしく、まぁ簡単に言えばスパーズ流に近づくと予想されています。

オフボールムーブとスペーシングの組み合わせで、ポジションチェンジを繰り返すことになりそうです。その中核にいるのがPGのラウリーというのが当初の予定であり、デローザンにはよりディフェンス面での貢献を求めていました。要はハンドラーの崩しを中核に置かなくなるのではないかと。

 

さて、例のトレードによってロスターが入れ替わったわけですが、ハンドラータイプが減ってウイングが増えたのも、この一環と捉えるとなおわかりやすくなります。ハンドラーが崩すのではなく、オフボールムーブとスペーシングにパッシングでディフェンスをずらしていきます。

オフェンスの起点としてのラウリーに対し、フィニッシュの面で主役になるのは

レナードという特別な存在

というわけです。CJマイルズとグリーンのキャッチ&シュートも含めて、両ウイングがボールを貰った段階で有利に仕掛けられるようなパスゲームを模索していくはずです。それはデローザンには少しだけ相応しくない形でもありました。別にデローザンでも悪くないけど、レナードの方が少しだけ向いている。

 

得点力のあるレナードですが、デローザンみたいな華麗さには欠けます。ハンドリングやステップワークではなく、もう少し直線的にスピードとパワーで崩していく。オフボールの動きで優位性を作ってギャップを一気に攻略します。

それを可能にするためのパス能力があり、ディフェンスが収縮すればしっかりとパスアウトします。まぁスパーズって感じ。レナードなのか、スパーズなのか、ちょっと微妙なところ。

 

一応、デローザンも確認しておきましょう。明らかにレナードよりも上手い。

 

いずれにしてもハンドラーの崩しではなく、よりオフボールムーブとパッシングでディフェンスにギャップを作っていき、そこにキャッチ&シュートとリングに対して直線的なアタックをしていくことになります。それがデローザンからレナードへのエース交代による変化です。

ハンドラーとしてはベンチにライトとヴァンフリートがいるため、ライリーとツーガードにすることも可能です。それが柔軟性。一方でレナードの役割をこなせるのは、OGアヌノビーしかいません。

 

題名に書かれていながら、ここまで登場しなかったOGアヌノビー。

「レナードのチームになる」ということは「アヌノビーのチームでもある」

ということ。それが今回の趣旨です。

 

冒頭の通り、ドラフト時にアヌノビーの比較対象はレナードだったらしいです。レベルに差があるとは言っても、チームシステムがレナードを中核に置くのであれば、アヌノビーはレナードに近づくチャンスが広がります。

それはまたニック・ナースの狙いでもあるはずです。

柔軟になったロスター構成で同時起用もあれば、レナードの代役としての出場もあるはずですが、いずれにしてもアヌノビーには成長する大きなチャンスがあるのでした。つづく。

 

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