20180507 ペリカンズvsウォーリアーズ 第4戦

 

〇ハンプトン5

ウォーリアーズはカリー、トンプソン、イグダラ、デュラント、グリーンのハンプトン5がスターター。ハンプトン5ってなんだ?このメンバーでスタートするのは初めてだとか。

第3戦はグリーンの暴走で落とした訳ですが、グリーンはデュラントにウイングでの攻撃性が足りないと指示したらしいよ。よく怒らないよね。

 

試合はデュラント、トンプソン、カリーが決まりまくります。なんていうか、特に論理的なポイントはありません。純粋に決めまくりました。純粋な強さ。

一方でペリカンズは戸惑ったようなオフェンスをみせます。3Pラインの外に構えるアンソニー・デイビスにより、インサイドが空いているためドライブをしますが、そこに合わせのカットはなく、ヘルプに潰されていきます。ある意味、ノーセンターになり遠目から高速ヘルプしてくるグリーンとデュラントに対応が間に合っていないようなペリカンズ

4分で10点差になり、タイムアウトをとるも今度はオフェンスが狭くなります。全員がインサイドに寄りすぎ、そして空けられるロンドがシュートを外すので形になりません。第3戦も空けられたロンドですが、それよりもハッキリとフリーにされます。全く決められないロンド。

アンソニー・デイビスの高さに頼るしかないペリカンズ

 

〇デュラントMVPモード

一方のウォーリアーズはグリーンがしっかりとボールムーブさせます。空けられても打たないから、周囲も連動して動くし、動くからちゃんとスクリーンもかけています。そしてイグダラの状況判断の良さでカリーのコーナー3Pも生まれます。

そして非常に積極的なデュラント。ちょっといつもと雰囲気も違います。もうお手上げになるしかないモード。ここを諦めてオフェンスに移行するのがペリカンズの良さだと思うのですが、ダブルチームを仕掛けてグリーンの3Pになってしまいます。まぁグリーンだから諦めて正解。逆に言えば諦めるしかないポイントで得点されていきます。

 

そして守ってもホリデーに得点を許さないデュラント。デュラントがいなければ得点するホリデーになっていきます。さらに頼みのアンソニー・デイビスまでもイージーシュートを外していくのでオフェンスが機能しません。トップの3Pラインで構えていることも含めて、少し理解出来ないアンソニー・デイビスの働き。守るルーニー。

クックの働きもあり、1Qは37-22で終わります。

 

ウォーリアーズが決めまくったので失点は気にする必要がないというか、そんなチームじゃないだろうという感じのペリカンズ。問題は得点が全く伸びないこと。ペースが早かったのにFG29%と散々でした。

ウォーリアーズからするとやっぱり守ってからのオフェンス爆発こそが持ち味ということを示しました。そしてリードしてしまうとグリーンも暴走しないしね。それにしてもデュラントの人相が全く違うんですけど。

 

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〇アンソニー・デイビスがいない事

2Q開始からアンソニー・デイビスがベンチに座っているペリカンズが反撃します。ここでベンチにいることと反撃していることは関係してきます。

まずウォーリアーズのオフェンスを止められているかというと出来ていません。相変わらずシュートを決められまくっています。デュラントがいないだけ少しマシなくらい。だから確率的な問題でしかなく、守れない状態は継続していてオフェンスでの反撃です。

 

ノーセンターでミロティッチが1番大きいラインナップですが、そもそもミロティッチの方がアンソニー・デイビスよりも3Pが怖いのでディフェンスが広がります。それでいて、たびたびカットプレーでインサイドのスペースをミロティッチが使っていくので、ウォーリアーズはヘルプやリバウンドの体形が乱れています。そこでロンドから得意の裏をつくパスが出てきます。

 

〇アンソニー・デイビスがいること

自分達のリズムがよくなり11点差になってアンソニー・デイビスが出てくると15点差に戻されます。ロンドがアンソニー・デイビスを狙いすぎたパスを出し、ゴール下で囲まれてしまいます。本来ならばそこでヘルプをみてアウトサイドから打たせるのがペリカンズの良さなのに。その間にトンプソンに連続で決められます。

ホリデーの3Pで反撃するも、やっぱりアンソニー・デイビスがフリーのレイアップを外し、カウンターでクックが決めて点差が動きません。

 

ただウォーリアーズにファールが増えていきます。1Qからノーコールが多かったしわ寄せのようにフリースローが増えていき、手を出しにくくなったため、ホリデーのドライブが決まって行きペリカンズは助かります。

 

〇フリースロー

それでもデュラントが落としません。完全に別人の顔をしています。全くダメだったポストアップからプレーメイクしていきます。しかし、デュラント以外が決まらず、やっとアンソニー・デイビスへのアリウープも決まって点差は一桁になります。

フロッピングが目立つウォーリアーズ。コンタクトがある中では良いのですがチームファールが5つなのでフリースローに繋がります。グリーンはクレームしてテクニカル。フリースローで詰めていくペリカンズはムーアの3Pも決まって61-54として前半が終わります。

 

前半だけで19本ものフリースローを打ったペリカンズ。ボーナスみたいなフリースローばかりでウォーリアーズが激しく守った影響が出ています。余計なファールも多かったけど、ウォーリアーズがディフェンスに意識をもっていった結果だと思います。

特にインサイドの収縮が早く、マギーやパチュリアを起用しない理由がよくわかります。ペリカンズは大きく広がってカットプレーを使ってくるチームなので、守備範囲の狭い選手を使いたくないのでしょう。

前半を合計するとFG53%と特筆するほどは良くなかったウォーリアーズなので、あくまでも守り勝っているとといえます。オフェンスの良いチーム同士だけど、ディフェンス力には差がある。そんな事前の構図が初めて出てきた気がします。

 

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〇ロンドが評価を落とした理由

後半も前半のスタート同様に細かいミスが目立つペリカンズ。ノーマークのゴール下への微妙なパスミス、受け手がボールをみていないときのパス、ドリブルで移動しすぎて止まってからの読まれまくったパス。ちょっと注意力散漫なペリカンズ。特にロンド。評価を落としていったときのロンド状態。

そのたびにウォーリアーズは得点してリードを広げていきます。空けられたイグダラの3P、オフボールムーブからのカリー3Pとシュートも決まり好調のスタートになり、3分で15点差まで広げます。

 

グリーンとイグダラのパス交換からのゴール下をアンソニー・デイビスがブロックし、そして個人で決めていくホリデーにより何とか調子を戻してきたペリカンズに対し、デュラントがまたもミドルを決めれば、ロンドがハンズアップしないのでミドルを決めていくトンプソン。何度もリプレイがでますが、トンプソンの凄さを示すようでロンドのディフェンスを非難するような。

 

〇デュラントvsホリデー

アンソニー・デイビスとのアイソレーションになり3Pを決めるデュラント。でも喜ばない。なんか最近のイメージと全く違うデュラント。それに対し、フリーで打っても決まらなくなってくるペリカンズ。

デュラントが1人でやる状態なのですが、ところどころにカリーとトンプソンのシュートが混ざって、焦点を絞れなくなっているペリカンズのディフェンス。というか、オフェンスに勢いがつかないので守れない感じです。正直、ウォーリアーズとしては普通の出来ですが、しっかり守れているので怖くないという雰囲気。

デュラントを外せれば強さをみせるホリデーですが、攻守に圧倒されていきます。まぁそもそもデュラントと戦えるとは想像もしていなかったけど。それが成功していたから勝てた第3戦と、ある意味平常な第4戦という感じです。最後に意地で決めたホリデー。

 

3QのウォーリアーズはFG47%と特別決めたわけではありませんでした。しかしお互いに展開が早いので33点奪い、逆にFG36%の19点に抑えたウォーリアーズディフェンスが光りました。やっぱり守ってこそのウォーリアーズスタイル。そしてロンドからのミスが増えると勢いのないペリカンズオフェンス。

3Q終わって21点リードのウォーリアーズでした。

 

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〇7分勝負

望みをかけてスターターで反撃を試みるペリカンズ。7分間が勝負的なことを言っているジェントリー。トンプソン以外がベンチメンバーのウォーリアーズは早々にカリーを戻します。さらにグリーンもいれてヘルプディフェンスを強くしていきます。4Q序盤はほとんど得点は入らないのですが、失点も減らしているウォーリアーズ。

勝負の7分間の半分が過ぎても21点差のまま。しかも得点は2-2という事で全く得点出来ない形で過ごした事になります。守ったらウォーリアーズ。どうでも良いけど、トンプソンに1番しっかりとスクリーンするのってカリーだったりして。

 

タイムアウトをはさんでペリカンズのミスからウォーリアーズが走ります。ムーアとクラークのドライブもあったものの、即タイムアウトで切るスティーブ・カー。ミロティッチのブロックから速攻に行くのをファールで止めるグリーン。大きなリードがあるので間違いがないように切っていきます。

そして戻ってきたデュラントに託しておけば、大ケガはしないという雰囲気になり,ドライブと3Pを決めていくのでした。たまにカリーとトンプソンの早撃ちがあったのはどうかと思うけど。

 

ペリカンズの強さを振り切った強さと表現しましたが、最後のこの場面になっても策に乏しかったです。フィニッシュのバリエーションは多いけど、オフェンスそのものに変化をもたらす武器が足りないのでした。それはカズンズが足りないが故に、ロンドの不調がチームに波及しすぎたともいえます。

 

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◉本当にデュラントか

 

別人かと思うくらい集中力が違いました。今シーズン頻繁にしていたクレーム言うのが仕事みたいな姿ではなく、ウォーリアーズに来る前のような鬼気迫るような感じ。あまりにも違いすぎてビックリしてしまいました。正直、こんなデュラントならウォーリアーズが負ける事はないとすら思わせます。20点勝っていても笑顔すらみせないのは、最近のイメージとは全く違います。

1Qは凄まじい勢いをみせたものの、全体で観ればウォーリアーズのオフェンスはそこまで良かったわけではありません。しかし、デュラントに託しておけば何とかしてくれる。そのレベル感がこれまでの試合とは違いました。

試合後のインタビューも終始ローテンションでした。デュラントにやらせるのがウォーリアーズ対策でしたが、見直す必要がありそうです。この集中力で試合に臨んでくるならデュラントに持たせたら止まらなくなります。

 

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チームとしてみれば、やっぱりウォーリアーズはディフェンスのチームでした。1Qの爆発に騙されそうですが、1試合に1Qくらいあの爆発があって、他はディフェンス力で追い込んでいくのがスタイルです。どんな理由で目を覚ましたのか不明ですが、こんなプレーをしていたら誰もウォーリアーズの優勝を疑わないでしょう。

それをFG48%、3P33%の試合で感じさせるのだからペリカンズとはレベルが違いました。ああ、そういえばまたマギーは3P打っていたから、本当にこれが続くかは不明です。

 

そしてペリカンズは第3戦をグリーンの暴走で勝てたならば、この試合はロンドの迷いでオフェンスが機能しませんでした。グリーンvsロンドで1勝1敗ならあまり意味がなかった。なんでこうなるのかロンドはいまいち良く分からない選手なのですが、強いて言えばシュートを打たされる状況をより増やされて自信を持って打てなかったからなのでしょう。

それがアンソニー・デイビスに波及したのかもわかりませんが、こちらもゴール下を支配できませんでした。わずかなパスの乱れから大きなうねりになった感じでもあるし、ちょっとお疲れかもしれません。

いずれにしても前半からフィジカルだったウォーリアーズディフェンスは、フリースローを多く与えて点差こそ開かなかったものの、後半になってペリカンズをトーンダウンさせました。

 

ディフェンスとデュラント。

ウォーリアーズの怖さが詰まった第4戦でした。

 

 

 

 

 

 

20180507 ペリカンズvsウォーリアーズ 第4戦” への8件のフィードバック

  1. 今回は集中力が今までと全く違いました。

    もともとマッチアップ的にもデュラントで攻めるのが1番効率的なんじゃないかとは思ってましたが、理論というより姿勢で押し切ってた感はありました。初めからこうしておけよ、みたいに思ってしまいましたが…

    グリーンも常にリードしてないと慌てちゃうようなところがあるので、出だしが良かったのが全てうまく回していました。
    以前の前半リードされてても3Qできっちり修正みたいになってくれればいいんですけど笑

    第3戦後の今年は優勝ないな、から4戦後にこれなら敵なしだな、となんとも落ち着かないプレーオフです

    1. でもホリデーはずっと良いディフェンスをしていました。この試合でもしていたのですが、物ともしない集中力でした。このデュラントが毎試合出てこないから、他のチームに移籍して欲しいのですが。
      この第3戦から第4戦の振り幅の大きさも今シーズンのウォーリアーズらしいです。ものすごく不安定だし、有利じゃないと不機嫌なんですよね。

  2. イグダラ先発の超本気モードで、序盤から鬼気迫るプレーでした。これまでの3Q逆転型から、序盤からリードしてあとはデュラントに任せて逃げ切るほうがメンタル的にも良しとの判断ですかね。ある意味起用の方針転換せざるを得ないほどペリカンズとの第3戦に危機感を抱いたのかなと思いました。
    デュラント、ホリデーもそうですし、ADの長い手をものともしないでミドル決めちゃうとか、手が付けられないですね。気が早いですけど、ロケッツはどう対処するんだろ?

    1. 3Q逆転型からスタートダッシュというのは苦しいが故の策でしたが、デュラントの安定感が支えてくれましたね。ロケッツはもう少しプッシュして押し出すでしょうが、それでも3P決められたら手をつけられないでしょうね。
      ジャズといい作戦面が大きな差を生みそうです。

  3. 他チームとのレベルの違いを感じさせた今シーズンの開幕戦から約半年。
    ついに事実上のファイナルが近づいてきました。
    両チームにはけが人を出さずに対戦してもらいたいものです。
    そういえばマクミランHCが観戦してましたね。
    東のゲームではなくこちらを見にきているのは、ラプターズは見ていられない感じでしょうかね。

    1. HCが試合を見に来るってどういう風の吹き回しなのでしょうかね。
      両チームのオフェンスの良い部分を取り入れたいのであれば、ペイサーズは来季も期待できます。

  4. KDの集中力はグリーンからのメールだったとは驚きですね。

    http://www.nba.co.jp/nba/early-morning-draymond-green-text-prompts-monster-game-from-kevin-durant-nba/vzx3ysh48j9rz67ihm01ccr0

    グリーンは冷静ならとてもクレバーな選手だし、KDみたいなスーパースターすら燃え上がらせることができるなら引退後はヘッドコーチもありですかね。

    あ、でもベンチテクニカル取られまくっちゃうか…

    1. 集中力が納得したからなのか、グリーンに腹が立ったからか、デュラントしかわからなそうですけどね。笑

      HCは難しいと思います。大局的に試合を観れなそうだし。ACなら働くかも。
      でも、もっと自由にしゃべることが出来るチャールズ・バークレーポジションを狙っていると思いますよ。
      「史上最強はオレ達ウォーリアーズだ」
      「最近の選手達は弱い」
      と30年後に間違いなく言っていますよ。

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