20180429 セルティックスvsバックス

追い込まれたセルティックス

止められないアンテトクンポ

 

〇テイタム

テイタムからホーフォードのアリウープでスタートします。ブラウンのレイアップも続いてメイカーを使っているメリットを活かさせません。しかしバックスもブレッドソーやアンテトクンポで得点するとメイカーのダンクも出てインサイドが止めにくい事を示します。

問題のメイカーの3Pも決まって、先に流れを掴んだのはバックス。しかし、それもつかの間、テイタムの&ワンで流れを持ってくると一気に逆転します。スモールラインナップのポイントとしてテイタムのマークが楽になりやすい面があります。相手によってアウトサイドからのドライブもポストアップも選べるので、高さでもスピードでもミスマッチを使います。

するとテイタムが外したシュートをアンテトクンポがリバウンドを弾いたら決まってしまう自殺点も飛び出して、祝福されているようにテイタムの活躍が続きます。

 

〇さすがに慣れたよ

バックスはデラベドバが出てくるとオフェンスが停滞します。その理由はオフェンスパターンが少ないから。このシリーズ途中で登場したときは、何度もアンテトクンポとパス交換をするので効果的でしたが、第5戦でそのパスをスマートに狙われたように、さすがに慣れてしまいました。どうせアンテトクンポを何度も経由すると分かっていれば、そして逆に他の選手にボールが届きにくい状態はスカウティング済みという感じです。

成功したからといって奇策に近かったと言うこと。しかし、これが既に計算にはいっていたバックスとしてはトラブルになります。プランBが足りないバックス。デラベドバが悪いのか、チームが悪いのか。

 

〇ブレッドソー

そのため、ブレッドソーが出てきますが、突破力はあるもののフィニッシュ力とゲームメイク能力はないので突進するだけで、結局はボールが動きません。メイカーにまでスペーシングさせるチームでボールは回ってこないわけですから、苦しくなって然るべきです。

ディフェンスでもラーキンのドライブにファールすると、コールの後に流れのままレイアップにいくラーキンをもう一度背中から押します。アフターファールでテクニカルもコールされ、セルティックスペースは加速します。チャージングもしてくれて、WHOisブレッドソーコールが鳴り響きます。

オフェンスがトラブルなだけではともかく、メチャクチャになってきて守ることも出来なかったバックス。30-17で1Qが終わります。

 

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〇煽り負ける

煽られまくるブレッドソーが1人よがりにプレーし始めます。かなり酷い。でもセルティックスもファールしてくれます。そんなわけでブレッドソーの勝利です。セルティックスは真面目に守り過ぎの部分もあるよね。真面目に守るからバックスも強い部分で攻めてきて、そこを止められないという。弱いところを空けて攻めさせる発想には乏しい。ブレッドソーには冷静にピックを使ってもらった方が良いのに。

ブレッドソー、ミドルトン、そしてキックアウトからアンテトクンポの3Pも決まって一気に点差を縮めていくバックスでした。煽りまくって負けたTDガーデン。

 

〇バックスのPG

タイムアウト明けのセルティックスはホーフォードが連続で行きます。相手はメイカーなので、この数試合狙っているのですが、いまいち決められていませんでした。すこしスペースを調整してきた感じ。

アンテトクンポがベンチにパス出したこともあり、せっかく縮めた点差を再び広げられます。さらに簿レッドソーが2回目のチャージングでベンチに引っ込みます。再びよくわからなくなるバックスオフェンス。まだブレッドソーがひとりよがりの方がよかったという困った状態。

交代で出てきたデラベドバをすぐに交代させる迷走っぷり。

ロジアーのタフショットも決まり、10点リードとなるセルティックス。しかもオフボールでアンテトクンポがスマートに腕をひっかけて3回目となりベンチに下がります。第7戦まできてファールトラブルというバックス。スマートがミドルトンからスティールし、走ってきたホーフォードへのアリウープで会場の盛り上がりがマックスになります。

ほぼ一方的にバックスに問題がある展開です。ブレッドソーが良い悪いではなく、バックスはPGに何を求めているのか。2人が下がるとその位置にミドルトンがきてコントロールしているときにスマートにスティールされる始末です。プレーメイクの発想に乏しいバックス。しかもブログトンは出ているし、パーカーは個人技で決めているのに。

この時間はほぼパーカーしか得点出来なくなっていきます。というか、パーカー得点出来るなら使えよ。ブログトンがアタックしますが、シュートが酷いのでケガの影響で動けないのかもしれません。

 

〇相変わらず

ブラウンからロジアーのコーナー3P、ホーフォードのミドルが決まります。セルティックスのオフェンスはこうやって素晴らしいわけではなく、基本的な事を繋いでシュートを打ってそこそこ決まるくらいです。その中でディフェンスからチャンスを掴んだときに一気にラッシュしています。

このやり方はジャズも似ているので、安定して戦うには重要です。ミスを減らして勝つパターンです。

それに近いことをバックスはパーカーが1人でやろうとしています。パーカーってそんなにディフェンスが良い選手ではないですが、ヘルプのスピードがあるのでスティールをして速攻にもっていきます。でも、ついてくるのはメイカーだけ。相変わらず変なチームです。

 

前半は50-42となって終わります。最後に苦しい中で得点したパーカーとミドルトンが全てだったバックス。前半で試合が終わらなくて良かったね。そして相変わらず片方が一方的に6点くらい得点する流れを繰り返す両チームです。

 

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〇修正した両チーム

ブラウンがケガで微妙なセルティックス。スマートがスタートで出てきます。

修正してきたバックスはしっかりと両ウイングにボールを回し、インサイドの合わせ、キックアウト3Pと決めてからミドルトンのドライブも決まります。しっかりと動いて合わすようになっているので流れが出来ています。ただ、ブログトンは決まらない。

テイタムが素晴らしいドライブを決めればブレッドソーもドライブを返します。オフェンスが良くなったバックスですが、セルティックスもまたフロアバランスが改善し、1人ひとりが勝負するスペースが出来ています。そしてロジアーの3Pも決まります。

 

後半開始からホーフォードが活躍する中でバックスはセンターを使わない形にしていきます。するとインサイドを割られたときにリムプロテクターがいないので、テイタム、ロジアーとイージーに決めていきます。論理的にバックスを追い詰めることが出来ているセルティックス

苦しくなってくるとモハメドも起用していくバックス。悩みの方が大きくなっているのがわかります。

 

〇速攻を出せないバックス

第6戦で25点を速攻で奪ったバックスですが、当然警戒されます。それ以上にボールが奪えず速攻に繋げられません。そもそも速攻が多かったと言ってもそれがアンテトクンポ、パーカーの2人にメイカーなどがついてくるだけなので、起点を早めに止めています。パーカーのブレイクパスからモハメドに渡っても他には誰も走らず、3人に囲まれてつぶされます。要はチームの仕組みとしては速攻の形が出来ていません。

焦りからかモリスの3Pに飛び込んでしまうアンテトクンポ。

結局、セルティックスオフェンスの流れを断ち切ることが出来ず、断ち切れないから自分達の流れにも出来なかったバックス。81-67で3Qが終わります。このQは31-25なのでオフェンス面はそこまで問題はないものの、ディフェンスから仕掛けないと何も変わらないという雰囲気です。

 

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〇追い込まれるバックス

後手にまわるバックス。気持ちが前に出ているので、せっかくシュートを落としてくれてもポジションを確保出来ていないので、リバウンドを抑えられません。また、このシリーズほとんど働いていないモリスにも当たりが出てきます。ベインズのフックもきまり15点差まで離れます。スマートがアンテトクンポからテイクチャージで、5回目のファールとなります。完全に追い込まれたバックス。

それでもアンテトクンポがベインズからドライブ&ワンで得点しますが、いつもよりも遅いです。不安定なブログトンといい、疲れているようなバックス

 

〇復活するマジック

ここにきてやっとシューターとしての3Pがでるミドルトンですが、調子に乗ってきているセルティックスのシュートが次々に決まっていきます。第1戦以来のクラッチに強いシューティングが帰ってきました。なんとなくセルティックスも人の子だった感じです。自分達の方がリズムが良いから決まるシュート達。常に決めてきたテイタムは例外。

2009年1月以来の速攻0点に終わりそうなバックス。それくらいミスをしていないセルティックス。

思うのは、これって昨季のアイザイア・トーマスに近いし、直近のハーデンやウエストブルックをチームでやっています。ミスするくらいなら思い切って打とう作戦。それが思い切りが良くて決まっていくのがスティーブンスマジック。第6戦でことごとく失敗したスティーブンスの作戦ですが、ここにきてマジックとして復活しています。どこまで何を狙ったかは不明です。

ただ、いつもの様にマッチアップミスを狙うよりも自分達のプレーに注力している気がします。まぁデフォルトでミスマッチが存在していて、ロジアーのスピードに対応出来ず、それでいてテイタムにパーカーはつらい状況です。

 

 

〇アンチモンスター

残り4分15点差は変わらず。テイタムがドライブを決めます。急ぎたいバックスは個人がドライブで飛び込んでいきますが、そこからキックアウトも出ないし、周囲もアクションしないのでリバウンドに飛び込む選手もいません。ミドルトンだけは3Pをヒットします。凄いな。このシリーズ4Qは3P13/16だそうです。変態的。

堅実なプレーを好むバックスなので、こういうときにハードワークには繋がりにくい面があります。両方を兼ね備えるラプターズとかが特殊。

ちょっと連携も何もなくなってきて打ち返す方法論に欠けるバックスでした。

 

批判されたとしてもこんなときに1人でラッシュするレブロンもウエストブルックもやっぱり凄い能力ということで、今のアンテトクンポには無理でした。モンスター化するのは来シーズンに持ち越しです。プレーは十分にモンスター。しかし、チームとしてどんな方向に進むのかで違いが出てきそうです。チーム力のバックスだったはずが迷走した今シーズンでした。

 

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◉戦略的多様性

 

とはいえ、アンテトクンポは凄かったです。チームの勝利に直結するプレーを続けてきました。そして最後にバテたのは他のスター達と同じ。このシリーズでアンストッパブルであり、結局セルティックスは有効な対策を見つけられませんでした。

ここで難しいのはアンテトクンポのようなFG%も高く、無理をしないような選手でも、そしてチームプレーを優先しているようなタイプでも勝てるわけではないことです。最後にはラッシュ力が欲しくなるし、だから何が良いかは結構難しい。

バックスの場合は決めまくったミドルトンを除けば個人勝負で勝てる選手じゃないわけですが、だからビックネームが必要なのか、それともアンテトクンポと相性の良い選手が必要なのか、そこを悩んで来シーズンへの構成を練らないと行けません。

 

ひとつハッキリしたのは「レブロンを、キャブスを倒す」チーム作りではイーストも勝ち抜けなくなりました。正直、そんなレベルで良かったのが昨季までのイーストです。ウエストの各チームがウォーリアーズを倒すために戦術も選手も強化していったのに対して、かなり劣っていたイーストはセルティックスやラプターズの強化により、そしてシクサーズの成長により複数の特徴を持つチームに勝てないといけません。

バックスに出来ないのはそんな部分。自分達のパターン以外では勝てなかったわけです。この試合もセルティックスの流れになると誰も抵抗できませんでした。さて、何を考えるオフシーズンとなるのか。

 

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辛くも勝ちきったセルティックス。このシリーズではブラウン&テイタムのチームである雰囲気が強くなり、それでも他の選手達を積極的に勝負させ、成功すると勝ち、失敗すると負けるわかりやすいチームでした。

それはホーフォードも含めて中心選手で行くのか、それともあくまでもバランスで戦うのかの選択肢です。穴の少ないバックス相手には効果的とは言いがたかったものの、次は強みと弱みがハッキリしているシクサーズです。バックスよりも強い相手である反面、作戦勝ちしやすい相手でもあります。

ある意味、苦手な相手にも勝ち切ることが出来、違うタイプを相手にしても戦術的柔軟性があるのが得るティックスの特徴です。バックスとの守り合いを制した後で、全く違う形でシクサーズを倒せれば一気に評価も上がってきます。

 

少し策におぼれた感じのあったファーストラウンド。策を用いて優勢に出来そうなセカンドラウンドです。そんな内容を期待しています。

 

 

 

20180429 セルティックスvsバックス” への6件のフィードバック

  1. お疲れ様です。
    最後の方のバックスのディフェンスに少し疑問があったのですが、管理人さんはどうお考えでしょうか?
    ダブルチーム気味にプレッシャーをかけていたのは分かるのですが、あっさりとパスを通されています。ファールゲームするでもパスカットを狙うでもなく目的の無いように思いました。

    1. ちょっと意思統一がなかったですね。パーカーがプレッシャーかけても後ろがついてこなかったので、スタミナ切れの気もしました。
      しかし、バックスが一方的にスタミナが切れる理由もないのでメンタルが押し負けた気がします。そんな部分はモチベイダーとしてのHCも必要ですからね。

  2. 今回バックスが仮に勝っても
    次は勝てないと改めて思った
    試合でした。シーズン通して
    チームとしてのケミストリーが
    構築できなかったのが昨日の
    ジャズを見た後では
    対照的だと思いました。
    個人で打開できる選手を生かすためのチームオフェンスが
    出来ればゲームに抑揚がついて
    強いバックスが観れたのかなと
    思いました。PGについては
    ブレッドソーと
    デラベドバどうにか放出できないかと考えてしまうような
    シリーズでした。

    1. バックスが後退したというより、周囲が進歩しちゃったので苦しいですね。
      今になるとアンテトクンポがPGって悪くないのかもしれません。

  3. ロジアーがめちゃくちゃ活躍してましたね。こうなると来季のベンチスタートだったりサラリー面で再契約してくれなさそうで残念ですが。

    ブラウンがハムストリングの痛みがあるみたいなんで76ers戦も苦戦しそうです。

    バックスはガードがあんまりですね。スネルとか存在感0でしたし、実際第7戦はほぼでてなかったですが。
    ロジアーが来季終わりでルーキー契約切れたとおもうんで取ればいいんじゃないかな…ブレッドソーと喧嘩するか…

    1. ロジアーといわずラーキンでも良いから取らないと苦しそうでした。セルティックスはハンドラーに判断を求めるので、今後は良い輸出先になりそうです。

      ただPGでどうにかなるバックスではないので、方向転換を早くしないといけません。

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