さようならラプターズ

ラプターズはいろいろ残念でした。その残念にあるのは単に負けたことではありません。今シーズンが何だったのか不明なことです。

 

「キャブスにスイープされて情けない」という話も事実ではありますが、実は結果以上に内容が悪すぎたラプターズ。「内容が悪い」ってどういう意味なのか。そんな点から触れていきましょう。

 

◉ラプターズは強い

ラプターズの今シーズンは素晴らしいものでした。しかし、キャブスには全く歯が立ちませんでした。

「ラプターズは自分達を信じられるのか」

それがこのブログのテーマでしたが、ものの見事に信じることが出来ませんでした。「レギュラーシーズンのラプターズは強い」というのは間違いないのですが、「それはプレーオフでは通用しない」というわけではありませんでした。

 

4試合で起用されたユニットはプレータイム順にいえばこんな感じ

①ラウリー、デローザン、アヌノビー、イバカ、バランチューナス

②ラウリー、デローザン、アヌノビー、マイルズ、イバカ

ヴァンフリート、ラウリー、デローザン、アヌノビー、バランチューナス

④ヴァンフリート、ライト、マイルズ、シアカム、ポエルト

 

①は本来のスターター、④は最強セカンドユニットです。そしてレギュラーシーズンでプレータイムトップ2のユニットでもあります。しかし、この2つのユニットは2試合しか起用されませんでした。ホームでの連敗により失敗のユニットと見なされたわけです。本当に全く通用しなかったのであれば、それは致し方ない判断だったかもしれません。

 

シーズン中のプレータイムはこんな感じです。

①54試合801分

②3試合7分

③2試合6分

④37試合340分

つまりシーズン通り戦わなかったというか、全く起用してこなかったパターンで試合をしたラプターズ。その結果としてユニット毎の得失点差はこんな感じ。

 

〇ユニット毎の得失点差

①+3

②-13

③-16

④-1

つまりスターターもセカンドユニットも数字を観れば失敗とは言いがたい結果でした。それに対してキャブストの試合を通して選んだ②と③で大失敗しています。

「シーズン通り勝てなかった」なら救えるけど「シーズン通り戦わなかった」のだから評価のしようがないラプターズ

それもケガでファーストラウンドに十分なプレーが出来なかったヴァンフリートとレブロンに対して無力すぎるディフェンスをしたマイルズを重用したのだから尚更です。せめてライトを重用していてくれよ。

 

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その結果、チームとしてどんな形でスタッツが変化したのか。

 

〇シーズン中とキャブス戦の差異

FG% 47% → 47%

3P% 36% → 36%

アシスト 24.3 → 21.3

ターンオーバー 13.4 → 13.8

得点 111.7 → 104.5

 

なんとも不思議なことにFGはほぼ変わらず、得点だけが一気に落ちています。問題があったのはスティールが7.4→3.0と急落したことです。レブロンからボールを奪えなかった故の致し方ない部分と言えばそれまでです。しかし実際にはキャブスはペイサーズ戦でターンオーバーの雨あられだったので、恐れる必要はなかったはず。

結局の所、イメージほどオフェンスは悪くなかったのに必要以上にキャブスに合わせようとしていたラプターズ。

 

ラプターズは強い。でもキャブスには通じなかった?

通用したかどうかもわからなかったよ。だっていつも通り戦おうとしないのだから。

 

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◉デローザンはダメなのか。

 

やっぱり悪い意味で目立ってしまったデローザン。その変化はこんな感じ。

〇シーズンとの比較

得点 23.0 → 16.8

FG 46% → 44%

アシスト 5.2 → 2.8

ターンオーバー 2.2 → 2.0

 

3Pが1本も決まらなかった割に意外にFG%が悪くないデローザン。外しまくっていた様でそうでもないわけです。一方でアシストが大きく減っていますが、それ以上に減ったのはフリースローアテンプト7.0→2.8。

キャブスが行っていたデローザン対策は明確でフェイクに対して飛ばないこと。飛ばなければファールにはならないわけです。でもそんな対策なんて昔からやっているわけです。そしてスミスなんて守っていないくらいにぶち抜かれていました。その意味では悪くなかったけど、最後にレブロンが飛んでくると勝手に外してくれたデローザン。そこは頭が痛かったよ。

 

つまりデローザンに関してはもちろん本人が悪い部分もありました。しかし、言うほど数字として酷いわけではなく、キャブスの対策に対してチームとして取り組めていたのかの疑問もあります。バランチューナスが無双していましたが、その割にドライブからインサイドへの合わせが少なかったり。

ジャズとの第2戦に負けたロケッツは第3戦からペイント内でスローダウンするようになりました。よりブロックを引きつけてからのフィニッシュ判断を徹底しました。第5戦は何故かハーデンは突っ込んだけど。つまりエース達のドライブについても、細かな調整を行っていました。

割と簡単に抜いていったデローザンですが、フィニッシュに課題があったのは確か。第4戦ではスピードで強引に持って行く場面が目立ちましたが、それはロケッツのゴベール対策とは全く別角度の解決方法です。

 

デローザンは確かに悪かったよ。だけど、チームとして課題に向き合えていたのかい?

 

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このデローザンに関連して、もうひとつ見過ごせない問題がありました。

ポエルトのゴール下問題

シーズンでFG66%だったポエルトはプレーオフになってからミスが目立つようにもなりました。そしてあっという間に出番を失います。しかし、実際にはリバウンドをしっかりととっており、チームを安定させるのに重要なハードワークをし続けていました。

 

キャブストの第4戦ではバランチューナスがファールトラブルになるとポエルトではなく、ノゲイラを起用しターンオーバー連発にディフェンスミス連発で2分経たないうちに10点広げられて事実上のシーズン終了になりました。

何故、そこまでポエルトを信用できないのか。

本当に、全く、何一つ理解出来ないラプターズが採用したキャブス戦の対策。そしてその対策はデローザンだけでなく他の選手でもプレーオフに弱いという問題を発症させています。イバカも同じく信用を失い、それでも第4戦は長時間起用されました。

 

プレーオフで好調の選手を長く使うのは理解出来ますが、不調の選手を起用しないというのは違うのです。いずれにしても「弱気な選手が多い」というのが表面的にみえている姿でありつつも、「弱気な選手を生み出す采配をしている」としか思えないのです。

 

シーズンとは全く違うユニットを採用し、少しのミスでも選手を信用しなくなり、常に後手に回るのがプレーオフのラプターズ

 

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◉カルチャーを変える

 

「ラウリー&デローザンでは勝てない」

そんな感想を見かけますが、そんなのはフロントは既に理解していて昨季までの反省から2人に頼らないチームを作り上げました。全てが2人のドライブから始まっていたチームは大きく様変わりし、最強セカンドユニットを生み出し、バランチューナスは大活躍し、アヌノビーは勝負強さをみせました。

だからそもそも2人のチームではなくなっていましたし、その効果はキャブス戦でも発揮されていました。見事にカルチャーを変えたと言えるラプターズ。

 

しかし、ラウリーの言葉通り全てはプレーオフで勝つための変化だったにも関わらず、何一つ変わらない結果に終わってしまいました。今シーズン通りのユニットですら戦わなかったし、プレーオフになって毎年発生する問題への取り組みを欠いてもいました。

 

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「カルチャーを変える」

そうラプターズが言い出したとき、真っ先にケーシーHCを変えるのだと思いました。というのも昨季も全く同じ事をプレーオフでやっていたからです。キャロルはダメだとしてパウエルをスターターにしてたり、バランチューナスを外してイバカをセンターにしたり。方針がぶれまくったケーシーHC。

しかし、続投すると上記の通り大きな変化をもたらしました。その手腕は賞賛に値するし、コーチオブザイヤーといわれても認められる功績です。

 

しかし、やっぱりケーシーはケーシーだった。

チームのカルチャーは変わったようでいて、プレーオフになればシーズン通り戦わないという同じ問題が発生しました。育成の手腕はあっても采配には疑問符しかつきませんでした。そしてラプターズから出て行ったSFのキャロルもタッカーも活躍しているというのも難しい。

 

プレーオフチームを色分けするで書いたようにラプターズは実はそんなに器用ではなくて、相手に合わせるのは向いていません。でも、それをプレーオフになると異様にやりたがるのがケーシーです。選手をミックスしまくるセルティックスですらやらないくらいの突然のミックス。

1年をかけて戦略的に戦っていくことを教え込んできたブラッド・スティーブンスに比べると、スターターのバランスを改善し、最強セカンドユニットを生み出したドゥエイン・ケーシーが劣るわけではありません。劣らないけど戦い方が違います。違うのにプレーオフでは同じような戦い方をしたがるから、自分自身を理解出来ていないような印象を受けるのでした。

 

ラプターズは強い。でもプレーオフでは勝てない。

勝てない理由はデローザンよりもベンチに問題がある。

 

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◉ガッカリ感が強すぎる

 

まぁそんなわけでいつにもまして批判的ですが、それだけガッカリしたわけです。期待の裏表。

1年かけて見事にカルチャーを変えてきたと思っていたのに、

素晴らしいチームを作ってきたと思っていたのに、

最強セカンドユニットだと思っていたのに、

何一つわからなかったよ。

だったらもう真っ向からぶつかってボッコボコにされた方が遙かにマシでした。反省して来シーズンに活かそうと思っても、何を反省するべきなのかわからなかったラプターズ。HCを変える以外何が必要かすらよくわからない。

チーム力でどう戦うのかを求めてきたはずなのになぁ。

 

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もう少し思い返してみれば面白かった今シーズン。アヌノビーの登場により完成したスターターと強すぎるセカンドユニットで確実に勝利を積み重ねていきました。特に相手からすると頭が痛くなるセカンドユニットはライト層にはマイナーだったでしょうが、全てのチームのファンを悩ませました。

そんな面白さを全て吹き飛ばされたようなプレーオフ。ガッカリ感が凄い。

 

ただ、ラプターズで最も興味深かったのはAC達とHCの関係性

仕事を分担し、それぞれが役割を果たし、誰が指示出しているのかわからないような激しいアクションをするAC達(とドレイク)

それでいてデローザンにプレーを変えるように進言するのがフロントだったりと組織で作り上げていくラプターズの手法は大きなトレンドになろうとしています。

 

リーグ全体を変えようとしているラプターズ。来年はもっとカルチャーを変えて欲しいのでした。

 

 

 

 

さようならラプターズ” への6件のフィードバック

  1. キャブス、セルツより万全の状態で挑めて大チャンスだったのに、本当に悔しいシーズンとなりました。

    レギュラーシーズンは強かったのにプレーオフになると弱すぎます。
    キャブスの選手に気持ちよくプレーされてるのは見ていられなかったです。

    チームとしてやってきたことは正しかったので、ラプターズファンとして、来年も中心メンバーを変えずにキャブスに絶対リベンジしてほしいです。

    1. キャブスがチームとして気持ちよくプレーしているのが問題でした。
      もうプレーを読まれすぎです。メンバーよりもそっちを変えて欲しいのでした。

  2. 来シーズン主なキャストが変わらないなら、とにかくレギュラーシーズン終盤は、順位に関わらずレブロンとカンファレンスファイナルまで当たらないことのみ考えて、順位を調整するのが、ファイナルの道かもしれないですね。
    またはレブロンに西に行ってもらえるよう、裏工作するとか・・
    まあ、来シーズンはセルティックスもシクサーズも、さらに強大になっていそうですが・・

    1. バランチューナスもアヌノビーも若いし、セカンドユニットも伸びそうなのに、そんな閉塞感があるのもラプターズらしいかもしれません。
      第1戦のオーバータイムをセカンドユニットに任せていたら勝っていたかも。

      状況によるメンバーの使い分けが出来ないと苦しいし、それが出来るならセルティックスやシクサーズよりも伸びそうなんですけどね。

  3. 能力があるのに勝負弱いのはケーシーHCだったんですね。
    スポーツ全般に言えるかもしれないですが、トレーニングやスカウティングの質が上がりコレクティブな選手が普通に出てくるようになって、チームの個性は選手達よりも今まで以上にHCなど管理する側に左右されるようになっている気がします。
    試合のクオリティが上がっていく期待がある反面、どこか寂しい気もします(笑)

    1. 一方で試合のクオリティが上がっていくと、どこかで爆発的な選手が生まれてきたりします。
      メッシとクリロナはその典型でしたし、カリーみたいな特殊タイプの活躍の場も広がります。

      ドノバン・ミッチェルもそのタイプだと思うので、意外とそれなりの楽しみ方もありますよ。
      ただ理解力のない選手には苦しい時代がきますね。

      そしてHCの勝負弱さの方が問題になってしまいます。

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