大切なのは第1戦。特にペリカンズには超重要
〇スモールラインナップを採用
ウォーリアーズはノーセンターでヤングをいれたスモールラインナップです。その狙いはミロティッチとのスピードのミスマッチ。好調のミロティッチをデュラントで振り回してリズムを乱すと共にイージーに得点していく方向性と思われます。しかし、それは一方でペリカンズのオフェンスは止められないので、自分達のオフェンス力で打ち切ろうという作戦でもあります。
カリーがいないのでヤングが入ること自体は否定的ではありませんが、オフェンスで打ち勝つことを狙うような作戦を採用するのはかなり珍しい気がします。ある意味、強者の選択ではないスティーブ・カー。
この作戦は当然のようにヒットします。デュラントを止められるわけがないミロティッチ。ここで重要なのはミロティッチはスピードで対抗出来ないので、デュラントのシュートはイージーなものが多くなります。それはさすがにヘルプをしてでも止めなければいけない。だから周囲も空いてきます。「デュラント頼み」というのとは少し違うミスマッチを活かした効率的な攻め方です。
〇オフェンスのペリカンズ
開始から7分で5アシストのロンド。よく走る中でのアンソニー・デイビスの高さはもちろんですが、上手い合わせのムーブをするのはムーア。トランジションからマークの受け渡しの好きをつかって何度もゴール下に飛び込みます。デュラント問題から早々にミロティッチは交代しますが、それでも止まらないオフェンス力で快調に得点していきます。
シュートの確率ではウォーリアーズが上ですが、イージーシュートを作るのはペリカンズが上です。3Pを決めたのはムーアの1本のみながら、次々とゴール下を生み出します。切り裂かれているウォーリアーズ。そもそもノーセンターなのでリムプロテクトもありません。
〇セカンドユニット
1Q終盤からベンチメンバーが多くなったウォーリアーズですが、むしろウエストを中心にイージーシュートが増えます。不安視していた部分で問題なく得点出来たことで1Qはウォーリアーズが僅かに上回ることに成功します。35-34という打ち合いの展開。
スパーズ戦の守り合う展開から方向性を急回転させて機能させたウォーリアーズは見事でした。しかし、一方でオフェンスの打ち合いで問題なかったペリカンズ。守られてトランジションがなくなる方が嫌だったはずです。それが出来たかどうかはわかりません。
そんな意味では、ベンチメンバーが増えていくと、どちらの火力が劣っていくのかは展開を左右します。そしてノーセンターの攻防ならば選手層はあまり変わりません。
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〇アンチキックアウト
2Qで先に流れを掴んだのはウォーリアーズ。トンプソンを警戒する余り、スクリナーのカットプレーを何度も許します。あまりフィジカルな当たり方を好まないペリカンズなので、ウォーリアーズは意図したプレーをやりやすくなっています。またミロティッチ相手だと簡単に抜けるのですが、抜くのがグリーンだとフィニッシュが不安なのでキックアウトするとカットされてしまいます。読まれていたグリーン。
キックアウトしないのがプレーオフの流行になりそうです。多くのチームがキックアウトをさせないディフェンスをしたり、もしくはそのパスを狙っています。
一方で苦しかったのはペリカンズですが、スモールラインナップの中で逆にミロティッチがミスマッチになったのでゴール下で得点します。ディフェンスが収縮していくとミラーの3Pも決まりあっさりと追いつきます。
〇働いたルーニー
アンソニー・デイビスの登場に合わせてルーニーが出てくると早速リムプロテクターとしてロンドのレイアップをブロックし、そこからクックの速攻になります。しっかり守る方がウォーリアーズっぽい。このワンプレーだけで価値のあったルーニー。さらにペリカンズの連携ミスからもう1つ走って再びウォーリアーズが先行します。
乗ってきたウォーリアーズはタイムアウト明けにトンプソンに大きなオフボールムーブさせての3Pを決めて9点差とします。このムーブから決めるのは超優秀かつ効果的なのでCJマカラムもシューター専任にすべきだと思うわけです。
ディフェンスからのラッシュがウォーリアーズと感じたルーニーの活躍でした。活躍ってブロック1つしかしてないけど。そこが口火を切ったのでした。
〇好調の理由はどちらか
ミロティッチが3Pを返します。さらにロンドがほんの僅かな空間にパスを通してホリデーのゴール下になります。絶好調のロンド。しかし流れがきているのはウォーリアーズなので止まりません。しかし、なんだろうか、この突然のウォーリアーズ感は。誰もが活躍してイージーシュートになるウォーリアーズの代名詞みたいな状態になります。
つまりそれを懐かしく思うほどにスパーズに読まれていた今シーズンのパターン。
やられてしまってもオフェンスで勝負するから関係ないという感じのペリカンズ。とはいえ、さすがにやられすぎです。何を止めるのか全く決まっていない感じのペリカンズ。困ったらグリーンを空ければ良いのに、他の所でやられます。流れが良いからグリーンも決めてしまいます。
このブログで最近流行のワードはハードワークですが、ここにハードワークはありません。しかし「サボっている」とは全く違います。ハードというかフィジカルではないけど良く動くというのが持ち味のペリカンズ。でもフィジカルに止めに来ないのであれば、走りたいコースに動けるので快調に飛ばしていくウォーリアーズという感じ。
〇ウォーリアーズは守る
しかし、ウォーリアーズのインサイドは少しずつフィジカルになります。止めていくと困り始めるのでアンソニー・デイビスのポストを使います。しかし、そもそもアンソニー・デイビスの個人技アタックはいまいちです。フィニッシュ力は申し分ないけど、プレーメイクは出来ないよ。だからシュートを打たれる前に止めていきます。人数をかけてでも止めます。
ヘルプディフェンスでも役に立つルーニー。ルーニーは機動力あるタイプだけど、全てを守れるわけではありません。ならば「ゴール下だけは防いで、捨てるのはミドル」という感じなのですが、ペリカンズはそれまでが好調すぎてミドルを選択しません。打ってくるのはロンドくらい。しかし、ミドルよりも遙かに効率的なウォーリアーズのゴール下アタック&トンプソンの3P。
もう一方的すぎて、プレシーズンみたいな状態に突入するのでした。
第1戦が重要だとしたのに見事に大失敗したペリカンズ。「トンプソンを守らないでどうする」という部分と「トンプソンを気にして他がドフリー」という部分。
両方をやらかすというどうしようもない状態です。
おそらく戦略的に取捨選択をしなかった模様。プレー選択に対しては事前にスカウティングしているはずですが、何を優先して止めるか決めていなかったのでしょうね。例えばオールスイッチでトンプソンを止めても良いし、それよりもイージーシュートを許さないためにインサイドを固めても良い。
でもペリカンズは2人でトンプソンを追いかけたと思ったら、スクリーンにひっかかると誰もついていかなかったり。このプレーオフで最も酷い対策を披露しました。ちょっと今からでも出場辞退してくれないかな。せめてHC変えてくれ!!
オフェンスで打ち勝ったようでいて、その流れはルーニーのディフェンスからです。アンソニー・デイビスを止めていき、オフェンスリバウンドも許さないルーニー。トランジションディフェンスでマークミスを突きまくっているウォーリアーズ。
1Qのオフェンスの戦いは同点だったけど、2Qになって守り始めたウォーリアーズが一気にラッシュしたのでした。
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出かけるのでレポート終了です。逆転はないです。逆転されるならウォーリアーズは相当危険な状態です。
全てはウォーリアーズの全てを止めにいったペリカンズの作戦ミスであり、何故かオフェンスで打ち合いを狙ったのに途中から守り始めたウォーリアーズの作戦勝ちかもしれません。いずれにしてもオフェンスの戦いは意味がないことはわかりました。
クレイ・トンプソンを止めるのか、他を止めるのか。
普通は両方止めないと勝てないのですが、ペリカンズの場合はどちらかでも勝負になったはずです。結果としては両方にやられるという悪夢。前半76-55でした。
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結局、酔っ払ってしまったので後半は観ませんでした。スタッツだけ追いかけましょう。
〇ルーニーのプレー中の得失点差 +34
22点差で勝利したウォーリアーズですがその中で最も貢献したのは数字上ルーニーです。だから守れってことですね。むしろヤングがスターターだったのが「初めは無理せずオフェンス勝負で、慣れてきたらディフェンス勝負」なんて事だったら作戦が当たりすぎです。
〇パス数 357本
シーズン中の対戦でブレイザーズがウォーリアーズに勝利した理由は、このパスを200本くらいまで落としたからです。それを350本に増やしてしまうなんてどうかしています。いったい、どうやって戦うつもりだったのか?
〇レーティング
オフェンス 116
ディフェンス 95
つまりオフェンスで圧倒したようでいて、むしろディフェンス面の優秀さが目立ちました。
うーん、スイープ?
いや本当に。だってペリカンズは何一つ対策出来ていないよ。
ここから一体何を持ち直すの?というか、こんなに何もしなかったチームが何か準備できるの?
ロケッツが可哀想になる第1戦でした。
なんだかんだでやっぱツエーなというGSWでしたね。
カリー抜きでこの結果という事はスイープも十分有り得そう。
ウォーリアーズが強さをみせたのは良いのですが、ペリカンズの酷さが目も当てられないというのが・・・
そもそもウォーリアーズの方が強いのに無策で臨んでいるので、スイープ濃厚ですね。
あんだけ腐る程準備時間あってこれかよ、、という気持ちですね。
本当に。スパーズ戦は何も見ずに「シーズン最後に勝ったから大丈夫」くらいの内容でした。
トンプソンはあれだけオフボールで動いてよくスリー決めますね…
ディフェンスもいいし、カリーがいたほうが火力は上がるけどチームに重要なのはトンプソンなのでは?って素人ながらに見てました。
カリーは結局3Pが決まらなければワガママなガードですからね。ゴール下にフリーがいても3P打ったりしますから、カリーに見合った戦術にしたウォーリアーズです。
一方でトンプソンに関しては、どんなチームでも欲しくなる選手です。プレーヤーとしての価値はカリーが上ですが、戦術的に汎用性があるのがトンプソン。
ウォーリアーズにはどちらも重要ですが、一般的にチームに欲しいのはトンプソンです。
いつも拝読しております。論理的で展開を見事に当てられる事が多いので、勉強させていただいています。
今日はトンプソンをかなりの低確率に抑え、前半ホリデーが頑張ってKDにも爆発は許さず、カリーは流石だったけど一戦目と違って頑張ったと見るべき試合なのでしょうか?
個人的にはやはりハイペースとはいえドレイモンドに100本近くパスを出させていることにはイマイチ納得できないので、ホームでは頑張ってDFかOFをもう一段上げて反撃してほしいですね(HOUに好きな選手が多いからCF行けた時の事を考えて粘って欲しい…という我儘)
試合観ていないのですが、この第1戦から突如クレイ・トンプソンを抑えているのは理解出来ないです。
同時に第1戦でグリーンを気持ちよくさせたのも苦しいですね。今はパスを楽しんでいるグリーンなので厄介ですよ。