セルティックスvsシクサーズ プレビュー

いま、イーストで一番勢いのあるシクサーズ。それをセルティックスは止められるのか。

 

◉シクサーズは強い?

 

ギャンブラーと評しているシクサーズですが、それを否定する強さをみせたファーストラウンドでした。でも実はギャンブラー部分には変更なく、イリャソバを中心としたオフェンスリバウンドの強さが目立ち、シューター達を支えました。スローダウンしなかったヒートにも支えられ、自分達の良い部分を存分に出してきました。

特に目立ったのはベン・シモンズ。なんていうのは書くまでもありませんが、バックドアカットが目立ったのは非常に意味のある部分でした。

 

簡単に言えばシモンズから3通りのプレーが出てきます。

・シューターへの3Pのためのパス

・3Pへのパスとみせかけた自分のドライブ

・3P、ドライブとみせかけたリングへ向かうシューターへのパス

最後のパスが増えたことがシクサーズをより怖くしました。そして特にこれが得意なのはイリャソバです。イリャソバに引っ張られてサリッチ、ベリネリにも増えてきました。コビントン?

それまではギャンブラー扱いしていた選手達が3Pには留まらないパターンが増えたことは、シクサーズを怖くしています。同時にシモンズがトリプルダブル連発した理由もここにあります。それでてオフェンスリバウンドを確保するわけですから、「ファイナルまでいける」という声が増えてきたのも納得です。

 

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ここでヒートとのファーストラウンドのレーティングをみてみます。

〇レーティング 前半/後半

オフェンス 96/125

ディフェンス 106/97

つまり後半に圧倒していることがわかります。

 

ここで重要なのは攻守で圧倒していることであり、それ以上に前半のオフェンスが良くない点です。ヒートとのシリーズはどうみてもヒートが失速しすぎました。毎試合のように前半に走っては後半に足が止まっていました。シクサーズはトータルでいえば攻守にヒートを圧倒しましたが、実際には前半からのハイペースでヒートが著しく失速したと言えます。

同じようなオフェンス志向のキャブスをペイサーズは止めたわけですが、ヒートは走ることを許したとも言えるし、シクサーズには走るという武器があったともいえます。

 

いずれにしても問題はセルティックスが走り負けるのかどうかです。

さすがにそれはないだろうと予想しています。走り負けたら試合終了ですが、セルティックスファンの誰もがそれはないと考えるでしょう。そして走り負けない前半だけならばヒートはシクサーズを上回っていました。

 

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◉セルティックスが苦戦したこと

 

セルティックスがバックスに苦戦しましたが、その内容をブラッド・スティーブンスの失敗と捉えています。戦略的に上回るのが得意だったのに、攻略ポイントをみつけにくい穴が少ないバックスでした。頻繁に行っていたのはブログトンを攻めることでしたが、効果的とは言えず、メイカーのブロックショットにも阻まれました。

・ディフェンスの穴をつきたいが失敗した

・リムプロテクターには弱い

後者は特に重要で機動力重視になってきた中で良いショットブロッカーがいないチームも結構あります。今回はエンビートがいるのでセルティックスはかなり苦戦することが予想されます。

 

その一方でバックスと比較すると攻めるポイントが非常に多くあるのがシクサーズです。スモールラインナップを採用した場合は、テイタムvsサリッチという構図も期待でき、ロジアーのスピードが活かされるでしょう。ディフェンダーとしてのシモンズは怖い存在ですが、シモンズ以外であればどこからで攻めることが出来そうなのはブラッド・スティーブンスのマジックが発動しそうな匂いがします。

 

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〇ホーフォードとエンビート

 

そして攻守にキーになるのはエンビートです。エンビートの存在は選手としてだけでなく、戦略的にも割と厄介です。走りまくればエンビートは勝手に自滅してくれます。しかし、走ればシクサーズのペースです。シクサーズはエンビートをカバーする事が出来るようになってきたので、というか走らないなら4vs4で攻めたい意向もありそうです。

 

ホーフォードもまたエンビート相手ならば自由にアウトサイドからプレー出来ます。そこにエンビートが出てくれば周囲のドライブが使えるわけです。

しかしこのマッチアップになったときには、ディフェンス時にホーフォードがヘルプディフェンスに参加出来なくなります。モリスのヘルプはないに等しいので、終盤のセルティックスの選択には注目です。

攻守にホーフォードとエンビートのオフェンス面の役割と、ヘルプディフェンダーとしての役割をどちらのチームが消せるかは試合のポイントになってきます。

 

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〇便利なシモンズとブラウン

 

この2人のディフェンスにも注目です。おそらく弱点をつかれまくるシクサーズにおいて全てを埋める存在がシモンズです。ペリメーターディフェンスからヘルプディフェンスでの高さの優位性まで全てをもたらしてくれる存在は、穴が出来たときに埋めやすい存在でもあります。

一方のブラウンもまた相手の長所を消していく存在です。おそらくシモンズではなくシューターを消す役割になるでしょう。こちらの注目はそこから生まれるスティールです。シューター達へのパスを奪われとカウンターになります。このシリーズはマッチアップ的にブラウンよりもテイタムの方がオフェンスの役割が大きくなるはずなので、得点が多いときはディフェンス面でトランジションに移行出来ているときのはずです。

なお、セルティックスにはスマートもいますが、正直あまりミスマッチになりそうなマッチアップがないので普通にディフェンスが良いくらいの便利さだと思います。

 

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・シクサーズは内容的にも止めにくい形になってきた

・しかしヒート戦は鮮やかに決めまくったわけでなく、走り勝ったといえる

・セルティックス相手に走り勝つパターンは通用しない

・作戦面でセルティックスが大きく上回る

・エンビートvsホーフォード次第では一気に流れが傾く

・カギを握るのはシモンズ、テイタム、ブラウンの若手達の働き

 

個人的な予想はセルティックスです。

シクサーズは確かに強いものの、走り負けない部分とマッチアップミスを使いやすい相手のため、いくつもの作戦を用意出来ているはずです。アンテトクンポとミドルトンに苦労したものの、ミドルトンさえいなければというファーストラウンドでもありました。異常に決めていたミドルトン。

そう捉えると戦略的に攻略してしまうことを想像しています。

 

その一方で、今回もセルティックスが有利な中でシモンズがステップアップするのではないかと思っています。ファーストラウンドでも、ほぼトリプルダブルの活躍でしたが、今回は終盤に得点面で貢献することが期待されます。エンビートが決めまくる展開が第1弾、そこが止められ初めて第2弾のシモンズがくるはずです。

 

最後に響くのは疲労問題ですが、その点ではシクサーズが有利です。はじめのボストン2連戦でどちらかをものにすればシクサーズが第6戦で勝ち抜くでしょう。そうでなければ第7戦でセルティックス予想です。

 

 

 

 

 

 

セルティックスvsシクサーズ プレビュー” への10件のフィードバック

  1. 今でこそ打ってないですが、3打ち出したらほんまネクストレブロンですわシモンズ。(ラフプレーにもキレないのでほんま偉いと思います….。笑)
    勝った方がCLEorTROとやるわけですが、なんとなくキャブズ勝ち上がりかなとは思いますね。レブロンにマッチアップできる人が恐竜にはいない感じがするので…。
    そんなわけで、個人的にはキャブズシクサーズのCFが見たいですねー。

    1. ラプターズにもアヌノビーがいますからね。ベテランみたいなルーキーがレブロン対抗策という素晴らしいシーズンです。

  2. ブラウンのハムの状態は大丈夫ですかね。エースキラーを発揮するほどのスコアラー的なエースはシクサーズにはいないので、ディフェンスはフィジカル面の負担は少ないものの、マークマンを追いかけまわすのは厳しい気もします。

    1. 一応、第7戦も出場可能だったらしいです。ただ、プレーしてどうなるか不明なら展開的にも休むことを選択したみたいです。

      ブラウンがマークを緩く出来るなら、ヘルプで活躍できるのですが、マークに引きつけられるとホーフォード次第になってしまいます。地味で見えにくいスペースを埋めるだけのヘルプディフェンスでのブラウンvsシモンズにも注目しています。

  3. ヒートは5試合とも前半終了時点ではリードされてなかったんですよね。個人的な予想はセルツです。セルツの被スリーポイント%はリーグで1位だったのでシクサーズと相性良いんじゃないかな。セルツはリバウンドも弱くないですし、オフェンシブリバウンドを取られまくることもなさそう。ブラウン、テイタム、ロジアの活躍に期待。

    ペイサーズは素晴らしいチームでしたね。ラプターズの方がキャブスにとっては相性良さそう。ペイサーズは1回戦がキャブスじゃなかったらカンファレンスファイナル出れるぐらいの実力はあったと思います。(言い過ぎかも)

    1. ヒートは走りすぎての後半失速パターンばかりでした。
      そして意外と3Pは決められておらず、走り負けてから連打されているので、走り負けさえなければセルティックスh3Pを抑えるはずです。そしてガード陣にリバウンド力があるのもヒートとは違います。

      ポイントはロジアーとホーフォードでしょうね。ブラウン&テイタムは安定して活躍するようになりました。それ以外の爆発待ちです。

  4. シクサーズの勢いは凄いですね!
    個人的にはこのままファイナルまでいってほしいです。
    そして脱レブロンで今後のイーストを盛り上げてほしい!!!
    しかしこんだけシモンズが活躍してしまうとフルツはどうなってしまうんでしょうね。
    怪我もありましたが、ルーキー当たり年のドラ1にしては何か寂しい気がします。

    1. シクサーズは無理矢理フルツを指名したのに、PGが不要なわけですから本当はドラフトが下手なチームです。誰が考えても1位のシモンズの年に1位指名権を得たことが全てでした。
      フルツ自身はシーズン最終盤に活躍しましたが、離脱の理由はシモンズの存在感に負けたのではないかとすら疑っています。トレードのコマとして大物を狙う可能性も含めて、フルツの動向はシクサーズを強化するのかどうかに繋がるでしょうね。

  5. 本当に一番観たかったマッチアップです。7戦まで行って一進一退の攻防で最後は問答無用のクラッチ勝負になったりする気がするんです(願望)。
    セルティックスファンの自分としては将来的にテイタムにはピアースのようになってほしい願望があります。決め切ってほしい。
    スーパースター候補のシモンズ、エンビートで優位に進めても土壇場でテイタム、ブラウン、ロジアーなんかがクラッチ決めたりして、これからしばらくセルティックス対シクサーズが東のライバル関係になって毎年カンファレンスセミファイナル、ファイナルで対戦していったりしたら本当に何年先も盛り上がると思うんです。でもたぶん活躍してくれるのはスマートですよきっと。数字以上にうざいと思うんですよねシューター達からしたら。ただ、ここでお互い消耗して、レブロンに最後ねじ伏せられるのだけは一番観たくないですが。。

    1. 将来を考えるのであれば、どちらが抜け出せるかの「今」の対決でもあるのが面白い部分です。
      シクサーズはチームカラーとしてクラッチ勝負でも特定の個人ではなく、シモンズによるチーム勝負になるのですが、エンビートがいると話が変わってきます。
      そうなるとセルティックスの方がクラッチでは勝ると思います。

      そして勝負を決めるのはスマートの存在になれば、シクサーズとしては現状の構成が本当に正しいのか、3年後くらいに悩み始めるかもしれません。
      将来も含めて、今の勝負で左右されそうなので面白い対戦です。

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