2017 ファイナル第3戦 データ編

第3戦をデータで振り返ります。この試合はデュラント&トンプソン vs レブロン&アーヴィングの構図がハッキリと現れました。

3人に集中した得点

デュラント 31点
トンプソン 30点
カリー 26点

レブロン 39点
アーヴィング 38点
JRスミス 16点

カリーの42%(ただし3Pは56%)を除けばみんなFG50%超えというなかなかみないタイプのハイスコアゲーム。
勝負は終盤のエースの働きの差でした、即ちアイソレーション対決。デュラントがレブロンを上回るのは予想通り、確率的に高い結果が出た正当なものでした。

しかし、アーヴィングをトンプソンが止めた事は読めない部分でした。試合全体でみればアーヴィングの勝ちですが、終盤に完封されては負けたようなものです。合わせてレブロンもイグダラに抑えられました。

つまりウォーリアーズのオフェンスが上回るのは予想された現象ですが、キャブスのオフェンスが抑えられた要因が何なのかは傾向をみたい所です。キャブスの最後の得点は残り3分でJRスミスが決めた3P。それから8本連続失敗して試合が終わりました。なお、細かいプレー分析ではないので、あくまでも傾向です。

また、この試合はキャブスペースにみえたけど、リードを奪えたのはウォーリアーズ(パチュリアとグリーン)が自滅した部分だけ。
本来であればアイソレーションから得点し空いた外から仕留めるのがキャブス流。アイソレーションで勝てていたのに仕留められなかったのは何故なのか。



ペースを握ったのはキャブス?

前半の印象は点差が離れるかは別として第2戦のようにバテる事はないように見えました。その理由が何処にあったのか、比較してみます。

ペース 108.5→103.3
速攻得点 30→13
速攻失点 31→24
スティール 15→9

この試合では明らかに速攻の場面が少なく、それはスティール数の減少にも由来するのかもしれません。

トラッキングデータ(前後半計)
9秒以内のシュート
キャブス 40%→31%
ウォーリアーズ 38.5%→47%

キャブスはペースを落としに行った事がわかる。そしてウォーリアーズはより早い展開を狙っていました。キャブスにとってハイスコアは自分達のペースでもハイテンポは違います。

第2戦のキャブスの積極的なディフェンスはリバウンドの減少に繋がり疲れ損ともいえました。頑張るけど積極性は落とした感じでしょうか。リビングストンをガラ空きにするなどポイントを絞ったのは間違いありません。

オフェンスは走らずにディフェンスはポイントを絞ったため第2戦ほどの疲労はなかったのでしょう。



ペースは守れたが入らない3P

上記以外の選手が39%だったウォーリアーズに対し、17%に終わったキャブス。

これだけみるとキャブスの方が勝つべき試合をサポートキャストで負けた。しかしチーム構成考えると見え方が変わってくる。
キャブスはレブロンとアーヴィングがリングにアタックして(彼らにとっては)イージーなシュートを打ち、ディフェンスが収縮した所で外にキックアウトして打たせる。

ファイナルまでのプレイオフで平均25本オープン3Pを打ってきたキャブス。そのうち17本がレブロンとアーヴィング以外の選手。しかもそれを50%近く決めている。

しかし、この試合では17本中3本の18%だった。しかし完全なフリーであれば6本中3本決めている。(誤差の範疇ではあるが)



ウォーリアーズのワナ?

ファイナル前のレビューで触れたがウォーリアーズは相手に3Pを打たせて外させるチーム。しかしオープンで打たせる事も多いから、そこをキャブスが決められるかが勝負としていた。3戦とも見事に外している。
キャブスに限らずウォーリアーズが何故ここまで3Pを落とさせる事が出来るのか。ディフェンスが激しいなんて答えは簡単すぎてつまらないよ。

この試合では個人的に気になるシーンがあった。それはコーバーが3Qに決めた3P。
http://on.nba.com/2rYm3fZ

 

レブロンがよく見てたと言われるヤツだが、注目すべきはイグダラの判断。レブロンに裏を取られ、間に合わないと判断した瞬間に逆サイドコーナーのコーバーを見つけて猛ダッシュ。多分パスより先に判断している。
レブロンからすると味方の位置を把握してパスしているだけだが、イグダラはコーバーの位置を把握できる状況ではなかったはず。このチェイスは間に合わないが時間を与えない。

ちなみにコーバーが打った7本中6本がイグダラに追いかけられている。レブロンをマークしながらチェックに駆けつけるってスタッツ外のイグダラの重要性を感じる。

残りの1本はラストシュート。レブロンが打たずにコーバーにパスするのだが、このシーンをコマ送りで何度もみるとウォーリアーズの戦略が見えてくる。

マークのカリーはレブロンがドリブルした段階でインサイド側に寄る。そこにスクリーンをかけるラブだが何故かカリーは抵抗しない。ドライブしたレブロンからコーバーはフリーに見える。しかしカリーは敢えてパスコースを切らずに反転してパスが出る直前にコーバーにチェックに行っている。

 

結果としてフリーにみえたコーバーにはカリーの厳しいチェックが待っていた。

つまりワザとパスをさせたのだ。

このコーナーへのキックアウトは何度かスティールされているように、敢えてパスさせている節がある。出てくるのは読んでいるから遅れてもチェック出来る。ラブはコーナーの3Pを全て外し、45度から1本決めた。

レブロンの視野を逆手にとった作戦。



レブロンのパスからのシュート

もう1つ興味深いデータはレブロンのパスからのシュート。
第3戦
パス 76本 うち32本42%がシュート(3P19本)
ファイナル平均
パス 64本 うち28本44%がシュート(3P13本)
イーストファイナルまで
パス 60本 うち21本35%がシュート(3P12本)

つまりレブロンのパスから直接シュートになる確率が高くなっている。これだけみると「ウォーリアーズがレブロンを抑えに行きオープンシュートが打ちやすい」なのだが、ダブルチームにいかないウォーリアーズなのでそうとは言えない。

前述のイグダラとカリーのアクションといい、狙ってパスを出させている可能性も否定出来ない。打ち急がせている、ともいえる。
ちなみにレブロンからは増えたがアーヴィングからは大きく減っている。理由はレブロンが打たないから。

「早い展開」と口に出しすぎて、早く打ちすぎて自滅ならば大問題だな。



ラスト3分を生み出した差は何か?

前半79%の確率で決めたレブロンは後半に31%まで確率を落とした。これをウォーリアーズのディフェンスが良かったと言い切るのはムリ。やはり疲れていたとみるべきかな。
アーヴィングも4Qは確率を落としている。

なお、擁護しておくとレブロンとアーヴィングはほぼフル出場。疲れない方がおかしい。デュラントとトンプソンも出場時間長いけどね。

4Qをトンプソンとイグダラはフル出場している。2人の最も重要な仕事はディフェンスだ。つまりレブロンとアーヴィングに合わせた采配。トンプソンがカリーをどかせてアーヴィングを守る姿は気合入ってた。



やはり最後の部分は体力の差が出た気がする。デュラントの3Pはレブロンのキャッチアップがあと半歩前なら打たなかったシュート。オフェンスでもレイアップを外していたレブロンは疲れていたと思います。



そんなわけでキャブスペースの試合はウォーリアーズの小さなワナが最後に微妙な差を生み出した試合でもありました。

2Qラストと3Qに明らかに自滅したウォーリアーズだけど、一方でキャブスは「早い展開」というHCの言葉により試合を通して少しずつ自滅していたのかもしれません。

やはり疑問は後半の遅いペースで試合をしてはいけないのか?という事。最後はデュラント&トンプソンにやられたとはいえ、十分に戦えそうだし、何よりウォーリアーズとしても嫌いなペース。

少なくとも前半を遅く、後半を早くならばレブロンのスタミナも持つのではないかな。



ウォーリアーズ側ならスイープもあり得るよ、としていたけど、現実になったら本当にウォーリアーズは強いのかを検証しなければいけない。
対戦相手に恵まれている感じしかしていないのですが。

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