20180421 ペイサーズvsキャブス 第3戦

1勝1敗と最低限の仕事をしたのはペイサーズなのかキャブスなのか。それは第3戦次第です。

 

アンケートは出来レースではありますが、「ペイサーズはこのままいくべし」ということでした。てっきり息を吹きかけるが勝つと思っていましたがみなさん真面目です。

 

しかし、第3戦でキャブスも慣れてくるのでディフェンスを入れ替え時でもあります。そこら辺の細かい調整は試合をみて読み取れるかも微妙ならば、結果として表現されるかも怪しいので触れないと思います。

 

◉キャブスの作戦勝ちの1Q

 

〇プラン通りと工夫

まず積極的だったのはジョージ・ヒル。ドライブ、カットプレー、速攻を決めます。即ちレブロン以外の個人で攻めたいわけです。それが出来るのはヒルくらい。なお、キャブスのスターターは第2戦同様に不調のグリーンを外してコーバーとスミスをいれています。1試合決められないと不調認定です。好調な選手を使うのは正しいですが、不調な選手を外すのが正しいかは微妙なんですよ。

次々とファールを引き出していくヒルにより、プランの変更を求められるペイサーズ。ボグダノビッチが下がってランス・スティーブンソンが出てきます。意図せぬレブロン担当の交代です。しかし、コーバーもあっという間に2回目です。こちらはそもそもマッチアップに無理があるので致し方ないトラブル。

レブロンからシューターへのパスをカットし、オフェンスではヤングのミスマッチを使っていくペイサーズ。ランスのドライブが決まる以外はプラン通りの内容です。一方でレブロンは強引に攻めいていきますがノーヘルプなので決めていきます。ペイサーズ的にはプラン通りだけど、やられまくると勝てないよ。

立ち上がりはペイサーズがプラン通りでありつつも、ヒルの積極的なドライブというキャブスの工夫が混じり互角の展開です。

 

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〇キャブスの工夫

次第にキャブスの工夫が上回り始めます。広いサイドを使いたがるレブロンのパスでヒルとラブが自分で攻めていきます。レブロンから始まることを想定しているし、そもそも守れる自信があるのでペイサーズはスペースがあるのに個人で守らせます。そうやって分散させた後でレブロン本人のアタックも続くので止めにくくなっていくペイサーズ。

しかし、ランス・スティーブンソンが念願のオフェンスファールをコールして貰い少しだけ止めます。これがいつコールされるか次第みたいなペイサーズ。でもレブロンがダンク&ワンで返し、順番に崩していったキャブスの工夫が上回ります。

 

〇ペイサーズの誤算

一方のペイサーズオフェンスの誤算はオフェンスリバウンドが取れないこと。そもそもペイサーズのオフェンスなんて怪しさ満点です。でも動けるPF達と困ったときのオラディポでなんとかしていた感じ。そのPF達が小さいキャブスからリバウンドを奪えません。なおかつブリッツ気味のトラップディフェンスにひっかかるオラディポ。

そんなわけでペイサーズの誤算とキャブスの作戦成功とが重なって1Qは31-20とキャブスの二桁リードになります。

コーリー・ジョセフがミス連発という珍しいシーンもあって早い展開に持ち込めたこともキャブスの流れを加速しました。初めての作戦勝ちっぽいキャブスです。

 

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◉変化するキャブスの戦略

 

〇レブロンのいないキャブス

キャブスってロドニー・フッドをどんな選手と判断しているのでしょうか。ボール渡して何も出来ないというシーンが続きます。しかしスクリーンもらってからのジャンプシュートは決めます。グリーンのスティールから最後はナンスが押し込むなど、悪くない組み合わせなので、使い方を間違えなければフッドのアシストからラブのゴール下も決まります。

オフェンスは基本的にハーフコートで止まるとダメで、アーリーオフェンスで勢いのまま進んでいけば何の問題もなく決めていきます。全員が走るし、フォローしてくれる。だけどハーフコートでは打開が難しく足が止まりがち。

サボニスが個人でローポストアタックを決めていきますが、キャブスが譲らず二桁リードのまま推移していき、レブロンが戻ります。

 

〇キャブスのトラップディフェンス

ペイサーズのオフェンスがキャブスのトラップに対し、トラブル気味になっていきます。しかし、トラップがより激しくなり前へ出て行く形が強まったため、ゴール下が空いていきターナーがオフェンスリバウンドを抑えられるようになります。なので、相変わらずオフェンス力は怪しくても、PF達で救っていく流れです。でもヤングは外しまくり。ビビってんの?

キャブスのトラップはハンドラーにブリッツ気味にいくことです。第2戦をみていないので知りませんが、第1戦は序盤に大失敗しています。そのときと違うのは、ブリッツを徹底していること。オラディポはミスするという自信なのか、それとも連動できる自信なのか。

 

その連動は上手くいきます。レブロンはゴール下でサボり気味なのですが、ワイドに開いているペイサーズのウイングにパスが出るとコーバー、ラブ、スミスが追いかけ回します。その間にブリッツしていた選手が素早く逆サイド側に戻ります。その分、ボグダノビッチがフリーになって3Pを決める時もありますが、スティールも出てくるので収支は悪くありません。

時には逆サイドまで2人で追いかけますが、ペイサーズって別に高速パスで鮮やかに繋がるチームワークがあるわけじゃないので、だいたい成功します。

計算が合わなくなるのはターナーのオフェンスリバウンドで押し込まれる時という雰囲気のキャブス。だからターナーがベンチに戻ると二桁リードを守れるのでした。

 

〇対策を上回るキャブス

ファールが増えていくランス・スティーブンソン。ここでタフにフィジカルに仕掛けないとキャブスのオフェンスに飲み込まれてしまいます。しかし、ペイサーズはレブロンへの警戒を高めてしまいます。ここまでレブロンがパスを出すとミスに繋がることが多かったものの、ディフェンスが寄ってきたことでキックアウトが機能していきます。

正直、戦術レブロンのワンパターンに陥りかけていたのですが、前の試合の46点が効いています。レブロンのパワーアタックに恐怖が出始めて全体が収縮してしまったペイサーズ。そしてそのチャンスをしっかりものにしたラブとグリーン。この形はシーズン終盤に3P50%オーバーなんていうとんでもない活躍をした2人が存分に活きたのでした。

レブロンの46点が生み出した流れなのか、ペイサーズが戦略徹底出来なくて生み出した流れなのか、確実に決めるラブとグリーンが生み出した流れなのか。難しいけどシリーズの行方を左右しそうな前半の終わり方でした。

 

ラストプレーのペイサーズ。オラディポがジャンプシュートに飛ぶ瞬間にクラークソンの足がオラディポの踏みきる足を押し、着地するときにレブロンの足がオラディポの足の下にきていますが、どちらもノーコールになり、57-40と17点というキャブスの大幅リードで前半が終わります。

 

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そんなわけで前半はキャブスが戦略的に上回った感じです。ある意味、ペイサーズの対策は第3戦なのでわかりやすいわけです。その対策が未だに有効なこともアレではありますが、第2戦のレブロン46点が大きく効いています。

個人的には初っぱなにレブロンで攻めまくって、そこから展開していくと効果的な気がしましたが、他の選手にプレーメイクさせる方向性を選びました。どっちも結果次第なので間違っていなかったと思います。

レブロン以外を止めて孤立させる

まぁキャブスはデフォルトで孤立している感じはありますが、この試合ではラブのカットプレーも出たので、ペイサーズの対策を無効化しようとする雰囲気です。よく「キャブスはレブロン以外が情けない」みたいな意見もありますが、半分は事実として、もう半分は「いったい何を頑張れば良いのか」みたいな部分があります。ヒルとラブは個人で突破しましたが、普段はやってないので結構ギリギリでした。ギリギリの部分を勝ちきったわけです。だから前半の2人は褒めましょう。

 

折角クラークソンいるのだから、自由奔放にやらせるのも手段なのですが、キャブスにきてから大人しいよね。ちょっとデータ調べてみましょう。

〇ジョーダン・クラークソンの今シーズン36分換算

レイカーズ時代/キャブス時代

FGアテンプト 19.1/16.4

3P 6.0/6.2

FT 3.3/3.8

アシスト 5.0/2.7

ターンオーバー 2.7/1.8

 

なんだか普通の良い選手に変わってきています。いいのか悪いのかは知りませんが、「レブロン以外が積極的に攻めるべき」という意味ではやや悪いのかな。アイザイア・トーマスが悪すぎたからなのか。

注目はFGもFTも減ったのに3Pだけは増えていることです。果敢にインサイドへアタックしなくなり、アシストも減ったよ。これってレブロン恒例の「誰でもシューター化」にクラークソンすらもハマったのでしょうか。

まぁそんなわけで他の選手が頑張れと言われても、何すりゃいいのかわからないチームなんだよね。

 

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一方でディフェンス面では非常に良く機能しました。作戦大成功です。

〇前半のペイサーズ

6アシスト 10ターンオーバー

単にターンオーバーを促しただけでなく、トラップなのにアシストされていません。非常に良く動いていました。ペイサーズはオフェンスリバウンドが僅かに2つなのですが、ラブのディフェンスリバウンドは1つしかありません。レブロンが6つ。

だからといって「ラブはもっと頑張れよ」というのは間違いで、トラップディフェンスのためにフロアを動きまくっているのでリバウンドはとれません。まぁある意味レブロンのスタッツ稼ぎですよ。違ったスタッツ稼がせ。

ちょっと意味が分からないのはそんなラブが20分も出ていることです。プレータイム管理出来ないのかい!ケガしていたはずなのに、延々とプレーして速攻のリバウンドまで拾っている献身的なラブなのでした。

 

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◉早すぎた失速の3Q

 

〇オフェンスを変えるペイサーズ

当たり前ですがペイサーズはオフェンスを変えます。ターナーがオラディポにピックにきますが拒否します。「トラップされるのにピックに来るんじゃねーよ」って感じで3Pラインよりもかなり広くスペーシングしてボールを動かします。動いているのはボールとキャブスのディフェンスみたいな。

それは繰り返している内に少しずつフリーが生まれるわけです。少しずつね。相変わらずオラディポのミスパスからキャブスのカウンターも出ます。

それでもスクリーンをオフボールに切り替えているので、トラップされずにシュートに結びつくし、人が動いているのでオフェンスリバウンドも押し込みます。そうなってくるとディフェンスは気持ちの面で追いかけるのも苦しくなるので、オラディポやボグダノビッチが個人突破していきます。

少しずつオフェンスの問題が解決するペイサーズ。正しくはルーズになってしまうキャブスのディフェンス。まぁでも仕方ないでしょ。メチャクチャ走っているし。

 

〇オフェンスを戻すキャブス

問題があったのはキャブスのオフェンス。なんかよくわからない。なめてるとしかいえない軽いシュートが増えてきます。しかしタイムアウトで指示が出たのか、ヒルは積極的にドライブで決めていきます。ゴール下まで押し込む気持ちがあればそんなに問題はなさそうなのですが。

ちょっと良く分かりませんが、想像するに1Qと同じ方向性を目指そうとしたキャブス。それはレブロンじゃなくて全員を積極的に攻めさせようという作戦です。ヒルはドライブを決めますが、ラブは連続でボールを失います。広いスペースで仕掛けますが、単純に個人でターナーやヤングに奪われます。若いターナーの方が選手として上といえばそれまでですが、シュートも打てずにというのは非常に苦しい。

 

そしてヒルに対してコリソンがハイプレッシャーに行きます。ファールコールされるもそこを止める気持ちが非常に強くなります。ヒルにはボールを持たせず、パスした先のラブが持つと3回目のターンオーバーとなります。

さすがにそれはないぜラブ!バテるの早すぎるだろ!

 

〇ペイサーズ側から動き出す

レブロンのドライブからスミスやフッドが決めますが、変なバックビハインドパスも出してカウンターも食らいます。ボグダノビッチがレブロンに張り付いたり、ペイサーズらしいプレッシャーディフェンスが強くなっていきます

オフェンスもスピードアップしていきます。スピードアップしただけで別に確率は上がっていません。ボグダノビッチがフリースロー2本とも落としたりしてるし。とはいえ、負けている方から仕掛けるのは当然と言えば当然です。仕掛けられないチームもあったしね。

そして再びターナーによるインサイド支配によってペイサーズが得点を詰めていきます。そこはペイサーズの強みであると同時に、キャブスの弱みでありつつトラップディフェンスを優先していた内容にも関係しています。一応、トリスタン・トンプソンやジジッチがベンチに座っているけど、起用していないのだから致し方ないよね。ジョーダンがいたら?そしたらトラップ出来ないだけだよ。

 

この攻防は結局、23-12という前半57点のキャブスからは信じられないくらいのロースコアに抑えた3Qになりました。レブロンはFG1/6という低確率に。

理由が何かを決めるのは難しい3Qです。プレッシャーを強めたペイサーズにより、走る展開が増え、前半から動きまくっていたキャブスの足が止まってきた。そうともいえるし、バテるには早すぎるので、単にシュート外しすぎとも言えるし。

結局の所、頼るべきものが足りなかったキャブスのオフェンスです。でも別にペイサーズだって23点しか取れなかったから、そこまで悪くはないよ。普通に40点くらい取られることもあったでしょ。

 

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〇さすがのティロン・ルー

2年前の優勝HCはレブロンを出し続けます。FG1/6だった選手ですよ。本人の希望なら仕方ないけど。前半はレブロン抜きでもしっかりやっていたベンチメンバーのナンスとグリーンが決めていきます。グリーンのは凄いダンク。しかし、ペイサーズはターナーに続いてサボニスも&ワンで一気に3点差まで詰め寄ります。

 

今度はキャブスが突然のビックラインナップになります。レブロン、ラブ、グリーン、ナンスが並びます。狙いは不明ですが、一番小さいフッドが決めるものの、トラップに失敗してボグダノビッチに3Pを決められます。ビックラインナップにしたのに追いかけ回さないといけないトラップしてるんですけど。ちょっと意味分からないよね

そしてラブとヤングのポストを狙ってレブロンのミスパス。ビックラインナップにしたのに、ミスマッチでも何でもないところで攻めようとしているのですけど。ちょっと意味わからないよね。

オラディポのフリースローで75-75の同点になります。残りは8分半。

 

〇論理的に逆転するペイサーズ

ファールトラブルもありラインナップが元に戻ります。コーバーがなんどもルーズボールに飛び込みディフェンスで貢献していきます。ビックラインナップでは出来なかったわかりやすいハッスルです。しかし、スミスはオラディポに何一つ反応できません。1対1で簡単に抜かれるからトラップも出来ない。スモールの意味がない。

そしてオラディポのキックアウトからボグダノビッチが4点プレーを決めます。ちょっと論理的過ぎて引くレベルです。さらに速攻からボグダノビッチが3Pをヒットし、一気に84-77の7点差にします。やっと働いたシューター。

 

〇ボグダノビッチが働いたこと

でも少し伏線があります。まず試合開始直後にファールトラブルで引っ込むとレブロンの対応をしなくなりました。2Qに再び出てきたときにはレブロン以外は攻めてこないパターンになっていた上に、キャブスのトラップディフェンスによりオフェンスでも動いていません。

要は元気だったボグダノビッチ。だって第1戦とかレブロン止めるので疲弊していたでしょ。

もうひとつはこの数回のディフェンスでスイッチから管理人待望のレブロンvsヤングになっていました。ヤングは止めるよ。怖いのはスピード負けすることだけですが、レブロンが疲れているのでそれも発生しません。ヤングが3回のディフェンスでことごとくレブロンを止め、速攻に繋げました。それって尚更ボグダノビッチ元気じゃん。

 

〇破壊していくレブロン

ヤングは嫌なのでサボニス相手に3Pを連続で決めるレブロン。クラッチに強いぜ!(ドライブ出来なくなっているよという面があるのは内緒)

そして復活するトラップディフェンスですが、ヤングがオフェンスリバウンドをとります。繰り返すけどジョーダンがいたらリバウンドはとれてもそもそもトラップ出来ないよ。しかし、リバウンドをとって3回やり直してもフィニッシュが出来なかったペイサーズなので残り3分半で84-83と1点差まで縮まります。

レブロンに破壊されてしまいそうなペイサーズの論理的戦略

 

終盤になって支配力を取り戻し始めたレブロン。結局後半は全く休まずに出続けました。

〇レブロン・ジェームズ

前半 13点

後半開始~残り5分 5点

残り5分~試合終了 10点

そんなわけで後半は完全にストップしていたレブロンのアタックが復活したことでキャブスは息を吹き返します。あといつも通り、レブロンのファールはコールされない状態になっていきます。サボニスは可哀想なくらい1人で被害を受けてました。

 

〇守れないスミス

ラインナップを変えていたキャブスはクラークソン、フッド、スミスにレブロンとラブで終盤に突入します。このとき、スミスが守れないからオラディポの担当はフッドに変えました。ルーズボールを制していたコーバーでなくスミスを残す判断です。

しかし、そうするとスミスにマークされたボグダノビッチがドライブに3Pにと大活躍します。うん、さすがに決めすぎなボグダノビッチではありますが、それはレブロンも同じ。違うのはマークのスミスがスピードで抜かれるなど全く守れないこと。だから確率が高くなってもおかしくありません

かといってオフェンスでもシュートを決められなかったスミス。残り1分で91-84と7点差に広がるのでした。スミスを信用したがるのはナイトだからかな。

 

〇残り1分の攻防

ラブからレブロンのパスをヤングがカットしますが、奪いきれないと苦しい中で放ったレブロンの3Pが決まります。2点とられても3点を防ぐべきだったヤング。ちょっと決めすぎなキング。残り38秒で4点差

オラディポがボールをもつとキャブスは再びトラップします。ボールは奪われないもののシュートチャンスは作れず24秒を使い切ったペイサーズ。ここでファールゲームの選択をしなかったキャブス。どっちが正しかったかは難しい。残り14秒

ボールを持ったレブロンの3Pは外れますが、ラブがリバウンドを抑えてコーナーまで行き3Pを決めます。こちらも勝負強い!残り7.6秒残ったのでファールゲームする時間が残りました。1点差。

 

ペイサーズはこの前のオフェンスでタイムアウトを使っています。正直必要なかった気がします。キャブスはスローインを守り切ればマイボールに出来る状況でした。グリーンにスクリーンをかけるターナー。ターナーのマークはレブロンですがスイッチする気持ちはゼロです。

無事にコリソンのフリースローになりますが2本目をミス。リバウンドをとったスミスが自分で運び3Pを打ちますが外れペイサーズが逃げ切りました。

 

〇ラストプレーを確認

ちょっとラストプレーに問題があったので触れておきます。

コリソンのフリースローの時点でレブロンはリバウンドに入らずペイサーズのリング付近で待っています。いつものラブによるタッチダウンパス狙いです。その意味ではコリソンのフリースローが外れたのはアンラッキーでした。

しかし、2点でも追いつく状況なのでリバウンドをとったスミスには、いくつか選択肢がありました。レブロン目がけて投げること、そして走ってコーナー側でフリーになったクラークソンへのパス、同じくリバウンドから少し遅れて走った故にフリーだったラブへのパスです。

まぁ間違っていたとは言えません。難しいし。でもスミスだったのかは大きな謎です。だってこんな状況じゃなくてもパスの判断してない選手じゃん。ちなみに試合前のインタビューでヒルは「自分の役割はまだ知らない」と言い放ったそうな。

 

オラディポだけでなく、ボグダノビッチにも抜かれまくったJRスミス。ベンチに座っていたヒル。「オレ達はオフェンスのチームだぜ」と言い切ったと言えば良いのかな。正直、その辺は取捨選択の世界なのでわかりません。とりあえず結果としては大失敗だったというだけです。

 

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◉第3戦ということ

 

結構面白いやりとりはありました。さすがに第3戦という感じです。ちょっと第2戦観ておけば良かったかな、という部分もあります。

~ペイサーズのディフェンス戦略~

①ペイサーズはレブロン孤立作戦を継続し成功しました。しかし、46点の脅威があったので収縮してしまい、得点されていくシーンが増えて大量リードを許した前半。後半は再徹底し、個人個人の勝負という形で終盤のレブロン以外を止めたことで成功しました。

②キャブスはペイサーズの狙いを外すためにヒルとラブが個人アタックしていき成功。後半もヒルは成功するもハイプレッシャーを受けたこともあり出番が減ります。ラブは後半は完璧に止められました。

③後半はボグダノビッチに加えてヤングによるレブロンストップも成功しますが、終盤になるとレブロンに負けそうになった。

 

~キャブスのディフェンス戦略~

④オラディポへの対抗策としてトラップディフェンスを徹底しました。第1戦は攻略されると直ぐに辞めたがこの試合は最後まで徹底し、オラディポをFG5/15に抑え成功しました

⑤オラディポ自体は止めるものの、後半はヤングに4つのオフェンスリバウンドを許し、ラブが走れなくなります。またビックラインナップでも継続したため、明確にトラップが間に合わなくなり、その時間に一気に逆転を許しました。

⑥最終的にはトラップされたオラディポからパスをもらったボグダノビッチがスミスを相手に得点を重ねてオフェンスで上回ったペイサーズでした。

 

プレビューで触れたとおり、キャブスはクラッチタイムに強いですが、ペイサーズもまた強いチームです。その強さはディフェンスなのですが、レブロンを守れなかったので実質は攻略されたと言えます。しかし逆にオフェンスで対抗出来ました。結局は昨季のファイナル同様に、走り負けたキャブスではありますが、その理由が自分達のトラップディフェンスにあります。動けなくなったラブは後半は最後の3Pしか決められませんでした。

でもトラップ自体は成功しています。だから何とも言えません。キャブスの戦略は悪くなかったです。選手起用は疑問符だけど。

 

そしてそんな中で想定外に元気だったボグダノビッチが結果を残してくれたのは、ペイサーズには誤算の中にあった嬉しさです。これが第4戦にどう繋がるかは興味深いものがあります。

キャブスのトラップディフェンスは成功していた。でもその結果としてフリーになる機会が多く、しかも予定外に元気だったボグダノビッチが活躍した。

ボグダノビッチのファールトラブルがなかったら、果たして30点奪えたのか?

 

極めてラッキーだったといえるペイサーズの勝利だったりします。それは管理人が推していた理由の10人ローテで戦うチームの真骨頂が発揮されたとも言えます。第1戦がFG5/17と酷かった代わりにレブロンを抑えました。この試合ではレブロンを抑える時間が短くなった代わりに30点です。

マクミランHCがトラップディフェンスに対する答えを「ボグダノビッチのシュート」に設定したら第4戦はキャブスが持って行くはずです。コリソンとジョセフが目立っていなかったのでトラップへの対応は絶対に必要です。

キャブスがトラップで体力を奪われて倒れるのか、それともペイサーズが答えを間違えて倒れるのか?そんな勝負になるかもしれません。

 

 

 

 

20180421 ペイサーズvsキャブス 第3戦” への8件のフィードバック

  1. JCはレブロン効果というより、CLEで遠慮がちになってる気がします
    このシリーズではシューターとしてもワイドオープンが全然入ってないので厳しいところ
    Q3のオフェンス停滞が痛すぎましたね、レブロンがアイソで決められない日だったのに何故あそこまでアイソに固執したのか
    ナンスがスクリーンかけにいくだけでも違うのに、カルデロン使うだけでも違うのに
    管理人さんはCLEはどういう対策を講じるべきだと思いますか?
    僕的にはTTを使うのも策なのかなって
    先発PGに役割が分からないって言われるHCってどうなんですかね
    疲れもあるでしょうけど、レブロンからも覇気を感じませんし、次負けたらそのままシリーズ持ってかれそうです
    JC、フッド、JR、誰でもいいから爆発してくれないかな、、、

    1. クラークソンがシューターと書きましたが、そもそもシューターとしては確率悪いですからね。もっと自分勝手で酷いのが特徴なので、やらせるならその形にしないと本人には苦しいと思います。

      ヒルやカルデロンにボール持たせて、オフボールスクリーンでレブロンを空けていくのが最も簡単ですが、全くやりませんね。ゴール下でコーバーがレブロンにスクリーンかけ、自分は3Pラインまで上がってくるだけで、シンプルに打てるはずなのですが。

      そんなパターンを辞めていったのは、トリスタン・トンプソンが復帰した頃なのですが、そこまで拘ったトンプソンを今度は起用しないわけで理解出来ません。

      まぁ守備にエネルギー使う時点でダメな気がします。リーグ最低のディフェンス力なのだから攻めないと仕方ないかと。

  2. 正直、キャブスのディフェンス戦術は完全に当たっていて、前半終了時にはさすがは3年連続ファイナルに行っているチームのスタッフだと感心していたのですが、3Qでキャブスがレブロンアタックを始めなかったのは正直意味不明でした。あそこで畳み掛けられていたらペイサーズには勝ち目なかったでしょう。
    この先のプレーオフの勝ち上がりを見据えれば、ずっとレブロンアタックに頼り続けることができないと思ってやっている……のかはわかりませんが、切るべき時に手札を切らずに負けていれば世話ないですよね。1Qでなまじ上手く行っていたように見えただけに、続けたかった心情もわからないではないです。ただ、フレッシュな第1Qで上手く行っていたことが、3Qで同じようにうまくいくわけがないということですね。それは走り勝つというコンセプトのペイサーズの術中とも言えます(ファンなので好意的に解釈します)。

    キャブスのトラップディフェンスへの対応は、マクミランはちゃんとしてくると思います。今シーズンずっと一貫した戦略を貫いたのを見ても我慢強い人ですし、現役時代はペイトンと同等のディフェンスをするPGとしてならした人ですから、策もあることでしょう。

    正直なところ、ペイサーズが1回戦で当たる相手としては最適だったかもしれないのが今シーズンのキャブスなので、ここまで流れがきているのならば、ダニー・グレンジャー、ポール・ジョージとエースプレイヤーが変わってもずっとレブロンに行く手を阻まれていたペイサーズが勝利を掴んで溜飲を少し下げたいものです。

    1. あのトラップに頻繁に引っかかってしまうのは、どうかと思いますが、一方で走らせたのが後半の逆転に繋がりました。4Q終盤に得点したレブロンですが、ドライブは出来ていないですからね。本当に疲労だと思いますよ。

      本文の通り、その逆でボグダノビッチは元気でしたから、ペイサーズらしい勝ち方だったと思います。

      コリソンとジョセフが消えていたのは、トラップに対してオラディポに持たせたせいなんですよね。そこをどう捉えていたのか?
      マクミランは一貫しているというか、頑固過ぎるというか、まぁ何れにしてもペイサーズは展開に左右されずこのまま戦い、チャンスを得たらラッシュするのが持ち味です。変にジタバタしないのが好結果に繋がっているので、路線継続は正しいでしょうね。

    1. 一応、試合の準備としてはしっかりしていましたよ。トラップディフェンスは効いていましたし。
      そして効いていたからこそ、意味が分からない交代が多いというか・・・。

      1. オラディポをシャットダウン出来た1stハーフ、選手起用と修正に失敗した2ndハーフ
        2ndハーフでルーはやっぱ無能だなって思っちゃいました
        1stハーフが完璧の出来だっただけにこの敗戦は痛い
        ヒルが背中の痛みで明日出れるかどうか分からないようです
        ヒルが出れないとなるとかなりの苦戦を強いられそうですね
        ラブの親指が大丈夫そうなのが不幸中の幸い

        1. ヒルが出られなくて、カルデロンが活躍したら、再びルーを叩こうと思います!

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